「・・・・・・・・・・・・ッ、ゴホッ、ゴホッ、」
静かな部屋、視線が、俺の方を向いている。
「おや、喉のまで破損していたのかい?」
「・・・・・・、・・・・・・・・・・・・、、」
「全く、しょうがないな。『創造』っと、」
異質な、どこかで聞いた音。
破損していた機械が一人でに動き出し、元の形状に、僅かに縮んで組み上がる。
「・・・・・・む、今のって、」
「まあ、便利な小技ですよ。というかボクも、そのくらいだったら一人で治せないのかい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっ、やはり、使えたか、」
「・・・・・・貴様ら、うむー・・・・・・? どういう事、じゃ??」
何だ、選択、俺が?
そもそも、何を、選べばいい、
「・・・・・・聞いただろ、こいつは、危険人物、いや人ですらないかもな。ここで、やっておいた方が、」
「そっちこそ、色々やったくせに。わざわざ攻め込む理由作るために、こっちの邪魔なのに毒盛ったりしたりさ、」
「何故、それを、知っている。という事は、止めたのか、わざわざ、」
「いや? 観客席で倒れられると興醒めだから、裏で処理してもらったけど。ああそれに、勝手に彼を使ったせいで、彼女を怒らせてしまったねえ、」
まああれが彼女の体を狙っていたからね、ボディーガードとしては、どのみち早かれやってたと思うよ。
なんて、なんて事のないように話す、エウス。
なんだ、これ。処理? だれか、死んでいるのか?
それをこんな、世間話でもする風に。マキナの言う通り、こんなにも、壊れて、
「・・・・・・あの壁、壊したのも、」
「あ、そうじゃ、確かエウスがやったんじゃろ。その後も含めて、面倒じゃったんだが、」
「まあどうせそのうち、壊れる予定だったろうし? あれは元々、国を二分して、対立を深めた後に、一気に放出して崩壊させるための仕掛けだったんだから、」
「・・・・・・・・・・・・まあ、材料集める方が、メインだったが、」
「いやいやどうせ、少しでも醜く死んでくれれば良いなんて思ってただけでしょ。ボクは、向こうのとか関係なく、この町嫌いだもんね」
嘘、だ、
マキナを、見る。
彼女は、顔を背ける事すらせず、
いやそもそも、そんな動作すらできないのか。だとしたら、でも、
「それは、なるほど。というか貴様らそれ、混乱するんじゃが、」
「すまないね。それで、結論は出たかい? キミは、どうしたいのか、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ。不服だが、この場で一番力を持っているのは、オマエだろ。どうするん、だ、」
「ん、え、あ、けふっ。・・・・・・確かに一応そうなるのか、ボクは準決勝までだったし、」
「あー、まー、じゃーー、あーーー、我も、一応そうじゃのー・・・・・・、」
それは、俺じゃなくて、
というか、え、セシィちゃん?
そうなの、流石だ、じゃなくて、
は、俺に、何をさせようと、している、。
「ところで貴様、ちゃんとこの状況わかっているのか?」
「っ、え、ああ、」
「ふむ。貴様が先程、セシィの身をもって助けようとした相手は、なんか核とか持ち出したやべー奴なのじゃが、」
「・・・・・・・・・・・・ん、」
「あははは、かひゅ、そうだねえ、」
「そしてついでに、ここでそれ笑ってるこいつも、同じくらいやべー奴らしいのじゃが、」
「・・・・・・・・・・・・間違いない、な、」
「おや、心外だねえ。でもボクに言われちゃ、お終いかな?」
そんな、事、言われたって、
ああ、わかっていた。でも、だからと言って、じゃあ、あの状況で何もしないのが、正解だって言うのか。
「いや、あれは良かったよ、いい展開だった。その後に全部、持っていかれちゃったけどね、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、このまま、こいつのヤバさが、伝わらないよりはな、」
「・・・・・・まっ、結果的に、の、」
なんで、この彼女たちは、こんなにも、俺のことを肯定する。
自分なんて、ただの優柔不断で、自分の行動に責任も取れない、へばりついた亡霊なのに、
「・・・・・・はぁ。で、貴様ら、我らが何もしなかったらどうするんじゃ?」
「・・・・・・・・・・・・まあ、今更だ。差し違えてでも、やっておくか、」
「別に、何も? ボクは放っといても色々準備してくれるってわかったからね。特に、変わりはしないさ、」
「だ、そうじゃ、」
それを俺に聞かせて、どうしろと、
「ま、このまま何もしなけりゃ、どっちも死ぬか、どっちも死なぬか、それとも関係ない奴が大勢死ぬか。ちなみに、我も正直どっちでも良いが・・・・・・、」
「大勢死ぬだなんて。まあでも、そうそうならないさ。今日だってこうして、起きるはずだった内乱をお祭りという形で昇華させたんだよ? みんなまとめて心から騒げば、想いも一つにまとまるさ」
「・・・・・・せめて、場合によっては起こす気がある事を、隠すんだな、」
「それは、くすっ、展開次第だし?」
・・・・・・やっぱりエウスは、ヤバい奴な気がする。
「おっと、こほ、それは・・・・・・。いや、それを言ったら、こっちのボクの方が、よっぽどでしょ、」
「・・・・・・・・・・・・ふん。好きに言うが良いさ、」
「こっちの、普通に町中で核使おうとしたんだよ?」
「それは、というか、止めたのに、オマエが勝手に撃っただろ、」
「まあ、そのほうが、劇的だったし? ほら、対処出来るタイミングで使わせたほうがいいっていうか、そもそも作る方が悪い!」
・・・・・・・・・・・・やっぱり、エウスが、ヤバい奴な気がする。
「げほっ、あれぇ?」
「・・・・・・・・・・・・ふっ、」
「いやいや、それは、外見のせいで、甘く見ているだろう? 確かに外観は、観客に心情移入させるのにおいて、重要なファクターだけども。別に本来なら、普通に体も戻せてたはずなんだからね」
「・・・・・・・・・・・・だとしても、オマエのヤバさには、変わりないがな、」
・・・・・・え、元に、戻せてたって、
「ああそうさ、創造。本来なら、そこらの肉片を組み合わせ、体の一つや二つ、簡単に作り直せるはずだった、」
「・・・・・・・・・・・・あれを簡単になど、。ふんっ、そんなもの、使うくらいなら、」
「いいや違うね。現にこうして、一つ作ったんだから。でもボクは、それを自分の体でしなかった。何故だかわかるかい?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、」
「ワタシこそが、本来の、エウスマキナ。いや、名もない少女だった、はずなのだからね。無口で感情に乏しいそこのボクは、逃避で産まれた果てさ、」
二つ、一人の、少女を見る。
片やキラキラと輝いた、傷一つない完璧な王子様、
片や薄汚れ、傷ついていない部分などない、肺の中のお姫様。
それでも、ああ、確かに、
面影は、消せるものではないの、かもしれない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ、ボ、ジブン、は、」
「ふふ、怖かったんだろう? 元の綺麗な体に戻ったら、その体のせいで産まれたジブンはどうなってしまうのか。消えたのか、統合したのか、はたまた、まあいいさ。結果としてこうしてワタシは、自由に生きているのだから、」
「それに! 会ったとして、気づいてもらえなかったら、見てもらえなかったら!! そう他ならぬか、ゲホッ、ゴホッ、ゴポッ!?」
そして、突然エウスが口から血を吐きだし、
は?
なんだこれ、待ってくれ、理解しきれな、
「——っ、興奮しすぎたか。・・・・・・・・・・・・けほっ、こほっ、」
「え、な、大丈夫か!?」
それは、赤黒く、口を噛み切ったとかでは決して出ない粘着質で大量の、
「・・・・・・なんてね。どうだい、キミ。ワタシの方も負傷者にした事で、対等に判断できたかな?」
「っ、な、なにいって、」
「おっと、あはは、これはあくまで演技だよ。ワタシを、誰だと思っているんだい?」
っ、そんな、そこまでして、何を、
「ああ、しかし、そろそろ時間だな。次の準備をしなくては、結論は、またの機会にしよう、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ、待て、」
「あは、はぁ。ふぅ、それじゃあ、またね、」
そして、くるりと、気づいた時には、扉の中にいた。
え? 部屋の外ではなく、近くにあった小部屋、、か細い呼吸音と、ベシャリと倒れる音がする、
————っと、核を一人で抑え込んだのは、やり過ぎたかな。でもあそこで撃たせた方が安全だったし、
「っ、なに、して、」
「・・・・・・・・・・・・ちっ、消えた、か、」
「え?」
「ふむ、ん? ここ、匂いが、ああなるほどじゃ、」
「なに、」
————しょうがない、あれに変えるとしよう。なに、どうせ元々、その予定だったさ。
なんだ、これ。
聞こえて、ないのか?
・・・・・・どうしよう。言ったほうが、でもわざわざ、
「・・・・・・・・・・・・で、オマエ、」
「あ、ああ、なに、」
「ジブンの、いや、もういいか。ボクのこと、殺すの、か?」
っ、は? なに、言って、
「今なら、抵抗も、。いや、万全でも、どのみち無駄か、」
いや、待て、何でそんな、諦めた目を、
「だが、せめて、約束してくれ。ボクの後は、あれも。ボクが生み出してしまった、怪物を。一緒に、殺して、くれ、」
そんな、こと、
それに、怪物、だなんて、
————ふふ、ああ、これも、キミの夢だったね。どうかな、似合うと、良いけれど、
気の抜けた、少女の声。
ああ、これが、彼女の本来の姿、なんだろう。
「あれは、勝手に、言っていたが、。どうせあっちも、元から分離した、狂った何かだ。元はとっくに、死んでいる。だから、」
わからなかった、でも、知ってしまった。
そしたら、例え、どんなにその行動がチグハグに不気味に見えたって。
殺すことなんて、絶対に、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・無理、だ、」
「っ、それ、は。・・・・・・・・・・・・そう、か。しょうが、ない。こちらはもう、報酬も、用意できないし、な」
「違うっ、そんなことじゃ、なくて、」
「なら、一思いに、やると良い。その後は、ま、精々早く、この国から離れること、だな、」
「・・・・・・・・・・・・っ、だから、できるわけ、ないだろ!?」
なんなんだ!
どいつもこいつも、自分のことを、何だと思っているんだ。
そんな、自暴自棄に、死のうとするなんて、絶対に、
「・・・・・・貴様が、それを言うのか、じゃ。」
「・・・・・・・・・・・・は?」
「いや、いい。その言葉、覚えておけよ、」
「なに、今そんなこと、」
「ふん。別にこいつは、自殺しようとしてるわけではないだろ? 貴様が殺さんと言うのであれば、それで終わりじゃ、」
「でも、だが、そんな、。それ以上に、この考えが、」
「いやほんと覚えとけよ、じゃ。それに、ふふ、見えてきたぞ、道筋が、」
「待っておれよ、セシィ。我が全て、解決してやろうじゃ!」
————ところで、あー、いつまで、ここで話してるんだろ、、。始められな、ゴホッ? そろそろ、キツくなって、ぎゅぴ〜。あっ、意識が、けふっ、たすけてー、ゆー、。