「例の目撃者が見つかった、行くぞ、」
「お、意外といけるもんだね、」
お子様はまだ眠るまだ暗い朝。
僕らに休みは、十分に取れた。
「どこにいるんですか、魔王様」
「今は客間に通しているらしい、相手は子供だしな、昨日みたいに萎縮させるわけにもいかない」
「多分魔王ちゃんより年上・・・・・・。あと僕、普通に尋問された気がするけど」
「・・・・・・女性兵だからな、」
一応僕もね?
まあ、公式の扱いでは、でもやっぱ僕べつに男だとは名乗ってないはず。
勘違いした向こうが悪いってね、
「この部屋、ふむふむ、これは・・・・・・、」
「入るぞ、」
「はい、魔王様。」
何か、情報がわかればいいけどね。
どうだろ、そもそも、果たして本当のことを言ってくれるのか、
「おまえが、目撃者だな。えっと、名前は、」
そこにいたのは、魔族の女だった。
幼い、だけどそれなりに胸の大きい、
・・・・・・少女と、僕は呼びたいね、
「あ、はーい! みんなの癒し、戦場のにく、
「名前、偽名ですね? まあいいです、どうぞ、」
うーん、強かで、なんか懐かしい子。
つい口を出しちゃったよ、でもダメ、
「あ、そっちのお兄さん! あとで」
「僕の方が年下に見えますよね? 実際そうですよ、先に話をどうぞ」
主導権は握らせるない。
僕らは、弱者だからこそ常に隙をうかがってるだよね。
「・・・・・・なるほど、わかんにゃい・・・・・・。ごほ、ごほん! あー、それで、おまえは何を見た。詳しい情報、特になぜおまえだけが生き残ったのか、聞かせてもらおうか」
さて魔王様、話を聞こう。
彼女は、何を求めているか。
少なくとも、国の為に尽くす満たされた民ではないって事は、
君が、一番わかってるだろ。
「別に、あたしだけじゃないですよ?」
「にっ、そうか。他は、そしてなぜ君が報告をした、」
「んー、あたしが一番、お姉さんだったから? あ、でもでも、他の子もいい子達なんで、ぜひ使ってあげてくださいね!」
「・・・・・・だから、なんで僕にいうんだ、」
せめて自分を売り込めよ、いやそれで失敗したから同年代? 面倒見がいい、いや自分の顔を広げる為、どちらにせよ、
まあいいや、他にもね、ふむ。
中央の重要な戦線だったらしいからな、そんなもんか、
全員に話を聞くべきか? いやまずは、この子からだな。
「・・・・・・兵は、残っていないのか?」
「さあ、でもあたしに聞きにきたって事は、そうなんじゃないですか?」
「・・・・・・だろうな、」
・・・・・・うーん、魔王ちゃん、交渉下手だからなー、
僕ならもっと手っ取り早く、いやまあそんなに得意ってわけでもどうだろ。
最悪、さっさと頭から抜き出すのも手だけど、流石にね。
魔王様の意向も考えてっと。
「わかりました。あなた達の身の保証は約束しましょう。賞与も出します、最初からその予定でした。ね、魔王様、」
「んゅ、あ、そうだな。もちろんそのつもりだ。おまえたちはみな我が大切な民、生き残ってきただけでも十分だ」
値切り交渉なんてもういい、どうせ金は出してくれるだろう魔王様。
僕達には時間がないんだ、こんな不毛な戦いやってられるか。
「ふーん、さすが魔王様ですね!」
「ああ。それで、おまえは、この現場を直接見ていたという事で間違いないな」
「はい! まあ、あたし達は後ろの方にいた子も多かったですけど、」
「何か情報、そうだな。例えば、なにか外見的特徴などは無かったか。ここには書かれていないのだが、」
まずはそこ、何故ない?
伝言ゲームで消えたか、信頼度が低かったから。
君は、どうやらかなり近くにいたらしいからね。それを教えてくれるだけ、少しは信頼してくれたかい?
「遠くだったんですけどー、まあなんか、子ども、に見えたんですよね」
「・・・・・・ふむ。それで書かれなかったか。他には、なにかあるか?」
少年兵ね、僕みたいな例もあるからおかしくないか。
確かに、戦場では大人の成熟した魔族が絶対。こんな報告なら、省かれる可能性もあるか。
「えっとー、ああ! すっごくカッコ良さそうな男の人でしたよ!!」
「・・・・・・そうか。まあ、参考にはなるか、」
なるかなあ?
・・・・・・遠目からの情報だし、そんな事わかるのか、やっぱり、
「何か、攻撃の手段とかは、」
「こうバッてやったら、ズバッて感じで、凄かったですよ!!」
「・・・・・・そうだ、全員の動きが悪かったって、」
「え? そうなんですか? あたしは、わかんなかったですね、」
「そうか。・・・・・・ふむ、誰か言った、」
他のその場にいた子か?
この子は、あくまで一番に話した子であって、話自体は聞いているのか。
しかし、ならなんでこれは、僕らまで届いた?
これこそ、無くなってもおかしくないような情報なのに。
「他の、魔王が褒賞すべき相手は、何人いる。場所はわかるか、漏れがないようにしたい」
「えっとー、五人くらいですね。」
「くらい?」
「気づいたら、増えたり減ったりしますし。一緒に帰ってきたのは、多分それで全員です!」
「そうか、」
これも裏取り、そして一塊でいてくれてるのか、時間がないな。
この情報、覗けば一発なのに、・・・・・・まあしょうがない。
「わかった、全員のところに行こう。魔王が聞いたのなら、わざわざ別のやつが行かなくて済むからな」
「・・・・・・あ、おー! みんな、魔王様に会えたら、嬉しいと思いますよ!!」
「そうか。おまえもか?」
「はい、もちろんです」
正直、まだ聞き足りないこともあるが、他からまわってきた方が早いか。
情報、君は嘘はついていなかったけど、全てを語ってくれたわけじゃないね。
合理的なことなら推測もつくけど、感情的なことなら僕じゃだめだ。報奨を約束して、それでも言ってくれないなら、何か別の理由。
今、それを悠長に聞き出している時間は、どうだろう。
少なくとも、魔王、エンゼちゃんだけだったら、丸め込まれかねないし。
僕も、最近それで一回負けてるからね。
女の戦略か、なんで僕は使う方法より攻略方法を探ってるんだ、まったく。
「・・・・・・ねえ、魔王様。魔王様は、あたし達のことって、どう思ってるんですか?」
「・・・・・・大切な民にして、重要な兵だ」
「そう、ですか、」
・・・・・・僕は何も言えない。
心痒いが、これはエンゼ自身に説得してもらうしかないか。
そもそも、僕なんかより誰かの心を動かすのは、きっと君の方が得意なはずだ。
「そうだ! 魔王様。これは、誰にも言ってないあたしだけ見たものなんですけど、」
「そうか、聞かせてくれ。重要な情報だ、」
「・・・・・・はい。あたしの見間違えじゃなければ、」
本当、これは嘘じゃない、なにか、
「空に、もう一人、誰かいたんですよね、」
結局、彼女の信頼を本当に得る事はできなかったと思う。
僕に人の心なんてわからないから、確かな事は言えないけど。
「他の子。セレン、場所わかるか、」
「・・・・・・はいー、」
エンゼちゃん? 僕のことなんでも探せる便利な探知機だと思ってない?
まあ、この建物内に少女なんてそうないから、適当に探しても見つかると思うけど。
ここにレアなの二人、そして集中、感度を上げて・・・・・・、
「・・・・・・ん? 騒ぎ、これは、」
「何だ? 残念なことに、ここは常にうるさい。あまり気にせず、」
「副君?」
だけじゃ、ないな。
四人、つまり僕以外の僕の班。
研修地はここじゃない、そもそも僕の班は実質的に解体されたはず、何故だ?
話を聞くか、さらに集中。
しかし、よく僕はこの声、覚えてたな。
なんでだろ、
「おまえの班か? 悪いけど、時間がない。それより、」
「反逆、密偵? 処刑、ふむふむ、」
ありゃりゃ、何やらかしたの。
入ったばかりの少年兵に、そんな国外から侵入者とかいるわけ、
いるわ、なら、しょうがないか。
「・・・・・・ちっ、早く行く!」
「え?」
ああそうだ、そんな事より女の子を探すんだったね。
あそこの音量でかくて気を取られた、少し待ってね、すぐ見つけるから、
「さわぎ、人が集まるとこ、こっちか!」
「いや、あっちだよ。良かった、ひとまとめでいてくれたみたいだね。いちにーさんよん、全員か?」
「聞こえた、あそこだな、なにしてるの!」
「いや、あの、はんたい、」
もー、この子、方向音痴かー?
ほら、副君達いるところに着いちゃったよ、気まずいなー。
・・・・・・ま。魔王様の行動に、逆らうわけにもいかないからねー、
さて、もー、君たち。
何してるの、しょうがないから、僕が話を聞いてあげようじゃないか。
そして、さっさと終わらす、まったく。
「・・・・・・ちっ、くそ、なんでこんなことに、」
「・・・・・・・・・・・・よりにもよってアイツらと繋がっているだと。そんなふざけたことっ、」
「・・・・・・そう、だね、」
「自分たちは、全てセレン班長の指示通りに動きました。そこに問題など、あるわけがありません、」
お、やってるねー。
しかし、なんでそんなに喧嘩腰なんだ、もっと従順にいけばいいのに。そういうのは、一人で十分なんだよ。
というか、あれは僕達みんなの手柄だって言ったよね、なんでそんな、
いや、これ僕に押し付けてない? まあ、それならそれでいいよ。賢いね。何せ僕には魔王様という後ろ盾が、
「ですので、なにか不備や疑われるようなことがありましたら、全て自分の責任です。処罰するなら、自分一人をどうぞご自由に」
「——って、馬鹿か!?」
・・・・・・あ、やべ、つい口出しちゃった、
えっとー、そのー、あ軍紀的にね、
おかしいって、魔王様が言ってましたー、
「せし、おまえ・・・・・・。ごほん、そうだな。これは、なんの騒ぎだ、」
いやー、ごめんね、エンゼちゃん。
あとでプリン作ってあげるから、
魔王が入室、威圧感マシマシ、
お、狼狽えてる、大人の軍人。なんか気分がいい気がするね。
控えおろー、この無駄にでかいツノが見えないかー、着脱式。
さて、君たち、いったいどんな因縁つけられてるの。
えっと、なになに、外部と連絡?
指揮部に取り入ってた? 報告の詐称?
命令違反に、こっそり機密を書き写してた?
ふむふむなるほど、その程度。
いや、あのー、僕は、関係ないですよー??