俺はなぜか死んだと思ったら転生していて、気づいたらアクアマリンといういかつい名前とともに第二の生を歩き始めたどこにでもはいない転生者と言うやつだ
そして双子の妹ルビーもどうやら俺と同じようで、そして僕の前世の知り合いだった秋君とどうやら知り合いだったらしい…
そしてふと考えが浮かんでくる…
あれ?さりなちゃんなんじゃないのか?
いや…でもそんな偶然あるのか?でも2人が話してる時をよく見るとなんというか、病室でやっているようなことをそのまま再現しているみたいに感じてしまう…
ただ…ひとつどうしても引っかかることはある…
「ふぅ〜ふぅ〜ど、どうよ!?」
「全然ダメだね、推しの愛を感じない!もっと!もっとこう自分の熱い心を燃やして!」
「はい!師匠!!」
さりなちゃんってあんなアグレッシブだったかなぁ?
あと秋君いつの間にかアイを推すためのオタ芸になってるけどそれで良いのか?なんでノリノリなの?というかライブはこの前行ったって言ってなかったっけ?
「2人ともまだやってたのか」
何となく話しかけてしまう、こっちが勝手に思ってる事だけど、さりなちゃんが楽しそうに秋君と喋っているのを見るのは心地いい
「あ、お兄ちゃん、今私が完璧なオタ芸を伝授してるところなんだよ!」
「くっそぉぉ…なんでだ!何が足りないんだ!俺に一体何が足りないって言うんだ!」
さりなちゃん凄い自信満々に師匠やってるなぁ…そんなに師匠って呼ばれるのが嬉しかったのか…いや、多分あれは姉っぽいこと出来て嬉しいって顔だな、
そして秋君…なんで君はそんな熱血主人公みたいになってるんだ?鉄板の上の野菜から人間になるまで頑張ったんだから充分な気がするんだけど
成長しても素直な部分は何も変わってないみたいで僕としても嬉しいよ
「ぁ"〜一旦休憩、飲み物買ってくる」
そういうと逃げるようにさっさと自販機に向かって歩く秋君
居なくなったタイミングでルビーに話しかける
「随分懐いてるな」
「な、懐く?まぁね?まぁいくら図体がおっきくなっても私の溢れ出る姉の空気感?そういうのが滲み出てるって感じ!」
元気ハツラツだな本当に、自由に動き回れて好き勝手はね回ってやりたいことができる、もし君がさりなちゃんだったら
そう僕は考えてしまうよ
「飲み物買って来たぞ〜」
そういうと人数分買ってきてくれた秋君がペットボトルを差し出してくる、それを有難く受け取る
「というかなんで俺はオタ芸やってるんだ?おかしいよね?なんで高校生が小学生にオタ芸習ってるんだ?」
人心地ついて我に返ったのかじっと僕達双子を眺めてくる、ま、まずい
何がまずいのか分からないけれどそう思って謎に身構えてしまう
「まぁいいか、さて、悪いけど俺はこの後用事があるから今回はここまでだな」
「まぁ、ある程度形になってはいるから合格点ぐらいはあげてもいいよ、よしよし」
自然にルビーが秋君の頭に手を置いて撫で始める、確かに絵面やばいな…深く追求しないのは秋君のいい所だとは思うけど
あ、手を払った
「この後の用事?何かあるのか?」
「ん〜?まぁ勉強よ勉強」
「勉強頑張ってるんだもんねぇ〜」
勉強
「将来の夢は医者?」
「おぉよく分かったな、そうだよ、まぁ今は夢っていうよりほかにやりたいこともないから惰性で続けてるって感じだけどね?」
君は今でもあの時のことを覚えてるのか
僕は夢を見る子供相手に気の利いた事がいえなかった、それなのに、君は
本当に変わってないんだな、そういうとこ
そう思ったら思わず立ち上がって、頭を撫で始めてしまう
最初はうっとおしそうにしていたけれどルビーも加わり2人して髪の毛がぐちゃぐちゃになるまで撫で回す
「もぉ君たちはなんなのかなぁ?なんで高校生の頭を平然と撫でてくるの?ほんっとにさぁ?さりな姉さんと吾郎先生みたいだよ」
そう、ボソッと呟いた言葉を…僕は聞き逃さなかった…そしておそらく…ルビー、いや…さりなちゃんもしっかりと聞いたに違いない…
まだ覚えてくれている…あんなに小さな頃のたった少しの記憶なのに…覚えてくれている…それが嬉しくて、思わず目頭が熱くなるのを自覚してしまう…
そして…
「うっぉ!?え?えぇ!?ど、どうしたの師匠!?先生までどったのまじで!?え、えぇ??」
困惑する秋君を他所に僕とさりなちゃんは、立派に成長した秋君を抱きしめて…静かに泣いた