ミリシアル最終聖戦記   作:NO SIGNAL…

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グラ・バルカスの前政権の執政大臣をエルチルゴに変更しました。


揺れる大国
幻想から目覚める大国


中央暦1672年4月18日

グラ・バルカス帝国帝都ラグナ

執政府執務室

 

「ヴィース君、帝国の状況を説明してくれ」

 

先日前政権に変わり就任したアノス執政大臣が、ヴィース経済財政大臣に説明を求めていた。

 

「お世辞に言って良い状況とは言えません。帝国の財閥の一つを担っていたカルスラインを発端に、連続して起きた財閥内部告発で大量の汚職事件と統計データの書き換えが判明した事により、株は暴落し続けています」

 

事の発端は、カルスラインの元社員による内部告発である。

この内部告発を受け、経済財務省による立ち入り監査をした結果、多数の政治家とエルチルゴ元執政大臣らとの金銭的なやり取りや統計データの大幅書き換えが判明。

カルスラインに相次ぎ、ベルディエンチェ、リヒテル、ウドゥでも内部告発があり、同様の汚職事件や統計データの書き換えが連鎖するように判明した。

 

「それだけではありません。不正が発覚した財閥では調査の為全ての業務を停止した事により経済活動が停滞。物流から金融などあらゆる分野において臣民生活に影響が出ています」

 

各財閥が調査の為全ての業務を停止した事により、食品から電化製品などの工場で生産ラインがストップ。

更にマスメディアによる煽動で臣民による買い占め騒動が発生し、事件とは無縁な財閥ですら在庫が不足し値上げや購入制限がかけられる事態にまで発展。

それらを買い占め高額転売する輩との間で暴動が発生し治安が悪化すると言う状況になっていた。

 

「この影響はラニアケア共栄圏全体にも広がっております。財閥による支配で経済搾取をしていた従属国では、帝国に対する不満が増大し、武装蜂起の予兆も確認されています。恐らく日本が裏で手を引いているかと」

 

グラ・バルカスを盟主とするラニアケア共栄圏は、共存共栄を掲げる経済圏の事でかつてグラ・バルカスに植民地化され独立を果たした国が加盟している。

その実態はグラ・バルカスが日本との冷戦に耐え抜くために作られた経済植民地である。

グラ・バルカスは、この経済植民地のおかげで日本やラヴァーナルに次ぐ経済力を保持し、科学技術も飛躍的に向上し「あと数年もすれば電話から娯楽を一台で済ませる携帯電話が登場する」と言われているほどだった。

 

「この状態が続けば、財閥の完全崩壊による大恐慌の到来、科学技術の停滞、職を失った失業者が大量発生する事が予想されており、既に地方の土着財閥が7社倒産しています。奇跡でも起きない限り帝国に未来はないでしょう...」

 

ヴィースからの悲惨な国内状況を聞きアノスは苦い顔をした。

 

「エルチルゴの馬鹿野郎が、とんでもない爆弾を残して野垂れ死にやがって」

 

当のエルチルゴは、執政大臣を辞職した3日後に皇道派の青年によって道中で暗殺された。

 

「既に死んだ奴に文句を言っても仕方ない。帝国の状況を打破するぞ」

 

「分かりました。各省庁から大臣を招集し対策会議を開きます」

 

「失礼します!」

 

執務室に国防大臣のミレケネスが入って来た。

 

「どうしたんだ、ミレケネス君?」

 

「先程宇宙軍から偵察衛星で捉えた日本の首都東京が見えないと言う報告が!」

 




財閥危機

男達は落ち着きを払いながら窓の敷居に立ち、飛び降りる順番を待っていた

−ラグナ株式取引所の職員

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