ミリシアル最終聖戦記   作:NO SIGNAL…

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歴史の転換期

1674年1月7日、神聖ミリシアル連盟は統一戦争でミリシアル中央地方を統一した事を、世界に宣言した。

 

中央ミリシアル暫定統治機構に国名を変え、暫定的な領域支配であることを強調し、後に旧ミリシアル領全土を統一する正統な神聖ミリシアル帝国の後継者であると主張した。

 

この宣言は、連盟の魔信局から発信され、魔信を傍受したムー大陸やフィルアデス大陸の国家から、世界中へと根を張るように、新聞などの文字媒体をはじめ、魔法国家では音響魔信や受像魔信で、ムーやグラ・バルカスは液晶テレビやプラズマテレビで、日本はパソコンやスマホで、多くの人々が知る事となった。

 

ラヴァーナルへの憎悪を歯車とする国家を、世界の人々は不安な表情で見守っているが、一部の国家は情勢変化に対応するため、積極的な方針転換をはじめている。

 

オルスクから世界が変わる瞬間だった。

 

 


 

 

中央ミリシアル地方上空

 

ラヴァーナルの脅威が去り静かな空を取り戻したミリシアルの空に、魔導艦を空に浮かばせたような物体が飛行していた。

20cm3連装魔導砲を前部に3基と後部に2基の配置となっており、海上での航行と空での飛行を両用を可能としていた。

所属不明の飛行魔導艦は、スクランブルで上がった中央ミリシアル暫定統治政府空軍のオスカーに、同軍のリネス空軍基地へ誘導された。

 

 


 

 

1674年1月18日

バネタ州

リネス空軍基地

 

中央ミリシアル暫定統治機構の下、州として復帰したバネタ州のリネス空軍基地。

地上に堂々と構えており、基地建設のため滑走路以外の施設は仮設となっている。

 

基地内に、暫定統治政府のクレイハムとメリマキサが、同基地司令の中将と歩いていた。

 

「間違いないんだな?」

 

「はい、相手は確かにそう言ってました」

 

メリマキサの問いに、同基地司令が間違いないと断言した。

 

「客はどこに待たせている?」

 

「基地仮設本庁舎の応接室です」

 

駐機場に係留している飛空艦を横目に、クレイハム達は仮設本庁舎に入って行った。

 

「所属不明の飛空艦が“帝政セレネア”...黒月族の末裔の国家にして、この世界の裏側の地域を支配する列強だなんて」

 

クレイハムが口にした黒月族は、ラヴァーナル帝国が転移する前の時代に、かつて存在した民族の事だ。

光翼人と同等の魔力と独自の魔法技術を持ち、ラヴァーナルと激しく対立していた。

ラヴァーナルと黒月族との間で勃発した“黒魔大戦”で、ラヴァーナルの圧倒的な軍事力によって、当時の黒月族の総人口2000万人内の1200万人が死亡し600万人が奴隷にされた。

民族としての誇りと完全な消滅を免れようと、黒月族200万人の大移動の後に完全な消息を絶ったと神話で伝承されている。

帝政セレネアは、黒月族が大移動に成功し見つけた安寧の地で、国家を築いた列強だ。

 

「現在基地内は厳戒態勢を敷いており、2000kg徹甲爆弾を搭載したシズラー5機が空中待機しています。向こうが攻撃する素振りを見せれば即座に反撃可能です」

 

「伝承が正しければ、黒月族の民族性は残忍で、民族の為なら他種族の犠牲を厭わない。警戒すべき連中に変わりはない」

 

クレイハムとメリマキサは、緊張した面持ちでいた。

 





 
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