彼女と彼の災難 #1/西暦2066年1-2月
この世界に転生して十六年が経とうとしていた。
時を西暦2065年11月! 私、幻代アキは今──!
「──本日は新しいメンバーを紹介する。アキ、あまりからかったりするんじゃないぞ」
「……ソーマだ。覚えなくていい」
ソーマ・シックザールくん(十二歳)と念願の初対面を果たしていた────!!
呪われた出自だとか、コミュニケーション失敗パパの教育だとかのせいで、色々と刺々しく、まだ周囲との関わり方を掴めていない頃の初々しい彼だ! なんかもう見てるだけでクソ楽しいぞ!
つーか──ショタ時代の彼を拝める媒体も少なかったので、実際に目の当たりにできてる現状がとてつもなく嬉しい!! ショタっつっても身長かなり近いけどな! まだ私の方が高いけど!
褐色肌で白髪に金色がかかった髪色! 暗い青い目! フードを被ってまるでてるてる坊主な格好が可愛いハーフコートォ! それが十二歳ソーマくんだ! 詳しくはプロモアニメ参照ッ!
「──アキ。幻代アキです。二文字というとても覚えやすい名前なので、私は覚えて頂けると嬉しいです」
ピースサインを作って、そんなノーマル挨拶。
眉根を寄せられる。ほほほ、もう不機嫌スイッチ押しちゃった? 悪いね? でも諦めてくれよ、これでも全っっ力でテンション抑えてるんだぜ!?
「お互い、長い付き合いになるだろう。各自、連携訓練を怠るなよ」
「りょうかい」
「……」
ツバキさんの声に返事しつつ、私はソーマくんから視線を外さない。つーか外せない。
ああ……可愛い……歩くたびにフードが揺れて……隙間から白い髪の毛が……その奥に全てを睨みつける青い目が……まだ幼い顔立ちが……ほう……へえ……こんな美少年が現実にいていいんか二次元? 正気なのか?
「……ジロジロ見てんじゃねぇ」
「スイマセン」
気合でどうにか視線を外す。わぁあ! 声かけられちゃったー!
……イカンイカン、こんな調子では周回に支障をもたらすっ! 自分が何をしでかすか、今から怖いぜ……!
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入隊の挨拶を終えると、ソーマくんはさっさと作戦室を出て行ってしまった。ああ! もっと話したかったのに! でも開口一番、マジで何の話題を口走ってしまうのかが怖ェ! ま、まぁ初日の顔見せにはこれくらいで丁度いいだろう、ウン。
「ああいう奴だが、腕は確かだ。アキ、年の近いお前が仲良くしてやれよー?」
「……ひゃい」
「……大丈夫か? 流石のお前も自信ないか」
「いや……だってあの……か、かわいすぎでは……」
そうリンドウさんに零すと、成程、となぜか感心したような顔をされる。
「やっぱ大物だな、お前。あの雰囲気を前にそんな感想持つとか、ただ者じゃねぇな」
そらこちとら転生者なのでねぇ! 美少年の殺気、敵意! 全てご褒美です! 存在してくれているだけでありがとうッ!!
「……彼は、支部長の息子にあたる。『マーナガルム計画』……ターミナルで調べておけ」
ツバキさん、それ思いっきり個人情報なのだわ。
なんであんなデリケートな事件が大っぴらなデータベースにあるんですかねぇ!? プライバシーくーん!?
なにはともあれ、念願の新たなレギュラーキャラクターである。
明日からどんどん交流スルゾー!!
▼
──だが、私のそんな初日の希望にそぐわず、ソーマ少年と話す機会はあまり訪れなかった。
互いの動きを把握するために任務に行ったり、第一部隊全員でアラガミを狩ったりの日はあるものの、任務終わりに軽く声をかけてもガンスルー。
「うるさい」「こっち見るな」「黙れ」「話しかけるな」「お前は馬鹿か?」「こっちを見るな」──以上、はっきりと言われた語録である。こ、好感度ゼロッ! なんてこった……!
とはいえ、私も私で大体周回に気を取られすぎて、コミュニケーションが疎かになっていた。うん、だって他の皆が一件のミッションで一日を終えてる最中、私は自主的に連続出撃カマしてるからね。出撃→帰宅→出撃、のループで自動周回機構と化していた。
なんて、やっている内に。
「……俺は、お前のようにはなれねぇ……」
「うん。なっちゃダメだよ?」
ソーマくんに周回狂の道には絶対に来てはいけない、と警告する日が訪れ。
その一件から、少しずつ、彼と共に出撃する回数が増えてきた!
「とはいえ、だ」
自室に戻り、ベッドに転がる。
それでもやはり、言葉を交わす機会は圧倒的に少ない。一度、食堂で同じテーブルに座ってみたものの、座った瞬間に席を立たれてしまった。ふふははは、関わりたくねぇ、の気配をひしひしと感じるぜ!
一応、ツバキさんの隊長命令により、ソーマが私の「監督役」、というかお目付け役──みたいになって、ちょくちょく周回の時には来てくれるようには、なったのだが。
任務外での個人的な会話は、ほとんどない。一番話せたのが、先日のやり取りだったぐらいにだ。
「うーむ……」
……このままでいいのか、幻代アキよ。
そう、思い出せ! このゴッドイーター世界、人との交流には何も、会話や連絡だけではない──!
『幻代アキ
件名:初めましてー
本文:これからよろしくね。君の明日の素材ドロップが良いものになることを願います』
とまぁ、彼の入隊初日にこういう挨拶メールを送ったきりだったのだが。
そう! ここは現実! ゲームではなく現実! プレイヤー時代はこちらから一度たりともメールを送ることができなかったが、今は違うッ! 送りたい時に好きなように送ることが可能なのだ……!
メールといえば、転生者的に楽しみなことがあるんだよね。技術部事務課の篠塚カオルさん。一体いつ実体に会えるんだろうか。マジでメール上だけの存在キャラだから会ってみたいんだぜ。
「…………とりあえず。軽いやつから、いってみるか……?」
ターミナルをポチポチポチ。
手始めに、以下のようなメールを作成した!
『幻代アキ
件名:冷蔵庫にレーションと回復錠しかないんだけどさ
本文:今日の夕飯、どっち食べたらいいと思う?』
「完璧ッ」
下手に気負わず、自然体に!
そうして送信ボタンを押し────何時間待っても、彼から返信がくることは、無かった……
……無かったのであるッ……!!
▼
だが私は諦めなかった。
毎日、任務終わりに、一通ずつ! たとえ返信がなくとも、「うぜぇバカ」と直接の訴えがくるまでは、メールを送りつけることにした!
そんなこんなで約一か月後! いつの間にか暦は2066年に突入ッ!
一切の返信がないまま! 対面でも最低限の会話しかできず! そんな日々を送っていた中──
──ああ、ホラ、あいつだよ……──
──あの新入りだろ……死神の……──
──化物だよ、あんなの──
──あいつと組むのだけはご免だな──
その日、廊下を歩いていたソーマくんの後ろ姿を見かけた時のことだった。
すると、ひそひそと、なにやら周りの神機使いたちがそんな事を口々に言っているではありませんか! うわあああぁぁ、陰口のオンパレードォ!!
……た、確かに二日前、ソーマが共にした部隊が壊滅したという報せを受けたけど……
で、彼は一人だけ生き残り、ええ、なんか無事に付いてしまったんですよね、異名「死神」。
神を喰らう世界でそんな皮肉と悪意の合わせ技ある!? それ絶対ソーマくんのせいじゃないってぇ! こんなのってないよ! あんまりだよ!
「──っ! うわ、逃げろ! 『悪魔』がいるぞ!」
「マジかよ!? 見たら寿命吸われるっていう!?」
「アラガミを殺してる時だけ正気になるっていう怪物か……! ひっ、こっち見てる!」
「なんかアラガミの素材を食うらしいぜアイツ! 女だからって油断するなよ! 後ろから刺されるぞ!!」
バタバタと物凄い勢いで、私を見たモブゴッドイーターたちが散っていく。
わぁ……お前ら、酷くない……? キレていいか? あぁん?
ま、私のことはいい。あそこまでのビビられようだとギャグとして流せる。
だがソーマくんの方は後々にまで彼を苛むトラウマになってしまう。彼、耳が良いらしいし、些細なことが積もり積もっていってしまえば、原作ルート一直線である。
……別に彼の人生を劇的に変えられる、なんて思い上がっちゃいないが。
多少はマシ、レベルに抑えることはできないだろーか?
▼
「あの支部長の息子ってやつ? 母親殺して生まれてきたクセに──」
──東に顔をしかめる者アレバ、
「よぉ貴様はせっかく腹を痛めて生んでくれた母親がいるって身でよくもまぁ親孝行の一つもしないで人のこと言えるよなァ?」
「ヒギャーッ!?」
──行って背後から助言をやり。
「あの子と一緒に任務に行くと死ぬんだって、さいあ……」
──西に不安を吐露する者アレバ、
「やぁお嬢さん人はいつか死ぬものだが死の原因を他人のせいにするのは頂けないな偏見で物を決める態度こそが君の視野と同時に選択肢を狭めているぞ分かったなら死なないよう人事を尽くして天命を待つのが人間ってもんだオラさっさと行け腰抜け野郎」
「キャァァアアアア!?」
──行って通風口から背中を押してやり。
「アラガミと人とのハイブリッドか……まさに化け物としか──」
──南に怯える者アレバ、
「まぁ事実だけで物事を判断するのは必要な能力だがその評価は個人の印象過多だろ当人がどう思ってるのかも考えずに一方的に決めつけるのは凝り固まった思考だと言わざるを得ないぜ」
「うわぁぁぁああッ!?」
──行って扉の隙間から意見を出し。
「……あの悪魔め。なんだよ周回とか素材とか……ッ! 頭がおかしくなる……物欲センサーなんて知りたくなかった……最悪だ、結合崩壊しないと手に入らない素材があったなんて……! 悪魔、極東の悪魔……あいつはおかしい……狂ってやがる……怪物が……!!」
──北に悩める者アレバ、
「あぁ同志よここにいたのか良い狂気だ、良い怨恨だ、良い憎悪だ……共に地の果てをアラガミの血で染め上げようじゃないかッ……!!」
「ああアアアアアアァァァァ────!!!!」
──行って共に出撃した。
▼
ここ数週間、私はソーマくんの誹謗中傷を聞きつけては裏から注意する、みたいな遊びで潜伏スキルを磨いていた。
これが中々楽しい。
初めは“そんなこと十二歳の子に言うのやめようよー”、と軽い気持ちで言いまわってただけなのだが、段々飽きてきて趣向を凝らしていった結果、なんか一種の修行みたいになっていた。
マ……なんか陰口もあんま聞かなくなってきたし、ええんじゃねぇのぉ!?
素材ドロップ率・周回への憎悪と、私の悪評は広まるばかりだが。
「……おい」
ある日!
いつものようにアナグラの廊下をスキップして歩くことで周囲をビビらせていると、後ろからお声がかかった。
振り返ると、そこには苛立ちの表情をたたえたソーマくんが! 彼から声をかけてきてくれるだとッ!? 珍しいにも程がある……! 今年の運、全部使い切ったかッ!?
「おはよ、ソーマ。今日も不機嫌だね」
「誰のせいだと思ってやがる。お前、もう俺にメールを送るのはやめろ」
「!」
メールの話題キタァ────!!
な、長かった……苦節二か月! ようやくクレームがきたか! 永遠に無視されるもんかと思ってたけど、そんなことはなかったね! やったぜぇ!!
「えー、なんでー」
「内容がクソ下らねぇからだよ!」
そんな馬鹿な。有益な情報しか送り付けてないはずだが?
では、ここで実際の例を少し。
『幻代アキ
件名:贖罪の街のドロップ効率について
本文:それでは今回は「贖罪の街」編。出現するアラガミと回収素材の期待値を以下の表にまとめました。ご査収ください。※個人の周回データを元にした資料です。』
『幻代アキ
件名:今日の支部長
本文:寝不足なのか壁に頭をぶつけて歩いてたよ。上のお仕事って大変なんだね。』
『幻代アキ
件名:リンドウさんはソーダ派。
本文:ゆるせない』
こんな感じである。まぁ確かに多少はどうでもいいことを混ぜているが、ネタにも緩急ってやつが必要だろう。ずっと堅苦しいのも疲れるし、さらっとした内容も混ぜてフランクさを演出しなければ。
「なんのつもりだ? 嫌がらせか? 誰かに頼まれてやってるのか?」
「誰かに頼まれていた方が良かったな! 全部私の自主活動さぁ──!」
「悪役風に言ってんな! やめろ! 俺に関わるな!」
「正気かよお前……関わらないとか無理だろ……同じ職場だし……」
真顔でマジレスするとソーマが、ぐう、と押し黙る。
「……ひ、必要以上に構うな。業務連絡だけでいい……」
「断る。私が堅苦しい文面を書ける常識人だと思ったら大間違いだぞ」
「どこに自信を持ってんだよ……! ふざけてんのか!?」
「ふざけてなどいなぁいっ! これでも私なりに真剣にやってるつもりだよ。分かったよ、メールが嫌なら止めるよ。じゃあどこまでが許容範囲なのさ。教えてよ」
「許容もクソもあるか。……お前のことなんて嫌いだ。不愉快なんだよ」
「知らんのか。いくら嫌いな相手でも相手が嫌いになってくれるとは限らんのだぞ」
「ッ、知るか!!」
言い捨てて、そこでソーマくんは走り去ってしまった。
うーん、プラン1はどうやら失敗。直接関わるよりは良い案だと思ったのだが、中々難しい。
だがまだだ……まだ諦めるにはまだ早い!
▼
ではプラン2に移る!
「おい……お前一体どういう神経してやがる……あのやり取りの後だぞ……」
うんざり顔のソーマくんは、神機のイーブルワンを持っている。
場所、贖罪の街。ここへ来た目的は──当然、周回以外にない。
「いや、だって……二日前のメールで、『明後日の周回よろしく』って送っといたし……さっきのやり取りがなくても君、今日は私に付き合ってもらう運命だったよ? シックザールだけに」
「アラガミに紛れてぶった斬られてぇのか? クソッタレが……今回は何連戦だ」
「にじゅうはち」
「クソが!!!!」
そんなー。お願いしますー。
今の極東、まだそんなにアラガミの出現率が上がってないから、こうして連続出撃できるのは、かなり良いチャンスなのだ。素材は多く溜め込んでおくに越したことはない。将来の己のためだ。
────周回完了。
ぐったりとしたソーマ少年と共にヘリで帰投し、神機保管庫にやってくる。神機さんを預けようと歩き出すと、ピタリと横のソーマの動きが止まった。
「あ、支部長」
「……、」
抜き打ちの視察だろうか。今は遠くで整備士さんと話しているが、ソーマくんの空気感は剣呑だ。お、親を見る視線じゃねぇ……むしろ親の仇でも見るような殺気である。父親ですよ?
するとそこで、不意に支部長の視線がこちらを向いた。
「おや……帰っていたのか、ソーマ。そこの彼女と仲良くなったのか?」
あ、親っぽい言葉。でもそれ、今の彼には逆効果だと思いマス支部長。もっと息子の空気を読んであげてくれ。
「付き合わされただけだ。てめぇこそなんでここにいる」
「支部長としての業務の一環だよ。幻代曹長、愚息が迷惑をかけてはいないかね?」
「超助かってます。私もうソーマくんなしじゃ生きられません」
「ばっ、」
ソーマが咳き込んだ。わなわなと狂人を見るような目でこっちを見てくる。あんだよ。
「フッ……そうか、仲が良くて何より。友達はかけがえのないものだ。大事にしたまえ、ソーマ」
「友達じゃねぇ!!」
「ここまで周回に付き合っておきながら何を言ってるんだソーマくん。諦めて認知してくれよ」
「テメェは黙ってろ! つか周回はイカレたお前だけがやってることだろうが!」
「周回は健康にいいんだぞ? 今は効かないかもしれないが、いずれ万病に効くようになる」
「妙な屁理屈を展開するな! 戯言のたまってんじゃねぇ!!」
──とか話している間に、支部長はエレベーターに乗って行ってしまった。
ソーマくんと仲良くしても別に親御さんからは怒られないようだ。やったね!
▼
プラン2の周回は、関わる時間こそ長いが、同時に蓄積する疲労も尋常なものではないだろう。失敗とまではいかないが、結果は芳しくない。
では次。プラン3。
「ソーマくん! オハヨー!!」
「……あっ?」
inソーマくんのお部屋!
プラン3とか銘打ったが、良い機会がやってきたので、それをプラン3ってことにしただけだ。ソファの上の寝起きのソーマくんを拝められたぞ! フード脱げてて可愛いね!
「緊急招集だよー! 今すぐ起きて四十秒で支度しよう!」
「なんっ……お前、なんでここにいやがる……!」
「ツバキさんに呼んでこいって頼まれました。鍵は上官権限で開けました。合法です!」
「不法侵入に合法もクソもあるか!!」
ソーマくんが飛び起きるついでに拳を放ってくる。それを受け流すと、次いで横から振り抜かれてきた蹴りをよけて距離をとる。少年が着地する。身をかがめ、床を蹴り飛ばしてこちらに突っ込んでくる。
──と見せかけてどうせ寸前で跳躍→膝蹴りがくると思ったので、更にスペースのある方へ距離をとる。逃がすか、と言わんばかりに追ってきた彼が跳躍し、私の背後に回りこむ。恐るべき身体能力だ。
後頭部に向かって本命の蹴りがくる。それを振り向かないまま最小限の動きでよけ、彼の左足を掴み取った。
「な──」
即座にもう片足が私の腕を打撃しようとしてきたので素早く足を放す。くるりと身軽に着地したソーマが、警戒した目でこっちを睨みつけ、再び向かってこようとする動きを見せる。
──その一瞬。彼が瞬きした一瞬を計って背後に回り込み、脱げていたフードを頭に被せた。
「はい、グッモーニン。そんだけ動けたら大丈夫そうだね」
「ッ!?」
ぽすっ、とフード越しに頭を撫でると、弾かれたようにソーマくんが振り向いてくる。
その目は驚愕に見開かれており、何が起こったのか状況を必死に分析しているようだった。
「テメェ……馬鹿にしてんのか!?」
「え。だって許可のない暴力沙汰って規則違反じゃん。それに痛いのヤダし」
「っ……!!」
「それにソーマ超強いじゃん。私がまともに戦って勝てるわけないでしょ。なんで負けると分かってる戦いに挑む必要があるのさ?
「──、」
その言葉に少年が動きを硬直させる。おや? もしやこの頃はまだ褒め言葉に弱い?
ちょっとだけ期待を込めつつ、手を差し出してみる。
「ほら、早く行こうよ。今日も良い周回日和だよ?」
「…………」
ばしっとはたかれた。ですよね。
二度とやらないと心に決める。
「……うるせぇ。行くぞ」
ツン期絶好調。なにやら興が削がれたらしいソーマくんは、フードを深く被り直しつつ、私をスルーして部屋の入口へと向かっていった。
……心の壁が…………高い……!!
お久しぶりです。
本編4話直後ぐらいの時系列の短い番外編となります。本編では大幅カットしていた要素を詰め込んだものですね。あれやこれやの関係の過程を補完する形で。こうやって少年の情緒は破壊されてきたわけだなぁ。
……ずっと番外編書いてたなんて言ったら怒るか?