・・・・・・特に理由は語らないけども、早急に地下から外に出て光の中へ。
まだ表は騒がしい。そうだまだ、祭りは何も終わっていない。
「・・・・・・あれ? マキナは、」
「ふっふっふっー、ここじゃ♪」
何故か楽しげで自慢げに掲げられた鞄、その中を覗き込む。
「・・・・・・・・・・・・はぁ、何だ、ここ、」
「うわっ、四次元、」
「・・・・・・どちらかというと、バッグ、だから、いや何でも良いが、」
これは、セシィちゃんの?
こんなものまで作っていたのか、誰もが夢見るやつじゃないか、やっぱ凄いなー・・・・・・、
「え、何でこんなとこに?」
「放っといても、一人じゃ動けんじゃったろうしない。それにこいつには、やってもらう事がある、」
よくわからんが、そんな物みたいに、
いやでも、あの状態で生身で連れ出すよりはマシなのか?
「さてと、随分と回り道してしまったが、とりあえずレリアでも探すかの」
「あ、ああ。そうですね」
「それに、あやつもいた方が、恐らく、」
なら早速、ってあ、こっち方向に体が向かない。
これはさっきと同じ、避けてるの? いや、これは・・・・・・、
「勇者・・・・・・、あ、そうだ」
「む、どうしたんじゃ?」
「思い、だした!」
思わず懐をまさぐって、いや変な事はしないが、もしこれが大きかったらやばかったって、うん。色々とすまん。
取り出したのは、一冊の小さな、手帳。
「ん、それは確か・・・・・・、」
「そう、ここに確か。セシィちゃんから伝言があった、はず!」
「はぁ!? 何でそんな大事なこと忘れとったんじゃ?!!」
「いやなんか本当に、一切思い出せなかったんですよ!!?」
えっとこれ、一ページ目、『アレンと僕——パタンッ、
う、うん、見なかった事にしよう。
なんてとこに伝言残してるんだあの子!?
どおりで思い出せなかったわけだ、いやそんなところに大事なこと書くな!?!?
「で、何書いてあったんじゃ!?」
「え、あーっと最後のページかな?」
「これは?」
「ん? 日本語だな。それじゃあ、読み上げますね、」
と言っても、書いてある事は殆どない、
きっと、最後の限界ギリギリ、朦朧とした意識の中で書き残した物だろう。・・・・・・でなけりゃ、こんな大事な物に書き込むか、
なら何か、重要な、この状況を解決するための手掛かり。
元に戻すために必要な事とかが・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
——手紙には、ただ一文、こう書かれていた。
————自由に生きて
「・・・・・・・・・・・・え?」
・・・・・・なんだよ、それ、
なにが、なんで、どうして、こんなもの、
もっと、他に、、いやそもそも、なぜ、俺に、こんな、言葉、。
「・・・・・・なんて、言ったんじゃ?」
「・・・・・・・・・・・・、だから、[自由に生きて]って、」
「ふむ?? それは、なんじゃ?」
わからない、そんなの、俺が聞きたいくらいだ。
何を思って、そんな、あの子はこれを残したんだ。
「いや、そうじゃ、・・・・・・ふむ。ちょっとそれ、書き直してみろ、」
「え? 書き直すって、」
何故、そんな事、
いや何か、俺にはわからない、暗号のような物なのか、、
そうだ、あの子がこんなもの、俺に残すわけがない。何かきっと、隠された意味があるはずだ、。
だとしたら、こっちの書き方で——、
「ああ、なるほど。じゃあ読んでみろ、」
「はい。自由に、生きてって・・・・・・。何か、わかりました、か?」
「いや、まあ、そうじゃの。しかし、セシィの意志は伝わった、」
やっぱり、なにか、あったのか?
良かった、だってこんなの、ありえないだろ。
だってそれを、一番望んでいたのは、
「で、なんて、」
「んー、まあ。貴様も、あと百回くらい読めば、少しはわかるかもの、」
「えっ、そういう感じ? ——えっと、自由に生きて、じ、ゆー、に、んー、どこが暗号、」
「余計な事は考えるなーじゃ、」
——えっ、じゃあ自由に自由に・・・・・・・・・・・・、・
・・・・・・さてと、セシィからの最後の言葉、
いや我にとっての最後の言葉は、別じゃがの。
そもそも最後も何も、別にちょっと今話ができないってだけで、すぐにまたいくらでも話せるしの!
だが、その前に、そのためには、
「自由に、イキナ? 自由に、生きろ??」
このアホを、どうにかせんとの、
何度も何度も馬鹿みたいに、同じじゃなく繰り返す。大人しく真っ直ぐ受け取れば良いのに。本当にダメダメなやつじゃ。
セシィの伝言、そこに含まれた暗号、
——なんてものは、当然ない。
裏なんて一切ない純粋な言葉。
ま、完全に何も疑わず素直に受け入れられても、それはそれでか、
「しかし、何じゃったんだろうな、」
書かれた見覚えのない文字、読み上げられた聞き覚えのない言葉。・・・・・・いや、どこかで聞いたこともあるような?
そもそもこいつは誰、どこか異国の、それとも、
ああ名前くらい、覚えておいても良かったか。
「・・・・・・ふむ。貴様、」
「ジユウニイキロ、十二キロ? はっ! これか!?」
「ばーか♪」
「ええ!?」
ま、後でいいか。
何せ、くふふ、
まあどちらにせよ、早く準備しなきゃの。
「ジユウニイキテ、銃に行きて! そうだ、あっちの町に!!」
「はい後もう百回。言ってろじゃ、」
「くそっ、これも違うのか!?」
・・・・・・・・・・・・しかし、ここまで来ると、もはや哀れというか、
セシィも、もうちょっと、いやまあ。
それは改めて、本人の口から言ってもらうかの。
「ジユウニ、ジユウニ、」
「レリアー、レリア〜、いないのー、」
町の中を探し回る。
むう、匂いはするのじゃが、入れ違いにでもなったかの、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なあ、」
「お? なんじゃ、マキナ、」
カバンに開けた隙間から、声が聞こえてくる。
音くらいは聞こえるようにしてやったが、まあ首だけ出すのはあまりにも、目立ってしまうからの。
それにそんな状態でお世話するのは、手のかかる妹くらいで十分じゃ、
「・・・・・・いつまで、ここに、いるつもりだ、」
「んー、とりあえず、このアホをどうにかするまではかのー、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう、か」
なんじゃ、元気ないのー、プリンでも食うかって、
ああそういや、前から生身がある事は匂いでわかっていたが、本当よくこの状態で食事できたの。
まあプリンならむしろ、マシな方か。あれは、プルプルしてておいしーしのー、
「ま、大人しく休んでることじゃの。そしたら、後で差し入れしてやろう、」
「・・・・・・・・・・・・別に。・・・・・・・・・・・・・・・・・・今、どれくらいだ、外は、」
「ん? 何か用事でもあったのかの。まあ我が身を真似た使用料ということで、ちょっと付き合うのじゃ」
「はあ。・・・・・・なに、言って、」
そうじゃの。
別にあんな真似事、どうでもいいか。
手本になったのが我じゃないなら、どんな風に扱おうが、
「自由に生きて、いや、待てよ? こっちが暗号だとしたら、何で最初に日本語に。とすると、二つを照らし合わせて、自由に、[自由に生きて、ジユウニイキテ]」
「ああ、また変なこと言いだしたのじゃ、」
「・・・・・・なに、やって、、ん? 待て、それ、さっき、何言って、」
ほれその、よくわかんない言葉はやめるのじゃー、
「・・・・・・よく、わかんない、——っ!」
「[自由に、ん、え]あ、ん?」
「・・・・・・なん、で、オマエ、それ、」
む? 何故マキナが反応して、
「それ、は、彼、の。あの人の、言葉だったはずだ! ・・・・・・何で、オマエが、それを知って、」
「えっ、な、なにが!?」
おーー?
同郷、かの??
そんなに驚くことか? 確か、ニホンとか何とか、これが地名かの。
まあ確かに、聞き覚えはないが、
もしくは、もっと何か、根本的な、じゃ?
「えっと、その、あの人ってのは、」
「・・・・・・・・・・・・っ、、。・・・・・・・・・・・・いや、いい。全て、今更だ。」
「よくわかんないけど、そんな自分を抑えなくても。もっと、こう、ああそうだ、」
————自由に生きて、
「そうしても、少しくらい、バチは当たらないんじゃないかって、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぅ、、」
・・・・・・・・・・・・ふむ。
全く、何回言った?
ようやく、ちゃんとした意味で、口にしたかの。
しかし結局のところ、理解しなけりゃ、意味がないんじゃ。
わかった、わかってしまった。
セシィがあんなにも、簡単に全てを諦めたのは、こいつのせいじゃ。
こいつが、このセシィの大事な人らしい人間が、おんなじこと考えてるから、あの子も、
だからまず、こいつにも、その思考を捨ててもらう!
そうすれば、自ずとセシィも同じ思考を持てるようになるはず、じゃ、
しかしまあ、そこまで行くのが、死ぬほど面倒臭いんじゃがの。
はぁ、全く、こいつも、セシィも、本当に、おばかさんなんじゃから。
どうしてこんなにも似てしまったのか、まるで、
「ジユウニ、ジユウニ、」
「・・・・・・ジユウニ、ジユウニ、」
「ってそこ! なにバカを広めてるんじゃ!?」
まったく、本当に困ったやつらじゃ、の〜。
暗い、地下室。
ここは、ボクが、ワタシが、産まれた場所。
「よっと、ふう。問題ないね、」
どうしてここを選んだのか、どうしてここを残したのか、
だってここは、ワタシにとって、大切な場所だから。
「さてと、それじゃあ、名残惜しいながらも終わりの、、いいや、また新たな開幕だね」
もう一つのボクがどうかは知らないけれど、ここはワタシにとって、始まりの地さ、
キミと出会った、思い出の舞台。
「ああでも、どれだけ過去に恋焦がれても、ボクらは先に進まないといけないのさ! 時計の針は戻らない、それこそが、劇場だろう!!」
お別れさ、寂しいねぇ、でもまたあってみせるさ。
なにせ、そのために、
あはは、いやはや、これは少し、まあでもそれも一つのキャラクターだろう?
「それでは——、こほん。ええ、みなさまに、お伝えしたい事が、」
——これより最後の舞台が幕開けです。
————どれだけ素敵な時間もいつかは終わるもの、それじゃあ最後まで、自由に、命をかけて、
楽しんで!!