情報過多の荷物持ちさん、追放される   作:エム・エタール⁂

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96話

 

 ん、ああ、変更はないよ。

 それから、あー、来たねぇ。少し、怒らせてしまったけど、

 ・・・・・・まあ、問題ないさ。かわりに——、おっと、これはサプライズにしておこう。

 

「それじゃ、また後でね。レディ」

 

 

 

 

 

「・・・・・・何してるのかしら、」

「ん? め〜、ひつじさん」

「はあ、。あんまりその羽、動かさないでくれる?」

 

 信用できない元ご学人を連れて、私の席へ。

 そういえば結局、隣には誰も来なかったわね。重大なげすと? が来るというから、期待していたのに、

 まあいいわ、どうせ無理して交友を深めた所で、次の日には物になっているかもわからないですし。

 

 さてはて、レコウちゃんはー、

 次の試合も楽しんで、ついでに横のこの女、とっ捕まえてくれないかしらっと?

 

「ちょっと〜?」

「・・・・・・あらぁ? 残念、いないわねえ」

 

 まっずいわあ、もう時間ないっていうのに。

 こうなったら、最終手段よ?

 場内あなうんす? それはよくわかんないけれど、でもこの会場内には私の結界がある。

 ここから伝えれば、この建物どころか周辺どこにいようと一発だわ、

 

 セシィちゃんならともかく、あの子だと多分一方通行になっちゃうけれど、問題ないわよね。

 

「『というわけでレコウちゃーん、緊急よ〜』」

「うわ〜、ごーいんだねー。みんなに迷惑じゃないの?」

「なによ、ちゃんと普通の人には聞こえないよう細工してあるわよ、」

「あ、そうなのー。この程度の隠蔽で? あはは〜、」

「・・・・・・なによ、」

 

 確かにどこにいるか分からないから、全方位に展開はしたけれど、

 これを盗み見できるのなんて、結局この国にもいなかった。

 私の声を聞けるは、セシィちゃんくらいしか・・・・・・、

 

「・・・・・・まあいいわ。さてと、私の仕事は終わったかしら、」

「うーん、セシィちゃん。いないねー、」

「で、あなたは、どこに行こうとしてるのかしら?」

 

 危ないわね、気づいたらふわーっといなくなってるのだから、もうこいつに専用の結界でも被せてやろうかしら。まあ無駄でしょうけど。

 

「えー、人探し?」

「はぁ、セシィちゃん? じゃあついていってあげるから、ついでに犯人探すの手伝いなさいよ、」

「・・・・・・うわあ、まだメートのこと捕まえようとしてるよこいつ〜、」

 

 あら、察しがいいわね。

 何でセシィちゃんのことを探してるかは知らないけど、これは使えるかしら。

 

「あらあら、でも一人で会いに行ったら、問答無用で攻撃されちゃうかもしれないわよー?」

「・・・・・・べつにー、あの子はそんな事しないし〜」

「うふふ。それなら先に結界で、助けでも呼んじゃいましょうか? あの子なら、私の方を優先してくれるわよ♪」

「こいつー」

 

 ま、そんな余計な負担はかけられないけれど。

 

 っと、それでも緊急時は、ワタクシもなりふり構ってられないけどねえ、

 

「・・・・・・・・・・・・うそばっか、」

「ええ、あなたのおかげで、最近はこうする機会が増えましたから」

「元からでしょ。——それじゃ〜、いっくよ〜〜♪」

 

 歩き出す、この女について行くのはまあ、。監視だからいいのですけど、

 

「・・・・・・あ、そういや試合やるなら実況解説もいるわねぇ、」

「・・・・・・・・・・・・、」

「あれがなきゃ、試合が滞ってしまうかもしれないわねぇ。どうしましょうか、」

「・・・・・・・・・・・・え、わたしにやれって言ってる? 頭おかしいの??」

「ついてくるだけでいいわよ。あら、あなたが一人でいなくなってしまったら、私は心配して集中できなくなっちゃうわね〜」

 

 何なら危険人物がいたって事で、大会中止しちゃうかも?

 というか実際、それ程のことやらかした人なのに、なんでこう堂々としてるのかしら。

 

「・・・・・・・・・・・・、」

「それじゃ、いっくわよ〜♪」

「・・・・・・・・・・・・それ言いたいだけ? うわぁ、メートよりめんどくさいね♪♪」

「あら、自覚はあったのね?」

「そっちこそ〜」

 

 さてと。レコウちゃん、来ないわね。

 どれだけ遠くに行ってるのかしら、まあしょうがないわ、

 それまでこの子から、せいぜい情報聞き出してやりましょう。

 

 うふふ、覚悟しなさい。私を面倒な女と言った事、後悔させてあげるわよ〜、

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・うーん、めんどうじゃ。もういっそ全部壊してしまおうか、」

「抗争を?」

「いやこの国。よくよく考えたらセシィの調子が悪くなったのはこの場所のせいだし、塵芥にしてやろう」

「うおーー!? 落ち着けーーー!?!?」

 

 まあ冗談じゃ——、

 って、言ってくれます、よね??

 

「・・・・・・一週間、いや三日?」

「何のカウント!?」

「いや今夜にでも、」

「逃げてー!? この町の人にげてーーー!!?!」

 

 まあ冗談じゃ、ない!?

 目が縦に据わってる、獲物を見つけた爬虫類の瞳だ、怖い!!

 

「・・・・・・なに、やってるんだ、オマエ、」

「マキナ! は、早く何か新しい情報を出すんだ。でないとこの国は滅亡するぞ⁉︎⁉︎」

「・・・・・・斬新な脅し、だな? できるものなら、大歓迎だ、」

「冗談じゃないんだぞーーっ?!?!」

 

 くそぅ、この子に伝えても、取り合ってくれない!

 ま、まずい、流石に今夜は言い過ぎだと思うが、一週間で駄目ならマジで地図が変わるかも。

 そりゃ確かにあの子の大切な時間を一週間どころか一晩だって奪いたくは無いが、だからといってその急かし方は暴竜すぎやしませんかね!?

 

「・・・・・・ちっ、情報、あれか」

「え、なにかあるの?」

 

 視線を、いやそんもの見えないロボットボディだけど。

 でもこの子の癖的に、ああこの体になってなんか色々見えるものが増えたな、視力はちょっと悪いけど。

 

 えっとーー、そこか?

 意識が向けられた場所にあった、何やらタブレットのようなものを拾う。

 んー、鏡? 見慣れた顔、いやインカメラ・・・・・・?

 

「——おい、勝手に見るな、」

「うわっ、何それロボットアーム!? すごっ、」

 

 この中になにか、見られたくないものでもあったのだろうか。ちょっと光った画面に、すぐに取り返されてしまった。

 ウニョウニョの機械腕に、すげー、男の夢じゃん。いや変な意味じゃないが、

 

「これは、成功報酬と、言ったはずだ、」

「え、あ、あーー、あれね?」

 

 あのー、あれあれ、うん。

 

「で、でも、少しくらい、」

「・・・・・・・・・・・・まあ、確かに、途中までは進めたが、」

「でしょう! だから、まあ殆ど、やったみたいなもので、」

「・・・・・・・・・・・・ちっ、何が聞きたい、」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・いやー、あの〜、

 すーー・・・・・・・・・・・・、なにか、記憶に残りそうな。そう、思い出、的な??

 

「は? 思い出??」

「い、いやっ、今のは言葉のあやで、もっとこう、」

「・・・・・・そんなものが、聞きたいのか?」

「え、あ、うん。聞きたいねえ!?」

 

 よく分かんないけど、会話が通じたぜやったー!

 やべぇ、まじでなんのこと話してるのかわからなかった。なんか報酬? 奪う形なっちゃったけど、許してくれよーセシィちゃん。

 

「・・・・・・・・・・・・あの人の。————まあ、いいか、」

「ゆっくり語ってくれていいからなー、・・・・・・ドラゴン様が落ち着くくらい・・・・・・、」

 

 ちらっ、

 

 ——フォンフォンッシパッ、

 

 あ、なんかシャドーボクシングしてる、空気の破裂音が聞こえるなー。

 

 ——次、は、

 

 目が合う、

 ぴい!?

 

「・・・・・・・・・・・・ジブンが、あの人に会ったのは・・・・・・。まあ、そこ、だったが、」

「あ、はい。もっと聞かせて!?」

「・・・・・・・・・・・・いや、語ることもない、が、」

 

 地下室を見渡す。

 異世界に似つかわしくない、地下の秘密実験室。

 まあ近未来な真っ白で清潔って感じでもない、真っ黒で錆びついた悪の科学所って感じだけど。うん、異世界っぽいかも??

 真っ黒はいい、何か昔に置いてきた魂のようなものが疼く気がする。抑えられし我が半身よ。

 

「つまり、ここは、」

「ん? まあ、初めに、作った場所、だが、」

「なるほど。」

 

 あれ、全く分かってなかったけど、もしかしてこの子を作った博士的な人との思い出聞いてる?

 そんなのいたのか、いやそりゃいるか?

 

 うーん俺の想像から出たようなロボットボディ、ぜひとも開発者とは話をしてみたいが、すでに終わった身だしな。

 これがあの子の記憶を呼び覚ます助けに、いや凄い科学者なら、なにか精神医学的な技術も持ってたりして。ここは魔法の世界だけども、

 

「それで、その人は、」

「さあな、わかってるだろ?」

「え、あ、う、うんね!?」

「どうなってるのか、ジブンが聞きたいくらいだ、」

 

 あらら行方不明か。

 そりゃそうか、ん、まあでも確かにそんな気がする。

 というか前にも聞いたらしいな、全く記憶にない。本当にあの子はこの件について興味がなかったらしい。

 おじさん、悲しいなーって、誰がおじさんだお兄さんと言え。

 

「まあ、後は、思い出と言っても、一緒にこの町を変えたくらいで、」

「へー、楽しかったのか?」

「ああ。——って、何を言わせるんだ、」

 

 それは、良かった。

 

 ん? いや科学の町、そんな経緯で出来てたんだな、道端に自販機とかある異世界。

 ・・・・・・まあ正直、最も科学っぽいのは、目の前のこの子なんだけど、一番?

 

「————まあ、それも、終わり、だがな、」

 

 ん、物悲しい、いや寂しい?

 ふと浮かんできた、年頃の子のことなんてわからないのに、なんだこれ。あの子のことを見てたからかな。

 ともかく、このまま放置するわけには、いかない気がする。

 

「また、始めれば、いいだろ?」

「・・・・・・は?」

「確かに、一人は寂しいかもしれない。でも続けて元気な姿を見せてれば、また帰ってきてくれるかも、」

「————っ、何を、適当な、」

 

 うぐっ、だけど、ここで止まったらそれこそ無責任だ。

 

「少なくとも、お、自分は、大切な人は、元気でいてくれた方が、嬉しいなーって、」

「————、オマエ、は、」

「そ、それに帰ってきた時に二人で作った町が凄い発展してたら、びっくりするぞ! 俺だったら、凄いなーって、抱きしめたくなっちゃうな!!」

「——————————、、」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、

 

 ・・・・・・うっ、沈黙が痛い、

 

 やばっ、やらかした、慣れないことするもんじゃない。

 しかもこの体で! うわー、本当にごめん!!

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、。

 

「————————ぁぁ。——そう、かもな」

「お、おう!」

 

「でももう遅いっ、。もう、今更、だ」

 

 

 あ。

 

 項垂れさせてしまった、そんな顔させたかったわけじゃないのに。

 ああ、やっぱ俺じゃだめか。

 

 どうすれば良かったんだろうな。聞かせてくれよ、あの人とやら。

 

 

 

 

 

 

 

 計画に変更はない。

 今更だ、全て終わった話。

 サプライズなんて、こんな世界にはない。

 だからこそ、全部、

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