御伽学園戦闘病   作:はんペソ。

87 / 147
第八十七話

御伽学園戦闘病

第八十七話「第八陣」

 

回復が終わり佐須間とほぼ同時タイミングで部屋に戻ったところで第八陣の三人が画面内に映し出された、第八陣は[目雲 蓮][駕砕 拳][駕砕 真澄]だ。三人は少しだけ話し合う、拳しか戦闘役がいなくて二人はサポート系なのだから仕方がないだろう。一分程作戦を練っってから戦闘体勢に入る。拳は最初は30%の力を出して戦う。

 

「行くぞ!」

 

拳のその声と同時に戦闘が始まった。拳は近づいて殴ろうとする、今まで通り触手で来ると拳以外は思っていたがエンマは何故か生身で戦うようだ。拳は触手を動かす時には植物に宿っている程度の霊力が発生していることを気づいていた、そして今回はその霊力の反応がなかったので生身で来るだろうと思い肉弾戦を仕掛けたのだ。

 

「蓮!今よ!」

 

真澄がそう言うと蓮はすぐに能力を発動して付近にいた微生物と交換していた視界をエンマと交換した。その瞬間エンマの視界は真っ暗になり何も見えなくなる、エンマは視覚を奪われた状態で拳と戦わなければならないはずだが妙に楽しそうだ。だがその楽しさをぶち壊すように真澄が能力を発動した、エンマは真澄の威圧ぐらいなら多少動揺はしても動けなくなったりはしないだろうと思っていた。だがその油断を突くように物凄い圧をエンマは感じる、そしてあのエンマでさえその恐怖の対象がどこにいるかを模索する。

そんなことをしているエンマを見逃すわけもなく拳(ケン)は拳(こぶし)を一発ぶち込んだ。エンマは崖付近まで吹っ飛んだ、すぐに距離を詰めようとするがエンマは立ち上がる。

 

「拳!」

 

真澄の声を聞くとすぐに足をとめ様子を見る、エンマは立ち上がるとニヤける。そして気分が良さそうに口を開く。

 

「そう言うことか。視界を奪われると普段より刺激に過敏に反応する、それを利用したのか。でも仕掛けが分かっちゃえば何も怖くはない、だが君達みたいな子供相手には手加減するのが大人ってもんだよな」

 

そう言って対策はせずに重い体で拳に近づくため走り出す、拳も対抗するように走り出して両者スレスレのところで動く。拳はお得のパンチを胸部に、エンマは蹴りを顔に入れようとする。だがそんな簡単に競りをさせるわけがない、エンマの体が一気に重くなり冷や汗が溢れ出す。そして動きが止まってしまったので拳に吹っ飛ばされた。

 

「私だって日々進化してるの、緩急ぐらいつけれるわ」

 

「このチームはランダムで決めたんだけどなぁ…結構厄介だけど面白い!」

 

エンマは折れることもなくむしろ楽しんでいる。真澄が緩急をつけてくれるおがけで度々攻撃のチャンスが巡ってくる、拳もチャンスを逃さず的確に急所に攻撃をするという最高のコンビネーションを見せつけていた。ただその状態がずっと続くわけはない、殴り合う内に次第に楽しくなってきていた。拳は無自覚に70%まで力を出ている。

ここまでパワーがあるとただ殴るだけでも相当の風が発生する、だが二人は気にせず滅多に出会えない強者との戦いをただ楽しむ。

だがテレビを見ている者たちは緊張していた、何故なら一発でも大きなのをくらえば終わってしまう可能性があるからだ。こんな肉弾戦見たことがなかった、参考になるからもっと見せてほしかったのだ。あの佐須間でさえも同じ感情で言葉一つ発さずにテレビを眺めている。

 

「オラァ!!!」

 

エンマが後方二人が何か変な行動をしていないか確認した少しの隙を逃さず胸部を殴る。エンマは嫌な鈍い音を立てながら吹っ飛んだ。エンマはあまりにも強い衝撃からかそこまで多くはないが血を吐いた、だが拳と戦う者ならば二回に一回はある出来事なので何も気にしない。

 

「さてそろそろ終わりにしようか」

 

こうも膠着状態が続くと飽きてくる、エンマはもう終わらせるためある行動を取った。エンマは目を閉じ瞼の部分に別の目を生成した、これで蓮の術からは逃れることができるし目も見える。エンマは万全の状態で拳を迎え撃つことにした、だったらと拳は最大出力へと切り替える。そして本気の殴り合いが始まった。

あまりの迫力に部屋にいる者たちは手に汗を握る、蓮と真澄は巻き込まれないように距離を取った。一方拳とエンマは熾烈な争いを繰り返す。するとエンマが転びそうになる、拳はここで決めようと本気の力で殴りかかった。だがこれは罠だったのだ、エンマは横にフラット避けてからガラ空きの拳の顔面を殴った。拳はフラフラとして倒れそうになるが体勢を即座に立て直し最大限のお返しをする。そして寝る前に脳内で組み立てていた技をぶっつけ本番で実行する

 

「天地返し」

 

そう叫びながらエンマが立っている付近の土を物凄い力で殴った。するとエンマが立っている場所も含んだ土が舞い上がり大人二人分ほどの穴になる、エンマはすぐに抜け出そうとするがそれも対策するのがこの技だ。拳は雄叫びを上げながら今までと比べ物にならない力で舞い上がった土を叩きつける。そしてコンマ数秒で土が元の状態に戻った、だがこれだけでは終わらずに地面を更に叩く、叩く、叩きまくる。

中にいるエンマは単純な痛みと呼吸のしずらさ、そして情報が得ることの出来ない状態に陥った。だがエンマは薄く笑いを浮かべながら動かない拳に力をいれ土をぶん殴った。すると土は再び舞う、そして穴からエンマがジャンプして出てきて拳のうなじに踵落としをくらわせた。

 

「クソォ…」

 

拳は悔しそうに意識を失った。エンマが残りの二人も倒そうと二人の方を向くと真澄が呆れた様子で降参だと伝える、流石に今の状態のエンマにはまぐれは通用しないと言う。エンマはそれもいい判断だと言ってからフェリアの方を向く、フェリアはエンマの勝ちを宣言した。

その瞬間拳だけが中立陣部屋に転送された、残った二人は自分で帰るよう促されたので自分の足で部屋に戻ることにした。エンマは回復をする気は無いようでいつ第八陣の子が来るか楽しみにしている、そして三人が家の中に入ってから一分程度経ったところで第八陣の三人が姿を現した。

 

「が、頑張りましょう!」

 

「おう」

 

「よろしくね」

 

[高田 漆][葛木 須野昌][浜北 美久]、この三人だ

 

 

第八十七話「第八陣」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。