さてと三人分のご飯を持って、みんなはどこだろ。
いや居場所は把握してるんだけど、細かく見ようとするとまた短小君の短小くんが見えちゃいそうでね。
えーとー、あそこにいるのは〜、
「やあ、ロンリー君。また一人で黄昏てるのかい?」
まあ僕の班、よくよく考えたらみんな一人でどっか行くから、君だけが孤立してる訳でもないんだけどね。
「・・・・・・・・・・・・班長か、」
「おう、セレン班長だよ?」
自分で言っても慣れないけどね?
ほら、ご飯持ってきてやったよ、
「ああ、セレン班長。感謝する、」
「うん?」
聞き分けがいいね? それは戦場でこそやってくれないかな?
「・・・・・・いや、すまない。今日は失礼なことをした」
「え、うん、そうだね?」
罰でもなんでも与えてくれって、
え、なに? 殴れと? やだよ??
お前まさか、いや変態だって言えない、なぜなら大きなブーメランだから。
「・・・・・・なあ、セレン班長。あん、あなたは、何のために戦っているんだ、」
え、暇つぶ、いやゲー、
・・・・・・誰かを、守るため、
かな???
「・・・・・・そうか。あなたは、もしかしたらおれと同じじゃないかって、思ったんだが、」
「うん、?」
同じ、スラム出身のこと?
やべ、変なとこから来てんのバレる。
そ、そうだよー、同じだよー??
「っ、やはりか、。あの、一切容赦の無い殺戮。思った通り、そうか、」
うぇ!? ここのスラムそんなに悲惨なの!?!?
やばー、エだとしたらあの弱虫君とか今までどうやって生き延びてきたの??
「・・・・・・セレン班長! あなたの元でなら、おれは奴らを、目的を果たせる‼︎ 今日確信した、おれを使ってくれ‼︎!」
「お、おう、班長としてな!?」
な、なんかよくわかんないけど懐かれた???
うわー、どうしよ、これで今レコウが帰ってきたら僕、普通に置いてっちゃう自信があるよ??
流石に、そうなったら、なんかフォローしてあげるか・・・・・・、
「・・・・・・・・・・・・その上で、守るため、か。敵わないな、」
小声、聞かなかった事にしてあげる、
さて、次の子はっと、
「やあ、弱虫君。何してるんだい?」
何か、書いてる? 日記かな。
ま、中身までは見ないであげるよ、僕も日記の中身を見られる気持ちは、
ウワー、ヤメローー!?
「っ、あ、班長」
「ほら、ご飯だよ、」
君は僕より貧弱そうだからこれで足りるかな?
・・・・・・いや、君、実は運動能力低いの太ってるせいだね?
もー、じゃあ尚更いっか、少しは痩せなさーい。
「っあ、えへ、すいません」
「まあいいよ。流石に今から訓練する余裕とか無いしね、」
今日は前線で寝る。
明日は、どうだろ。
本日の戦果で上手いこと交渉したら、みんなくらいは帰せるかな?
「ああそれとさ、近くが燃えてる時に喋っちゃ駄目だよ、喉が危ないからね、」
「え? いや、ぼく、そんな余裕なんて無かったですよ?」
ん、じゃあ無意識か?
僕もあの時ほぼ無意識だったから、確認してないんだよね。
記憶ちゃんと整理したらいけるだろうけど・・・・・・、いや面倒臭いか。
「・・・・・・・・・・・・あー、班長は、」
「はい。セレン班長です」
「セレン班長は、何でそんなに強いんですか、」
強いか? 君でさえ少し鍛えたら、いや今でも負けてる貧弱ボディだぞ??
ま、でも、あえていうなら、
「生きるためだよ。強くなったんじゃない、生き残ってたらこうなった」
とはいえ、自分から生存の為に鍛えたりもしたから、ちょっと違うかもだけどね、
「・・・・・・そう。そんなんで、ほんと
「そうだ、みんなそうだ、それ以外は無い」
君も、少し全力で生きてみるといい。
選択肢なんてない、そんな世界を。
「っ、」
「おっと、ごめんね。怒る気はなかったんだけどね」
僕は別に良いんだけど、他の僕らを否定された気がしてね。
悪い悪い、僕はもう行くよ、
人がいたら、日記も書けないしね。
「・・・・・・選択、ぼくは、強い人のことなんて、」
あー、なんでみんな、考えてること口にするのかなー、
さて最後、
流石に、短小君ももうそれ閉まってるだろ、見ればわかるけど見たくないのが問題だ、
「やー、短小君?」
「っ、あっ、お、お前!?」
「セレン班長だよー?」
お前も呼べや。
しかし、なに慌ててんの? まさかまた直撃した? タイミング悪いね君。
見ないでおこう、近くのものを認識から外すのは、逆に面倒臭いんだよ??
厳密に言うと知識には残っちゃうし、
つまり君の大きさは、一生僕の脳内に刻まれたわけだ、
なんて嬉しくない、お互いに、
「せ、セレン、班長、」
「おー。よしよし、」
じゃあご飯にしようか、
「っ、あ、」
「ん? どうした??」
なんだ、何で俯いて手を出さない?
・・・・・・あ、そっか、あれの後だもんね、
みんなどうしてるんだろうね、いや普通は気にしないか、意外と繊細なんだな。
下と同じで、いや、何でもないです。
変なこと考えちゃった、悪いね、ああそうだ、
「『水流』っと、」
「え、これ、」
「うん。僕達だけの、秘密だよ?」
ま、ただの簡易魔法だけど。
ちなみに飲めない、一時的に魔力を液体っぽくしてるだけだから、シャワーとかには使えるけど、
と、なに、そんなに前屈みにならなくても、かかってもすぐ乾くよ、
気にするなら、あー、ハンカチとか、
・・・・・・・・・・・・お、布の切れ端? 土嚢の一部かな? よっと。
ちょうどいいね、あげるよ、
「っ、ど、あ、えと、」
「気にしないでいいよ、」
ここら辺、思いっきり爆撃されたからメチャクチャだね、
補強、僕達がやるのかなー。
「君には、期待してるから、」
「・・・・・・・・・・・・ぁ、はい、」
肉体労働、一番に酷使してやる。
「しっかり休むんだよ、体を大切にね、」
「・・・・・・・・・・・・っ、う、」
ふはは、覚悟しとけよー!
じゃ、おやすみー、
「・・・・・・っ、なんで、俺。・・・・・・・・・・・・あれ、男、だよな・・・・・・?」
君も独り言か、好きだねー、
・・・・・・って、あれ、なんか聞き流せないこと言わなかったか??
・・・・・・・・・・・・ま、いっか、うん。
さて、寝る? いや僕は完全には寝ないけど、
うーん、みんなは、副君? あれ、どこ行った?
隊長とはなし、
「っ、おっと君? ちょっと急用だよ、」
有無を言わせず引っ張ってみる、
乱暴かな? まだ僕にはできないよ、
それにしても君、いま殴られる寸前だったでしょ、なに話してたの。
いや、知識にはある、思い出すか? えっと、
「っ、セレン班長! 急用とは、」
「え、うん。みんなにご飯配り終わったよーって、」
建前だよ、察しなよ。
怒られるかもね、僕が、まあまた避ければいいか。
いや今度は壁を使って、当たってないのに当たった感触の回避でもしてやろう、
「・・・・・・・・・・・・っ。セレン、班長」
だからそんな怖い顔しないでよ、僕が悪いみたいだろ。
「あの、セレン班長は、今日の戦果について、どう思っているのですか」
どうって、いや、何が?
「別に?」
「・・・・・・嬉しかったり、楽しかったりとか、」
「いやそんな人、いるわけないじゃん」
ただただ面倒臭かったよ?
二度とやりたくないね、でもそういうわけにもいかないかー、はあ、
「・・・・・・っ、あ、やっぱり、」
「でもま、しょうがないね。これも、」
戦争、いや子供の命、それとも魔王に会う為? 何でもいいや、君が考えといて。
「——はい!」
うん。そんなに気負わなくていいのに、
僕が面倒臭いことくらい、一番よく知ってるよって。
さて、完全に夜、暇だな。
せっかくだ、他の班でも見に聞くか?
ふむ、何か面白いものは・・・・・・、
——きゃー、もー、
なんだ? 女の声?
こんな前線に女なんて、何でいるんだ・・・・・・、
ん? おい、なんだよ? 僕はいいんだよ、
まあ置いといて。衛生兵かなんかとか?
そんなの、何で、それに女の周りに男が複数いる、
これは、いや、これは・・・・・・。
——あ、ちゃんと約束してね。後で、
うん。本人同士が納得してるなら、僕が言うことはないや。
あの子も多分スラムから来た子だね、元々そうしてたのかな、
思うところはあるけど、僕は聞きたくないや。
こっそり、息を潜めてかーえろっと、
「・・・・・・こっち、やってるらしいぞ、」
「・・・・・・・・・・・・なんでおれまで、」
「いいから付き合え、でないと、俺は・・・・・・。アがが、」
「・・・・・・・・・・・・何があったんだ、」
・・・・・・あ? 君達、何やってんの⁇
「っ、あっ、いやっ、ちが、」
「・・・・・・・・・・・・はぁ、災難だ、」
あーん? あっちの方行こうとしてたよなー、何あるか知ってんの??
「そのっ、別に、何も、」
「・・・・・・・・・・・・こいつが、急になんか発情しだしたんですよ。おれは、別に興味なかったのに、」
「はっ!? おま、何いっちゃってんの?!!?」
うわぁ、うわぁー、
・・・・・・いや、まあ、個人の自由だけどさ、君たちそもそも給与もでてないでしょうに。
「っ、あ、そ、そうだっ! セレン班長も、一緒に、」
「・・・・・・・・・・・・うわー、お前、」
・・・・・・・・・・・・これは、ちょっと、班長として怒った方がいいかな。
「・・・・・・よく聞けお前ら、」
「ぁ、ぁ、はい、」
「・・・・・・・・・・・・はーい、」
あの子はな、生活のために自分の持てる力を精一杯利用してるんだ、決して遊んでるわけじゃない。
それを何だお前らは、物美優山に、
「す。すいませんでした、」
「・・・・・・・・・・・・あー。そういう怒られかたなんだ。はい、すいませんでした」
それに、いいか、こういう時に手を出す奴はな、本当の男じゃないんだよ。
怯えて自暴自棄になった娘には、ただ寄り添うだけ、それが正解だ。
お前らも、戦場の男なら、もっと堂々としてろ!
ほら走る!! 来い!!!
「ぅ、ぐ、やっぱ男だ、」
「・・・・・・・・・・・・ああ、そうだな、漢だ、」
・・・・・・うん、適当に言ったけど、それっぽかったな。
僕、他人のために怒れるほど余裕なかったからね、変な感じになってないといいけど。
・・・・・・それにしてもこれ、誰が言ってたんだっけな。
昔、多分夢の中の誰かだったと思うけど、まあ詳しく思い出さなくてもいいか、
ほら、ファイ、オー!
朝まで走るぞー!!
「いや、無理、待って、」
「・・・・・・・・・・・・ふ、流石に無理だ、勘弁してくれ」
止まるなー、このゴミムシどもがー!!
ほらゴー!
あ、弱虫君もいたな、お前も走れー!
副君どこだー! このままみんなで行くんだよーーー!!! ?