あの文化祭の一件以降ルビーとあまり話さなくなった、顔を合わせて挨拶をして通学路を途中まで歩いて、それで別れる
前までだったら何か会話があったのだけれどそれも無くなっていて、お互いそんな状態でどうにかしなきゃと思ってもなんでそうなっているのか分からない俺が何か出来ると思ってもない
公園に行っても双子はいない、アクアにそれとなく理由を尋ねても分からないと答えられる、まぁ、今までが少し仲が良すぎただけでこれが普通で当たり前、ただほんの少し寂しいって感じてしまう、前と似たようなもので、でも顔が見れるだけ前より小さく、でも確実に心に軽い穴が空いている
テストも重なって本格的に喋らなくなってしまいなんなら顔も合わせることが難しい
公園に行っても居るわけないのに見て居ないかどうか確かめてしまう。
…………あ、
何してるんだあのお姉さん?なんか辺りをキョロキョロ見渡してるな、あ…こっちみた、すっごい手振ってるなめちゃくちゃ分かりやすいんだけどあの人、手招きしてる?
呼ばれたからには仕方ないと公園に入るとあの時と同じように隣に腰掛ける
「やーやー奇遇だね?」
「いや、どう考えても俺の事待ってましたよね?奇遇がすぎません?」
明らかに俺の事を待ってたんだろうと視線で伝えると地味に上手い口笛を吹きながらそっぽを向く、いちいち動作が可愛いなこの人
「最近すっかり寒くなったね〜コタツから出るのも嫌になっちゃうよ」
「そうですねぇ、机に座ってても足の先が冷えちゃって仕方ないですよ」
俺が来るのをずっと待っていたからだろうか?赤くなった指の先を温めるように息を吐くその動作すらいちいち絵になる
「何か暖かいものでも買ってきますね、何がいいですか?」
「お〜ほんと?じゃあ奢ってもらおうかな?」
こっちが悪いというわけでもないけれど、女性をこんな寒空の下待たせてしまった罪悪感は温かいミルクティーを渡すことで帳消しにしてしてしまいそのまま隣に腰かけて
「それで?俺に何の用ですか?」
何となく想像が付くようなつかないような感じがするのだけれど、もし間違えていたら自意識過剰すぎて気持ち悪い、ミルクティを一口飲んで身体を温めると口を開いた
「ルビーと喧嘩しちゃった?それも結構大きい感じの」
「喧嘩…ですか?したんですかね?正直心当たりが全くなくて」
やっぱりか、恐らくこの人はルビーの親戚か何か、それで度々相談に乗って上げてるのだろう、俺的に話を聞いてもらうのはありがたいけれど正直なんで今こうなっているのか分からなくて、話さなくてもいいはずなのになぜかこの人に対して警戒心という物が剥ぎ取られているのかなんなのか、気づいたら文化祭の一件を残らず喋ってしまった
「へぇ〜なるほどね〜いやぁ青春してるね〜」
「そうですね、自分は無縁だと思ってたんですけどね、なぜか告白されました」
「それでそれで!告白はOKしたの?」
なんか食い気味に聞いてきたんだけど、テンション高くない?あと距離近いからやめてくださいお願いします
「断りましたよ」
「そりゃまたなんで?」
確固たる理由は無い…と言ったら嘘になるけれどこれを話すと結構気持ち悪いから言えない、だから周囲の人間にはもう半分の理由を話すようにしている
「まぁちょっと小さい頃にとある人に勝手に約束してましてね?その目標のために勉強に力入れてまして、遊ぶ時間とかも作れないのに告白受けちゃったら相手に失礼かな〜って」
「真面目だねぇ?それに、ハハーン…約束したのって女の子かな〜?」
またニヤついてこちらに近寄ってくる、だから近いって、離れて!お願い!
なんとか距離を取らせながら否定する
「残念男性、れっきとした男ですよ」
「な〜んだ残念」とテンションを下げながら腰をベンチに下ろす
「でも、そのきっかけになったのは女の子でしょ?」
「はっは〜正解です」
まさかの正解を引き当てられるとは思わなかった、なんで分かるの?こっわ、余程そんなふうに顔に出ていたのか
「分かるよ〜」
言葉を続ける
「じゃあ君はその子に対して初恋拗らせてるんだ〜?何年ぐらい?ねぇ?何年ぐらいなの?」
こんな意気揚々と人の心にグサグサナイフ飛ばしてくる人もなかなか珍しいんじゃないのか?
「ま、まぁそれはいいじゃないですか?ルビーの話に戻りましょう!」
強引に会話を流す、流石に強引すぎてニマニマした目を向けられるが何とか流されてくれたらしく、再び上げた腰を下ろしてくれる
「まぁそれに関してはもう解決したかな?」
「え?これじゃあただ俺が辱められただけじゃないですか」
いや本当に、年上のお姉さんになんで俺は初恋引き摺ってて恋愛できてない勉強するだけのマシーンですって伝えてるの?公開処刑?
「まぁ〜たまにはいいんじゃないの?そろそろ行かなきゃ」
そう言って立ち上がって「飲み物ありがとね〜」立ち去ろうとする後ろ姿に声をかける
「本当の愛って言うの、分かりましたか?」
ピタッと止まって、サングラスを外しながらこちらを振り向いてじっと見つめるその両目には綺麗に輝く一番星が光っていて
「うん、君のおかげでわかったと思うよ!」
「それは良かったです」
その笑顔が眩しくて、ただ目を眩ませてしまった
どーしよう
ベットで頭を抱えながらこう考えるのは何度目なんだろう私…
はぁ〜何してるのかなぁ?最初は、最初はね?別にここまでするつもりはなかったんだよ?ただちょっと不機嫌で、それでもちょっとしたら普通に戻ろうと思ってた、でも照れて嬉しそうに告白されたことを報告するあの顔を思い出す度に心に軽くチクッとした物が刺さって抜けなくなってしまう。
あれから話しかけようと思ったけど、通学路で顔を合わせる度に挨拶する…でもそれ以上なんもなくて、テストで忙しかったのかそれすら無くなって、いよいよ私とあの子の接点は無くなってしまった。
一応せんせが連絡先を交換してるって言っても私とはしてないから薄い糸で繋がってて、それを大事に手繰り寄せていかないと直ぐに切れてしまう…
そんなことも分からないぐらい変な感じになってた。
でも…流石に何時までもって言うのはダメだよね、これに関しては完全に私が悪いし!しっかりと元の関係に戻らなきゃ!
そう息巻いて学校に向かうけれど姿が見えない。
まぁしょうがないよ、何時もが逆に会いすぎてた感じだしね!
そう思って次の日
ま、まぁ!こういうのって何回か続くし!
そう思ってたけど1週間会うことが出来なかった。
ゴロンとベットに横になりながら考える、とうとう嫌われちゃったのかなぁ?
まぁあんな態度取ってたから当たり前だとは思うけど。
寂しい…
お兄ちゃんと一緒に学校に向かう、気持ちが沈んでいても変わらず時間は流れて、いつかこの感情もカサブタみたいになってしまうんじゃないかと思うと少し切ない
「よーす双子、いやぁ久々だな」
は?
当たり前のようにせんせの隣を歩き始めた秋…せんせは普通に喋っている、鞄から取り出した何かを手渡しているらしく、呆然としている私にも渡してくる
「なに…これ?」
「え?可愛いだろこれ、北海道土産のアザラシハンカチ、なんか可愛くて気に入っちゃってさ?」
じっと見つめる、お土産?北海道?アザラシ?よく分からない情報が次から次に流れてきてもう何がなんだか分からない…
そういえばあの時も下げて上げて、私の気持ちを乱して寂しいって思わせて、その後全部壊すみたいにしてくる…
はぁ〜
「お、やっと機嫌直ったか?流石俺の修学旅行のお土産」
そう言いながら「いやぁ〜楽しかった〜」なんて呑気に言っているクソガキを
「いっでぇ!?」
思いっきり蹴飛ばす
「ふん!」
そのまま早足で小学校に向かう、流石に
秋からしたらなんで私が不機嫌かも分からない、分からなくていいし知らなくていいというか知られたくないし。
だから…秋相手に悲しんだり喜んだり、簡単に嬉しくなっちゃって顔を赤く染めてる姿なんて絶ッ対に見せたくない!!