まったくもう、せっかく親切心で説得を手伝ってあげようと思ったのに、こんなめんどくさいことになるなんてな〜、
わたしに、そんなものあるのかは知らないけど。
「ふぅ、それで、なにが聞きたいのー?」
クルクルと翼をしまって、ん、なに見てるのかな、
それにしても、手っ取り早く眠らせちゃおうと思ったのに、ダメだったねー。
なんか変な成分決めてたからとか、うへぇ、相変わらず変な人なんだから。
「とりあえず、あなたがなんでこの国にいるのか聞きたいのだけど、」
「そんなの、わたしの勝手でしょ〜?」
「ええだから、一先ず何故この部屋にいたのかくらいは、教えてくれるのかしら?」
そんなの、・・・・・・まあ、気まぐれ?
なんでこの部屋に来たかはわかるけど、何故この部屋かと言われると、なんでなんだろうねー?
「・・・・・・はぁ、」
「なにその顔? もう、せっかちなんだから。そんなんだから友達できないんだよー?」
「おあいにく様、あなたとは違って、心から信じられる親友がいますので。というかあなたこそ、友達いたことあるのかしら?」
「む、今もいっぱいいるよー?」
国中のいろーんな人とね〜。
まあちょっと、男女比というか男女というか、別にどうでもいいけど。
「そ、れ、で! なんでこの部屋にいたのかしら?」
「・・・・・・そうだねー。お呼ばれしたから来ただけだよー?」
「呼ばれた? 誰によ、」
「それ。」
背後を向けさせる。
まだ少し熱を持った赤い物。
うーん、死因は剣でバッサリいい切り口。いや後から付けられた可能性もあるのかな?
わかんないや、わたしとおんなじでぜーんぶ違うあの子なら、一目でわかっちゃうのかなーー?
「そいつが? ・・・・・・何故かしら?」
「さーあ? でももしかしたら、違ったのかもね〜」
「・・・・・・・・・・・・あなたに罪をなすりつけるため、ってことかしら?」
「おー、やっと少しは、メートのことがわかってきたのかな〜?」
えへへ、意味ないけどねー。
それに、多分それも違うと思うよ?
だってメートのことを疑えるのなんて、あなたくらいだもん。
なんなら、一番怪しいのは、後からやってきた聖女様の方だったりしてー、
「それこそ、何のためによ、」
「んー、なんか、視線が粘っこくて嫌だったからとか?」
「それは、。ちょっと思ったけど、それだけで殺す訳ないじゃない、」
「だよねーー?」
わたしもまあ、殺そうとはしてないし、
それどころか、友達になろうとしたくらいだよー、こ豚さん。
それがこんなに赤くなっちゃって、残念だね〜。
「はっ、そういえば、大会も中止になっちゃうのかな〜? それは困るねー、」
「・・・・・・まあいくら事件とはいえ、今更止まることも——って、何しようとしてるのかしら?」
「しょーこいんめつ〜?」
「・・・・・・・・・・・・本当に、あなたが犯人じゃないのよねえ?」
だから、メートは犯人じゃないって。
こんなの、流石に予想外すぎてびっくりした。
本当、どうしようかな。
「・・・・・・あなたは、どうするの?」
「ワタクシ? ・・・・・・そうねぇ、普通なら衛兵にでも伝えて、然るべき上の機関に報告させて、あとは別にってところでしょうけど、」
「この国、そんなのあったかなー?」
「えぇ・・・・・・」
ここはー、王様とかいないからね〜、
まあ似たようなのはあったけれど、その元締めなのはお金と力を持ってる・・・・・・。それこそ、そこのみたいなの。
もしこれが商売敵の仕業なら、揉み消されておしまいかもね〜。
「それどころか、よくも見たなーって消されたり、犯人押し付けられちゃうかも?」
「・・・・・・まあ、あなたの場合ならね? ワタクシはこれでも一国の王女なのよ、そんな大それた真似できるやつなら見てみたいわ、」
「そだねー、」
・・・・・・それにしても、王女様かぁ、
初めて聞いた時はビックリしたけど、まあ納得はするよねー女王様。
別に、今更どうでもいいけど、ふーんそっかーー。
「だからまあ、できることならこっちで犯人把握して、便利な手札にしてやりたいところではあるけれど」
「へー。そ、頑張ってね〜」
それじゃあわたしは、どうしよっかな。
試合は延期になったらしいけど、まあ別に無くなるわけじゃないし、ふらふら無防備にしてよっかな〜。
・・・・・・それで、わたしもせっかくの便利君がダメになっちゃった訳だけど、こうして一番お得になるのはー、
「・・・・・・どこ行こうとしてるのよ、」
「さあ? 気の向くままにー?」
「まだ殆ど何も聞いてないのだけれど、重要参考人さん?」
「・・・・・・なら早くしてよ。あなたも、なにか用事があったんじゃないの〜?」
なにか、というか、誰か探してた?
よくわかんないけど、何でよく分かんないままで探してるの?
まあどーでもいいけどー。
「あら、そうだったわねぇ。・・・・・・時間、まずいかしら。いえ、最悪私の方は無くても問題ない、出る選手と決定できる主催者、つまり一人に話通せば大丈夫ね、」
「・・・・・・三位決定の? わたしはその前の見てなかったから知らないけど、もう一人はいいの?」
「・・・・・・え、」
・・・・・・はぁ、何やってるんだろ。
計画にない試合して、それでこんな面倒なことに。
まあ結果に変更はないし、いいけどさー、
「あ、レコウちゃん。・・・・・・えっと、観客席にいるはずよね。——セシィちゃんが気を利かせて伝えてくれたり、」
「・・・・・・ん? どうしたのー?」
「いえ、あら? 早く行かなきゃ不味いかしら。・・・・・・流石に、この状況より優先するのは、人としてどうかとも思うけれど、」
「よくわかんないけど、お祭りに問題あるなら、早く行って来なよ」
まーもしあなたがいなくても、普通に最後の試合するだけだと思うけどねー。
あっ、そうなるなら、わたしも行かなきゃなー、そうなるかはわからないけど、
どっちにしても、ここで送った方が早いかな〜?
「・・・・・・・・・・・・あなたここに一人残して行けと?」
「んー、別に、何もしないって、」
「さっき思いっきり、証拠隠滅しようとしてたじゃない、」
「ただのじょーだんだよ〜?」
「信用できないわねぇ。・・・・・・というか仮に、これが本当にあなたの仕業じゃないとして、普通にあなた国家転覆の前科がある危険人物よねえ?」
ああ、そんなこともあったね。
めんどくさいな〜、どうしたいの?
「・・・・・・とりあえず、あなたも大会がちゃんと進行されなかったら困るのよね? 何でかは知らないけど、」
「んー、そんなこと言ったかなー?」
「言ったわよ、」
「いっちゃったね〜」
うん。嫌だねー。
こんな事件よりも、そっちの方がよっぽど大変だ。
「そしてワタクシが行かないとそうなる可能性が高いけど、私はあなたをここに残して動けない。だから、」
「んー、つまり一緒に来いと?」
「あら、話が早くて助かるわね?」
・・・・・・めんどくさ、なんでわたしがそんなことしなきゃいけないの?
でもメートとしては、そうしたら、またあの子に会えるのかな?
なら、しょうがないな〜。
「それで、ここ、このままにしておくの?」
「・・・・・・駄目元で言ったのに以外ねえ・・・・・・、」
「うん。よかったでしょー?」
「・・・・・・・・・・・・はぁ、話が早すぎるのも困りものよ、」
「あ、ここに結界置いて犯人が戻ってこないか確認するんだねー。うん、手伝おっか〜?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっとは人の心読むの躊躇いなさいよ、」
あはは、なんで?
あなただって普通に魔法使ってるのにって、おお、相変わらず凄い面倒な魔術だねー。
メートだったら、わざわざこんなの作ろうと思わないな〜。
「それじゃ、行きましょ、」
「うん。あっちだねー、」
「なんで私より先に目的地に向かえるのかしら、」
「普通に視線向けてるからだよ、ほらはやく〜、」
うーん、久しぶりの再会だ。
えへへ、楽しみ、かな?
「・・・・・・レコウちゃん。頼むから観客席にいてくれるわよね?」
「セシィちゃん、そこにいるのかなー・・・・・・、」
あったらどんなこと話そうか、これまでのこととか、これからの事とか、ああでもそしたら、
また一緒に、お遊びしましょう?
「かがくのまちじゃ!!」
「おおーー、」
「・・・・・・うるさい。なんだこいつら、」
というわけでなんかベル、でっかい壁を跨いで、やってきたのは科学の町。
ちなみに跨いでとは比喩では無く、本当に徒歩で跳び越えた。
・・・・・・当然俺はそんなことできないので、そんな事できちゃうドラゴン様に首根っこを掴まれて。
なんか凄い雑に扱われた気がするのに、まったく苦しくなかったのが印象的だ、
・・・・・・印象的といえば、この町も変な感じだな。
見覚えは無いのにあるというか、どこか田舎の寂れた町を思い起こさせるというか、中途半端に入った科学とやらがそうさせるのか?
というかなんだ科学の町って、ここにはそんなものまであるのか、何故だか懐かしさを感じるような。
「・・・・・・で、我らは本来こんな事してる暇はないのじゃが、」
「自分でやっておいて、なに言ってるんだ」
「ともかく、本当なんじゃろうな、その話は、」
「・・・・・・ああ、まあ、恐らくはな、」
ともかく一目見て、どうだろう。
果たしてここが、あの子を呼び覚ます手助けになるのかどうか、
むしろ自分の記憶が強くなりそうなくらいだけど、何もしないよりはマシ程度か。
それでも、こんな場所までわざわざ来た訳は、
「近々、向こうで、どれほどの規模か抗争が起こる。祭りに乗じて、誰かがことを起こしたらしい、」
「それで、わざわざ避難勧告かの?」
「まあ、そうだな」
なるほどそれは怖い、とはいえそんな大事があるならその前に、元に戻れるのが最善なんだけど、
——それに、そこでどちらに肩入れするにせよ、目立たれて、こいつが祭り上げられる方が、困るだろ?
「え、そうなの?」
「・・・・・・おいっ、」
「んじゃ?」
睨まれた、いやただのドローンのカメラなんだけど、確実に。なんで?
——はぁ。まあどちらにせよ、元のセシィならともかく、今のこいつの状態で危険がある場所にいる訳にはいかんからの、
「そ、それはすいません、」
「あ? じゃ、」
「・・・・・・なんだ?」
「え、え??」
今度はレコウさんの方に睨まれた。
ええ、なんで??
年頃の女の子の考えてることはわからん・・・・・・、いや年頃なのか??
——まあいい、ともかくこいつには、バレないようにしろよ、
——ちっ、なるほどこれでもセシィの体か、聞こえちゃうんじゃの、
「さ、さっきからなに??」
「・・・・・・はあ? オマエが、どうした、」
「・・・・・・もう、面倒臭いやつじゃのー。いいから黙ってろ、」
「・・・・・・え、オマエら、そんな距離感だったか??」
理不尽に少女にキレられる。
なるほど、これが思春期の娘を持つ父親の気持ちか、ちくしょー懐かしくて涙が出てくるぜ、
・・・・・・って、俺にそんなのいたことないけどな。
ともかく自分は一体どうすりゃいいのか、教えて帰ってきてくれー、セシィちゃん。