ミリシアル最終聖戦記 作:NO SIGNAL…
とりあえず候補は…
・原作を征く大祖国戦争
・ミリラヴァ戦
・ミリ魔戦
・大陸間戦争
・魔魔戦争
・ガイア大戦
・神魔戦争
・再来戦争
・終末戦争
中央暦1672年12月24日
オルクス
神聖ミリシアル連盟地下司令部
総司令官執務室
「バネタを併合してから8か月の時が経った。クレイハム総長、改革は進んでいるか?」
シュミールパオは軍制改革の進捗で報告に来たクレイハムに報告を求めていた。
「はい、軍制改革は順調に進んでいます。まず最初にバネタを併合した事により技術力は大幅に向上しました。更にオルクス初の国産兵器である回転翼機“ハルピア”の開発に成功し、現在20機が配備され来年までには40機が揃う予定です」
バネタと言う技術者集団を手に入れた事もあって技術力は大幅に向上した。
その際たる例が強襲制圧回転翼機“ハルピア”だ。
最高速度300km/h、武装に30mm機関砲1門と60mm噴進魔光弾40発装填ポッド×4基を搭載、歩兵30人を搭乗させる事ができ、統一ロシア連邦のMi24攻撃ヘリコプターが空飛ぶ歩兵戦闘車と呼ぶなら、ハルピアは空飛ぶ水陸両用トラクターと言っても良いほど非常に大柄な機体となっている。
ちなみにハルピアの小型版も現在開発中との事である。
「嬉しい誤算と言うべきでしょうか、バネタにて大規模な軍需工場が稼働可能な状態で見つかり、当初予定していた軍需工場の数も増え工業力も大幅に向上しました」
併合したバネタを更に調査した結果、ミリシアル滅亡前に整備されていた地下軍需工場を発見。
オルクスが保有している軍需工場5個分の大きさに加え、先進的な工作機械や省人化を狙った半自動システムが、失われた魔法である“時間遅延式魔法”によって保たれていたのだ。
時間遅延式魔法は、ロデニウス大陸で見つかり12000年と言う途方もない年月で綺麗な状態で保っていた、大日本帝国軍の零式艦上戦闘機六〇型や九五式重戦車ジロにかけられた古代エルフ族の時間遅延式魔法程ではないにしろ、それでも500年は完全な状態で保存する事が可能であった。
「経済・教育・公衆衛生などの改革も実施しています。公衆衛生以外はまだ実績はありませんが、数年以内には結果が出るかと思われます。詳しい事は後で来るメリマキサにお聞きください」
軍の改革以外にも経済・教育・公衆衛生などの分野の改革はまだ芽が出てないのが現状だ。
中長期的に見ればいずれ結果は出るのでクレイハム達はそれに期待していた。
それでも早期に実施し結果を出してる物もあるが。
「そうか、それは良い事だな。まさかここまで結果が出るとは思わなかったよ。私が生きてる間に生まれ変わった連盟を見れるかもしれないな」
シュミールパオは笑いを飛ばしたが、どこか寂しそうな顔をしていた。
「クレイハム総長、最近皆の心境に変化があったと聞く」
「…はい、最近国内では現状維持や武装中立など、祖国統一戦争に消極的な意見が出始めています。改革に伴い発生する権益を得ようと政治家や軍部では汚職が蔓延しています。今の状況が続けばシュミールパオ閣下が目指すラヴァーナルへの大審判と言うスタート地点に立てるかどうか危うい状況です」
バネタ併合や内政改革によりオルクスの生活水準は改善し、他の軍閥からの移住して来る移住者も増加し人口は100万人から120万人にまで膨れ上がった。
しかし国民の間では、技術力や工業力を高め貿易立国か戦争に巻き込まれないように強力な武装中立国に転向すべしと、祖国統一戦争に消極的な風潮が漂っていた。
改革に伴い発生する権益を得ようと政治家や軍部では人事配置が思い通りに進めるよう賄賂を渡したり汚職が蔓延していた。
「我々はスタート地点に立つ事すら出来ないのか」
「いいえ、シュミールパオ閣下。少なくともドミスト大将と私とメリマキサは閣下の意思を汲み、ラヴァーナルへの大審判と言うスタート地点に立てるように動いています。心配なさらないでください」
「そうか、ありがとう。最近自信がなくてな、それで弱気になってたのかもしれない」
シュミールパオは日に日に体が衰えていた。
彼の死期が近いのだろう。
「...最近娘の事をよく思い出すのだよ」
「エレナの事ですか?」
エレナと呼ばれた者は、シュミールパオの一人娘であるシュミールパオ・エレナの事だ。
「彼女は2年前にここから出て行った。彼女は優秀で連盟を引き継ぐには能力は十分備わっていた。だが、彼女は自分達の境遇を受け入れ祖国を再び統一し、ラヴァーナルとは共に歩み寄る事を目指していた。私はそれが許せなくて私の後継から彼女を外しドミスト君を後継候補にした」
「娘がここを出る前に、その事で喧嘩してな。その時「父さんの国は監獄だ」と言って出ていた。スタート地点にすら立てず腐敗するオルクスを見ると娘が出て行ったのも正k…」
「全くもって間違っています」
シュミールパオの話をクレイハムが遮るように否定する。
「平和に暮らしていた我々が、故郷を破壊され、絶滅戦争に巻き込まれ、ラヴァーナルと言う脅威に今も尚恐怖しながら、荒廃した祖国を這いずり回っているのは、全てラヴァーナルに原因があります。“奴らはミリシアル人に対して絶望をもたらす存在である”と、シュミールパオ閣下が仰ったではないですか?」
「これは聖戦です。聖戦から逃げ出したエレナも、富や保守を求める資本派や中立派の人間も、我々を見捨て自分達だけでも生き残ろうと糧にした連合国も、全て我々の敵であります」
シュミールパオはクレイハムの全て敵と言う発言に驚き開いた口が閉まらなかった。
「“ラヴァーナルと言う天使の皮を被った悪魔からミリシアルを解放すべく、我々はラヴァーナルを滅ぼさなければならない”。そう仰ったのもシュミールパオ閣下ご自身です」
「そうか、私が作ったのは巨大な監獄ではなく…」
シュミールパオはその後、司令官室を後にし地上へ出て行った。
75歳と言う老体である彼が、外を彷徨く姿が珍しかったのか、外へ出るまでに通りかかった将校や兵士や、外を警備していた警備兵の目に止まり唖然としていた。
彼はそのまま森へ突き進み、しばらくすると川に突き当たった。
彼は一度後ろを振り向き、自身が生み出した黒く染まった怪物を見た後、その後振り返る事はなかった。
シュミールパオは12月の寒い時期に痛むような冷たさが流れる川へ入水した。
しかし、その痛みはルーンポリスからの屈辱的な敗走も、味方から浴びされた罵声や命を狙われた日々も、自信の努力不足や気の弱さなど、彼が味わった苦痛や悩みから解放した。
全身が水に入り命の灯火が消えていく中、彼の脳裏に祖国崩壊前に今は亡き妻と娘と家族団欒を過ごしていた日々が走馬灯のように駆け巡り涙を流した。
シュミールパオ行方不明の一報が伝わったのは数時間後だった。
5000人の兵士を動員し付近を捜索したが、彼の亡骸すら見つける事はできなかった。
メリマキサや神聖ミリシアル連盟の将校達は、最後にシュミールパオと会話を交わしたクレイハム総長に、何と言って出て言ったのかと押しかけた。
彼女はシュミールパオと交わした最後の言葉を丁寧に説明した。
“私は散歩に出かけるよ。戻って来るまで遅くなるかもしれないが、気にしないでくれ”
大幅なコピーで通報されないか心配
と言うか監獄国家と言うワードを入れて良いのかすごい迷った