最近なぜか分からないが公園のベンチに座ってのんびりすることが多い、前だったら絶対しないであろう行動…
正直あの、なぜか懐かしい感じのする子に会いたいからと思ってしまうからこうしてベンチに座って教科書を開いて文字を見ている…
はぁ…だいぶ変だな俺、なんであの子に固執するんだ?まぁ確かに将来美人さんになることは間違いない…でもそういう邪な感じでも無いんだよなぁ…なんでだ?
いくら考えても答えなんて出るわけない、そもそも自分の中でしっかりと言語化もできてないふわふわしたもの相手にいくらどうしたところでなにか意味がある訳でもない
そう考えて改めて教科書に向き直りページを捲っている
「ふぅ〜〜」
体感時間ではそうでも無いけれど、そこそこ時間はたっているのだろう日が沈み初め少し肌寒いように感じる、目の疲れを癒すために目頭を指で抑えて上をむく…
まぁ…そうそう何度も何度も会える訳でもないしな、ちょっと残念…
そう思って立ち上がろうとしたら、隣に赤い瞳を持った女の子がそこにはいた…
「うっわぁ…ビビった、いつから居たの?」
「えぇ?だいぶ前から居たよ?」
全然気付かなかったなんて、よっぽど集中してたんだね?お姉さん感心してます、
となぜか上から目線で褒めてくるこのこの女の子…
その顔は幼い顔立ちからは考えられないほど大人びていて、一瞬目を奪われてしまう…
やっぱり不思議だ…俺がこの子ぐらいの年齢の頃はもっとワガママなクソガキだったのに
それに…
前から気になっていたんだけど
「前から気になってたこと聞いていい?」
「う、うん…」
そう言うと何故か向こうは緊張したような面持ちでゴクリと小さい喉を鳴らし、瞳を僅かに揺らす
「どこかであったことない?なんというか…変な感じに捉えないで欲しいんだけどさ?なんか…初めて会った感じがしないというか、あの時より前に会ったことない?」
そう言うと、少し悲しそうな嬉しそうな…複雑そうな…なんとも言えない判断に困るような顔をされる、なにか不味いことを聞いてしまったのではないかと内心慌てていたが、どうやらそういうわけでもないらしい
「君ってさ?なんでそんなに熱心に勉強してるの?」
突然何を言い出すんだこの子?というか俺の話題をすり替えてる…と一瞬思ったけど、顔は真剣で優しくて…誤魔化すために聞いたようには思えなくて、親に話さないようなことさえ話してしまいそうになるのを必死に押えながら…でも、あの時の幼い記憶の蓋をそっと外す
「幼い頃に…まぁ…その、俺の姉?う〜ん?まぁ姉でいいかな?姉みたいな人が亡くなっちゃってさ、悲しくて…キツくて…どうしようもないって感じがして、だから…その時のお医者さんに勝手に約束したんだよ、俺は将来貴方みたいなかっこいい医者になって、僕みたいな気持ちになる人を減らしますって」
まぁ〜でもその後色々あって、やる気無くしちゃって…でも他にやることもないから今はそれにしがみついて、惰性でやってる感じかな
そう言い終わると、俺は子供相手に何を言ってるんだと思った、こんな話をしてこの子にどうして欲しい訳でもない、はぁ〜最近やっぱり俺は変だ
「その子のためにそうやって毎日頑張ってるの?」
「その人のため…なのかなぁ…正直言うと分からない、俺が救いたいと思った人はもう死んじゃって、なんのために今こうしてるのか正直分からない…かな?」
そう言うと、その子は悲しそうな顔をして…
いや、なんというかとにかく複雑だ、形容なんてできなくて、それでも一言でそれを表すとなると
お姉さんのような顔になった
「よしよし、嫌なことがあったのに頑張ってるんだね?偉いじゃん」
やめて欲しい、こんな小さい子に頭を撫でられて慰められる高校生とか、外から見たら普通に通報案件だろ…
でも…なんでか振り払う気にはなれなくて、どちらかと言うと嬉しいのに恥ずかしいから今すぐやめて欲しい…そんな感じがする
正直忘れて欲しかったと言えば嘘で、忘れて欲しくなかった、私は確かに生きていて普通の人のように生きてはいけなかったけど、それでも誰かの記憶に残る人生だったって思いたかった
そんなのはエゴで置き去りにしてしまった人にとっては辛くて相当に堪えることって分かってる
今もこうして私のことを忘れないで今でも悲しんでくれる…それが申し訳ないし、私の事なんて早く忘れちゃえば良いのにって思いと、
忘れないでくれてありがとうって気持ちが両方私の中にある
あーあ…私のせいでこの子の何かが変わっちゃったのかな?でも…それを悪くないと感じてしまう私が居る…
身勝手な私のためにここまで思ってくれる…
本当に
「ありがとね」
「何が…?あと…いい加減恥ずかしいから離して欲しいんですけど?」
「いやでーす、本当に嫌だったら早く離れれば良いのにしないでしょ?今は素直にお姉さんに頭を撫でられておきなさい」
そういうと観念したように顔を赤らめて下を向いてしまう、その前とは少し違った反応を楽しむように、暖かくてサラサラした髪の毛の感触を…小さな掌いっぱいに堪能してしまった