ミリシアル最終聖戦記 作:NO SIGNAL…
1672年
中央歴1659年1月1日
神話の時代に、他種族とは隔絶した圧倒的な魔力と技術力で世界を支配した国家“大ラヴァーナル帝国”が1万年の時を超えて復活した。
復活した場所はミリシエント大陸北の海域。
神のイタズラなのか同大陸にラヴァーナルが支配するラティストア大陸と陸続きになったてしまった。
ラヴァーナルは転移してから1週間後に、世界征服を達成するためミリシエント大陸に侵攻を開始。
大陸間戦争が勃発する。
復活する1カ月前から侵攻軍の編成、兵站体制の構築、軍務省参謀部による綿密な計画立案、机上演習と大規模な軍事演習もしていた事もあり侵攻は順調に進んでいた。
侵攻軍はミリシエント大陸の陸海空のありとあらゆる場所を縦横無尽に駆ける。
ミリシエント大陸の国家群は迎え撃とうとするが、ラヴァーナルの先進的な魔導兵器と戦術を前に為す術もなく蹂躙された。
破壊と絶望をもたらす光翼の軍隊は僅か2週間足らずで、ミリシエント大陸の大半を制圧し掌握した占領地には帝国管理管区が置かれた。
ラヴァーナルに降伏した国家は、王族などの首脳部は即日処刑され、国民は病気持ちの高齢者から産まれたての赤子まで性別種族身分関係なく、容赦なしに奴隷若しくは虐殺された。
生き残った国民は抵抗軍を組織し列強の神聖ミリシアル帝国やエモール王国に逃げ込み抵抗を続けた。
この時、ミリシエント大陸に残る国家は列強の、神聖ミリシアル帝国とエモール王国のみであった。
中央歴1659年2月4日
ラヴァーナル帝国は、インフィドグラーンとの間で起きた竜魔戦争での戦訓を活かし、その後継国家であるエモールに対する先制コア魔法攻撃を実施。
エモール王国全土を目標に50発に及ぶコア魔法を搭載した弾道魔光弾を発射した。
エモールはなす術もなくコア魔法で国土の全てを焼き付くされ、生き残ったエモール王国の竜人族は、かつてのインフィドグラーンの時のように散り散りとなり滅亡した。
残るミリシエント大陸の国家は神聖ミリシアル帝国のみとなった。
中央歴1659年2月11日
ラヴァーナルは遂にミリシアルへ侵攻を開始。
ミリシアルは自国製兵器に加えラヴァーナルと同程度の能力を持つ日本製兵器で損害を与えるが、数的優位を覆すことも無く蹂躙されていく。
ラヴァーナルは侵攻して初めて損害を被ったと言う衝撃を受け、ミリシアルに対する攻撃は苛烈さを増すことになる。
中央歴1659年3月1日
侵攻軍はついにミリシアルの首都ルーンポリスに到達。
ミリシアルもこれが最後の戦いになるとし、戦線から撤退した方面軍や部隊を帝都防衛総軍に組み込み、帝都臣民で組織された民兵“帝都臣民軍”が頑強に抵抗し、後にルーンポリス決戦と呼ばれるこの戦いには、延べ1000万人のミリシアル臣民がこの戦いで散ることになる。
両軍は熾烈な攻防を繰り広げ、ミリシアルはゲリラ戦や市街地戦でラヴァーナルに損害を与え、ミリシアルもラヴァーナル以上の損害を出した。
それでもラヴァーナルの侵攻は止めることはできず、要塞化されたミリシアル8世の居城アルビオン城が陥落し、ミリシアル8世含む首脳部は、ラヴァーナル兵を道ずれに爆裂魔法で自爆した。
廃墟同然のアルビオン城にはラヴァーナルの光翼旗が掲げられ神聖ミリシアル帝国は滅亡した。
生き残ったミリシアル軍やミリシアル臣民は、ミリシアル帝国各地に散り散りとなり、抵抗軍を組織し地下や森林に潜伏し抵抗し続けていた。
中央歴1659年3月21日
ラヴァーナルはミリシエント大陸に僅かな兵を残し、ミリシエント大陸外へ侵攻を開始。
日本、ムー、グラ・バルカス帝国などが加盟する国家独立維持連合がミリシエント大陸を囲むように包囲する絶対防衛線を制定し各国艦隊と空軍部隊が集結。
ここに、ミリシエント大陸沖海戦が勃発し、連合国軍はラヴァーナル侵攻部隊を撤退させることに成功した。
ラヴァーナルは予想外の敵対勢力による、この結果を受けコア魔法搭載弾道魔光弾による短期決戦で挑む事になる。
弾道魔光弾が50発発射され、そのうち3発が日本の京都と新潟、ムーのイワハ諸島に着弾し壊滅的被害を与える。
ラヴァーナルはコア魔法による攻撃で戦意を喪失させ降伏させる事を想定していたが、連合国軍も核による報復攻撃を開始。
予想外の報復攻撃にラヴァーナルは迎撃するが、帝国本土に5発着弾し甚大な被害を出す。
中央歴1659年4月10日
ラヴァーナル政府上層部はこの結果を受け帝国内の混乱やミリシエント大陸での抵抗活動を抑えるため、連合国に対して休戦を求め、連合国も現状の軍備では防戦が限界で攻勢に出るのは不可能だったため、休戦条約を締結。
連合軍とラヴァーナルは、1.これ以上の侵略行為は行わない事、2.ミリシエント大陸全土の領有を認める事を条件に合意し、4カ月続いた戦争は一旦集結。
この戦争で双方合わせて2億人の軍民が死亡した。
しかし、ラヴァーナルは世界征服には諦めていなかった。
臣民の混乱、獲得できたミリシエント大陸の完全制圧、管理官区の安定、軍備増強が完了すれば何時でも戦争できるようにしていた。
一方の連合国軍も、半ばミリシエント大陸を生贄にラヴァーナルに捧げたが、ミリシエント大陸の奪還を目指し、列強や大国は軍備増強を図り、中小国は国家や軍の近代化や経済成長を推し進めていた。
時は流れ中央暦1672年
世界に目を向ければ、ラヴァーナルでは死期が近づく現皇帝の後継に、現皇帝の意志を引き継ぐ皇弟派と世界との融和路線を築こうとする皇太子派との間で政治闘争が勃発していた。
国家独立維持連合でも、再開するであろうラヴァーナルとの戦争に関して、ミリシエント大陸の奪還に積極的な日本を中心とする開戦派と、ミリシエント大陸奪還に消極的なグラ・バルカス帝国を中心とする非戦派が対立する冷戦を展開。日本を盟主とする大東洋条約機構とグラ・バルカス帝国を盟主とするラニアケア共栄圏が設立し、それぞれの大国は目に見えぬ謀略戦を繰り広げていた。
ラヴァーナル復活を支援していたアニュンリール共和国は、世界から孤立しラヴァーナルからは冷たくあしらわれ迫害されている事を機に強力な鎖国体制を敷き、ラヴァーナルに攻め込むため軍備増強を推し進めていた。
ミリシエント大陸の旧ミリシアル領では、生き残った臣民によって組織された抵抗軍はラヴァーナルに対する考えが食い違い、武器と思想を持ち軍閥に分裂し軍閥間での内戦が勃発した。
古びた魔信記録媒体…