情報過多の荷物持ちさん、追放される   作:エム・エタール⁂

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64話

 

「なんでこんな所で売り子してるんですか女王様?」

「ワタクシの国、外貨全く無かったのよ。よく今までもってたものだわ〜」

 

 だからと言って、これぇ??

 あと、肝心なところ答えてない、

 

「ええ。神聖国、売り出せるものなんてせいぜいが聖女の奇跡くらい。魔術の発展したこの国にはおもちゃにしかならないわ」

「うーん、国一番の聖女様に言われちゃどうしようもないね。でなんで自分で売ってんの?」

「お守りはそこらで投げ売りされてるジョークグッズ以下、聖水なんて綺麗な水程度、誰も買いはしないのよ。人手不足よ、」

 

 ふーん、どうだろ。

 少なくとも君が作ったものなら、それなりな、大人のおもちゃ程度にはなるだろうけど、

 ・・・・・・あ、いやそういうんじゃないよ、ジョークグッズなんて言うから夢のせいで。

 

 それに綺麗な水、夢の世界では売り物としてそれなりの立場を得ていたはずだけど。

 ま、薄利多売、それこそ自動で販売しないと大した事ないか。

 聖水を自動販売機でなんて、なんと罰当たりか!

 

 ・・・・・・え? 最古の自動販売機は聖水?

 うそぉ、ご利益なさそう、夢の世界も世知辛いね。せめてこの世界でくらいもっと綺麗だったら良かったのにね。

 

 それにしてもやっぱり君は博識だ、僕なんかよりもよっぽど。それほど過酷な人生を送ってきたのかな?

 それとも、自由だったからかな?

 どっちにしろ、本当に不幸だったね、でも大丈夫、きっと、

 

「・・・・・・セシィ? どこ見て、」

「ん。いや、水の販売もできなくはないなって。干魃でも起こせば飛ぶように売れるよ、ただの綺麗な水」

「ええ、それも考えたわ。でもこれから頼りにさせてもらう国を弱らせる訳にもいけないし。」

「ぇぇ、考えたんだ、」

「ただでさえ、きな臭いことになってるっていうのに、」

 

 ・・・・・・ふむ。

 そうだそうだ、まさかこれで銃火器やら何やらまで彼女の仕業っていうのはあり得ないだろう。

 というか、そんな危険人物がいる中で堂々と別世界のお菓子なんて売ってるこの女王様は割と危ないのでは、

 

「後の憂いは早く消したい。国が弱る、それってやっぱあの壁?」

「ええ、おかげであっちに聖女様印の、この二人の愛の結晶プリンを売りつけるのも一苦労だわ、」

「うん、甘い砂糖の塊ね。というか、あっちにも行けるもんなんだ、」

「面倒臭いけれどね。でもこっそり私専用の出入り口作ってからは楽になったわ♪」

「うわぁ、」

 

 絶対非合法だ、なんの躊躇もない、流石だね??

 

「で、何あれ、」

「そうねぇ、私も詳しくは知らないから、聖女の力で少し調べたのだけど、」

「うん、やり方は聞かないよ、流石だろうからね」

「元々、この国には二つの派閥があったらしいのよ。理論派と実践派、こっち側が実践派ね、」

 

 ふむ、僕はどっちだろう。

 さてまあ、そんなふうに悩む程度には、その二つに違いがあるようには思えない。

 どこぞの改革派と守旧派で最終的にプリンが残る国ならともかく、それでこんなガッチリ分断されるものなのか。

 

「単なる思想だけなら良かったのだけどね、理論派と実践派はそのまま、技術派と技量派、一般派と革新派、大衆派と個人派って感じかしら、」

「ふむ、同じ魔術の国といえど、広く浅くと狭く深くってところか。なるほど、どうりでここら辺の人はみんな魔力が高いわけだ、」

 

 それに弱者か強者か、なら僕はあっちだね。

 夢はどうだっだろう、少なくとも君の世界は理論派だったと思うけど、君がどうだったかはわからないや。ごめんね、理論も実践も何も役にたてなくて、

 

「うん、僕にこっちは会わなそう、」

「いや、セシィちゃんは思いっきりこっち側よ? その魔術、他人に教えられるのかしら」

「・・・・・・や、やろうと思えば。ほら、レリア?」

 

 まずは、次元の存在を把握して取り込む所から、

 

「・・・・・・まあ、気持ちはわからなくないわぁ。私も、ワタクシの国まともな人間私だけだと思ってたし。私以外が全員おバカさんだと信じてたわ、」

「・・・・・・あーうん。君には、この国が合いそうだね、」

「いえ、その基準でいうならまだ私の中で人間は貴方だけよ、セシィ、」

 

 ・・・・・・・・・・・・ん、この国でもダメだったか。

 というか、その観点だとやっぱり僕はまともではないのでは、

 

「そうなのよねー、やっと同じ目線の王子様が現れたと思ったら、理想を遥か飛び越えて行かれるとは思わなかったわ、」

「あはは、そりゃ人間じゃないし。それにほら、君の国にもいたじゃん、メー、」

「あら? 誰かしらそのオンナ??」

 

 おっと、レディと話している時に別の女の名前を出すのはいけないね・・・・・・、

 って、なるか?? いや僕もレディなんだが? この思考はおかしいだろ夢のせいか、いやレリアのせいだうん。

 

「・・・・・・あー、で、なんであんな壁なんて出来たの?」

「ふふ。・・・・・・そうねえ、まあ簡単に言うと旗ができちゃったのよ」

「フラグ? ・・・・・・いや、御旗か、」

「そう、私にとってのセシィね、」

「聖国にとっての勇者で勇者にとってのメートちゃんね、はい、」

「むーー、」

 

 この国、確か王様とかはいないんだっけ、珍しい事に。

 そんな中で象徴なんて、それこそ魔王ちゃんみたいなものか、そのうえ急に生えてきたと。

 どこから、いやそれこそまさか別の世界からってことかな、

 

「誰にでも使えて等しく強力な魔道具、」

「・・・・・・銃火器、」

「ええ、確か科学、なんて呼んでたかしら。その中でも直接的な武力ね、」

 

 っ、確定だ。

 誰かいる、この世界のものではない夢が、

 

「今まで表面上は仲良くしてたみたいなのだけど、どちらかというと実践派の声の方が大きかったようで、」

「ま、同時に武力派でもあるわけだからね、」

「そこに狙いすませたかのような理論派の為の武器。遂には全面抗争一歩手前まで行ったらしいわ〜」

 

 恐ろしいね、なんてはた迷惑なんだ。

 もともと国の構造に多少の問題があったとはいえ、個人で国を崩壊させかねないなんて、まさに別世界の存在だ・・・・・・、

 

 ・・・・・・あれ、なんでだろう、僕一人で国を壊せる存在いっぱい心当たりあるぞ、

 例えば、プリン作ってる人とか、いつの間にかプリン食べてる子とか、

 

「・・・・・・じゃ? いいぞ、せっかくの再会じゃ、我の事は気にせんでも、」

 

 ・・・・・・・・・・・・いやーまあ、国を二つに分断する程度なら、まだ大人しいのかもしれないね、はは。

 

「・・・・・・それで、その旗迷惑さんって、」

「不明よ、向こう側の人も知らないみたい。どちらにせよ理論派の理念的に、大々的に推すわけにもいかないですし、」

「うむむ、探すしかないか」

 

 しかしまあ、こんな混乱を引き起こした張本人だ、そう簡単には会ってくれないだろう。

 下手すりゃもう国内にいない可能性すら、どうすればいいか、

 

「理論派思いっきり不利にすれば、出てくると思う?」

「会いたいの? どうかしら、そのまま逃げちゃうかもしれないわねー、」

「じゃあその逆、」

「可能性はあるわねぇ、こっちの旗になんて言われるかはわからないけど、」

 

 ・・・・・・まあ最終手段か、

 流石にこの国滅ぼす気はないし、レリアにも迷惑だろうし、アレンがこの国を通る可能性もあるし、

 

「・・・・・・む、そう考えると、国の代表者とは話をつけておいた方がいいか」

「あら、こっちも興味あるかしら?」

「どうしよう、大変だ、」

 

 うぐぐ、人探し、見るもの殆ど同じ図形なのにどうしろと。

 なんかわかりやすいオーラとか出しといてくんないかな、

 

「いえ、実践派の御旗は、見るだけなら簡単よ?」

「む?」

「そうねぇ、ちょうど明日の昼にでもやってるかしら、」

 

 何を?

 レリアの視線がズレる、先を見る、

 民家、に遮られてなお見える、大きな建造物。

 巨大な、円形の、あれは、

 

「コロッセオ?」

「わからないけど、多分想像通りよ。確か、名目上は総合発表会場だったかしら、魔術の。実際その目的で使われる事もあるようだけれど、」

 

 含み、うん、そういうことだろう。

 世界が変わっても、人の娯楽は変わらないらしい。

 

 パンとサーカスだっけ、僕の夢。

 わからないな、なぜそんなものが必要だなんて思考は、サーカス側には必要ないか。

 

「だからこの国とは外交途絶えてたのよね〜、、表向きは。ま、それも昔の話。もう言っててもしょうがないけれど、」

「それで、そこにいるの?」

 

 誰か、それとも、

 

「ええ。まあ、見た方が早いかしらね、」

「んー、気は進まないけど、」

「いい席取れてるわよ、なにせワタクシは国賓ですから」

「ならこんなところで店を構えてないでよ、」

 

 ・・・・・・・・・・・・あの国、そんなにやばいのかな、

 やばいだろうなー、うん、尚更なんで来てるのよ、。

 

「だって・・・・・・、ああ、そうだわ、」

「なに?」

「いえ。私はそんなに軽くて重い女になるつもりはないけれど、向こうから来てくれたのならこれは運命よねぇ、」

「・・・・・・んにゃぴ、」

 

 なんだろうこれ、わからないや。

 でもまあ、なんか、夢?

 また、巻き込まれそうだよ、いや自分から突っ込みにいったのかも。

 

「ええ、それも含めてまた明日にね? 近くに宿があるの、行きましょう♪」

「・・・・・・・・・・・・さ、三人部屋ですよね?」

「ベットは一つよ♡」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、確かに宿の予定もこの国のお金もないけどさ、

 ぼ、僕には、収納空間があるんだ! それに床で全然いいですから、ね!?

 

「レコウも、ほら、ベット広い方がいよね!?」

「お、おー。あー、我、ちょっと用事を思い出し、」

「逃すか!?」

 

 ガシイッ、この背中を重点的に押さえ込んでやる、まあ今は翼なんて生えてないけど、

 

「お、セシィから抱きついてくるなんて、感激じゃの〜」

 

「ムーーーー、」

 

「じゃが、あーー。——ま、いいか、」

 

「ムーーーーーーー!?」

 

 ガシイッ、って、なに、レリア。

 君もレコウがどっか行かないか押さえてくれるの?

 ありがとうね、だから、はは、

 

 僕にだけ抱きつくのやめ、イタタタ力強い!

 そして重い、んで、押し当てられる感触がちょっと柔らかい!?

 

 ・・・・・・嘘、前より育ってる、

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガグッ、グハッ、ヒデブ、、、

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