今日の私は非常に上機嫌だ、なんとお兄ちゃんは実は吾郎せんせで私と同じことになっていたらしい
せんせが死んでしまったのは悲しかったけれど、またこうして会うことが出来る、しかも今私は健康な身体と抜群の見た目、これさえあればママと同じぐらい凄いアイドルになってせんせを悩殺できる
そう考えたら機嫌よくスキップしながら学校に向かっちゃうのも仕方ないよね
はぁ〜朝から一緒に行こうとしたけど日直で先に出ちゃった
あ、秋だ、しょうがないなぁ〜ここはひとつ幸せのおすそ分けをしてあげなきゃ
「おはよ〜」
今日の私は機嫌がいいからね〜どんなに辛辣な態度にも全然心なんて動かないよ
そう思って話し掛けた、普段だったら失礼な態度をとるはずなのにこの日は非常に上機嫌で
「お、おはよ〜」
ニコニコした笑顔で話しかけられた、え?何か悪い物でも食べたの?
「ど、どうしたの?体調悪い?」
「なんて失礼なこと言うんだこの子は?まぁ、俺は今日機嫌良いから良いんだけどさ」
なんでこんなにテンション高いのこの子?
「どうして?」
「いや〜なんか綺麗な人に話しかけられちゃってさ?やっぱ日頃からいい事してるからかな〜」
そう言うとまた元気に歩き始める秋
へぇ〜秋にも出会いがあったんだね 、凄い嬉しそう、余程綺麗な人に話しかけられたんだな〜これだからお子様は単純で困っちゃうよ
そのままなんてことない会話をしながら歩いているとあっという間に
「じゃあな〜気を付けろよ〜」
意気揚々と歩いていってしまった
余程嬉しかったのかなぁ?まぁ秋も年頃のオスだからね〜ああやってはしゃいじゃうのも仕方ないよ
そう思って学校に着く、授業を受けている時に何気なく上機嫌の秋が脳内にチラつく
ふ〜ん、へぇ、、
べキィ!!
あ、いつの間にか鉛筆の芯が折れちゃってる?そんなに力入れたつもりないんだけどな?
結局その日1日なぜか集中出来なくて、心の中に何かモヤモヤした物が渦を巻いているような感覚のまま学校が終わってしまった
お兄ちゃんは用事があるみたいで先に帰ってしまった
仕方ない、私も帰ろっと
特に早く帰らなければならないって訳じゃない、だから自然と視線は公園に向く
今日も居るのかな?今日はどんなことを話そうかな?
自然と会える感じがする、予想は的中、公園のベンチに座っているのを発見
近寄ってみて
すると
寝息を立てて寝てしまっていた、いやなんで小学生より早く学校終わってるの?
疑問はあるけど特に困らないから隣に座ってじっと眺める
本当に成長したんだなぁ、大きくなって
変わってない部分もそれなりにあるけど
手を軽く握ってみる、大きい、昔はあんなにちっこかったくせに今ではこんなに大きくなってゴツゴツしてる
指を触るとペンだこが出来てる、惰性で勉強してるって言ってたくせにこんなに固くなるまでやってるんだ?昔からの頑張り屋さんは変わってないんだね
そういえば昔に可愛い彼女作れよって言った気がするな
なんだろう、この感じ…今はただこうやって隣に居る
な〜んか変だよね
う〜ん、よし!
ん、あれ寝ちゃってたか?今日は職員会議とかで早めに終わったから図書館で軽く時間を潰してから結局何時もの通りに公園に来ていた、昨日の疲れもあってか眠ってしまい頬の感触で目が覚める
目を開けると赤い瞳の女の子がドアップ
「うわぁ、何してるのお前」
「ん〜?ペンで書いてるの」
何を言ってるんだこのお子様?とりあえず軽く払うことでこれ以上顔に落書きされる心配は無くなった、どうやら途中のようで不満げな顔をされたが寝ている顔に落書きされた俺がするべき顔をお前がするなと軽くデコピンしておいた
ちょっと嬉しそうな顔してるのはなんなんだ?
「それで?なんて書いたんだよ?」
「秘密〜後で確認すれば?」
そう言うと満足したのかそのまま隣に座って最初はニコニコしていたけどそのうち神妙な顔つきで俺の顔をじっと眺めてくる、え?何?一体何書いたんだ?後で確認しよう
「それでさ?朝話してたお姉さんと付き合いたいの?」
何を言ってるんだこいつ?俺が余程何言ってんだこいつ?って顔をしたから凄い困惑してる
「お子ちゃまはすぐそっち方向に話が膨らむから10年は早いんだよなぁ」
「なにそれ、私の方がお姉さんなんだけど」
はいはい、そんなほっぺたを膨らませていかにも不満そうな顔をしてもちっこいんだから大人しく受け入れなさいよ
「美人な人に話しかけられてテンション上がらない男は居ないってだけ、さすがにそこまで話は飛躍してないよ」
「へぇ〜じゃあ付き合うつもりはないんだ?」
余程気になるのか前かがみになって顔を近づけて来る、やっぱりあれか?こういう年頃の子供はそういう話に目がないのか?
「ないよ、というか今の所そんな暇が俺には無い」
「へぇ〜そっか」
「と、所でさぁ?」
少し距離を取りながら慌てて話題を他に移す、特に不審がられるわけでもなく話題が逸れたので内心ほっとする
流石に今のをバレる訳にはいかない
俺がないといいきった時の安心しきったような表情、その顔に一瞬ドキッとしてしまった
そんな不名誉なことは隠し通さなければならない
そのまま何事もなくすぎて、家に帰る途中
スマホで頬に書かれた落書きを見る
さ
そう1文字書かれていた
「ん?あいつの名前ルビーだよな?じゃあこれは苗字?さ、さ、佐藤ルビー?齋藤?齋藤ルビー?」
なんというかどれもしっくり来ないな
結局これがなんだったのか分からずモヤモヤした気持ちだけが残った