ミリシアル最終聖戦記 作:NO SIGNAL…
1687年8月15日
カルトアルパス沖
中央世界調査艦隊旗艦“武蔵”
日本海軍の大和型戦艦2番艦の武蔵が空母や輸送艦などの艦艇を引き連れてカルトアルパス沖を航行していた。
「大内田司令、揚陸指揮艦“野呂”から上陸準備完了との事です。いつでもカルトアルパスへの上陸が可能です」
「了解。彩雲からもカルトアルパスの安全は確認されている。野呂にカルトアルパスへの上陸開始を通達」
艦隊司令の大内田・コルメス・彩吹海軍中将は艦橋の窓からカルトアルパスがある方向を見る。
「ようやく中央世界に来れた。この地で一体何が起きたのか真相が明らかになるのだな」
廃墟と化した港町に戦闘車両・兵員・補給物資などを乗せたLCACや輸送ヘリコプターが上陸し彼らはここカルトアルパスを拠点に活動を開始。
上陸地点には調査団本部や隊員が寝泊まりする特殊テントが構築され“カルトアルパスベース”と呼称され、その周辺には護衛の陸軍部隊が展開し如何なる組織の侵入に備えていた。
「かつて港町として栄え列強各国がテーブルに着いたカルトアルパス…今では見る影もないね」
1人の女性隊員ガスマスク越しにカルトアルパスの惨状に憂いていた。
彼女はコア魔法仕様によるミリシエント大陸及びラティストア大陸の環境変化等の調査で派遣された日本の環境保護省の職員だ。
彼女は
「有毒性魔素の量は少ないけど、防護服無しで長期間滞在するのは危険だね。純地球人種以外にとっては」
「ユリ、これ脱いでも良いかい?中は蒸し暑くて仕方ないんだ」
魔素を計っている彼女の横に道中で仲良くなったグラ・バルカス帝国科学技術院の女性技術官が来る。
「魔素が僅かとは言えグラ・バルカス人の貴女にも影響が出るかもしれない。だから天幕の中以外で防護服とガスマスクを脱いじゃダメだよ」
「むぅぅ...」
「あっ、隊長から召集かかってる。行こう、チトリア」
先進十一ヵ国戦争調査団ラティストア大陸方面調査隊−調査日誌−
日誌書記者名:金沢百合亜
現地調査10日目
日本にも東京や大阪などの都市にコア弾頭が命中し甚大な被害を受けた。
しかしラヴァーナルの荒廃を見ると、それらの被害も小さく感じてしまうほど、この地は荒廃していた。
ラヴァーナルの実態は長らく不明な箇所も多かったが、瓦礫の量を見るだけでも凄まじいほど発展していた事が見て取れる。
東部地域を担当している第2・第4調査隊からも同様の報告を受けている。
調査途中、現地住民らしき人物が倒れているのを発見し保護。
外見的特徴からダークエルフ族の女性のようだ。
医師に見せたところ脳震盪を起こしており頭上から落ちてきた瓦礫が直撃したのではとの事で、しばらくしてから彼女は目を覚ました。
名前はセィミィと言う。
セィミィはこの先にあるサラスヴァ管区にある集落の住民のようで食糧を得るためにこの地まで来たと言う。
彼女の証言によりコア弾頭で破壊され尽くしたこの地に居住可能な地域がある事に驚きを隠せなかった。
我々は彼女の案内の元その集落まで足を進める事にした。
最終的に1000発のコア弾頭が世界中に降り注いだ“終末の七日間”を生き残った大国によって組織された先進十一ヶ国最終戦争調査委員会は日が浅いものの驚くべき事実が明らかになっている。
最終戦争は今も尚続いている、と言う事だ。
現地調査12日目
セィミィの案内で我々は集落に到着した。
人口500人規模の集落でエルフ以外にヒト種・獣人族・竜人族など様々な種族が生活を営んでいた。
調査隊の隊長と集落の長が会談しヴァラシナまで進むと言う趣旨を伝えたところ、「ヴァラシナ付近はミリシアル軍とアニュンリール軍が戦っているから行かない方がいい」と止められた。
他の証言を収集した結果、大ラヴァーナル帝国の統治機構はすでに崩壊しているが、残存するラヴァーナル軍部隊と組織をかろうじて維持しているミリシアル軍とアニュンリール軍との間で死闘を繰り広げている、と言う事が明らかになっている。
実際に東部地域を担当している調査隊からも銃声や砲声が聞こえていると言う報告も確認されている。
一方ミリシアル軍とアニュンリール軍も明確な指示の下で戦闘を継続しているかは確認が取れていない。
魔信を傍受しても最高司令部とのやり取りと思わしき魔信が傍受できなかったため、すでに司令部自体が焦土化してしまい目的を失ったまま戦闘を続けている可能性も十二分にあった。
現地調査13日目
カルトアルパスからの定期連絡にてある事実が知らされた。
ミリシアル軍が生物兵器を製造し今戦争で使用した可能性がある、と。
別の調査隊がミリシアル軍が遺した兵器や装備品を複数収集し本土の研究機関に送ったところ出血性の天然痘があったと言うのだ。
この連絡を受け全ての調査隊はワクチンや資料が届くまでは現在地で待機する事になった。
その間に現地住民に対し難民申請を提案。
現地調査の方針で現地住民の生存者がいれば積極的に保護する為だ。
ただ難民として申請した者は戦争調査委員会の調査協力を受け入れなけらばならないが。
提案した結果、集落の人口の半分以上にあたる400人が難民としての申請。
受け入れ準備の為にカルトアルパスに連絡した。
現地調査25日目
生物兵器の対策や難民受け入れを終えた我々は遂に帝都ヴァラシナに到着した。
他の都市に比べてヴァラシナの瓦礫の量は尋常ではない程の量だった。
爆心地と思わしき場所は完全に消滅していたが、他の都市は単なる瓦礫の山に比べヴァラシナは爆心地を除き一定の形を留めていた。
広大な地を完全に破壊するにはコア弾頭の数が足りなかったようだ。
ラヴァーナル建築の廃墟は巨大で先進的な物だったと実感でき日本式ビルのような無骨さと日本建築のような温もりは持っていなかった。
先の最終戦争でエリュシオニア大陸国家群を除く連合加盟国にも照準が外れた200発のコア弾頭が着弾し多くの都市と地域を破壊した。
日本では東京や大阪などの23都市が、グラ・バルカスではラグナやレイフォリアなど20都市が、ミリシエント大陸とラティストア大陸に近いムーでは40都市にコア弾頭が着弾した。
攻撃を行った国は現在も不明だが着弾したコア弾頭の大半はアニュンリール共和国の物ではないのかと疑われている。
世界がコア魔法の業火に包まれる中、先進十一ヶ国間でホットラインが整備されていた事で連合加盟国はそれらの被害を受け入れ、核兵器による更なる報復とその声を自制した。
これらの理性的な対応は結果的に核とコア魔法による崩壊を回避する事ができた。
とは言え、決して小さくない犠牲を払ってしまった。
コア弾頭着弾時の爆発に加え発生した有害魔素の2次被害も合わせて連合加盟国の国民8億人が死亡し、統治機構が崩壊し国家が滅亡した事による3億人の難民が発生。
国家の主導権・領土・資源等を巡りありとあらゆる勢力との間で戦争と紛争が勃発していた。
しかし、激しい攻防が行われたミリシエント大陸とラティストア大陸はコア魔法の攻撃を完全い避ける事ができず数日で両大陸は焦土と化した。
アニュンリール共和国にも派遣されたブランシェル大陸方面調査隊からも同様の報告が上がっている。
今日までの調査からミリシアルの復讐の炎に晒された3つの大陸の大部分は文明の根底から破壊されてしまった、と考えるのが妥当である。
現在 活動が確認されている政府組織はアニュンリールが保有していたバビロア大陸のバビロア臨時政府、ミルキー再生政府、先日会ったセィミィらのような複数のコミュニティ等である。前述した通りラヴァーナル軍残存部隊と民間軍事会社の組織的活動も報告されているが、政府や国家のような機能は有していない無政府状態である。
現状、長らく謎だったラヴァーナルの実情は採掘された資料などで明らかになってきているが、一方でミリシアル国家再生政府の実情は不明のままだ。
ミリシアルにおける調査は保有している情報の下、ミリシアル中央部で重点的に調査が行われているが、すぐにとは言わないが近い内に明らかになるだろう。
我々人類は、この終末的な破壊がいかにして発生したのか、正確に調査し、記録し、教訓を得る必要があるのだ。
同じ過ちを繰り返さない為に
最後に先日訪れた森でラヴァーナル軍の元兵士と出会った際に彼が持っていた魔信についても記述する。
彼が渡した魔信はミリシアル独自の規格のような物であった。我々が保有する魔信が傍受できなかったのはこの規格のせいだろう。
魔信からは“ドミスト将軍の宣戦布告”、“クレイハム将軍の演説”、“メリマキサ将軍による作戦目標説明”などの内容を受信できた。
彼の話によれば同じ内容が何度もループしており録音された音声であるとの事だ。
国家再生政府の高官が今も尚生存しているかはまだわからない。
だが、ミリシアルからの更なる支援が送られている魔信が確認できないため、国家再生政府の被害も甚大である事は憶測できる。
“聖戦”を始めた彼らは戦争の行く末をどこまで見届けたのだろう。
大戦争の混乱の中、全てが灰と化していく中、世界を巻き込んだ復讐劇の末路を知る事は出来なかったかもしれない。
最終聖戦の一つの結末は、、無人と化した大ラヴァーナル帝国の帝都ヴァラシナから知る事ができる。
コア魔法の
彼らはヴァラシナに到達したのだ。
こんなパクリ作品を見てくれてありがとうやで
ようやくこの作品の呪縛から解放されるんやで
完結したけど話と設定集は別だから設定集は投稿するかもやで
ほなノシ