63話
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、
もう、近いのかな。
僕たちは、二人で別の国に向かう、
「ばいばいにゃ! お姉ちゃんたち‼︎」
「おー、いいのー、また会いにくるからのー、」
「うん、またね。・・・・・・やっぱその呼ばれ方、しっくりこないな、」
まったく、君には随分と掻き回されたよ、
おかげで、早くなったのか遅くなったのか、
ま、どっちでもいっか。拘りは無いし。
「・・・・・・・・・・・・それで、どこに向かうんじゃ?」
「ん? エンゼに聞いたでしょ?」
「一応、確認じゃ、」
ふーん。まあいいけど、
「それより、また一人でどっか勝手に行かないでよ?」
「うじゃあ、だってぇ、」
「なにさ、そんなぬいぐるみずっと抱えて、」
せめて寝る時だけでいいでしょ、邪魔じゃ無い?
「我は、執着してしまったのじゃ。あんなにセシィに言ったのに、我を抑えられなかったのじゃ、」
・・・・・・ああ、そんな事で、僕を一人にしたの?
もう、
「言ったでしょ、執着だって愛だって。別にいいのに」
「じゃ〜、」
「それより、そうだこれ、」
今回のことで、このドラゴンちゃんは野放しにはできないとわかったからね、対策しました。
「鞄、じゃ?」
「そう、中身はいつもの収納空間に繋げてあるよ。それがあれば、またレコウが一人になっても自由に財宝取り出せるからね。そのぬいぐるみも、ずっと持ってなくて済むよ、」
「じゃ、じゃ〜〜、またとんでっちゃいそうじゃーー!!」
あはは、そうなっても、会いに行けるようにね。
「・・・・・・それに、そろそろ、保険も必要だから」
「もー、そんなに心配しなくても、大丈夫じゃ! 頑張るじゃ!! ・・・・・・ちょっと、力を上げたがの」
「そう。ま、僕の問題だよ。後どれくらいか、わからないしね」
さてさて、次の国くらいは、大丈夫だといいけどな。
次の国、その行き先は、
「魔導国、のー。まさか本当に行くことになるとはじゃ」
「ね、どんな国だか、」
魔導国。
その名の通り、魔法と魔術の発展した国。
の、はずなのだが、
「で、そのじゅうとやらも、みさいる? とやらも、全部そっちから来とると、」
「実物、というよりは設計図が流れ込んだらしい。多分、誰かが意図的に流したかな」
なんで科学兵器を作ってんの?
いや、確かに、ちょっと魔法は入ってたけど、
技術が進むと、みんな似たような馬鹿をやり始めるのか。
「後ついでに、プリン」
「あれって、セシィが考えたものでは無いのかじゃ?」
「ね、この世界じゃほとんどそんな感じのはずなんだけど、」
こっちは、実物が流れ着いていたらしい。
裏からの高級品だったが、魔王なら普通に買えるぐらいの。
むしろ、魔王くらいしか買ってないんじゃないだろうか。
まあ、あの構成で似たような味のお菓子ができる可能性はある。
だけど、同じ名前で、同じ形状で、黒いソースがかかっているところまで同じだったらしい。
これは、偶然の一致で済ませるのは不可能だろう。
エンゼちゃんが全部食べちゃって、実物がもう残ってなかったのが悔やまれるな、
「そういや、何か手掛かりになるかもしれない残りケースくらいは、お城に残ってたかもだけど、」
「さあ行くのじゃー!! もう着くのじゃーー!!!」
早いねー、
さて、魔導国。無事に入国できるかなっと。
魔導国、そこは、
「なんで、列が二つあるんだろ?」
「いつも言っとる、効率的ってやつじゃないかの、」
「まあ、その可能性も高いんだけど、」
なんだこれ?
片方は、丸いレンズを顔を映して、スムーズに通過していく。
片方は、丸い水晶玉に頭をかざして、スマートに通過していく。
・・・・・・あっちは外見、こっちは内面か、
「よしレコウ、こっちに行こう」
「何か違いがあるのかの?」
「どうだろ。もしかしたら、入れる場所が違うのかも、」
外と内、どっちが見られたくないかと言われると、内面なんだけど、
こっちは誤魔化せるけど、あっちは年齢的に引っかかる可能性があるんだよね。
「どっちにしろ、レコウは無理かも?」
「ならいっそ、通る必要あるのかのー、」
「まあ、一応はね、」
さて、列はあるが、進むのが早いね。
これなら、さっさと入れそうだよ。
やあ水晶玉、君は何をするんだい?
————魔力、測て 『整理』
もう、不躾だな。
ま、いいや。人がいるより、楽だしね。
良かったねレコウ、普通に通してくれるってさ、これならどっちも同じだったかな。はは、
国の中。そこは、
「ほう、壁があるのじゃ?」
「うん、中央に、でかい、すごく邪魔そう、」
「向こう側、見えんのー、」
「凄い魔法がかかってる、僕でも見るのちょっと面倒臭いかも。なんだろうね、」
なるほど、これ、一つの国が真っ二つに分断されてるな?
さながら、なんだろ、べ、鍋のしきり?
何故に??
やっぱり、入り口が二つあるという事は、町が二つあるという事だったか。わかるか。
ここ、首都の、はずだよね??
「・・・・・・見たところそこ以外は、普通の町じゃのー、」
「うん。強いて言うなら、魔力が高い人が多い、」
もしかしたら魔族の国に匹敵するかも。
いや、平均自体はあっちの方が高いんだけど、数はこっちの方が圧倒的だ。
なんだこれ、町の住民のほとんどが今の僕より高い魔力を持っている。
・・・・・・いや、あんまり参考にならないなこれは、
ともかく、なにか異様だ。
「魔法の国、か。それだけで、ここまでになるものなのか、」
「んー、我は何も感じんの〜、」
こんな国の中に、銃火器を作った奴がいる?
おかしな話だ。
この国なら、そこらに歩いてる人ですら、銃弾を防げて、
「いやいくら魔力があっても、それは別問題か。魔族に染まりすぎたな」
うーん、それでも、おもちゃにしかならないと思うけど。
とはいえ考えていてもしょうがないか。
何か手掛かりはっと、一応探しとこうかな。
「んーまあ、町中で広げすぎるのも、うるさいし。まだ新しい心臓にも慣れてないし、」
色々いじった結果、前よりちょっと強くなった、
かわりに鼓動がうるさくて、邪魔になった。
まだまだ調整が必要だな。
だから、別に急ぐ必要もないか。
「むっ、くんくんじゃ、」
「いぬ?」
「なんか、いい匂いがするの、」
なんだろ、僕にはまだ聞こえない。
いくら僕の調子が悪いとはいえ、ついに鼻で僕の感知範囲超えたの?
「む、こっちじゃ、残っとる、」
「え、わざわざ行くの? お腹空いてるの??」
僕また食い逃げするのはやだよ?
えっとー、ここはー、神聖国のお金とかって使えるのかな。
「甘い匂い。やっぱり間違いないの、」
「最悪金でちょく交渉。いや先に換金した方がどう考えても合理的なんだけど、」
「早速見つけたのじゃ! 早く行くのじゃ、」
ああ、引っ張られるこの感じ、
やっぱり、悪く無い、
あー、こんなんばっか考えるからか。
「おー、とりあえずレコウにも久しぶりにプリン作ってあげるから、明日にしない?」
「それじゃ!」
「うん。」
エンゼにはやたらといっぱい作ったな、お土産にまで作って残してきたし、なんであんなに似合うんだろう。
わかんないや、シスコン、やっぱそうなのか。
まあいいや、それじゃあ、とびっきりの、
「プリン! いるのじゃ、」
「好きすぎて擬人化?」
「濃い、これは、本拠地の可能性すらあるの、」
「しかも複数いるの?」
・・・・・・・・・・・・と、
うん? これは、本当にいるの、プリン星人が?
というか、プリン屋さんが、
「早かったね。初日くらいは観光しててもよかったのに、」
「そうじゃったか?」
「冗談だよ。いや冗談言うのもおかしいか? なんでもないよ、」
さて、随分と可愛らしいがこれは確かな異物。
いったい何が、誰がいるのか。
もしかしたら、世界に銃なんてものをばら撒いた、凶悪な愉快犯がそこには、
「それで、あっちでいいの?」
「おう、どうじゃ?」
「んー、歩いてると余計に心音が。・・・・・・あー、でも、聞こえてきた、」
構造、把握、
いや、その前に、聞こえてきたな。
声? 誰か、店員、呼び込み、
・・・・・・魔力。
平均的な個人の力が強いこの国にあってなお、一目でわかる明らかな圧力の高さ。
佇まい、自我、清廉、音だけでわかる、圧倒的な個の重さ。
透き通るような、高く、綺麗で、自信のある、生まれた時から人の上にいるかのような話し方。
力強い、凛とした、そうこの声の持ち主こそ、
「はーい! 早いやすいうまい! 聖女様じるしの特製プリン!! ぜひお試しくださいませ!!」
・・・・・・なんか、聞き覚えあるな。
プリンにその掛け声はおかしくない?
あそれも、僕が言ったんだっけ・・・・・・、
「・・・・・・なんか、覚えのある匂いじゃの」
「そうかな? 僕は他人のふりをするか少し悩んでいるよ」
「やっぱそうなのかじゃ。行ってやるのじゃ」
——あ、お客様。はい、この国ではここでしか買えない限定品です! ・・・・・・でぇも、聖国の方に行けば、更にたくさんの種類をご用意されてますよ?
接客してる、なんで自分でやってるの?
せめて他の人にやらせなよ。君、仮にも、
「あ、次のお客様・・・・・・。って、あらぁー!?♪!」
「見つかってしまった、」
「見つけに行ったのじゃ」
「レコウちゃんに。・・・・・・セーシィ♪」
・・・・・・・・・・・・あはは、
元気そうでなによりだよ、レリアちゃん。
少し更新頻度落ちます。