転生神機使いは狩り続ける   作:時杜 境

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▽整備士Aの道行き/2071年-2074年


 拝啓、まだ整備士見習いの俺へ。

 どうにかこうにか、まだ喰われずに済んでるぜ。ああ、こんな世界に生まれ落ちちまった不運に絶望しながら生きてるかもしれないけどな。案外、世界ってなんとかなってるもんだぜ。

 

 極東支部ってやっぱヤベーよ。

 てか極東のゴッドイーターがヤベーよ。

 なんで当たり前のようにアラガミを討伐しまくってるんだよ、日夜年中。

 

 ま、ともあれだ。

 そんな修羅みたいな人たちばっかだから、整備士の仕事には困らないぜ。仕事を継がせてくれた親父には感謝だな。

 

 ──西暦2071年より。敬具。

 

 

「「最初はグー! ジャンケンポン!!」」

 

 神機保管庫で、二人分の勝負の掛け声がする。

 一人は第一部隊、隊長──雨宮リンドウという男性だ。

 もう一人は同じく第一部隊所属の神機使い──幻代アキという女性だった。

 

 彼らは、互いに決死の表情でジャンケンをしていた。

 リンドウさんが出した手はパー。

 アキさんが出した手は、チョキ。

 ここに勝敗は決した。

 

「っシャァアアアアアア!!」

 

「ぐあああああああああ!!」

 

 アキさんがガッツポーズを決め、リンドウさんは床に膝を屈する。

 ……またやってる……

 連日、ここで行われている彼ら二人の勝負の模様は、俺も生温かい目で見つめる観衆の一人だった。

 

「はーはっはっは! スサノオとプリティヴィ・マータとウロヴォロスは貰っていきまぁーす!!」

 

「畜生……畜生ッ……!」

 

 一体何の勝負だったのかというと、今アキさんが言った通りである。

 

 討伐任務の取り合い。

 ってか、素材の取り合い。

 

 討伐部隊ってのはどこの支部でもこんな感じなのだろうか……あの人が言ったアラガミ名、全部、接触禁忌種だった気がするんだけど。接触すら禁ずる、ってレベルの強いアラガミ……なんじゃなかったの? アレェ?

 

「すまねぇ、皆っ……! 今日はセクメトとヴァジュラとラーヴァナだけだ……! すまん……!」

 

「いや充分すぎますけど。ってか、三連戦ですけど」

 

「ああ、どれもオマケで中型種も付いてる。油断すんなよ?」

 

「ハイ」

 

 死んだ目でリンドウさんにツッコミと返事をするのは藤木コウタ、という新人だ。もう一人、新人の凄い方の奴はここにはいない。大方、この前から昏睡しているという、幼馴染のロシア美少女に付いているのだろう。おのれリア充。

 

「アキの神機、持っていっていいか?」

 

「──あ、はい。どうぞ」

 

 此方へやってきた褐色肌の青年──ソーマ、という神機使いは極東支部内でも有名なベテランだ。一見、冷たそうな印象のイケメン野郎だが、あのマスク・ド・オウガと親友らしいので悪い人じゃないんだろう。割と結構、面白い人なのかもだ。

 

 アキさんの神機の入ったケースを引き渡すと、彼はてくてく歩いて勝利のポーズを決めている彼女に近付いていく。

 

「アキ、行くぞ」

 

「んえ? ソーマもこっち来るの?」

 

「監督役だからな」

 

 素っ気なく言って、彼女に神機ケースを押し付ける。

 ……どっからどー見ても意識してる、って様子なのだが、イケメンでも恋には苦労するらしい。

 

「そっか。ソーマがいると味気ない周回でも楽しいから助かるよ!」

 

「……周回自体は楽しくはねぇんだよ」

 

「ははは、それなー」

 

 が、頑張れ……!

 俺は他人の恋路を見て、初めて目頭を熱くした。

 

   ▽

 

 我が名はモブA。一介の神機整備士だ。

 2068年に極東支部の整備チームに入り、早三年。

 

 俺はここで、最前線の意味を知った。

 

「素材が……素材が足りない……!」

「コンゴウ……コンゴウはどこだ……」

「アバドンしか勝たない」

「もしかして俺とヴァジュラって親友だったのかも……?」

 

 ゴッドイーターとは周回者の別名であると。

 ちょっとカッコいい名前で呼ばれてるだけで、本質はコレなのだと。

 

 戦場から帰ってくる神機使いたちの神機はボロボロだ。誰も彼もが、素材を求めてアラガミを狩り続けているためだ。なんかもう一部は「人々の守護」という絶対原則を忘れかけているんじゃないかと疑うほどの出撃率である。

 

 正直こわい。その執念が。

 

 アラガミ憎し! で入隊当初はギスってた奴も、三か月後には「素材……」って口走ってるところを俺は前に見てしまったのだ。アラガミは素材。まぁそうなんだけど、その認識でいいのか本当に。人類の大敵では? 違うの? 俺がおかしいのか?

 

「あ、あれ……? エーテル……エーテルの合成項目がない……」

 

「そこのお前! 回収素材の合成は一度拾わないとターミナルに追加されないんだぜ!」

 

「あああああ!!」

 

 ターミナルでそんなやり取りで発狂している神機使いも、見慣れたものだ。

 がしかし、素材に関しては、これでもかなり極東支部は優遇している方なのである。

 

「そこの君。ターミナルの『共用倉庫』ってのを覗いてみなよ。回収素材系なら、定期的に売りに出してるトコがあるから」

 

「共用倉庫……? ……あ、これだ! えっ……? え!? レア素材が、こ、こんなに!? うわぁ!? なんなんですか整備士さん! 接触禁忌種っぽい素材がずらっと並んでる! これは一体!?」

 

「ターミナルの機能の一つだよ。この倉庫には、神機使いが神機使い向けに、要らなくなった素材や装備、スキルとかを置いておけるんだ。まぁ、ゴッドイーターたちの素材置き場、かな。よろず屋にも売ってない素材は、大体ここにあるよ」

 

 そういえば、この画期的なシステムも、あの幻代さんが考案したやつらしいんだっけ。

 ターミナルにアクセスすれば、まぁ、実は神機使いでも整備士でも研究員でも、誰でも無料で欲しいものを入手できる。

 

 基本的によろず屋さんに売ってる商品は出品NG。それ以外なら、なんでもオーケー。

 ベテランゴッドイーターも使ってる機能なので、質のいいスキルや、新人が実力差によって勝てないアラガミの素材も、よく放り込まれていたりする。

 

 ほんと、素材を安易に入手する努力に関しては、並々ならぬ執念を感じる。アキさん、よくこんなことを思いついたよなぁ。しかもこれ、結果的に神機使いの生存率向上に役立ってるし。

 

「……ちょっと待ってください。え、これ無料なんですか」

 

「そうだよ。ベテランはアラガミ討伐で死ぬほど稼ぐし、新人も装備を整えて経験積んで強くなれば、自然と稼ぐし。っていうか、ショップ機能なんかにしたら、これだけで稼ごうとする輩も現れかねないからね」

 

 まさにゴミ箱か宝の山か。っつか、接触禁忌を狩りまくってる討伐部隊──第一部隊がヤバイ。

 というか最近帰還した、周回の始祖がやばい。新人の方もやばいけど。

 

 接触禁忌種の素材が出回り始めたのも、アキさんが帰ってきてからだ。あの人が戻ってきてから、共用倉庫の素材在庫数が一桁増えた。どんだけ狩ってるんだよあの人。防衛班も「仕事がない」っつって、討伐任務を受けに行く始末だよ。実際、外部居住区の襲撃報告は月一レベルで激減しているのだ。

 

 まるでアラガミたちが、この拠点を恐れているかのように。

 それでも「なにか」に惹かれて、まだ極東に留まっているのか……ま、化物たちのことは、よく分からない。

 

「……あの。なんでこんな機能があるのに、みんな、周回を……!?」

 

「ドロップ率に負けてるからじゃないかなぁ……」

 

 悲しい現実だった。

 ゴッドイーターにはならなくて良かったなぁ、と心の底から思った点である。

 

   ▽

 

「ただーいまー」

 

「あれっ、アキさん。お早いお戻りですね、珍しい」

 

「んや、素材の残数を確認しにきた。どーしてもターミナルで直接見ないと安心できなくてねぇ……」

 

 なんで?

 そう首を傾げそうになったが、まぁアキさんの性質なのかもしれない。

 神機保管庫にあるターミナルにアクセスし、淀みない動作でデータを確認されている。ちらっと後ろから画面を覗くと、す、すごい。なんて数の素材の種類だ。ちょっと俺でも見たことないやつがある。

 

 で、そんな文字列をざらーっと高速で流してて、アキさんは判別がついているのだろうか? もしかして一瞬で残数まで確認できてる? どういう能力なの?

 

「ソーマさんは……? 出撃の時、一緒でしたよね」

 

「外部居住区の外壁で軽く見回りー。手が空いてるなら、って防衛班に連れてかれちゃった」

 

 あらら……

 まぁ、なんとなく俺は彼らのボーイズトークならぬ恋バナの内容に察しがついてしまうのだが。

 

「……あの。アキさんって、いつも楽しそうですけど、しんどい時ってないんですか?」

 

「しんどいよ……周回は……終わらないからね……」

 

「あ、いや、それは大いに同情するんですけど。もっとこう、心の問題的な? メンタルコントロール、どうやってんのかなー、とか」

 

「周回に集中して己が欲望感情全てを削ぎ落としてる感じかなぁ」

 

「修行僧!?」

 

 な、なんて人だ。日頃の能天気狂人ロールは修行の一環だったのか!?

 

「凄いっすね、なんか……ゴッドイーターの仕事、そんなに楽しいんですか」

 

「楽しいよ!」

 

 振り向いて、にぱーっと笑顔を向けられる。

 わぁ、清々しいまでの美少女スマイル。先の質問をする前にこれを見ていたら俺の初恋が危なかった。狂人スマイルだと思えば、一転、狂気しか感じない。こわい。すごいけど。

 

『──アキさん! 外部居住区E28エリア付近第四外壁で、データベースにないアラガミが出現しました! 反応一体! ソーマさんと防衛班が交戦中!』

 

「およ? りょうかーい。すぐ行くわ」

 

 通信機からそんな入電があり、アキさんが足早に出口へと向かっていく。

 

 データベースにないアラガミ……新種か……!

 緊張が走る。いや、俺は戦うわけじゃない。これからその戦場に行くのは、目の前の人なのだ。

 走っていくアキさんの背中を見送りながら、彼女の通信する会話が聞こえる。

 

「ソーマ、特徴は?」

 

『蒼い竜だな。デカくて素早い。背中のアレは……ブースターか……?』

 

『こいつ、硬ってぇ! っ、シュン、ブレスくるぞ!』

 

『分かってるっての!』

 

『新種か、稼げそうな相手だな……!』

 

『カレル! 腕のブレード、気を付けろ!』

 

進化過程ぶっ飛んでんなぁ……オーケー、遠距離は【火】属性のバレットで試してみ。ブレードとブースターは壊せそうな特徴だね。ま、ブースターの方は壊したら動き変わりそうな気配だけど。それ以外は触んない方が無難かなー」

 

 ……新種相手なのに、するすると分析できるの凄いなぁ。

 目撃してもいないハズだ。これが周回の……いや、極東最高峰のゴッドイーターか……!

 

 

 ──それから程なくして、防衛班が新種のコアを手に支部に戻ってきた。

 

「あれ、アキさんとソーマさんは……?」

 

「あいつらは周回に行ったよ……なんてったっけ、そう、リスキルアプリ? 新種の再出現する座標を割り出して、データと素材収集がてら、もっかい戦いに行くってさ……」

 

 ああ、うん。なんかもう。

 やっぱ……生きる世界が違う人って感じだなぁ!

 

   ▽

 

 さて、夜はお楽しみの神機整備の時間だ!

 いや昼間も昼間で、非番の神機使いの神機を整備したり、依頼が来たときはメンテしたりしてるんだけどさっ!

 

 本日の整備相手は、そう! あのアキさんの神機なのである!

 

 四年勤務していて……遂に、あ、あの伝説のゴッドイーターの神機整備を……うん、なんか物凄いプレッシャーと緊張を感じる。これであの人に何かあったら俺のせいってコトデスヨネー。

 

 い、いや、大丈夫だ。いつも通り……いつも通りやればいい。

 

「…………あれ?」

 

 アキさんの神機を前に──俺は目を疑った。

 傷が、ない。

 ていうか損傷っぽいかすり傷さえ、見つからない……?

 

「えーとえーと、サカキ博士マニュアル……あった。えーと? 『自動再生機能』? “幻代アキの神機メンテナンスは、神機の基礎機構にバグがないかを確認するだけ”……!?」

 

 な、なんという低コストッ!? あの人、周回を極めるあまり、神機までもそれに対応したというのかッ……!?

 

「いや、進化する神機って……なに?」

 

 ……あ、マニュアルに由来説明がある。なになに、レトロオラクル細胞製? へー!

 これは凄い神機だな……新型神機のプロトタイプと呼ばれるだけはある。知人の神機バカに見せたらどんな反応をするだろうか。

 

「んー……ま、自己修復機能付きとはいえ、汚れは落ちないようだし、ちゃんと磨いてやらないとな。刃も研いでおくか……」

 

 持ち主に適応して進化する神機。いいなぁ、それ。

 それが全ゴッドイーターの基本になったら……うん、凄い世界になりそうだ。アラガミの根絶、なんて希望も出てくる。

 

「神機でアラガミを喰らってアラガミ絶滅……なんてな。てか、それじゃあ俺たちも失業モノだなぁ……はは。お前、アキさんのこと、よろしく頼んだぜ。神機使いの一番の味方でいられるのは、きっと神機だけだからな」

 

 むむ?

 今、一瞬だけコアがちょっと光ったような……目の錯覚かな?

 

   ▽

 

   ▽

 

   ▽

 

 拝啓、2071年の俺へ。

 四月から向こう、アラガミいなくなるぜ! なんて言ったら絶対に信じないだろうな。ま、厳密には「いなくなった」っていうか、「激減した」っていうのが正しいらしいけどな。

 

 幸いにも、その三年後でも神機整備士の仕事は無くなることはなかったぜ。

 むしろ最近はリンクサポートデバイス、っていう新しい技術開発がされて、てんやわんやだ。俺は最近、神機と神機使いが起こす感応技術について学んでる。きっとこいつは将来の鍵になりそうだからな。

 

 ま、ともあれだ。

 俺も世界も、まぁまぁ上手くやっている。

 我が道行きに幸あれ! なんつってな。

 

 ──西暦2074年より。敬具。

 

 

「うおぉー……いつ見ても荘厳……」

 

 俺はある神機に見惚れていた。

 目の前にあるのは、今日帰ってきたアキさんの神機! いや、「神機さん」だっけ?

 

 黄金の刀身デザインの神機は、漠然と俺の頭にあったのだが、形にする前にアキさんから先出しされてしまった。うむむ、だが黄金だけなのはいかがなものか。と、黒とか銀とか緑銀とかのパターンも出すと、物凄く頷かれたのを覚えている。おお、もしや同士よ。

 

「コアの色は……完全に変わってるなぁ……で、相変わらず無傷と。よーっし、気合入れて磨くぞぉ……!」

 

 道具を取りに、一旦作業室を後にする。

 ふふふ、足取りが軽い。そう、俺は三年前からこの日のために生きてきたといってもいい。だってカッコイイんだもん、あの刀身! 俺の理想通り、ってゆーか!?

 

「────アレ? 貴方は……?」

 

 道具を揃えて作業室に戻ってくると、そこには見慣れない整備士がいた。

 整備士だ、と思ったのは、その人が俺と同じような作業服を着ていたからである。

 その人はアキさんの神機の前に立っていて、入室してきた俺を、じっ……と青い目で見ていた。

 

 ご老人だ。

 にしては、こんなお爺さん、いたかな……? ご老人なのに、なんかシャキっとした背筋で、白髪で、そう、イメージ的には、作業服さえ着てなければ老紳士? みたいな?

 

「失礼。大昔、ここに勤務していた者でね。使っていた作業部屋に来たら、見事な神機があったので観察させてもらっていた」

 

「……! あ、ああ! 大先輩ですね! いいでしょう、その神機! 『極東の悪魔』って呼ばれてる人の神機なんですよ! カッコイイでしょう!」

 

「はは。悪魔が帝剣を握るとは世も末だな。末だったが」

 

 ど、独特の緊張感だ。なんだろう、なぜだろう! この人を前にしていると、ツバキさんを前にしている時のように、背筋が伸びる……!

 

「しかし……あの娘も腕に衰えはないが、熱は鈍ったな。昔ほどの鮮烈さはない。燃え尽き症候群、というヤツか……これだけの大事業を丸投げしておいて、悠々と婚姻などと……式にくらい呼んでくれてもよかったのだがな」

 

「は、はぁ。あの?」

 

「気にするな。老人の独り言だ……以前、お前の仕事ぶりも見たことがあるぞ。磨きと研ぎ。細やかな手入れと仕上げだった。褒めてやってもいい」

 

「ど、どうも……?」

 

 どこかで会ったっけ、この人……?

 いや、こんなイケオジ見かけていたら、記憶の片隅に残しそうなものなんだけど。

 ていうか……うーん? イケオジ……の気がするけど、顔が……見えづらい……ような……?

 

「これからも世話になる、ということだ。励めよ、若人」

 

 なんか、そんな啓示にも似たお言葉をもらって。

 

 

「──……あれ……?」

 

 気が付くと俺は、作業室の椅子に座っていた。うたた寝していた、らしい。

 ハッと作業台座の上にあるアキさんの神機を見ると、ピカピカだ。手入れ、いつの間に終わらせてたんだっけ? ちょっと記憶が曖昧だな……

 

「ちわーっす。神機さんの整備、いかがですー?」

 

 と、その時、作業室の扉が開いて、アキさんがやってきた。

 その手には例の初恋ジュース。の、飲んでるのか、この人……!?

 

「えーと、今磨き終わったところですよ。アキさんこそ何故ここに?」

 

「捧げものを一つ。神機さんに寄越せ、って言われましてねー……これもしかして、毎日やるのかな……」

 

 そう言って、アキさんがぽいっと初恋ジュースを神機さんへと投げ。投げ。え!?

 ──瞬間、神機の捕食フォームが起動したかと思うと、缶を飲みこんだ。

 

「えっ」

 

 グシャッ、と缶の潰れる音。

 捕食フォームが戻った後、神機の刀身の上には、潰れた空き缶が鎮座していた。水滴一つない。

 それをアキさんが拾い上げる。

 

「あー、はいはい。初恋ジュースは一日一本ですよ神機さん。え、朝と任務後に二回? ……ま、まぁ、レン君よりはマシな頻度か……分かりましたよ……」

 

「? えーと、アキさん?」

 

「あ、すみません独り言。えーと、明日から朝と任務後に初恋ジュース届けに来るんで。それだけ。これからも整備、お世話になります! ──さん」

 

 空き缶ゴミを手に、そこでアキさんは退室していった。

 いや、なんというか。

 もしかして貴方、神機さんとも交信できるんですかー、とか。初恋ジュースを勝手に飲む神機さん、ほっといていいんですかー、とか。

 

 一瞬、頭に色んな疑問が浮かんだけれども。

 

「……名前、覚えられてたんだぁ……」

 

 モブとして、そんなことで嬉しくなってしまった俺だった。

 

 我が整備士道、まだまだこれからだ!

 

 

 

▽整備士Aの道行き

Fin

 

 




モブA
 今回の視点主。極東支部所属の整備士。
 史実(原作)において神機・ケーニヒスベルクのデザインを発案したモブ。
 極東支部の片隅で、いつも仕事してた人。何気に真壁の弟と知人。
 最後にナゾの老紳士整備士が見えたのは感応現象。老紳士側が彼の周波数に合わせたため。



 最終話前に、あとがきという名のご挨拶をば。
 ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

 本編を書き終えてからというもの、なんか番外編が糖度圧縮してすごいことになったり、20話以上あった後日譚を設定矛盾の関係で泣く泣くカットすることになったり、色々あった気がしますが、まあ些事ですね!(血涙)

 まぁ結局カットしても最強先輩の無茶苦茶具合は大して変わらず、抑えることもできず……ああいう結末となりました。ほんとなんなんだあいつ。

 本編時空は安定の平和で。初期構想にはガーランドさんが黒幕だったような案もありましたが、余波でハッピーエンドを迎えたということで。
 ……あと書ききれなかったのが、ウツギの人。彼は存在していて、番外編#4で出てきた難民の一人にいて、実は女神の森に一家で到達、裏で救いがあった……という想定で。

 キグルミ? それは作者も分からない。あれなに?

 という感じでファンディスク気分で書いてきた番外編、後日譚、このおまけ編で、本作は完全完結となります。他にもハイファンタジーの一次書いてるのでそっちもよろしくね。

 ゴッドイーター最高! 我々はGE4をいつまでも待っている……それでは!
 次回、本当に最終回!
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