情報過多の荷物持ちさん、追放される   作:エム・エタール⁂

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94話

 

 まったくもう、せっかく親切心で説得を手伝ってあげようと思ったのに、こんなめんどくさいことになるなんてな〜、

 わたしに、そんなものあるのかは知らないけど。

 

「ふぅ、それで、なにが聞きたいのー?」

 

 クルクルと翼をしまって、ん、なに見てるのかな、

 それにしても、手っ取り早く眠らせちゃおうと思ったのに、ダメだったねー。

 なんか変な成分決めてたからとか、うへぇ、相変わらず変な人なんだから。

 

「とりあえず、あなたがなんでこの国にいるのか聞きたいのだけど、」

「そんなの、わたしの勝手でしょ〜?」

「ええだから、一先ず何故この部屋にいたのかくらいは、教えてくれるのかしら?」

 

 そんなの、・・・・・・まあ、気まぐれ?

 なんでこの部屋に来たかはわかるけど、何故この部屋かと言われると、なんでなんだろうねー?

 

「・・・・・・はぁ、」

「なにその顔? もう、せっかちなんだから。そんなんだから友達できないんだよー?」

「おあいにく様、あなたとは違って、心から信じられる親友がいますので。というかあなたこそ、友達いたことあるのかしら?」

「む、今もいっぱいいるよー?」

 

 国中のいろーんな人とね〜。

 まあちょっと、男女比というか男女というか、別にどうでもいいけど。

 

「そ、れ、で! なんでこの部屋にいたのかしら?」

「・・・・・・そうだねー。お呼ばれしたから来ただけだよー?」

「呼ばれた? 誰によ、」

「それ。」

 

 背後を向けさせる。

 まだ少し熱を持った赤い物。

 

 うーん、死因は剣でバッサリいい切り口。いや後から付けられた可能性もあるのかな?

 わかんないや、わたしとおんなじでぜーんぶ違うあの子なら、一目でわかっちゃうのかなーー?

 

「そいつが? ・・・・・・何故かしら?」

「さーあ? でももしかしたら、違ったのかもね〜」

「・・・・・・・・・・・・あなたに罪をなすりつけるため、ってことかしら?」

「おー、やっと少しは、メートのことがわかってきたのかな〜?」

 

 えへへ、意味ないけどねー。

 それに、多分それも違うと思うよ?

 だってメートのことを疑えるのなんて、あなたくらいだもん。

 

 なんなら、一番怪しいのは、後からやってきた聖女様の方だったりしてー、

 

「それこそ、何のためによ、」

「んー、なんか、視線が粘っこくて嫌だったからとか?」

「それは、。ちょっと思ったけど、それだけで殺す訳ないじゃない、」

「だよねーー?」

 

 わたしもまあ、殺そうとはしてないし、

 それどころか、友達になろうとしたくらいだよー、こ豚さん。

 それがこんなに赤くなっちゃって、残念だね〜。

 

「はっ、そういえば、大会も中止になっちゃうのかな〜? それは困るねー、」

「・・・・・・まあいくら事件とはいえ、今更止まることも——って、何しようとしてるのかしら?」

「しょーこいんめつ〜?」

「・・・・・・・・・・・・本当に、あなたが犯人じゃないのよねえ?」

 

 だから、メートは犯人じゃないって。

 こんなの、流石に予想外すぎてびっくりした。

 本当、どうしようかな。

 

「・・・・・・あなたは、どうするの?」

「ワタクシ? ・・・・・・そうねぇ、普通なら衛兵にでも伝えて、然るべき上の機関に報告させて、あとは別にってところでしょうけど、」

「この国、そんなのあったかなー?」

「えぇ・・・・・・」

 

 ここはー、王様とかいないからね〜、

 まあ似たようなのはあったけれど、その元締めなのはお金と力を持ってる・・・・・・。それこそ、そこのみたいなの。

 もしこれが商売敵の仕業なら、揉み消されておしまいかもね〜。

 

「それどころか、よくも見たなーって消されたり、犯人押し付けられちゃうかも?」

「・・・・・・まあ、あなたの場合ならね? ワタクシはこれでも一国の王女なのよ、そんな大それた真似できるやつなら見てみたいわ、」

「そだねー、」

 

 ・・・・・・それにしても、王女様かぁ、

 初めて聞いた時はビックリしたけど、まあ納得はするよねー女王様。

 別に、今更どうでもいいけど、ふーんそっかーー。

 

「だからまあ、できることならこっちで犯人把握して、便利な手札にしてやりたいところではあるけれど」

「へー。そ、頑張ってね〜」

 

 それじゃあわたしは、どうしよっかな。

 試合は延期になったらしいけど、まあ別に無くなるわけじゃないし、ふらふら無防備にしてよっかな〜。

 

 ・・・・・・それで、わたしもせっかくの便利君がダメになっちゃった訳だけど、こうして一番お得になるのはー、

 

「・・・・・・どこ行こうとしてるのよ、」

「さあ? 気の向くままにー?」

「まだ殆ど何も聞いてないのだけれど、重要参考人さん?」

「・・・・・・なら早くしてよ。あなたも、なにか用事があったんじゃないの〜?」

 

 なにか、というか、誰か探してた?

 よくわかんないけど、何でよく分かんないままで探してるの?

 まあどーでもいいけどー。

 

「あら、そうだったわねぇ。・・・・・・時間、まずいかしら。いえ、最悪私の方は無くても問題ない、出る選手と決定できる主催者、つまり一人に話通せば大丈夫ね、」

「・・・・・・三位決定の? わたしはその前の見てなかったから知らないけど、もう一人はいいの?」

「・・・・・・え、」

 

 ・・・・・・はぁ、何やってるんだろ。

 計画にない試合して、それでこんな面倒なことに。

 まあ結果に変更はないし、いいけどさー、

 

「あ、レコウちゃん。・・・・・・えっと、観客席にいるはずよね。——セシィちゃんが気を利かせて伝えてくれたり、」

「・・・・・・ん? どうしたのー?」

「いえ、あら? 早く行かなきゃ不味いかしら。・・・・・・流石に、この状況より優先するのは、人としてどうかとも思うけれど、」

「よくわかんないけど、お祭りに問題あるなら、早く行って来なよ」

 

 まーもしあなたがいなくても、普通に最後の試合するだけだと思うけどねー。

 あっ、そうなるなら、わたしも行かなきゃなー、そうなるかはわからないけど、

 どっちにしても、ここで送った方が早いかな〜?

 

「・・・・・・・・・・・・あなたここに一人残して行けと?」

「んー、別に、何もしないって、」

「さっき思いっきり、証拠隠滅しようとしてたじゃない、」

「ただのじょーだんだよ〜?」

「信用できないわねぇ。・・・・・・というか仮に、これが本当にあなたの仕業じゃないとして、普通にあなた国家転覆の前科がある危険人物よねえ?」

 

 ああ、そんなこともあったね。

 めんどくさいな〜、どうしたいの?

 

「・・・・・・とりあえず、あなたも大会がちゃんと進行されなかったら困るのよね? 何でかは知らないけど、」

「んー、そんなこと言ったかなー?」

「言ったわよ、」

「いっちゃったね〜」

 

 うん。嫌だねー。

 こんな事件よりも、そっちの方がよっぽど大変だ。

 

「そしてワタクシが行かないとそうなる可能性が高いけど、私はあなたをここに残して動けない。だから、」

「んー、つまり一緒に来いと?」

「あら、話が早くて助かるわね?」

 

 ・・・・・・めんどくさ、なんでわたしがそんなことしなきゃいけないの?

 でもメートとしては、そうしたら、またあの子に会えるのかな?

 なら、しょうがないな〜。

 

「それで、ここ、このままにしておくの?」

「・・・・・・駄目元で言ったのに以外ねえ・・・・・・、」

「うん。よかったでしょー?」

「・・・・・・・・・・・・はぁ、話が早すぎるのも困りものよ、」

「あ、ここに結界置いて犯人が戻ってこないか確認するんだねー。うん、手伝おっか〜?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっとは人の心読むの躊躇いなさいよ、」

 

 あはは、なんで?

 あなただって普通に魔法使ってるのにって、おお、相変わらず凄い面倒な魔術だねー。

 メートだったら、わざわざこんなの作ろうと思わないな〜。

 

「それじゃ、行きましょ、」

「うん。あっちだねー、」

「なんで私より先に目的地に向かえるのかしら、」

「普通に視線向けてるからだよ、ほらはやく〜、」

 

 うーん、久しぶりの再会だ。

 えへへ、楽しみ、かな?

 

「・・・・・・レコウちゃん。頼むから観客席にいてくれるわよね?」

「セシィちゃん、そこにいるのかなー・・・・・・、」

 

 あったらどんなこと話そうか、これまでのこととか、これからの事とか、ああでもそしたら、

 また一緒に、お遊びしましょう?

 

 

 

 

 

「かがくのまちじゃ!!」

「おおーー、」

「・・・・・・うるさい。なんだこいつら、」

 

 というわけでなんかベル、でっかい壁を跨いで、やってきたのは科学の町。

 ちなみに跨いでとは比喩では無く、本当に徒歩で跳び越えた。

 

 ・・・・・・当然俺はそんなことできないので、そんな事できちゃうドラゴン様に首根っこを掴まれて。

 なんか凄い雑に扱われた気がするのに、まったく苦しくなかったのが印象的だ、

 

 ・・・・・・印象的といえば、この町も変な感じだな。

 見覚えは無いのにあるというか、どこか田舎の寂れた町を思い起こさせるというか、中途半端に入った科学とやらがそうさせるのか?

 というかなんだ科学の町って、ここにはそんなものまであるのか、何故だか懐かしさを感じるような。

 

「・・・・・・で、我らは本来こんな事してる暇はないのじゃが、」

「自分でやっておいて、なに言ってるんだ」

「ともかく、本当なんじゃろうな、その話は、」

「・・・・・・ああ、まあ、恐らくはな、」

 

 ともかく一目見て、どうだろう。

 果たしてここが、あの子を呼び覚ます手助けになるのかどうか、

 むしろ自分の記憶が強くなりそうなくらいだけど、何もしないよりはマシ程度か。

 

 それでも、こんな場所までわざわざ来た訳は、

 

「近々、向こうで、どれほどの規模か抗争が起こる。祭りに乗じて、誰かがことを起こしたらしい、」

「それで、わざわざ避難勧告かの?」

「まあ、そうだな」

 

 なるほどそれは怖い、とはいえそんな大事があるならその前に、元に戻れるのが最善なんだけど、

 

 ——それに、そこでどちらに肩入れするにせよ、目立たれて、こいつが祭り上げられる方が、困るだろ?

 

「え、そうなの?」

「・・・・・・おいっ、」

「んじゃ?」

 

 睨まれた、いやただのドローンのカメラなんだけど、確実に。なんで?

 

 ——はぁ。まあどちらにせよ、元のセシィならともかく、今のこいつの状態で危険がある場所にいる訳にはいかんからの、

 

「そ、それはすいません、」

「あ? じゃ、」

「・・・・・・なんだ?」

「え、え??」

 

 今度はレコウさんの方に睨まれた。

 ええ、なんで??

 年頃の女の子の考えてることはわからん・・・・・・、いや年頃なのか??

 

 ——まあいい、ともかくこいつには、バレないようにしろよ、

 

 ——ちっ、なるほどこれでもセシィの体か、聞こえちゃうんじゃの、

 

「さ、さっきからなに??」

「・・・・・・はあ? オマエが、どうした、」

「・・・・・・もう、面倒臭いやつじゃのー。いいから黙ってろ、」

「・・・・・・え、オマエら、そんな距離感だったか??」

 

 理不尽に少女にキレられる。

 なるほど、これが思春期の娘を持つ父親の気持ちか、ちくしょー懐かしくて涙が出てくるぜ、

 

 ・・・・・・って、俺にそんなのいたことないけどな。

 ともかく自分は一体どうすりゃいいのか、教えて帰ってきてくれー、セシィちゃん。

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