ミリシアル最終聖戦記   作:NO SIGNAL…

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中央ミリシアルとミリシアル解放戦線との戦いは長くなったので3話構成になっています


東ミリシアル再編戦争

1674年11月3日

ミリシアル解放戦線

旧ルーントルファ州西部国境沿い

 

中央ミリシアル暫定統治機構による攻勢の予兆ありという情報を受け、旧ルーントルファ州西部国境沿いに軍が集結していた。

 

「中央ミリシアルが攻勢に出るって言って軍を集結したのに、向こうの国境には人っ子一人もいねぇじゃねぇかよ」

 

警戒していた兵士が愚痴をこぼしていた。

 

「早とちりじゃなかったのか?実は侵攻は1ヶ月先だったとか」

 

「違いねぇな。その頃には戦車部隊や増援の歩兵部隊が集結してる頃だから、返り討ちにはできるかもしれん」

 

集結している解放戦線軍は、兵站体制が不十分だったことや、戦車などの重装甲車両は速度が遅い事もあり、即応展開が可能だった2個自動車化歩兵連隊2600人が戦力である。

だが、彼らの後方には3個機甲師団と歩兵50万の大部隊が、西部国境沿いに向けて進撃中である。

 

「本隊が着くまで待つとするk...ん?」

 

言い終わる前に異変に気付き空の方に目を向ける。

 

「どうした?」

 

「向こうの空に黒い点があるんだが、こっちに近づいてる気がするんだ」

 

「おい、対空警戒車から国籍不明機が近づいてる報告が来てるぞ」

 

「中央ミリシアルか!?すぐに司令部に知らせろ!」

 

兵士は手にしていた双眼鏡で、黒い点の正体を探ろうとしていた。

 

「天の浮舟だ!大きさからして中型輸送型!数は10!待て、それの倍の奴もいるぞ!」

 

「輸送型だって?こんな整地されてない所に降り立t…まさか」

 

「空挺兵の降下を確認!」

 

「やはりか!」

 


 

1674年11月3日、中央ミリシアル暫定統治機構とミリシアル解放戦線との間で戦争が勃発した。

 

最初に動いたのは中央ミリシアル暫定統治機構で、東部国境方面に向けて戦術輸送型天の浮舟“カンディッド”10機と、セレネアから供与された重量物輸送型天の浮舟“フォルクロウ”4機が飛来。

東部国境沿いに差し掛かり、カンディッドから統一戦争司令官直属の1個独立中隊と降下猟兵軍1個大隊が降下。

降下猟兵は白色のパラシュートで HALO(高高度降下低高度開傘)降下し、装甲車や自走砲はパレットに載せられた状態で投下され、パラシュートと逆噴射用の魔導ロケットで着陸し、フォルクロウは超低空・低速で搭載していた重戦車オグレスを投下していった。

独立中隊は、カンディッドから降下した後に、装備している“ある物”を起動させ飛行を開始した。

 

独立中隊の名は、第1魔力強化高機動中隊。

クレイハム統一戦争司令官直属の第1独立戦闘団隷下の部隊であり、エレニウム計画によって開発されて携帯型魔力増幅機を装備している。

魔力強化兵は74型携帯魔力増幅機によって魔力を増幅し、反重力飛行魔法を展開し敵地に侵入。

 

敵部隊は、反重力飛行魔法で侵入してきた魔力強化兵に混乱しながらも、小銃、機関銃、車載魔光砲で迎撃を開始。

しかし、高度4000mを時速400kmで三次元的な飛行をしている上、敵部隊は満足した対空装備を持っていない事もあり、無意味に終わっていた。

 

魔力強化兵は、バラニカフ7.5mm突撃小銃やテトラスタ7.5mm軽機関銃で、敵部隊が展開している地上に向けて掃射を開始。

光弾は敵兵士の体を貫き臓物を破壊し、天幕や装甲が施されてないトラックや小型軍用車を蜂の巣にし、魔力強化兵は地上に降り立ち個人魔法も使いながら攻撃していた。

 

降下猟兵や重戦車部隊も攻撃を加えながら国境に向けて前進。

オグレスや降下猟兵が有する150mm空挺自走魔導砲や空挺歩兵戦闘車が攻撃を開始した。

オグレスの152mm魔導砲の砲撃で敵装甲車を爆散させ、150mm空挺自走魔導砲の砲撃で地面諸共兵士を耕し、空挺歩兵戦闘車の50mm光弾が、敵兵を物言わぬ挽肉へ変えていった。

 

攻撃を開始してわずか30分で、展開していた解放戦線軍部隊は中央ミリシアル軍に降伏した。

この地を、東部ミリシアルへの侵攻の足がかりとし前線司令部、物資集積所などを設置しルーントルファ戦線と定めた。

 

11月5日に歩兵18万が、11月7日にアルマガⅤ600両を有する3個機甲師団が、11月10日に歩兵18万と統一戦争司令官直属の独立連隊が、同戦線に集結した。

 

11月12日、偵察型天の浮舟“トゥエンラー”が、ルーントルファ戦線に向けて進軍している敵本隊を発見。

中央ミリシアル軍は敵本隊を迎撃するため体制を整えた。

 

11月15日、迎撃戦第一段階で爆装したオスカー16機が敵本隊に対して爆撃を敢行し、この爆撃で敵戦力の4割を喪失させた。

一方、敵が対空誘導魔光弾を隠し持っていた事により攻撃を受け、オスカー7機が撃墜された。

 

11月18日、遂に敵本隊と接敵。

ここに、中央ミリシアル軍とミリシアル解放戦線軍によるルーントルファ会戦が繰り広げられた。

中央ミリシアル軍のアルマガⅤがミリシアル解放戦線軍のガンラード魔導戦車を撃破し、ガンラードが搭載する2門の30mm魔光砲がアルマガⅤのキャタピラや車外装備を破壊し、オグレス重戦車が敵機甲部隊の側面に周り込み奇襲を仕掛けていった。

敵歩兵部隊は分散しながら中央ミリシアル軍へ攻撃を仕掛けようとし、中央ミリシアル軍の歩兵部隊がそれに対処しようと展開していた。

歩兵は戦車や歩兵戦闘車を盾に、あるいは塹壕やトーチカ越しで、林の中で戦いを繰り広げていた。

 

攻勢は10日続き11月27日に、ミリシアル解放戦線軍が中央ミリシアル軍に降伏。

この戦いにより、ミリシアル解放戦線軍は総戦力の半数を、中央ミリシアル軍も8万の兵を喪失した。

この事を受け、メテオスはパル・キマイラ2号機を旗艦とする空中艦隊の出撃を命令。

空中艦隊は、ルーントルファ戦線に集結している中央ミリシアル軍の殲滅、首都オルクスの陥落を目指し出撃した。

 

12月8日、ルーントルファ戦線のレーダーサイトが、空中艦隊を捕捉した。

この報を受けクレイハムは、ルーントルファ戦線に配置されている、独立連隊の展開を命令した。

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