「レコウ達・・・・・・、もういないか」
夜、なんか色々あったので、すっかり本来の目的を果たせなかった。
「いっかい空間の中に潜ったからな、しょうがないか」
でもまあ、そんなことは些細なこと。
一人で頑張ってるドラゴンちゃんには悪いが、こっちは既に最大の謎を捕まえましたので。
「偽勇者。さてとメート、君がなにを考えてるか知らないけど、もう隠し事はできないよ」
これで解決。
それじゃあさっさと、彼の記憶を読んでっとー、
「ふらぐ、」
「何かしら、それ、」
「くそぅ、」
僕としたことが、
僕は捕らえた彼の記憶を読もうとして、
「そんなことまでできるのね?」
「うん。さてと少年、君のムッツリなところも含めて、全て晒してもらうぞ!」
・・・・・・巨乳好き、何だこれ、
喧嘩売ってんのか? いやじゃなくて、
「・・・・・・・・・・・・っ、」
「なに、どうしたのよ?」
「消されてる。あの女に関係しそうな部分が、綺麗さっぱり」
や、やりやがった!
あの鎧が、最後の足掻きで持っていきやがったのか!?
く、こんな綺麗に、綺麗すぎて少年が廃人にならなそうなのは良かったけど。
僕以外に、こんなことできる奴がいたとは、
「じゃあ、どうするの、彼、」
「うーん、落ち着いたら、解放するしかないかなあ。本当に、今の少年は何も知らないみたいだし」
仮にも偽勇者、さっさと擦り潰すつもりだったけど、なんかそんな気分にもなれないな。
「・・・・・・そうねえ。じゃあ、私のほうで何とかしてみるわ」
「うん、任せたよー」
はあ、なんか今日は疲れた。
明日もまた学校? 僕も休んでやろうか、
というか、そもそも教師一人に生徒一人、流石にまずいんじゃなかろうか。
ま、僕には、関係、どうだろ、あるのかね・・・・・・、
んー寝不足、いや時間はたっぷりあったんだけど。
最近、無駄に多かったせいかな。
なんか肌寒い? 湯たんぽ、レリアーは、まあいいか。
「大変じゃー!!」
「あ、あったかいの、」
「おう!?」
このままもう一眠り、学校なんてサボっちゃえ、ってわけにもいかないか。
なにレコウ? 朝っぱらから、そういえば昨日なに話してたか聞かないと、
「パーティじゃ!」
「え、また? なに、また今夜?」
「もう始まっとる!!」
「ふゅ?」
「人間どもが王城を乗っ取ったぞ!!!」
「ふゃーーーー?!?!」
ちょ、れりらりあれろれアウレリア!?
起きて、寝てる場合じゃないって、なにセシィちゃんの匂いーって、嗅ぐな!?
「・・・・・・なに、乗っ取り? 夢かしら??」
「僕もそう思いたい。え、とりあえず、それをパーティって呼ぶのやめない?」
「楽しそうじゃろ、」
「うん、確かに。でもまずは説明!」
ドラゴンちゃん高速説明、
「王子が、王城乗っ取った? それは普通に帰省しただけなんじゃ、」
「なんでも、無理やり演説するために押し入ったらしいのじゃ」
「えぇー?」
「馬鹿だ馬鹿だとは思っていたけれど、そこまでとはね。なにが目的なのかしら」
いや、まあ、どうなんだろ?
アホだとは思うけど、仮にも王子。まだそこまで大きな問題にはならないのかな、
「そのついでに、そのまま王にもなるらしいのじゃ」
「いや、ついでって、」
「もう既に、前の王は説得してるらしいのじゃ、拘束しながら」
「「・・・・・・・・・・・・??」」
・・・・・・もうね、絶句ですよ。
「レリアー、どう思うー?」
「私は、海の見える町に行きたいわ、」
「あ、旅行、一緒にいくー?」
よし、次の行き先は決まったな。
さてと、僕らの旅はまだ続く〜、
「・・・・・・ふぅ。それで、あなたはそれ、誰から聞いたのかしら、」
「あ、まだ諦めてなかった」
「あの女じゃ! そうそうパーティじゃから、招待状も貰ったぞ」
どこかで見た便箋、三枚?
一枚だけ少し封じが違うか?
というか、これ、
「私、あてよねぇ、」
「そうそう、演説は午後からなのじゃ。それまでに話がしたいと、呼んでるらしいのじゃ」
「ええ、行くの? 海行かない?」
「セシィちゃんの水着、私が選びたいわ。でもそのために、まずは邪魔なものを片付けないとね」
レリアはさっと立ち上がる。
まだ病み上がり、自分で立っているのを見ているだけで、ちょっと心配になる。
「行くのはワタクシだけで十分よ。あなたの目的は果たせたでしょう。後はお姉さんに任せなさい」
「・・・・・・いや、君、レリア一人で行って、意味あるの?」
呼ばれてるのは多分僕たち、
レリアは、何だ、そもそも何故ここにいることを知っている?
偽勇者、メート、やっぱりまだ、なにも終わってないのか??
「この国の問題よ。これ以上、巻き込むわけにわ、」
「いや、時間ないから。早く行くよ!」
そんなん言われて、帰る奴いる!?
というか、まだまだ僕もこの国に来た目的果たせてないんだから。
こうなったら演説乗っ取って、アレンの講演会に変えてやる!
「・・・・・・もう、」
だから、そんな回りくどい言い方してないで、大人しく、
ほらダッシュ、さっさと向かう、残念ながらドラゴンタクシーは一人用。
頑張ればいけないこともないかもだけど、心情的に。
「・・・・・・民衆は、まだ静かね、」
「民衆て、」
「まだ、一般には知られてないようじゃの」
外に出た、学園と王城は、そんなに離れてない。
「民衆が静かに平和なのは、誰のおかげかしら?」
「え、なに? 急に、王子に嫌味??」
「むう、結界のおかげよ、つまり私の。ほら見てみなさい」
空を見る。
・・・・・・何だよもう、本当に回りくどいな君は。
『助けて』、だって、いつの間にかいたんだこれ、
別に、元より、僕の用事もあるって言ってるのにね。
しょうがないお姫様だよ、もう。
王城か、入ったことが無いわけではない、ここのではないけど。
それだけ僕は、従順に見えていたのだろう、そんなわけないのにね。
さてと見張の兵士は、招待状で何とかなるのか、
「・・・・・・誰も、居ないわねえ」
「えー? うん、ちょっと聞いてみるか、」
・・・・・・人がいない、兵士どころか給仕すら。
痕跡、地下か?
・・・・・・いや、いた、これは、
「奥の大広間。五人?」
「うーむ、相変わらず獣臭い匂いもする、全員いるのかのー、」
「・・・・・・何で魔法も使わずに、聖女の結界より凄いことできちゃうのかしら」
多分これは、王の間ってやつか。
おあつらえ向きだな、本当に僕らと話をするためだけに待っているのか、
「・・・・・・やっぱり、間違いない。あの馬鹿どもだ」
「馬鹿どもって、ずいぶん仲良くなったのね、」
「なってない、あっちが勝手に擦り寄って来ただけだ、」
でもまあ、それも今日で終わりか?
どういう目的なのかはわからないけど、多分きっと、このお姫様に味方するなら、彼らとは相容れない。
別に、せいせいするよね?
「あら、本当に、全員いるのね」
ドアをくぐる、視線が五人分。
最近のお昼は、いつもこんなんだったか、
「来て、くれたか、」
そして、一番高いところにいるのは、というかその椅子って、
嫌いだ、まるで権力の象徴みたい、本当にそれに座ってるんだね。
馬鹿王子、いや、もう違うのかな?
「久しぶりね、来てやったわよ」
「・・・・・・お前を、呼んだ覚えはないが、」
「あら嫌味?」
目が合う、というかずっとこっち見てる。
僕一人狙い、いやなんで、そっちの元婚約者と話してろよ。
「さて、セレン。どうだ?」
「え、」
やべ、無意識にイイね、ってしそう。
王族だからか、気持ち悪い、やな癖。
なにがだよ、ちゃんと話しろよ、
「父上は病で療養。少し早いが、俺が王位を継ぐ。そういう筋書きだ」
「・・・・・・うん。」
「だが、お前にだけは、真実を知っておいてほしかった」
いや思いっきり他国の人間なんですけどね?
なんでこいつ、そんなに僕のこと信用してんの??
「病で療養? それに兵士も使用人も誰もいないじゃない、どうやったのよ、」
「・・・・・・ああ。全員拘束してある。無辜の民には悪いが、一度全て洗い直さないと、ここは腐りすぎた」
「クーデターね。どうやっても、綺麗にはいかないわよ?」
「問題ない、彼女に手伝ってもらった」
「彼女? それって、」
・・・・・・そういえば、いないな。
近くにいるとしたら、この奥か、
僕ですら覗けない部屋があるな、何だこれ。
「この国は、愚かなことに伝承が全てだ。真の聖女と真の勇者、それさえあれば、多少強引でも民の心をしたがえられる」
「おあいにくさま、真の聖女はここにいるし、真の勇者はもういないわよ?」
レリアが、キメ顔でこっち見てくる。
フラグ、
そのことなんだけど、レリア、多分これ、
「ああ、問題ない。真の勇者とは真の王のことだ。これが、予言通りの結末だ」
彼が、真の王が掲げた手に、黒い大剣が現れる。
やっぱ、こっちが本来の持ち主か。
「なぜお前がそんな勘違いをしたかは知らないが、これは宣言だ。俺はこれより、力でもってこの国を平定する」
剣が、突きつけられる、レリアに、
おい僕はどうするんだよ。視線向け直すな、
「見ていてくれ、お前に応援された通り、俺はこの国を正してみせるぞ。そしてその後は他国だ、俺が必ずこの世界を、
「いや人が勝手に全肯定したことにして話進めるのやめてくれる!?」
こ、こいつ、僕に責任押し付けようとしてないか!?
な、なにをお前もちょっと悪いんだからな、みたいな雰囲気にしようとしてんの!?
「・・・・・・そう。か」
そして、何で君は、それで本当に傷ついたような顔してんの、
「・・・・・・まあ、僕は正直、その思想についてどうこう言う気は無いけどさ・・・・・・、」
普通に、これこの国滅ぶでしょ、
ねえ、そこの、悩んでた宰相くん?
「はい。ですが、この国は既に誰かさんのせいで個人に頼り切り。どの道、いつか限界が来たでしょう」
「あら、ワタクシのせいにするの?」
「元より、この国の技術の進歩は遅れています。他国との力の差は広がるばかりです。もし魔物が活性化していなかったら、考えるだけでも恐ろしい」
ふーん、攻め滅ぼされるかもね。
この国、一人だけアレンのこと認めてなかったり、魔物の被害が少なかったりで、孤立してるし。
でも今は、少なくとも今だけは、魔物に対して強いから他の国よりも強い。
それに加えて、勇者なんて称号も取れたら、少なくともしばらくは侵攻されないかも。どうだろ?
「それは、外交でも何でもしなさいよ。というか、本来だったらワタクシもやってたはずなんですけど?」
「あんな、腐った国々と、友好なんて結べるか、」
「それに、時間がありません。すでに、別の国から勇者が出てしまいました。なんでも、すでに魔族の領土近くまで歩みを進めているとか」
・・・・・・いや、アレン、まだ国内にいるけどな。
出たのは、あくまで首都からだし、
・・・・・・というか、何だこいつら、なんやかんやアレンのこと認めてるのか、ふふふ、
あ、でも、その上でその立場奪おうとしてんのか。やっぱ殺す。
「結界を広げる。聖女の最強の盾と、勇者の最強の剣。これがあれば、他国に負けることはない、」
「は? 正気かしら? ワタクシは協力しないわよ?!」
「ふん。元より、お前などに期待していない。ただ少し才能があっただけの、お飾り聖女が。・・・・・・いや、もう聖女じゃないんだったな」
「かっちーん。もうこの国なんて知ったもんですか、あなた達だけは私が直接ぶん蹴り上げてあげるわ!」
なにその不穏な動詞!?
あーもう、結局こうなるの?
僕まだ、事態把握しきれてないんだけど??
ほら、護衛くんとかも動き出しちゃって、しょうがない、全員止めてから、改めて話し合おう。
「パーティ開始じゃー!!」
「それやめ、・・・・・・もういいや。おーー!!」
パーティは、もう止められない。