真っ白な空間、僕だけの世界だ。
僕が自由にできる、何者にも侵されることのない独立した場所。誰もいない何もない僕そのもの。
だった、はずなんだけどね、
「うわー!? なんにゃこれー‼︎?」
うー、声キンキンする、たっかー、
壁越しの時は、低かったのに。
「え、ど、どこー!⁇」
あ、ほら、キョロキョロするな。
ここは、最近一番使ってる空間だね。
だからその辺、レコウの財宝置いてあるんだ、勝手に触るなよ?
「っ、いや、おまえ! 何だこれは‼︎」
うーん、説明放棄してさっさと放り出してやりたい。
でもそれすると、変に抵抗してぐちゃる可能性あるんだよね、流石にそれは可哀想か?
「いや、魔族なら、なんとかなるぐちゃか、」
「ぴーー⁉︎⁉︎」
おっと、ごめんね。
人に物を見る目を向けるなんて、冗談でもやっちゃいけないよね。
悪かったよ、まあ落ち着きなさい。
「えっとー、そうだね、魔王?」
「お、や、やんのかコラー!!」
ファイティングポーズ、せめて魔法構えろよ、いやこの空間内で僕と戦うのは無謀すぎるけど。
しかし、弱そう、僕でも真正面から勝てちゃいそう。
「ていっ、」
「お靴がー!?!」
そんな高いの履いてるからだよ、つい蹴っちゃった、
「おっと危ない、」
「ありぇ? あ、どうも、」
「前から転んだら、その胸はじけとんじゃうからね、」
「うにゃーー!!!」
引っ掻くなよ手ちっさいなー、
なんか、本当に子供相手にしてるみたい。
いや、やっぱ、本当の幼女なのかな?
「うーん、あ。この空間の中に入っちゃったなら、『確認』できるか。どれどれ、何でそんなにパット詰めてんのか〜」
「うに⁉︎ にゃ、おまえ、やめろーー‼︎」
えー、それどこで売ってんのか確認したかったのに。
それとも、自分で作ったの? ちょっと見せてよ、僕でもできるか試してみるから。
「ひっ! なに、にゃんで胸のほう脱がそうとしてくるのーっ!?!?」
「ちょっと、見るだけだから。触って感じて確かめてみるだけだから、」
「や、きゃ、ひぅ!!」
あ、やべ、泣き出しちゃった。
事案だ、いや、だって、ついね?
全然抵抗してこないから、いや魔力は垂れ流そうとしてるけど、邪魔だから止めてるけどね。
「うっぐ、くにゅ、なんで、ここ何もできないの、」
「頑張ればできるよ、死ぬほど不利だけど。緩めるか。ほら、ファイト!」
「ぐうっ! 『喰らえ!』」
お、何これ、虹色の玉?
うわー、面白い、いろんな属性が混ざって、着弾するまで何が起きるかわからないんだ。
ふむふむなるほど? しかも状況に合わせて、自動で最適なものに変化すると。へー、悪くないね。
「あれ、なんで、止まって、」
「それに綺麗、凄いねー、」
「そ、そう? えへ、って、ピャー⁉︎⁉︎」
綺麗に分解してったらどうなるのかな、戻せるかはわからないけと、
他にも出せるの? あれ、後ずさらないでよ、その靴でそんなことしたら、
「うにゃぁ⁉︎」
「おっと。もー、危ないなー」
何回転ぶんだ、多分その頭の角とかも重いんじゃない?
それにまず、その胸の重しを取ろうか。
そんな不自然なもの付けてるから、重心を崩すんだよ、こんな重い、
え、本物はもっと重い?? 緑シネ。
「ぁ、心臓、やだ、」
ん? うわっ!
爆発した!!
転んだのを受け止めた拍子に、ついに服が限界を迎えたか。
胸の辺りが弾け飛んだな、これが虚飾の末路か、僕も心に刻んどこう。
胸にじゃねーよ、刻むものないのにじゃねーよ。
「キュ〜〜〜ッ、」
「あれ、ほんと、大丈夫!?」
き、気絶しちゃった。
・・・・・・ま、まあ、気持ちはわかるぞ、こんなとこ見られたら逃げ出したくもなる。
しょうがない、同じ仲間のよしみだ、起きるまで待ってあげよう。
・・・・・・小さいんじゃなくて幼いだけ? うるせえ僕もだし。
それに、貧乳っていうのは、体じゃなくてそれを隠そうとする心で決まるものさ。
って誰が貧乳だこのやろー!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
少女が目覚めると、そこに巨乳の男??? がいた。
「これが、五枚の戦闘力。いや、まだいけるか、しかしこれ以上は僕の精神が耐えられるかっ!」
・・・・・・・・・・・・。
「うおーっ! ココロもってくれよ‼︎ 七倍だっ‼︎!‼︎」
・・・・・・・・・・・・。
「って、誰がゼロに何かけてもゼロだー!?」
ギロっ、
「ぴぃーーーー!?」
あ、目が覚めたみたいだね。
ごめんごめん、つい勝手に試しちゃったよ。
・・・・・・凄かった、でもその後の心に返ってくるダメージも凄い。これは諸刃の剣だ。
「・・・・・・っ、おまえ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんなんだ!?」
おお、ためにためてそれか、本当に疑問が一つじゃ済まなかったんだろうね。
ま、今大人しく外してるこれに触れなかったことは褒めてあげるよ。
そこは、やっぱ、不可侵領域だよね、ごめんね。
じゃ、流石にそろそろ真面目に答える?
「それは、さっきも答えたでしょ、魔王様」
「・・・・・・底の底。そうか、やはりエンゼのことを消しにきた刺客か、」
ん? エンゼちゃん?
ふむ、まあ長い本名語られても困るか。
「ま、実際消してはしまった、」
「くっ、殺すなら殺せ! だけど、エンゼをこのまま消したら、この国は手に入らないぞ‼︎」
「うん。いらないね。むしろ君の方が興味あるくらい、」
「・・・・・・・・・・・・ぴー・・・・・・、」
あ、また怖がらせちゃた?
駄目だね、いったん仮面変えるか? いやむしろもっと酷いことになるか。
「あー、エンゼちゃん? 君は本当に魔王なんだよね?」
「っ、ぐ、おまえもエンゼのことをばかにするのか? ふんだっ、そう思うなら『解放』しろー!!」
おっと、また虹色の撃とうとしてるね。
それは止めとこう、また話がややこしくなる。
「・・・・・・やっぱりだめだ。こんなの、どうなって、」
「・・・・・・・・・・・・あー、うん。まあ、凄くはあるよ。この空間内じゃなかったらね、さすがまおうさまー、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・に、」
警戒されてる、そりゃそうだ、僕は子供と相性悪いからな。
・・・・・・うーむ、子供の心を掴む、なにか、
・・・・・・・・・・・・あ、そういや、いま食材、貴族の食材がいっぱい手元にあるからね、あれをこうしてあーしてー、
「魔王様に親愛の印として、これをあげよう、」
「・・・・・・にゃ? あ、プリンー!」
「そう、プリン。——って、ちょっと待てー!?」
ふぇ? くれないの?? って、可哀想。
いや、そうだけど、それ以上に、
「これ、知ってるの?」
「うゆ? うん、普通に? あ、でも、すごくいいにおいだ、」
・・・・・・・・・・・・ほー?
やっぱ、誰かいんな??
これは、まだこの魔族の国から、帰るわけにはいかなくなった。
とりあえず君、これはあげるから、
あ。普通に食べるんだ、毒とか、いやまあいいか。
「やっぱ、はじめて食べたかも。なにこれ、すごー??」
「そう? まあこんなもんでしょ、」
さて、多少は警戒が薄くなったかな。
僕も、誘拐犯に突然おやつ出されたら、
なおさら警戒するねうん。
「・・・・・・ん。それで、おまえ、なにが目的?」
「うーん、なんだろ。やっぱ、君が目的としか、言いようがない気もするけど、」
「っ、エンゼのほんとの体を見て? このヘンタイ!!」
「世界のどこかにはこの体型好きな人いるかもしれないだろー!!!??」
誰がヘンタイ御用たし体型だー⁉︎⁉︎
「うぇ? ・・・・・・え?」
「認めよう、確かに僕たちは一般に受ける体型じゃないかもしれない。でもそこで諦めて、安易な嘘とか虚飾とかパットとかパットに逃げちゃ! なにも変わらないんだよ!!」
狙うわ巨乳の変身魔法!!
・・・・・・あれ? これどっちにしろ、今の体型あきらめてない??
「まだ、君には未来が、いや僕にもあるから!? いけるいける未来は無限さ、考えたこともないけど」
だから、いま落ちてるこの夢の残滓は、
三、四でどうだろ、僕が四ね、身長的に。
「おまえ・・・・・・・・・・・・、女装タイプのヘンタイ??」
「そこまで底の底じゃナイヨ!?!?」
なんてこと言うんだこの幼女⁉︎
くそ、こんなことなら普通に女装してくりゃよかった、って違うんだよ今が男装なんだよ。
もー、面倒だなー、髪をいじってー、
どっからどう見ても少女、説明中。
「なんだ、女か。おんなでエンゼを狙うヘンタイか。はは、ドッチニシロイヤー‼︎‼︎」
「だから違うってー、」
この子思い込み激しいなー、
いや、僕が悪いのか?
・・・・・・悪いかもなー、
「一応僕は君の味方、かはともかく敵では無いつもりだよ、」
「・・・・・・さらっておいてそれは無理だとおもわない?」
「そこは君が抱きついてきたのが悪い」
ま、僕が気を抜いてたせいもあるけど。
あんなピンポイントに空間魔法に干渉してくる魔力出してくるとは、
・・・・・・いや? まさか、そういうことか?
「なるほど、流石は魔王ってことだね」
「え? いまのなにもできないエンゼを見て?? いやみ???」
虹の魔力、万能な魔法、もう少し濃度が濃かったら、どうだっただろうね。
・・・・・・試してみるか。
「いや、本当に。魔王様の本気、見てみたいなー、・・・・・・ちょっと緩めてっと、」
「・・・・・・・・・・・・まあいい、こうかいしろー!」
『 』
これ、魔法、ですらない。
湧き出た魔力が、勝手に力を作ってるんだ。
効率的に、効果的に、もっとも最善な方法を探ってる。
・・・・・・さて、どうくる、僕にすら読みきれない。僕に読まれないことにリソースを使っている。それが致命的だとわかっているんだ。
でも、それじゃあ、大したことはできないよ。
部屋に広がった魔力、でもそのほとんどがただのブラフに徹さざるをえない。
僕に、最も効果的、さてその残り少ない魔力で、何をする!
「・・・・・・にゃ? なんだこれ、なんか見える? ぼく? ラブラブ、日記?」
「ッォァォァ!?ッ☆‼︎×⁈ォア⁈‼︎!」
『トマレー⁉︎⁉︎ ヤメロー‼︎‼︎』