情報過多の荷物持ちさん、追放される   作:エム・エタール⁂

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112話

 

「ああえっと、こうなるのか、」

「やりきったのー、」

「・・・・・・はぁ、はぁ、はげほっ、。なんだこれ、」

 

 唐突に始まったダンスバトル!

 栄えあるその勝者は!!

 

「全員に同じのついてるじゃの〜」

「ふむ、ユニット単位で受理されちゃったか。・・・・・・・・・・・・しょうがないからボクらまとめて一位に、」

「なんかどっかで聞いたことあるる、ごほっ!!」

 

 息を切らす、疲れた、こんな全力で体動かすのはいつぶり、

 いや別に、こうして体を酷使すること自体は往々にあった。じゃあなんだ、何が違う、どうしてこんなにも疲労感とそれ以上に、

 

「楽しかったじゃ!!」

「あはは、それは光栄、」

「貴様らも楽しかった、じゃろ?!」

「・・・・・・・・・・・・、」

 

 思い返す。

 確かに始まりは唐突だった、というか今もついていけてない。これはきっと、強者ゆえの自由。

 ・・・・・・だとしたら、だとしても、それに素直に従ったのは、

 

「・・・・・・まあ、ボクも、悪くはなかったですよ。こういう形で主演を飾るのも、一つの形ということで、」

「固っ苦しいのー。ノリノリで音楽流してたじゃろ、」

「いやあれは、流れで、その方が盛り上がると思ったからね、」

「つまり楽しそうと思ったからじゃろ!」

「えっと、ああ、そういう事になる、——のかな?」

 

 認めた、それを。

 否定するものではない、はずなのに、何故か口に出すのが憚られた。

 そうだ、だって、

 

「・・・・・・うん。でもやっぱり、一番は決めなきゃね。みている人たちにも、示しがつかない、」

「そうかの? 我はこれも、悪くはないと思うが、」

「すまないね。でも次は、しっかりと勝敗のつくものを、」

「まあでも、そういうことなら、おかげで楽しかったじゃ。エウス」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピコンッ。

 竜の頭の上から王冠が外れる、いや、統合される?

 

 何故、いや、そうか。

 これは、誰から注目を集めた、集計結果のようなもの。

 単純に勝敗、それこそ殴り合って倒さなくても、ただ相手を認めただけで受け渡されるものなのか。

 実際、楽しく踊ったのを周りに配信していただけで、頭上の数字はどんどん増えていた。

 

 そうだ、なにも血生臭く考える必要はなかったんだ。

 もっと、気楽に、自由に、

 

「えっ、そんな、こんなことで、」

 

「ほれ発案者。貴様も、楽しかったよな?」

「え、あ、おう。楽しかったですよ?」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピコンッ。

 俺の頭からも、王冠が移る。

 

 ・・・・・・・・・・・・まあ、なんだ。

 色々過激だったけど、それでも、

 エウスが、ただ周りを楽しませたかっただけだってのは、わかったから。

 

「いやっ、でも、ワタシは、」

「ふふ、そう照れるでない。なあ、」

「ああ、おかげで楽しめたよ、」

 

 

「っ、ん、あ、ああ。・・・・・・なら、。よかった、よ」

 

 

 

 みんなで楽しく踊り終わった、

 終わりは名残惜しいか、それじゃあ、

 

「・・・・・・本当に、楽しかったなじゃ、」

「ええ、まさかこんな経験するとは、、」

「じゃあ次はいつやる、またやろうじゃ。」

「そうで——、」

 

 次を期待する、当然の発想だ。

 

「あ。・・・・・・えっと、いや、それは、」

「なんじゃ、明日か、明後日か、それとも明々後日か?」

「いや気が早い! そんな連日踊り明かすとか・・・・・・・・・・・・じゃなくて!!」

 

 気が短い?

 そうだ、そうかな、

 

「なら来週、来月、来年か?」

「・・・・・・っ、そんなの、待ってられるわけ、」

「我に言っておいて、そっちの方が待てないのかの〜」

「そうだっ、あの子のことを、そんなに待てるわけないだろ!!」

 

 セシィの、その身体で叫ぶ。

 それもそうだ。

 

「確かに、出来ることなら、すぐにでもセシィに会いたいの、」

「だったら! ・・・・・・なんで、そんなこと聞くんだよ、」

「で。我は、貴様とまた遊ぼうと言ったんじゃが、その返答は?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ?」

 

 だとしても、まったく、今は関係ないというのに、

 我はあくまで、貴様との、話をしているんだ。

 

「我は楽しかったからまたやろうと誘った。貴様も、楽しかったのじゃろう?」

「っ、いやっ、——ならっ!」

「違うのか?」

「————っ、」

 

 その後の言葉は、続かない。

 及第点、と言ったところかの?

 

「だったら、なんだよ。まるでそんな、あの子を、諦めるみたいなっ、」

「そんなわけないじゃろ?」

「だとしたら!」

「だとしても、悪くなかった、またやっても良かった。それくらいは思ってくれたじゃろ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、」

 

 沈黙、まあ答えてる様なものか。

 まったく、その黙りこくった顔させるのに、どれだけかかったと、

 セシィじゃったらもっと、・・・・・・いや、セシィ並に面倒なやつじゃのー、

 

「・・・・・・・・・・・・ぃゃ、俺に、そんな権利、」

「うわまだ言っとるのか。なら我ともう遊びたくないのか? 悲しいの〜〜、——ちらっ?」

「そんなことはっ、いや、でもっ!」

「はあ、難しく考えすぎじゃ。貴様は、貴様らは、いつも考えが過剰なんじゃから、」

 

 困った奴らじゃ、

 もう、我だって気は長くないんじゃぞ?

 

「答えろ、我とまた遊びたいか、遊びたくないか、」

「・・・・・・・・・・・・、」

「貴様は生きていたいのか、死にたいのか、」

「・・・・・・・・・・・・俺、は、」

 

 

「あの子が、笑って過ごせるなら、それで、」

 

 

 ・・・・・・・・・・・・お。

 てっきりまだモゴモゴ囀るのかと思ったが、いいこと言ってくれたじゃの、

 

「つまり、死にたいわけじゃないんじゃの!」

「いや、」

「セシィが大切な人が死んで笑顔で過ごせるわけないもんの! つまり生きたいってわけじゃ!!」

「え? 俺が、あの子の、」

「あーもうそこからか!? もうそこは受け入れろ! ともかくっ、貴様も、セシィも生きられる方法があるなら、それが最善じゃろ!!」

 

 ふうやれやれ、なんでこんな誰が聞いてもわかる様なことを、こんなに時間かけて解らせてやる必要があったんじゃ、

 ・・・・・・でもまあ、おかげで少しくらいはセシィにも伝わったかの、

 ふっふっふー、大親友の我の言葉じゃ、心の奥に引きこもっててもきっと届いてる。という体で、進ませてもらうぞ、

 

「そこでこいつじゃ! 聞いとるかマキナ、」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え? ああ、あ?」

「俺が、俺なんかが、あの子にとって、。そんな、俺はただの、醜く取り憑いた、」

「貴様もきけーい!! どうやったのかはよく分からんが、ここに元は一人だったのが二人になった奴がいるからの。つまり、同じ方法を使えば、貴様とセシィも二人に分けられるはずじゃ!!」

 

 なんか身体を作れるとかなんとか言っとったしの、

 その為にわざわざ拾って回復するのを待ってるわけじゃし、別にエウスでも良かったが。

 

 というかエウスは・・・・・・、いつの間にかどっか行っとるの。相変わらず神出鬼没な奴じゃ、まあ協力してもらうのは我が勝った時って話じゃったし、しょうがないか。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よく、わからんが、つまりそいつは、二重人格みたいな状態、ってことか?」

「あ、そっちもそこからか!? もー、なんでそんなとこ似てるんじゃ、」

「・・・・・・・・・・・・いや、ええ?」

 

 ここまでの会話で気づかんかったのか?

 確かに説明はしていなかったが、エウスの奴は初めから、そういやあっちは何でわかっとったのか。

 まあ雰囲気でわかるか普通に、

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ。まあ、なら、とりあえず、新鮮な死体でも、用意するんだな」

「なんじゃ、そんなものいるのか?」

「ああ、ボクの魔法は、そんなに万能じゃない。順番に組み立てればいい、機械ならともかく、生物は一気に作り変えないと、端から崩れる、」

「ふーん。そんなものか、」

「というかそもそも、別に、協力するとも、」

「あ、今それ言うのか? なんじゃ、何が欲しい、プリンを箱でくれてやろうかじゃ?!」

「別に、というかボクを、食いしん坊キャラにするな、」

 

 なに言っとるんじゃこいつ、

 まあいい、ほれ、道筋が見えてきたじゃろ?

 だからもう、自分が死ねば全部解決するなんて考えはやめろ。

 

 それでいいなら最初から、そうだったら我もなにも思わなかったのに、まったくもう。貴様のせい、じゃぞ?

 

「・・・・・・はは。俺の、せい、」

「そうじゃ! だから責任持って、貴様も生きるのじゃ!!」

「そんなの、だって、そんな期待していいわけ、」

「お? ふふ、これはようやく我の苦労も報われたかの」

 

 ならその調子で、セシィにも同じ事伝えるのを手伝ってもらったりも、

 元はと言えばこいつの思考のせいじゃし、いやそれは我がやるのもいいが。

 ふふ、どちらにせよ、楽しみじゃの♪

 

 早くセシィと、こいつと、・・・・・・ああそうだ、いい加減名前くらい聞いとかんと。でもセシィの口から紹介させるのもまた、

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー、仮に、ジブンが、協力したとして、その身体を移すのは、どうやる気だ?」

「え? なんかそこは、やり方知っとるんじゃないのか??」

「・・・・・・シブンの場合は、たまたま同じ脳を作ったらなった、バグ、、。偶然の様なものだ。仮に同じ死体を作ったとして、それは別の何かが複製されるだけだ、」

 

 えっ、おーー、なるほど?

 あーー、じゃ。

 ならそっちが出来るやつも探すしかない・・・・・・、いやそんな事できる奴はそれこそ、、

 

「それに、もう、時間切れだ、」

 

 空が急に暗くなる。

 もう夜か、今日の宿はどうするか、

 ではなくて、

 

「ああ、なるほど、そこまでか。じゃ、」

「あっ、なっ、あれは!」

 

 空が、堕ちてきた。

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