御伽学園戦闘病   作:はんペソ。

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第五十一話

御伽学園戦闘病

第五十一話「も」

 

「何が起こった!?」

 

「私はあなたを殺してしまっても責任を取る覚悟があります。あなたも覚悟をしておいた方が良いですよ…過去の事例から見て恐らく…」

 

そう言いながら(ヨウ)は髪の毛を一本抜き、流に向かって投げた。髪の毛はそよ風に乗り流の近くまで飛ぶ。流は何が起こるのか警戒しながら身構えていた。

陽が指を鳴らす。その瞬間毛が火花を散らし大きな音を立てながら爆発した。流は一瞬の判断で顔の前に腕を動かしたので大怪我はせず、少しの火傷程度で済んだ。

 

「やっぱそうですね、私の覚醒能力は『体を爆発させる』。これならあなたも殺せる」

 

「覚醒…?何をいってるんだ?」

 

「流先輩には関係無い話ですよ」

 

そう言いながら今度は髪の毛を五本抜き流との距離を詰める為向かって来る。流は五回もあの爆発をくらったらヤバいと思い、インストキラーを撃とうとする。

だがインストキラーは元から低めの霊力を大量に使う。その上陽は覚醒からか霊力が回復、いや通常時より多くなっている。どうやっても流に反動が来るだけで意味はないだろう。自分から反動を受けに行き、あの暴走状態に持ち込むにも初戦でやるにはリスクが大きすぎる、流はその事も考えインストキラーは止めて後ろに下がることにした。

だが陽は逃がさまいと髪を一本飛ばした。その髪は綺麗に流の後方まで移動する。すぐさま指を鳴らし爆発させた。流は間一髪で右側にローリング回避を行う事で被害を被る事は無かった。

 

「先輩、よく見てから動きましょうよ」

 

そう言って流が動く先の方へと指を差した。流はまさかと思いながらその場所を見る。するとそこには一本の黄色い髪がふよふよと浮遊していた。陽は笑いながら指を鳴らす、流は咄嗟の事だったので避ける事が出来ずもろに爆発をくらった。

衝撃に当てられ吹っ飛び、仰向けになって倒れた。

空を仰ぐ流、爆発は胸部に当たり心臓に大きい衝撃を受けることなった。息が苦しく体に力が入らない、だが立たなくては負ける。そう思いはするが体は言うことを聞かない。

どうにかして体を起こせないか模索していると視界に陽が入ってくる。陽はニコッと笑ってから十本程度の髪を流の全身にくまなく置き、離れる。爆破するつもりだ、本当に死んでしまうそう思った時には遅かった。

 

「私の勝ちです」

 

鳴った。流の体に置かれた十本の髪は同時に爆発する。陽は万が一のため油断はせず煙が消えるまで戦闘体勢を崩さなかった。

そして煙は数秒で失せる、陽は安堵した。流は血を流し体の隅々が抉れ悲惨な事になっていた。陽は力を抜き、ヒントがどう与えられるのか考えつつドームから出ようと流に背を向け歩き始めた。

すると後方から鳥の鳴き声が聞こえた。すぐに振り向くと目の前まで飛んできているスズメのクチバシが首に突き刺さった。

 

「後輩、よく見てから動こうよ」

 

妖術(ようじゅつ)旋甲(せんかん)

 

スペラはクチバシを抜き流がいる方に飛んでいったかと思うとUターンして再び陽の喉に向かって加速した、元から速いスペラが加速し目では追えない程の速さになっている。当然避ける事が出来ず更に勢いがついたせいで陽の喉には穴が空いた。

穴なんてものができたらまともに息が出来なくなる。流はボロボロの体を無理にでも動かして陽の方へと歩き始める。それを見た陽はすぐに髪の毛を抜き前方に散らし爆発させる。だが流は爆発を受けながらも力を振り絞りながら走って近付く。

陽は焦りながらポケットからカッターを取り出した、流はそれで攻撃するのかと思い対応できる体勢に入る。だが陽はそのカッターを使って左手の人差し指と中指を切断し、流に向かって投げつけた。

 

「死ね!」

 

叫びながら血まみれの右手の指を鳴らす。すると髪の毛とは比にならない程大きい爆発が二度起こった、陽はこれで倒せなかったら負けだと腹を括り結末を待った。

悲しいものだ、自分の体を潰してでも友を救おうと戦った少女は勝つ事が出来なかった。

煙の中から流が飛び出してくる。そのまま陽の顔を力強く掴み"何か"に語りかける。

 

「力を貸せ守護霊!」

 

その瞬間流の霊力は通常時の数倍へと跳ね上がった、その霊力をふんだんに使用して発すると途轍もない力を発揮する事だろう。

 

 

さぁぶつけなさい

 

 

『インストキラー』

 

陽は血を吹き出しながら目を閉じた。流は陽から手を放し上空を見ながら女に向かって早く回復するよう促す。すると陽は何処かに転送され姿を消した。そして同時に女の声が聞こえて来る。

 

『はいはーいお疲れ様ー。とりあえず指とかも回復させておくねー。じゃあヒントを与えましょう。ヒントは全部文字のなのでそれを集めて私がいる場所を見つけ出そう!それじゃあ聞き逃さないでねーヒントは[も]だよ!それじゃばいばーい』

 

女の声は途絶えた。流は息を整えてからぬるくなって少なくなったオアシスの水を掬い上げて飲み干し、何処か休憩できる場所を探す為再び砂の大地に歩を刻み始めた。

 

 

佐須 (サス ヨウ)

能力/念能力

自由自在に熱を発生させる

強さ/TISの(ジョウ)並み

 

第五十一話「も」

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