ミリシアル最終聖戦記 作:NO SIGNAL…
シュミールパオの元から戻ったクレイハムはメリマキサにドミストの2代目総司令官へ任命、政治と軍の改革の実施を告げ早速仕事に取り掛かる。
クレイハムの召集により幹部達が集まっていた。
「これより、我が軍閥の改革に関する会議を始める。とりあえず各部門から軍閥の現状を報告してくれ」
参謀総長のクレイハムと内務指導官のメリマキサが進行を務めていた。
「じゃあ、まずは軍部から。軍閥の戦力は歩兵20万、魔導戦車120、戦闘攻撃型天の浮舟48、爆撃型天の浮舟14を保有しているよ。他の軍閥に比べたら数は少ないけど、13年前の戦争を経験した軍人が多く居るし航空戦力もあるからアドバンテージは大きいね。今の戦力なら周辺の軍閥に攻め込む事ができるよ」
軍部出身のクレイハムが軍の現状を説明する。
「最近魔導戦車や天の浮舟の共食い整備が横行していて稼働率が低下してるそうだが、この状況が続けば攻め込むはできないぜ?」
コルマラスでは最近、スペアパーツが不足し魔導戦車や天の浮舟の共食い整備が横行している。
特に天の浮舟の方が酷く戦闘攻撃型が20機、爆撃型が7機しか稼働してない状況になっている。
「確かに、共食い整備による稼働率低下は由々しき事態であるね。そこで新たに軍需工場を建設し、既存の工場で戦車や天の浮舟のスペアパーツの製造に回して、新規の工場で小火器の製造に回そうと思っている」
「なるほど、小火器の在庫は十分あるからしばらく問題なさそうだな。それじゃあ早速取りかかせよう」
「あと、兵器の新規開発もしたいところ。今の兵器では13年前と同じ道を辿りかねないから、将来的にはラヴァーナルと同等の性能を持つ兵器が欲しいけど、今の軍閥には開発能力がないから、隣のバネタを優先的に確保したい所だね」
「バネタか、あそこは旧ミリシアル軍の兵器研究所や旧魔帝対策省の秘匿基地があったところだな。技術者や研究者の多くがあそこに居るようだし良いじゃないか?」
バネタは、オルクスの隣にある軍閥で、旧魔帝対策省のエリア48や旧ミリシアル軍の戦車設計院や天の浮舟設計院などの研究施設が多く設置されていた地域だ。
13年前の戦争でバネタはラヴァーナルに徹底的に破壊されたが、頑強に作られていた旧魔帝対策省の秘匿基地は奇跡的に機能しており、現在は技術者や研究者を含む5万人が集団で生活している。
軍事力は低いが高い技術力を持っており他の軍閥に狙われているのが特徴だ。
「武力で制するより使者を送って平和的に併合するのはどうです?」
1人の幹部が提案する。
「平和的に併合できたら、軍を動かさずに済むから良いね。早速使者送ろう!」
「分かりました。併合条件が決定次第バネタに使者を送ります」
外交代表の幹部がそう言い部下に指示を出す。
「改革するべき事は沢山あります。軍閥に住む臣民の識字率は低く全体の7割しかありません」
「衛生もです。普及している治癒魔法では処置が不可能な病気や怪我に対応する医療設備や医療品は不足気味です」
「民需も活性させて経済成長を促進すべきです」
それから他の幹部が改革すべき点を挙げていく。
今まで軍事に重点を置き、それ以外の事は蔑ろにしていた事もありクレイハム達は絶句していた。
「これは、相当な道のりになりそうね」
「そうだな。一つ一つ改革を実行していこう」
クレイハムとメリマキサは身を引き締めた。
「ところでクレイハム、この改革の実行には反対する人間が居るかもしれないが、それはどうするんだ?彼らもシュミールパオ閣下を信じて来てくれたんだぜ?」
「勿論彼らには丁寧に説明して理解してもらうようにするよ。それでもダメなら粛s…軍閥から追放するよ」
「おい、何か言いかけてなかったか?」
「失礼します!」
会議の最中、スシリアがノックをせず部屋に入って来た。
「スシリア君か、ノックもせずにどうしたんだい?」
「先程重大な情報を入手し急いで来ました」
スシリアの顔は幽霊を見た時のように青ざめていた。
「その顔を見ると相当重大なのだな。報告頼む」
「はい、国家独自維持連合のグラ・バルカスで財閥が瓦解しグラ・バルカスの経済が崩壊、更に日本で富士山が噴火し日本の首都圏との交通・通信などが遮断され、日本国内は混乱に陥っています!」