あの……ここ俺ん家なんですけど……?   作:苺豆大福

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せっかく夏なんだし!(9月です)怖い話でもしようぜ!(9月だって言ってんだろ!)

注意 この話はあるアニメのパロディです。分かる人は居ると思います。それと少しばかりネタバレを考慮して名前を出してないキャラが最後に出てきます


本人は忘れていても…やられた方はずーっと覚えているもんさ

 ほう……お前が彼の……

 

 ……一つ頼みたい事がある。何、簡単な事さ、やり方はお前に任せる

 


 

「え〜、次のニュースです、昨日の夕方頃○○市○○駅のホームの線路に二十代の男性が飛び込み、死亡する事故が起こりました。警察は……」

 


 

夜が深くなり、満月が照らす河川敷。そこには今どき珍しい八目鰻の屋台が開かれており、若い男がそこで酒を飲んでいた。

 

「お姉さん綺麗だね?どうだい?この後一緒に遊ばない?」

 

「困りますよお客さん…明日の仕込みもあるし、それに…余り遅くまで外にいると……妖怪とか幽霊とかが出てきますから……」

 

「……フ、フハハハ!お姉さん妖怪とか信じてるの?!可愛い所あるじゃん!……でもさー所詮はフィクションの産物じゃん?ほらテレビとかで霊能者とかが「ここに目には見えない者がいます〜」とか言うけどさぁー、そんなのは金儲けの手段で実際には妖怪はいないんだよ」

 

 酒に酔い口が饒舌になっている男は、更に酒を飲み干していく。そんな男の態度に顔には出さないが早く彼が来てくれないかと思う屋台の店主、その願いが届いた様に酔った男に声を掛ける少年がいた

 

「突然で申し訳ないんだけどさ?」

 

「アア?‥んだ、テメェ?」

 

 いい気分を邪魔されたからか、いきなり声をかけられたからか、またはその両方か眉間に皺を寄せて声をかけてきた者を睨む男。だがそんな事は露知らず少年は男にこう告げる

 

「目に見えないモノも妖怪や幽霊も居るよ?それに貴方の周りにも…」

 

「チッ……フン!」

 

 舌打ちをした男は少年を思いっきり殴り飛ばす。少年はバランスを崩し近くにあるゴミ捨てばに倒れ、男はそれを見て笑う

 

「あっははは!テメェみたいな奴にはお似合いな姿だぜ!何が妖怪や幽霊は居るだよ、居るんだったら今すぐここに連れてこいよ!」

 

 俯いた状態で少年は徐に口を開く

 

「…………因果応報って言葉…‥知ってっか?……気をつけた方が良いぞ、自分がした事は……必ず自分に返って来るからな?」

 

 そう言って顔を上げた少年の目は、言葉に表せない程に気味が悪く不気味だった。すっかり機嫌が悪くなった男はその場を離れていく。店主は少年に駆け寄り体を起こす

 

「ちょっと翔、大丈夫?派手に倒れたけど…」

 

「口をちょいと切っただけだから大丈夫だ…しかし、聞いてた通り自分の気に触る事があればすぐに手が出るな……アイツ」

 


 

 もう深夜の12時過ぎ、終電も無くなり途方に暮れている男

 

「んだよ……終電無くなってんのかよ、クソが」

 

「あれ?杉田?杉田じゃないか!久しぶりだな!」

 

「あっ?お前……豊田じゃん!高校以来じゃ無いか!‥‥しっかしお前変わって無いな?相変わらず貧乏人くさくてバカ丸出しの顔だな」

 

 杉田に声をかけたのは豊田と言う同年代の男だった、年も離れていないかもしれないが杉田よりも豊田の方が若干若く見える

 

「お前も終電を逃した口か?着いてないな、お互い」

 

「まぁ、そんな所かな?あっ、でもまだ電車出るみたいだよ?ほら…」

 

 豊田が指を指す電光掲示板には

0:40発 ○○霊園行き臨時電車
と表示されており、ちょうど駅員室から一人出てきたので豊田はその人に話しかける

 

「駅員さーん!今日ってまだ電車走るんですか?」

 

「ええ…今日だけの臨時ですか……ご乗車なら4番線でお待ちください」

 

 駅員に言われた4番線のホームに出るとそこには自分たちの他にも人がいたのだが……誰も生気が無い顔をして下を向いて誰一人喋らない。豊田はあんまり気にしてない様子だが杉田は何処か違和感を感じた

 

「終電のホームってこんなに静かなのか?」

 

「きっとみんな、疲れてるんだよ?あっ、電車来たみたいだよ?」

 

 静かなホームに電車の駆動音が響く、今では余り見なくなった二両で編成され黒く塗られた鋼鉄製の電車が目の前で止まり、まるで棺桶を開けた時の音を立ててドアが開いた

 

(なんだが気味悪いな、この電車)

 

「……杉田、乗らないの?」

 

「えっ‥‥ああ、悪い」

 

 豊田に悟られ、中に入り座席に座ると、バタンッ!!とドアが閉まる   

 

「出発〜進行〜」

 

 進行方向を駅員が指を刺して笛を鳴らす。電車からは警笛が鳴りゆっくりと走り出し駅を出ていく、その電車をじっと見ているのは駅員の格好をしている翔。しばらく電車が走り去った方向を見ていたが、スッーっと姿が消えた

 


 

 走行している車両の中は誰も言葉を発しず、誰もが顔を下に向けている。今の雰囲気はまるで

 

「まるで葬式見たいな空気だね…」

 

「おい、縁起でも無い事言うなよ。お前本当昔から空気が読めないな」

 

「あっはは……ごめん」

 

「はぁ……電車に乗れただけでも良しと考えるか…」

 

「そうだね」

 

 すると静かな車両に悍ましい声のお経の様なものが響き渡り、二人は顔を見合わせて辺りを見渡す。だがどれだけ見渡しても声の主は見つからない、すると赤髪を両サイドで三つ編みにしゴスロリ系の服を着た女の子がスマホを取り出して画面をタップする。どうやら彼女のスマホから流れていた様だ

 

「‥‥すいません」

 

「……はぁ、気味が悪い音声だな。電車の中じゃ電源切っとけ!クソ女!ッ……!」

 

 イラついた杉田が彼女を罵倒すると、後ろにある窓が叩かれた様な音が鳴る。びっくりして後ろを向くがそこには当然誰も居らず、ただ闇が見えるだけ。連結部のドアが開き乗務員姿の翔が入ってくる

 

「車内検札でーす」

 

「?今時車内検札って」

 

 車内にいる人達に順番で回っていき、遂に二人の番になった。二人……正確には杉田を見下ろす翔

 

「ご協力お願いします…」

 

「‥‥ちぃ、ほらよ」

 

「お客さん、これ一週間前に切れてますよ?」

 

「なっ、そんなはずは…」

 

 乗務員に見せた定期券の期限が過ぎていると言われ、慌てて確認するが言われた通り期限が過ぎていた。すると豊田が2枚の切符を取り出して乗務員に渡し、その切符を改鋏で挟み切り込みを入れる

 

「念の為2枚買っといてよかったよ、はい杉田の分」

 

「あ‥ああ、ありがとう。……ん?」

 

 受け取った切符を見るとそこには円ではなく、六文と印刷されていた。何かの見間違えだと思い、目を擦り改めて切符を見ると260円と書かれている

 

(見間違えだよな‥しかし……こんな所普段通ってたか?)

 

 外を見ると長い川に架けられた木造の橋の上を走っていた、全ての乗客の検札が終わった乗務員が次の停車駅を告げた

 

「次は〜〜火葬場〜〜火葬場〜〜」

 

「火葬場……?そんな駅あったか?」

 

「ちょっと確認して来るよ」

 

 席を立ち乗務員に確認しに行った豊田を見送ると、また窓を叩く音が鳴る。今度は何度も叩く様な音が鳴り窓を見ると、そこには大きな紫色の傘に目玉がついていた

 

「ウワッ!」

 

 それを見て驚き席を立ち上がると後ろにいた誰かにぶつかり、床に尻餅を付く。痛い場所をさすりながらぶつかった人物を見ると首から上がなく、その人物の足元を見てみるとその人の頭が転がっていた。

 

「なっ……何だよ…」

 

  すると天井から埃が降って来る、上を見ると耳と尻尾が生え、鋭い爪と牙が生えた赤、白、黒のドレスを着た女性が襲い掛かる

 

「あっ……うわぁァァァァァァァ………はぁ…はぁ…」

 

「どうしたの杉田?すごく魘されていたけど……」

 

「豊田?‥‥う、上から化け物が……さっきのは‥‥夢?」

 

 気づけば床に倒れていた杉田。他の乗客の姿はなく、火葬場っと言う駅で降りたのだろう

 

「化け物?珍しいね杉田がそんな事言うなんて……大宮みたくならないでよ?」

 

「お…‥大宮?」

 

 豊田から聞こえてた大宮と言う名前に杉田は覚えがあった。高校の時皆んなから揶揄われていた人物、理由はその歳になっても妖怪や幽霊などを信じていたからと言うだけだ。その後大宮は体調を崩して入院したとしか知らされていない

 

「彼ね?退院した後に川に飛び降りて自殺したんだって。……体は治っても、心までは治らなかったみたい」

 

「はん、所詮そこまでの奴だったって事だろ。ちょっと皆んなから揶揄われただけで学校休んで入院って大袈裟なんだよ。社会に出た俺が言うんだ、間違いねぇよ」

 

 

「………そう……」

 

 その一言だけ言い、真顔のまま杉田を見る豊田。その顔にムカついた杉田は豊田の胸ぐらを掴み引き寄せる

 

「なんだよ?なんか文句でもあるのか!アア?!」

 

 そのまま拳を振りかぶり豊田の顔を殴ろうとすると、突然車両の電気が消え誰かが杉田を呼ぶ声が聞こえてきた

 

「‥‥た、す……ぎ……た」

 

「大宮?……なんだよ豊田、変な嘘ついてんじゃ……」

 

 突如として現れた大宮に寄ろうとする、すると消えていた電気がつくとそこにいた大宮の姿はなく、彼が座っていた座席は濡れていた

 

「な……なんなんだよ、一体……おい!豊田!お前俺を揶揄ってるんだろ!おい!」

 

 錯乱した杉田は豊田に掴み掛かり、彼の体を大きく揺さぶる。すると豊田の肩からグシャッ……と嫌な音が聞こえてきた、肩から手を離し手のひらを見ると……そこには血がベッタリとついていた。

 するとこの血を見て杉田は忘れていた……いや忘れようとしていた記憶を思い出す。放課後、誰もいない学校の屋上で自分の言うことを聞かなかった豊田をフェンスの外に出る様に命令し、その様子を自身の取り巻きと一緒に笑って見ている…すると強い風が吹き足を踏み外した豊田は地面に落ちていく…慌てて落ちた場所に行くと、既に息がない豊田だったモノがそこにはあった

 

「そうだ……お前は‥‥あの時」

 

「嗚呼……………やっと思い出してくれたんだね!!!」

 

 その言葉と同時に豊田の顔がグチャグチャになっていき、消えた筈の大宮が骨だけになって現れ、豊田はありえない方向に曲がった腕をこちらに伸ばして来る。

 

「ア……アァァァァァァァ!!」

 

 一刻も早くその場から離れる様に今いる車両から運転室がある車両に移り、運転手のいるドアを何度も叩く。すると怠そうにした乗務員の姿をした翔が出て来る

 

「どうしました?お客さん?」

 

「お…おい!今すぐ電車を止めろ!ば……化け物が……」

 

「化け物?化け物って……こうものですかね?」

 

 翔の後ろから先ほど夢に出てきた化け物達が一斉に出て来る。それと同時に連結ドアから大宮と豊田、それ以外に杉田に恨みを持つ人々が押し寄せてきた。逃げる場所がなくなった杉田は電車の窓をこじ開け飛び降りようとする

 

「ぜっ……絶対逃げてやる!この電車から降りてやる!くっ……オオオオ!」

 

 意を決して飛び降りた杉田。彼が着地したのは……さっきまで自分が乗っていた電車だった。状況が理解できない杉田に白い半袖に長ズボンを着た翔が近づく

 

「な…‥何がどうなって…」

 

「まだ分からないのか?……お前はもう死んでんだよ、一週間前○○駅の線路に飛び込んでな?」

 

「な…何言ってんだよ!俺はこうして生きてんだぞ!!俺が死んだなんて出鱈目‥‥誰が信じ……」

 

 翔の発言にまだ自分が生きていると主張する杉田だが、ふと窓に写った自分の姿を見て言葉を失う。そこに写っていたのは今自分が着ている服を着た骸骨だった

 

「さっきも言ったけど、お前は一週間前に死んだ。だけどあまりにも一瞬だったからお前は、自分が死んだことに気づかずに……幽霊となって街をぶらつき、何かと理由をつけてこの電車に乗らない様にしていたんだよ。」

 

「本来ならすぐにでも乗るはずのお前が……いつまで経っても乗って来ないから、お前に恨みを持つ者達が痺れを切らせてるんだよ?早くこっちに来い……地獄に堕ちろって」

 

「はっ!離せ!離せよ!こいつら!」

 

 後ろから沢山の骸骨とぐちゃぐちゃになった豊田が杉田の体に纏わりつく。まるで絶対に離さないように……終点にこの憎い奴を連れて行く様に……

 電車が駅に止まる。そこには破けた提灯を持った赤髪に両サイドの三つ編み、ゴスロリ調の服に猫の耳と二つのしっぽを生やした女性が立ち駅名を告げる

 

「骨壺〜〜骨壺〜〜。次の停車駅は〜終点、地獄〜」

 

 ドアが開き翔が降りようとすると杉田が助けを求めてきた

 

「お……おい!お願いだ!助けてくれよ!」

 

「お前、いじめてきた奴を助けたことあるか?」

 

「……お前、困ってる奴を見殺しにするのか!それでも人間かよ!」

 

 その言葉を受けて立ち止まり杉田を見下ろす翔。その目は屋台で見た目と同じ様に……どこまでも冷たく不気味な目で杉田を見ていた

 

「死んだ奴を助ける奴なんて居ないでしょ?それにな?」

 

 次第に翔の顔が笑顔になり、杉田にこう告げる

 

「因果応報……今まで自分がしてきた事‥自分に帰ってきちゃったな?」

 

 その言葉を吐き翔は電車を降りるとバタンッとドアが閉まり、電車は走り出す。行先は勿論……

 

「いやだ!嫌だ!地獄になんて行きたくない!!!」

 


 

「いやー悪かったな?急に頼んでしまって」

 

 次の日の昼……博麗神社で今回の件を頼んできた人に報告を済ませ、お茶を啜る…お茶が沁みるねー

 

「所でなんで俺に頼んできたんだ?地獄を作ったあんたならすぐだったんじゃ無い?」

 

「儂も生憎暇では無くてな?それにアイツの孫のお主なら任せられると思ってから頼んだだけだ。にしてもよく妖怪を集めたのう?」

 

「やり方は自由でいいって言われたから募集の張り紙を作って魔理沙に配ってもらったら意外と集まったんだよ……あっ、いっけね!俺そろそろ帰るわ」

 

「ん、改めて言うが今回の件、感謝しよう。地獄の者を代表して礼を言う。何かあったら儂の所に来るがいい。お前を歓迎するぞ?」

 

「生身の人が地獄に行っていのかな?まぁいいわ!そんじゃな」

 

 翔が帰ると影から見ていた女性が現れ翔が行った方を見つめる

 

「彼が……あのぬら「その名で奴を呼ぶのは辞めてやれ。帰るぞ」‥分かりました」

 


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