これで、怜ちゃん編は終了です。
俺が退院をして2か月ほど過ぎたある日。ギブスがとれ、始めたアルバイトが安定し始め、新しい生活に少し余裕ができ始めた時期に俺は、怜と竜華とセーラとで遊園地へ行っていた。4人で久しぶりに一緒に遊ぶのでその日は全員テンションが高かった。
だがな流石に一日中テンションを高くしながら遊園地で遊ぶのは難しい。もちろん今この中で一番体力があるセーラも例外でなく、日が沈む頃には全員疲れていて、すぐ帰るはずだったが1人だけ例外がいた。
「なーなー、みんな!最後にアレ乗ろうなー」
怜だ。この中で一番体力がないはずの怜はなぜか、最後までテンションが高く普段とは全然違っていた。そして、その時にはすでに怜に恋心を抱いていた俺はカッコ悪いところは見せられないので、体力が有り余っているフリをしていた。
「そうだぜお前ら、遊園地のシメはアレだろ!」
「はぁ……2人とも体力底なしかいな」
「怜ー、ウチらもう疲れたわー」
怜と俺が先ほどから言っているアレとは、観覧車である。
「おめーら、体力ねぇな」
などと言ってるが、俺もそろそろヤバいが……俺の横に怜がいる限り、カッコ悪い所は見せられねーからな。
「しゃーないなー……明くん、竜華たち抜きで2人で乗る?」
キタ!
この時、まるで釣りをしていて、魚がヒットしたかのような感じで喜びを感じれた。
「まぁコイツら疲れてるし、仕方ないか……」
ーー 怜と2人っきりで観覧車ーー
この時の俺の頭の中には、コレしか考えられなかった。
「メッチャ高いなぁ」
「絶景だな」
幸いにも観覧車ではあまり人が並んでなく、すぐに乗れた。
乗り始めて少ししたら、さっきまで座っていた怜が立ち上がり窓に手をつけ外を眺め始めた。それに続いて俺も立ち上がり、怜の横で外を眺めた。
「あ!あの彼氏持ちの女の子、メッチャ可愛ええ!!」
「……おい、怜さんや。その子多分、竜華だぞ。ほら、横の彼氏っぽい奴はセーラだし」
「……あ、ホンマや。やっぱ竜華は可愛ええなぁ」
「まぁ、そうだな」
ーーもちろん、怜の方が可愛いけどなーー
「……」
「怜、なんかあったか?」
テンション高く騒いでいた怜は突然、黙り込みゴンドラ内の席に座り込んだ。体調でも悪くなったと思い、俺は怜の向かい側の席に座り。彼女の様子を伺った。
「……話し変わるんやけど、明くんの好みのタイプって竜華みたいな感じなん?」
怜は座りながらも、窓の外を眺めていた。
「え?いや、わからん」
「じゃぁ、どんな子がタイプ?セーラとか?」
「……いや、そもそも俺には好みのタイプなんてないかと……あるとしてもアニメ基準だし……」
「じゃぁ、明くんは恋愛とかせえへんの?」
「……いや、するぞ普通に」
「でも、好みのタイプないんやろ?」
「……多分、好きになった奴が好みのタイプになる。みたいな感じだ……」
ーー現に、お前に恋してるしーー
何て事は面と言えないので、俺はその言葉を飲み込んだ。
「ふぅん」
沈黙。その後怜の質問攻撃はやめ、沈黙が続いた。そしてちょうど俺たちが乗っている所が観覧車の頂上へ近づいてきた。
ーーこれ、イケるんじゃね?ーー
2人っきり。恋愛話。観覧車。頂上。沈黙。この5つがちょうど重なっている今なら告白できるではないかと、俺は思った。
「なぁ、怜」
「ん?」
俺が声をかけたら、怜は可愛い顔で俺の方を向いた。
「俺ーー」
ちょうどこの時、ある事が頭によぎった。
ーーもしこれから、
可能性は少ないが、0%ではない。
「ーーいや、なんでもねぇ。外、綺麗だな」
「……せやな」
そして
もし、怜に影響が現れ。怜に何かあったら多分俺はアイツを完全に許さない事になり、
どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?
「……ンなもん、知るか……」
怜は俺が守ればいい。怜の分まで俺が不幸を受ければいい話しだ。何としても守ればいい。どんなに不幸が降り注いたって、それ以上に怜と幸せになればいい。てかぶっちゃけ、
「あ、明くん?」
「……怜!!」
「え!?」
俺は覚悟を決め、怜の
ーーあぁ、いい匂いするーー
は!危ない!危うく意識が……などと少しの間考えていると、怜が質問してきだした。
「あ、明くん!その、確かに、
「お、おい!怜!大丈夫かーーーー!!!」
怜は興奮しすぎて、一時的に意識を手放した。だがそんな事は知る由もない俺は、慌てながら彼女を近くにあったソファーへ寝かせることしかできなかった。
「……ん、う……。あ、明くん?」
「……起きたか、どっか痛いか?気分悪くないか?」
怜が意識を手放して数分が経ち、そして彼女は静かに目覚めた。
「……いや、平気や。……その、ホンマごめん。せっかくのクリスマスにこんな……あ、あはは。やっぱダメやなぁ私は……」
怜は今日、俺を自分勝手に俺を振り回し迷惑をかけたと思い、一人反省しだした。
「……そんな事言うな」
「だって、私。明くんに迷惑ばっかかけて……」
「確かに、偶には怜の珍行動には迷惑をかけられてると思う」
「グッ!!あ、明くん、今日は一段と言葉に棘があるんやな……」
俺が言ったことが堪えたか、怜は自分の胸に手をつけた。だが、すぐにいつものおふざけだと気づいたが……
「またふざけてるのか?」
「そ、そんなことあらへん!」
「ホントか?」
「ホンマや!」
怜はまっすぐ俺の目を見ながら言った。
ーーうん、可愛いなーー
「……なぁ、怜」
「ホンマや!もうふざけてへんよ!!」
「
「え?」
「入院してた頃から、好きになった」
「……」
「今でも好きだ。だから、怜から告白された時に全身鳥肌になったんだぞ」
怜は途中から顔をソファーに置いてあったマクラで隠したが、俺は続けた。
「おまけに抱きしめやがって……アレ結構やばかったんだぜ」
「……あ、あの……その……あきら、くん……」
「ん?」
マクラに顔を隠せてあるため、怜の声はいつも以上に小さく聞こえるはずだが。今の俺にはちゃんと聞こえていた。
「……ホンマに私でええの?」
「なんで?」
「竜華やセーラのほうが魅力あるし……」
「……俺の好きなタイプはお前だ」
そう言った瞬間、怜は俺にまた抱きしめてきた。
そのあと、俺たちは両想いと言うことで付き合う事になった。
もちろん、怜の体調を優先して。
月日は流れ、俺たちは3年生になった。そして、3年になって2ヶ月後の6月上旬になっていた。怜と付き合いだして約半年、時が流れる感覚は確実に早く感じた。この約半年間は、俺にとってとても幸せな時期であるのは確実だった。
怜との2人っきりのデートも何度もやった。普通に町でブラブラしたり、今度は完全に2人っきりで遊園地に行ったり、室内デートだったり……両手では数え切れないほど多くの事を一緒にやってきた。
「結構久しぶりに暇だ……」
毎回、休日の日は怜とデートか、バイトか、友人たちと遊ぶんだが今日に限って全てができなかった。怜は用事があるで夕方までメールにすらでれないらくし、バイト先の店は耐震構造で休み、友人たちはなんかテレビが観たいかで遊ばないらしい。
「怜には夕方まで会えないし。流石に一日中ゴロゴロすると、体だるくなるし……」
今は昼すぎであり、朝遅く起きてからずっと寝床でケータイ片手でゴロゴロしていたタメ、少し体を動かしたい気分になった。
幸いにも、俺以外の家の住人は外出してるため堂々と家の中で出歩ける。家の中では軽いニート気味な生活をしてる俺にとって、このチャンスを棒にふるのは勿体無いと思い出していた。夕方には怜と少し会う約束していたタメその暇つぶしにテレビを観る事にした。
『昼のニュースです』
俺はまず冷蔵庫からジュースを取り出し、ガラスのコップに注ぎ。ソレを持ったままテレビを観始めた。
「土曜の昼はやっぱ、面白いもんねーな……」
最初にテレビにでたのはニュース番組だったので、1秒も観ることもなくチャンネルを変え始めた。そして何回かチャンネルを変えてるととあるチャンネルに当たってしまった。
『さー決勝戦最後の出場高校は、関西最強の高校千里山女子だー!!』
「……千里山」
ーー確か、怜たちの学校だったなーー
たったその理由。その理由でだけで俺は、千里山女子高が出場している麻雀大会を
「……怜?……」
そして俺は、
ピピ!ピピ!ピピ!
もう何度目かのケータイにへの電話着信音が、俺の部屋に響いている。電話をかけてくるのはケータイを見なくてもわかる。
「……怜」
昔のトラウマ、麻雀への恐怖、怜に裏切られた悲しみなどの負の感情が自分を襲っていた。
今日の昼頃に、怜が麻雀部として県予選大会に出場してる事を知ってしまった。もちろん怜には教えられていないタメ、今日初めて知った。おまけに、竜華とセーラも出場しており。ネットで調べたら、3人は全国的にも有名な選手である事も知っまった……
「何でだよ……何でだよ!!」
この感情を何処にぶつければ良いかわからず、俺は叫ぶ事しかできなかった。
ピピ!ピピ!ピピ!
そして1度は止んだ着信音も、またなりだした。
今日の夕方に会う約束していたタメ怜は俺に電話してる。だが今は約束の時を軽く過ぎている。おまけに電話もメールにも返事してないタメ何度も何度も、怜は俺と連絡をとろうとする。
「……」
だが俺は話す気がなく、そのまま放置をしていた。
ピンポーン!
ケータイの着信音が無くなると、突然家のチャイムがなった。今は家の中には、俺とつい先ほど帰ってきたばかりの両親だけだ。当然出るつもりはない俺は、そのまま部屋の中にいた。
「……」
トントン!
「明、お前の彼女さんが来てるぞ。居るのか?」
「明くん、大丈夫?」
想像通り。電話に出なかったらから直接怜は俺の家にやってきた。ちなみに、怜は何度か俺の家に上げさせた事があるので家族は、彼女の存在は知っている。
「明、入るぞ」
「あ!ちょっと待ってもらってもええですか!!」
「ん?」
父さんが勝手に部屋へ入ろうとすると、突然怜はソレを止めた。
「私1人で入ってもええですか?」
「……わかった。なんかあったら、ダイニングにいるので」
「はい、おおきに」
そのまま、怜は俺の部屋の扉の前に残したまま父さんは、その場から離れた。
トントン!
「明くん、私や。入ってもええかな?」
「……」
耳にちゃんと怜の言葉は入ってきてるが、応える気は起きない。
「明くん……」
「……」
「黙認として受け止めて、入るで!」
少しいつもの、調子で自分勝手に部屋に怜は入ってきた。
「……」
「……あ、明くん。体調は大丈夫そうやな」
怜が部屋に入ってきたので、俺は彼女を見た。だがそれは怜には、睨んだと捉えてしまった。
「……」
「明くん。どないした?電話にもメールにも出えへんで……私、メッチャ心配ーー」
「麻雀部だったんだな……」
「ーーえ?」
俺は直接。何も捻りもなく怜にそう言った。
「……」
「今日テレビ観たら、お前が麻雀してた……」
怜はバツが悪そうな顔をしながらも、俺の話を聞いていた。
「……あ、明くん……私……」
「隠してた……んだな」
「……はい」
怜は否定するわけでもなく、すぐに認めた。
ーーせめて、否定して欲しかったーー
なぜかその言葉が浮かんだ。
「……明くん。ごめんなさい……」
「……」
「ホンマに、ごめんなさい……」
そのあと何度も、震えた声で怜は俺に謝り続ける。
「怜、俺はーー」
「……」
「ーーこんなことで、怜とケンカしたくない。怜が好きだから、俺に隠し事をしてた事を知った今でも……怜が好きだって自信を持って言える」
「……」
俺も声を震えさせながらも、怜にそう言った。
「怜が麻雀やっていた事よりも、怜が俺に隠し事をしていた事……俺を信用していなかった方が辛い……」
「いや、違うんや!ソレは私が勝手にーー」
「だから!」
「ーーッ!!」
このままじゃいけないとわかっていたが、コレをきっかけに……
「俺にも謝させてくれ……ごめん。俺のせいで好きな麻雀を、隠させて……」
「……え?」
「俺のせいで、好きな麻雀を……なかった事にして……たとえ俺と一緒にいる間だけでも、そう感じかせて……ごめん」
「……あ、明くん!」
怜の言葉が引き金の様に、俺たちは抱きしめあった。何度か怜と抱きしめあった事はあるが、今やってる以上暖かったのはなかった気がした。
「なぁ、怜」
「……はい」
「でも、騙した事は許さない……」
「……」
「だから、罰として。俺と
「ッ!!……私に任せてや」
翌日、両親に事情を説明して家を空けてもらった。「姉さんと仲直りするタメ」と言ったら2つ返事で了承をもらった。そして今、家の中にいるのは姉さんと、俺と怜だ。姉さんは自分の部屋に、俺たちは俺の部屋にいる。ここまではいつもと同じ形だが、これからは違う。
「怜、頼むな」
「任せてや、なんかあっても。私の胸の中で泣いてもええで」
そして俺たちは、姉さんの部屋の前にたった。それと同時に体が震え始めたのに気づくのに時間はかからなかった。
「明くん」
だが横にいた怜は、俺の手を握り俺を落ち着かせた。
「ありがと……」
「ええで」
「……姉さん!ちょっといいか!」
パタン!!
突然、姉さんの部屋の中から大きい物音がいた。
「明!!」
そう言いながら、姉さんは部屋の扉を開き俺たちの前に現れた。
「……明」
「姉さん……」
約一年ぶりに、俺たちは姉弟は対面した。最初に気づいたのは、怜のおかげか姉さんを目の前にしてもあまり怖くない事だ。そして、姉さんの顔の変化。
姉さんは、退院してからも何度も俺とコミュニケーションをとろうとしたが全て拒否してきたタメ、あまり姉さんの顔をちゃんと見ていなかった。髪は前より伸ばしており、少し疲れた顔をしており、俺から話しかけるのがよほど驚いたかびっくりした顔。だが、目の前にいる人が姉さんだと確かに認識できた。
「
俺はあえてそう言った。
「ちょっと、今から三麻やんね?」
俺は震えた声でそう言った。
結果から言うと、俺のボロ負け。まるで手馴れてる人達対初心者並みの戦いで逆に
「なんだよ、ただのリンチじゃねーか」
「明くん、守りが全然できてへんよー。ねぇ、
「ふふ、あ!うん……そうだね」
怜はちょくちょく姉さんに絡んで、場を盛り上げていた。
「……それで、怜どうだった?」
「……結論から言うと、明さんは
白。つまり姉さんはとても強い能力者ではない事を表す。怜自信は一巡先がみえるという、とてつもなく強い能力を持っているが。彼女は姉さんと麻雀をする事によって、姉さんの力の具合を調べてもらった。
これで俺の仮定が成り立つ。
「白か……あ、あはは。あははは!!」
俺は緊張が解けたか、いきなり大笑いをしだした。
俺の仮定は、ホントは姉さんには運をこれっぽっちも奪われていない事だ。なぜならなぜ、悪運は
自己にあったのは俺だけだが、姉さんと麻雀をやった人は俺の両親以外にも、姉さんの友人たちもだ。事故にあったのは俺なので最初の方は気づかなかったが、時間が過ぎていくにつれ気づき始めたが。これはその仮定から
「姉さん、ごめん!俺の勘違いのせいで!俺の変な意地のせいで!この1年間……ずっと!ーー」
俺はまた声を震えながらそう言った。昨日から数えたら5回は越えているはずだ。
「うん、でも。もう、終わりだよね?」
「ごめん、ホントにごめん……」
「もう、ホントに手のかかる弟なんだから……」
そう言いながらも、姉さんは涙を流しながら抱き冷めてくれた。
その日は、家族水入らずの時間を過ごした。怜は空気を先に読んだか、麻雀をした後すぐに帰ってしまった。
翌日、放課後俺は千里山高の中に入っていた。先生方の許可ももらっていて、堂々と校舎の中を歩いていた。隣に俺の可愛い彼女を連れながら。
「明くん、浮気はせーへんようにな!」
「何でそうなるんだよ」
「だって明くん、なんだかんだでカッコええし……そして、ゴニョゴニョ……」
後半は聞こえなかったが、怜は少し不満があると感じられた。そして俺はーー
「浮気なんてするかよ……メチャくちゃ可愛い彼女がいんのに……」
ーー怜の手をつなぎながらそう言った。
「お、おおきに……」
「ほら、早く連れてってくれよ」
そして俺たちは、千里山高の麻雀部へ向かった。
麻雀をまた好きになるため、千里山高麻雀部に許可をしてもらう事になった。まぁインターハイが近いので、それまでは少ない練習だが、その後は本格的に始まるようだ。『怜の彼氏』という称号が無ければ、問答無用で追い出されたトコだが、怜がどうしてもと……
だが俺たちのホントの狙いは、『より2人の時間を伸ばすタメ』であるが……
クリスマスか……今年はバイトをしても過ごしそう……
リア充は爆発しろー!!
次回は、多分シロさんのアフター編だと思います。
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