ミリシアル最終聖戦記   作:NO SIGNAL…

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この世界の詳細な設定は作品が完結してから公開するので作品中に散りばめられている言葉を元にゆっくり妄想考察ししていってね


ミリシアル国家再生政府

1675年7月23日

オルクス

ミリシアル国家再生政府

 

「東部・南部・西部ミリシアル地方を統一してこの国も色々と変わったね」

 

クレイハムは机の上にある書類に目を通していた。

 

「一軍閥が大国にまで拡大するなんて夢に思ってなかったからな」

 

メリマキサもクレイハムに意見に同調していた。

 

現在のミリシアル国家再生政府は、ミリシエント大陸において唯一の国家機構となっている。

領土は暫定統治機構時代より拡張し、人口は900万から5000万人へ、強大な工業力と資源を保有し地域大国並みの規模を誇る。

これにより大幅な軍事力増強、兵器生産速度が加速。

更にミリシアル国家再生政府は戦時体制である“国家戦争動員法”を発令し、徴兵で18歳から24歳の男女への兵役義務、軍需工場での兵器・弾薬・消耗品などを生産する労務動員、それに伴い経済も戦時統制経済を敷いている。

 

「そう言えば東ミリシアル地方での戦いで独立部隊が良い戦果を残したそうじゃないか」

 

「魔力強化高機動部隊と魔導電磁砲の事だね。戦果も上々、魔力強化高機動戦闘団は将来的に5万人にまで拡大、魔導電磁砲も来るべきラヴァーナルとの戦争に備えてミリシアル各地に配置していくつもりだよ」

 

メリマキサは、ミリシアル国家再生政府の軍備拡張計画に目を通す。

 

「なぁ、クレイハム。この軍備拡張計画の内容改めて見返したんだが資源は足りるのか?兵器を作る素材とそれを動かす燃料が必要だ。内容を見るに今のミリシアルの採掘技術と加工技術じゃ追いつけないぞ」

 

「それに関しては…」

 

クレイハムが答える前にドアをノックする音がする。

 

「失礼します。他国からの支援及び現在進行中の国家計画に関する報告に参りました」

 

情報局局長のスシリアがクレイハム達に報告するために部屋に訪れた。

 

「グッドタイミング!さあさあ入って」

 

「まず最初に先月、全世界に宣言したミリシアル国家再生政府の樹立に、ラヴァーナルとアニュンリールを除く国家が我が国を正式な独立国家として承認しました」

 

「ラヴァーナルとアニュンリールは当然の結果だね。ミリシエント大陸奪還に消極的だったグラ・バルカス陣営が承認したのが大きいね」

 

「セレネア様々と言ったところだな」

 

帝政セレネアの台頭で変化した世界情勢にクレイハムとメリマキサは関心していた。

 

「次に他国からの支援に関してです。鉄や魔石燃料などの戦略資源に関する支援を要請していた日本とグラ・バルカスなどの国家から、ラヴァーナルに対する防波堤としての協力は惜しまないと表明し、正式にミリシアル国家再生政府に対する支援が開始する事になりました」

 

「それは良い事だ。具体的な支援内容は?」

 

「支援内容に関しては、日本からは採掘技術の提供で日本の鉱業省の役人と四ツ井鉱山の技術者派遣、グラ・バルカス帝国、ロデニウス王国連邦、アルタラス王国が海上ルートでの資源輸送となっています。早くて1ヶ月から2ヶ月の間でミリシアルに支援物資が到着する予定です」

 

「…ひとまず資源問題は解決した感じだな」

 

「次に現在進行中の国家計画についてです。国家医療福祉省が掲げる“産めよ増やせよ脅威に備えよ”のスローガンの下、1673年から進めている人口増加政策は、当初の達成目標が4000万から8000万になりました。政府主導で男女婚姻の促進、人工出産の合法化、一家庭につき子供5人の出産義務、6人目以降の出産に特別出産給付金の支給、養育年金の支給、教育費無償化、公営住宅の提供を実施し、これにより2年間での累計出産数は300万人を記録しました。更に刑務所や収容所に収容されている犯罪者、旧敵対国軍人と政府幹部による強制出産も計画しており強制分娩工場の建設も進められており11月に稼働します」

 

「最後の奴は女である私でも来るな」

 

「私もです。いくら政府の政策や犯罪者でも目を背けたくなります」

 

メリマキサとスシリアは苦言を呈していた。

余談だが、ミリシアル解放戦線軍大将だったヤオデュア・ロリアも、強制分娩工場の対象者となっている。

 

「私とメリマキサも良い歳だし出産しないとね。臣民にも良いパフォーマンスにもなるし」

 

「スシリア君、私と子供作らないか?いつでも歓迎だぜ」

 

「あっ、メリマキサだけ抜け駆けして。スシリア君、私も問題ないよ!」

 

クレイハムは肉食動物のような目をし制服のボタンやズボンを外す仕草をし、メリマキサはからかうような表情をし金髪の髪をたくし上げ、スシリアを誘惑していた。

 

「あっ、結構です」

 

スシリアは身の危険を感じ彼女らから距離を取り拒否した。

 

「判断速いね君」

 

「…話を続けますね」

 

スシリアは咳払いをし報告を続ける。

 

「宙域作戦構想に関してです。宇宙空間における軍事作戦と諜報活動の研究を進めていましたが、今年の8月9日に我が国初の偵察型僕の星を載せたアンドロメダ(多段式噴進魔光宇宙機)が打ち上げられます。偵察型、天頂航法型、早期警戒型などを含め120基の僕の星が宇宙空間に展開する予定です」

 

「やっと我が国も宇宙へ進出できるんだね。リリスにも有人着陸したいところだけど、今は僕の星を打ち上げて完璧な空間軍事作戦網を構築する事が最優先だね」

 

「次に国家要塞計画です。これはラヴァーナルからのコア魔法による攻撃を受けた際に被害を軽減する措置であります。国家再生政府の主要都市に、セレネアの支援と建設省主導でコア魔法シェルターを建築しています。現在はオルクスとコルマラスなど4都市で建設中です。残りの都市でも国家要塞の建設が始まります」

 

「ラヴァーナルはエモール王国に50発のコア魔法を撃ち込む程恐ろしい国家だ。これぐらいの防衛手段は当然だね」

 

「次に国家的復讐兵器の開発についてです。毒性瘴気魔法、生物兵器、そしてコア魔法の3つです」

 

「夢の大量破壊兵器セットだね!」

 

「嬉々しく言うのやめろ」

 

「毒性瘴気魔法ですが、今年の4月に生産工場が完成し生産が開始されました。現在も慣れなところもあり事故は発生していますが、500発の毒性瘴気弾が完成し数万発の量産を予定しています」

 

国家再生政府は細胞内呼吸を阻害する血液性瘴気魔法、神経伝達を阻害する神経性瘴気魔法、皮膚を爛れさせる|皮膚性瘴気魔法、体内魔素臓器の活動を阻害する変質魔素性瘴気魔法の5つを保有している。

これら魔法は致死性が高く血液剤、サリン、ルイサイト、サルファマスタードなどの化学兵器に似た症状を持ち、変質魔素性瘴気魔法は魔獣や魔物の肉を喰らうことで発症する変質魔素中毒症を瘴気魔法化したものである。

 

「ふむふむ」

 

「生物兵器は出血性天然痘を開発中で、現在は重罪を犯した犯罪者に投与し症状や致死性を観察しています。先日、ドミスト閣下がバネタにある研究施設を視察されました」

 

「閣下からは視察する事は聞いてたね。閣下はなんと仰っていた?」

 

「非被験者が苦しみなら死んでいる姿を見て、人体実験の冷酷さに褒める言葉が見つからなかったと仰っていました」

 

「引いちゃってるじゃん」

 

クレイハムは思わず声を出した。

 

「あ、明るい話でもしよう。コア魔法とか」

 

「物理的な明るさの話か?」

 

「コア魔法に関してはゲヘナハデス計画で研究中です。早くて来年にはコア魔法の試作型が完成し起爆実験の実施が可能です。数年以内には正式配備ができ5000発の保有を予定しています」

 

「それは嬉しい知らせだ。コア魔法があれば“大審判”の実行も容易にできるね」

 

「ただ一点、コア魔法の起爆で発する有害魔素が含まれている事がラヴァーナルをはじめとする国家から報告されており、現在その実態を調査中で有害魔素による健康被害を確認するため、コア魔法起爆後の擬似的な状況を作らせ犯罪者で実験しています」

 

「戦勝国で良かった」

 

クレイハムはミリシアル国家再生政府が統一戦争で勝った事に感謝していた。

 

「ところで、反乱軍鎮圧や先の統一戦争で色々とあったため聞きそびれてましたが、第四の国家綱領とはなんですか?」

 

スシリアの質問に和やかだった雰囲気が一変した。

 

「…君は中の文書を見たか?」

 

「いえ、アクセス権限がなかったようで閲覧する事はできませんでした」

 

沈黙するクレイハムに代わりメリマキサが答える。

 

「それなら良かった。中には重要な国家機密情報が入っていて今は私とドミスト閣下、そしてクレイハムと共に管理している」

 

「情報局長でさえも閲覧できない重要な情報ですか?」

 

「見たらスシリア君と言えど処罰せざるを得なくなる。時が来たら公開するから気にしないでくれ」

 

「承知いたしました」

 

メリマキサの答えにスシリアは納得いってないと言う表情をするが、無理矢理納得せざるを得なかった。

 

「…ラヴァーナルがミリシアルに攻め込んで来た時に我々の手で罰を下すと言う“大審判”ですが、異常なまでの人口増加政策や強力な兵器の配備計画を見てると、我々がラヴァーナルに先制攻撃するみたいですね」

 

「ラヴァーナルは強大な国力と軍事力、そして10000発以上のコア魔法を保有しているからね。簡単に攻め込まれないように準備する事には越した事はないよ」

 

「ごもっともです。それでは私は情報局の仕事がまだ残っていますので、ここで失礼致します」

 

スシリアは一連の報告を終え部屋を後にした。

 

 

 

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