咲-Saki- 恋愛物語   作:ケイ22

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お、お久しぶりです。
たかが1話を投稿するのに
書き始めてから2週間以上かかった
ケイ22です……

いやー久々に書いたんすけど、アレですね……
小説書くの難しいですね笑

今回で、シロさん編のストーリーは完全に終了です。
次のキャラの投稿結果が出ましたので
後書きに誰か書かせていただいてます!

そして、本当に遅れてしまい申し訳ありませんでした。



アフターストーリー〜夏休み〜③

『それでね、それでね、ドーン!!って音を出しながらゴールにぶら下がったり!!』

「あー大学生の試合ですから、ダンクとかやりそうですもんね〜」

『あとね、あとね!……あ、エイスリンさんが話したいって!』

「了解です」

かれこれ30分以上の、ねぇさんとの電話が終わり俺は少し気が抜けた。

 

『ア、リクー?』

 

ねぇさんと代わったのは、僕らの絶対的な天使ちゃんであるエリーだった。

 

「そーですよ……なんかあったんすか?」

『サエハ、ダイジョウブ?』

 

俺が今日、鈴木さんが出るバスケの試合を休んだ理由であるウサ先輩の事をエリーは訊いてきた。

 

「大丈夫ですよ……グッスリ寝てますから」

 

大量の栄養ドリンクのツケとして、ウサ先輩は今眠りから覚まらない状況になっている。

 

ーーまぁ、グッスリ寝たら起きるって栄養ドリンクに書いてあったし……だ、大丈夫っしよーー

 

『ヨカッタ……ア!シロニ、カワルネッ!』

「はーい」

『……陸?』

「はいシロさん、陸ですよ」

 

電話口の向こうから、シロさんのダルそうな声が聞こえてきた。

 

「なんかあったんすか?」

『鈴木くん、試合で勝ち続けてるから……昼コッチでたべる……』

「……あ、はい!了解です!!」

 

一瞬このチクリと心が痛んだと気づいたが、俺はその痛みをすぐに忘れシロさんに返事をした。

それじゃまた、と言い残し。シロさんは携帯の電話を切った。

 

ーー今頃シロさんは久々に、みんなとの一緒に過ごす時間を楽しんでるだろうなーー

 

そう自分に思い聞かせ、俺は昼飯の準備に取り掛かり始めた。

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

「ウサ先輩、ウサ先輩!起きてください!」

 

昼飯の下準備を終え、俺は1人で食べるのは寂しいと思い……もとい、そろそろウサ先輩を起こした方良いと思い。ウサ先輩が寝ている、シロさんの部屋に入り、彼女を起こそうとしている。

 

「先輩!流石に起きてください!!」

「……」

 

かれこれ五分ほどぶっつけで声をかけてるが、起きる反応はない……

仕方ない、そう思いながら俺はたまにシロさんが起きない時に使うある物(・・・)をリビングから持ってきた。

 

「起きたら謝るので、ウサ先輩起きてください」

 

そう言いながら俺は、ティッシュを長細く巻き。それをウサ先輩の鼻先付近に近づけ、彼女の鼻を刺激した。

 

「……ん、んん」

 

徐々にウサ先輩も反応し始めた。

シロさんはコレをやられると、「くしゅっ!」みたいな可愛らしいくしゃみをしながら必ず起きるので俺はこの方法には絶対的な信頼を持っている。

 

「へ、へ、ヘックションッッ!!!!!!」

 

次の瞬間、大きなくしゃみ(予想の斜め上のモノ)が、部屋中に響きわたった。

 

「……」

「……ん」

「……お、おはようございます」

 

起きてすぐだからなのか、ウサ先輩はまだ今の状況を理解していなかった。

 

ーーやばい……取り返しのつかない事をしてしまったーー

 

未婚前の乙女を辱めてしまった……

 

「……え?」

 

目が覚め、数秒後にウサ先輩の頭が働き始めーー

 

「う、う、うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

ーー叫びながら、部屋から出て行き。手洗い場へ逃げ込んでしまった。

 

男性にあんなくしゃみ(恥ずかしい所)を見られたウサ先輩は、またお腹がなり(恥ずかしい姿)を見せつけるまでその場から出て行く事はなかった。

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

 

「今どれぐらい勝ってますかね?」

「……」

「それにしても、よくウサ先輩。あんな距離を車で来れましたね〜ホントッ!尊敬します!!」

「……」

「みんな帰ってきたら、なんかサプライズしませんか?宮守ではいつも俺らがやられる側なので、今日仕返しをしましょう!」

「……疲れてる」

「……そ!そうですよね!疲れますよね!!」

「……」

「……」

 

かれこれ1時間ぐらい、俺はウサ先輩に無視し続けられている。もちろん2人で同じ机を挟んで、一緒に食事をしている間も同じ。

 

「ウサ先輩……本当勘弁してください……」

「女子を辱めた人の事なんて、知らない」

「だって……いつもシロさんだと、その……」

「私はシロじゃない……」

「はい、ごもっともです……」

 

ーー楽しく食事ができると思いやったの……まさかこんな結果にーー

 

はぁ〜、と大きくため息をしながらウサ先輩は箸を止め。食器を洗い場に持っていった。

 

「あ、俺が洗いますよ!」

「結構っ!」

 

そのまま無言のままウサ先輩は、食器を洗い始めた。

その後少しの間、ウサ先輩が食器を洗う水の音のみが。この暗い空間を包み込んでいった。

 

「いい陸くん?……」

「は、はい!」

 

洗い終わり、ウサ先輩は俺の向かい側の席に座り俺に話し始めた。

 

「もちろん私は、陸くんが私にあんな事をして怒ってるけど……他にも怒ってる理由があるのよ?」

「え?」

 

あんな醜態を俺の所為で見せてしまったから怒ったと思ってたが、他にも理由があるとは思ってなく俺は素っ気ない返事をしてしまった。

 

「さっきも言ったけど、私はシロじゃないのよ?」

「……はい?」

 

ウサ先輩が言ってる意味がわからなく、また俺は素っ気ない返事をしてしまった。

 

「呆れた、まだわかんないの?」

「はい、すみません……」

「私は陸くんの彼女じゃないのよ?」

「……はい、わかってますけど」

「ならなんで、彼女であるシロみたいに私……いや、私たちに接するの?」

 

ーーシロさんと同じ様に、接する?ー

 

「……いやいや!俺はちゃんとシロさんと皆さんの接し方分けてますよ!!??」

「でも、客観的に見るとそうに見えるのよ」

「でも!でも!」

「現に今日、陸くんは私を起こす時シロと同じやり方でやったんでしょ?」

「いやだって……だって、その方法しか……」

「普通彼女でもない子を、あんな起こし方をしないわよ?」

「もちろん!もし、寝ている人がウサ先輩とかじゃなかったらっ!」

「私とかって宮守のみんなでしょ?そんなの言い訳にならないわよ。もちろん私たちはただの友情以上の絆で結ばれてるのは、合ってるし嬉しいわ。でもーー」

 

そこで一回ウサ先輩は息を飲んだ。

 

「ーー陸くんの1番であるはずのシロも、みんなと同じ扱いだと寂しいって気持ちになるのよ……」

「……」

「そこんとこ、ちゃんと考えなさい。ごちそうさま、美味しかったわ」

 

そう言い残し、ウサ先輩は外へ出かけてしまった。

俺はただ言われたことを考えながら、ウサ先輩が出て行く時に閉めたドアの音を聞くことしかできなかった。

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

 

「それじゃ、今日のたっくんの活躍を祝って。カンパーイ!」

「「「カンパーイ!!!」」」

その日の夜、『サキ荘』のメンバーと宮守のみんなで昨日と同じぐらい豪華な食事で、宴会をしていた。

 

「いやーでもやっぱり、たっくんのあのダンクはかっこよかったわね〜」

「桜井さん、今ので何回目だと思ってますか?」

「だって、だって……それほどかっこよかったもの〜久々に興奮しちゃったわ」

「桜井さん()興奮させるなんて、拓也もやるね〜」

「お前は黙ってろ」

「いてっ!」

 

いつもの調子のリョーマさんに、拓也さんはいつも以上キレでツッコミをした。

多分今日はバスケの調子が良く、無意識の内にテンションが上がっているのだろう。

 

「まぁ桜井さんの気持ちもわかるー。ね!ルーシー、白望ちゃん!!」

「まぁ拓也は、やる時にはやる男ですわね!」

「……」

「白望ちゃんは?」

 

シロさんだけ答えなくて、加奈さんは再度また質問した。

 

「……それよりも、みんなは楽しめた?」

 

シロさんは、質問には再度答えず。違う質問を、宮守のみんなにした。

 

「……え、えーっと」

「ねぇさん?」

 

俺の質問を聞き、ねぇさんはなにか慌て始めた。

 

「トヨネ……」

「あ!……うん!うん!とーーーっても楽しめたよーー」

 

ねぇさんはエリーの一言で落ち着きを取り戻し、向日葵のような笑顔で答え、

 

「……ん!」

 

エリーは、いつものホワイトボードに楽しかったことを書いてみんなに自分の感想を伝えたが。

 

「……う、う、うわーーー!塞ええぇぇ!!私だけ、私だけなんで!!!」

「あーやっと落ち着かせれたのに……よーし、よーし、胡桃、元気出せー身長なんて気にするなー」

 

今日バスケの試合会場で、他校のバスケ部のマネージャーを見ていた胡桃ちゃんはとある事に気づいてしまった。

 

「やはりバスケか!私はバスケをやっとけばよかったのか!!!」

「こらこら、バスケやってたら私たちと出会えなかったでしょ……」

 

胡桃ちゃん達が帰宅してから、かれこれこの会話も10回以上繰り返されている。

 

「そう言えば、明日はしーちゃん達は久々にみんなでお出かけするのよね?」

 

気を使って桜井さんは、話題を変えた。

 

「……楽しみ」

 

明日は元宮守のメンバーだけでお出かけする予定である。

普段面倒くさがり自分から口を開かないシロさんですら、明日の予定が楽しみである。

 

「確か今日、塞さんが下調べしてきてくれたんだよね!」

「ん?まぁね。あの2人もやって来たっぽかったけど、あまり期待できないしね」

 

ねぇさんの質問に、ウサ先輩はシロさんと俺を見ながら、いつもの調子で答えた。

 

「……陸に任せてた」

「責任を全部俺にぶん投げないでくださいよ!」

「……」

 

前と変わらずの会話。

本人達を除いてこの中の誰も、ウサ先輩と俺が話したあの内容は知らない。

そして本人達も何事もなかったかのように、振舞う。

今日あったことを、知らない人に知られないようにするタメ全員(・・・)演技をしながら笑う。

そんな楽しい宴会は、夏休みのせいか夜遅くまで続いた。

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

翌日の昼過ぎには、俺たち6人はとある近場のカラオケボックスの中にいた。

 

「♪〜」

「エイスリンさん!歌うまーい!!」

「エイちゃんにこんな隠れてた特技がっ!」

「胡桃、あんた最近余計にボケキャラに磨きを入れてるわよね……」

「……」

「あはは」

 

エリーの美声を聴きながら、俺らは昔話などを交えながら今の生活をみんなで話していた。

 

「でもでも、みんなはいいなぁー。私は毎日お家の仕事のお手伝いだよー」

「豊音は仕方ないわよ。家が厳しっていうのあるんだし……」

「……うん。後2年我慢すればみんなと一緒に、いれるからもしれないからっ!」

 

などと程よい時間がすぎてると、みんなある程度喉の疲れと飽きてきた。

 

「ねぇ、みんなーー」

 

それを察したか、ウサ先輩はみんなに1つの提案を出してきた。

 

「ーー久しぶりに、みんなでアレやらない?」

 

彼女は楽しそうにそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

先ほどまでいたカラオケ屋から、程よく歩くと少し年代物の建物の前までたどり着いた。

 

「……陸、おんぶして」

「シロさん……時と場所を考えてください」

「考えた結果……今しかないと」

「ほらほら夫婦漫才してる間に、目的地に着いたわよ」

「……塞、ここって」

「え、うん。雀荘よ」

 

その一言の後、みんなの顔に懐かしい笑顔が浮かび上がったのは言うまでもない。

 

 

 

 

「ロン!」

「やっぱここかー!」

 

俺の焼き鳥状態で、本日3回目の半荘が終わった。

 

「さー次はどうする?」

「んーそろそろなんか、罰ゲーム的な何かを入れたいわね……」

「なら、前やってたペアになって勝負するのは?」

「ン!」

 

胡桃の意見に賛同したエリーは、ホワイトボードに頷いてる自分の絵を描いて、自分の意見を伝えた。

 

「ならビリのチームは、一位のチームにジュースを奢るって事で」

 

このゲームは宮守にいた時からみんなでやっている為、スムーズに話が進んでいく。

 

「ならどうやって、ペアを決める?無難にジャンケンとか……」

「俺できればシロさんと組みたいです!」

 

でも俺はその流れを少し断ち切ってしまった。

 

ーー同じ扱いだと寂しいって気持ちになるのよーー

 

ウサ先輩の昨日の言葉が頭によぎり、俺はすぐに行動をした。

 

「……え、なんで?」

「シ、シロさん!?……俺とは、い、……嫌なんすか?」

「……だって陸麻雀弱いし」

「グッ!!」

 

シロさんの素直な一言で、俺には大ダメージが入ってしまった。

確かに麻雀の世界では男性は女性より弱いし、それに加え俺は男子の中でもそんなに上手くはない……

 

「ちょっとシロー。さすがに彼氏をそんな扱いしちゃダメっしょ」

「ほらほらりーぼう、心を強くするんだー」

「……だる」

 

さすがのシロさんも、めんどくさ……基。俺に悪い事をしたと思い、俺に謝ってペアを組んでもらった。

まぁ結果は予想通り、俺がシロさんの足を引っ張りすぎて負けてしまったが……

 

 

 

 

「うわーコレちょーかわいいよー」

「どれどれ?……確かにかわいいわね」

「……ン!」

「エイスリンのホワイトボードが、ハートだらけよっ!」

 

雀卓の使用料金を会計してる時に、ねぇさんの目にはお土産コーナーのとあるキーホルダーが目に入った。

外からの身は目はお世辞にも良いものとは言えないが、中は年代物とは思えないほど綺麗であり、清掃も行き届いており、こういうお土産コーナーにあるグッズすらも綺麗に置いてあるので、みんなは安心してそのキーホルダーを見ていた。

 

「この麻雀牌のストラップも結果いいんじゃない!」

「ン!!」

「エイスリンのホワイトボードに描く速さが、目で追いつけない……」

「なら記念にみんなでお揃いの買いませんか?」

「……」

「あ、それいいかも!」

「うんうん!みんなでお揃いとか憧れてたんだー」

 

その後も賛成の意見が続き、みんなでお揃いの麻雀牌のストラップを買いその店を後にした。

 

「んじゃーシロと陸くんには、あの自販でジュースを奢ってもらおうかしら。ね、豊音?」

「え?あ、いや、私はその……みんなでお揃いのストラップ買えて……その、なんていうか……もん満足と言うか……」

「何言ってるのよ、勝負は勝負だからコレとアレは関係無いわ」

「わかりましたよ、買いに行ってきますよ……」

 

そう言い俺は1人で2人分買う為、早めに自販に行った。

 

ーーねぇさんはオレンジジュースでいいとして……ウサ先輩には缶コーヒーでいいやーー

 

「陸」

「……ん、シロさんどうしたんすか?」

 

1人で悪巧みを考えていて、後ろからシロさんが付いてきていた事に、気づいていなかった。

 

「……いや、私も負けたから」

「いやいや、負けたのは俺の所為ですから!シロさんは払わなくていいっすよ!」

「……そう?」

 

シロさんの質問に俺は上下に首を振って答えた。

 

必要になったから(・・・・・・・・)、電話してくる……」

「あ、はい!」

 

俺の返事を聞いて、シロさんは少し離れた所で電話を誰かに掛けた。

 

ーー聞かない方がいいのかなーー

 

そう思い、先に2人にジュースを渡してからシロさんを迎えに行こうと考えて。先に俺は2人にジュースを渡しに走り出した。

 

その後、みんなで合流した時には太陽が傾き掛けていたので。みんなで食事をとり、そのままウチへ帰った。

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

「はいはい!白望ちゃん、パース!」

「……」

「あ!白望ちゃーん!!めんどくさがって、ボール見て見ぬ振りしたなー!!」

「シロ!ダメ!!」

「……だる」

「白望さん、ボールを持ってきてくださいまし」

 

ルーシーさんのなんとも特徴的な日本語に従って、シロさんはダルそうに風に流されてるビーチボールを取りに行った。

久しぶりにみんなで遊びに行った翌日、約束通り『サキ荘』のメンバーも加え、みんなで海に遊びに行っていた。

 

「いやー和むなー」

「悔しいけど、またリョーマと同じ意見だ……」

「……」

「あの、先輩方……ガン見しすぎですよ?」

 

女子たちがみんなで楽しそうにビーチボールで遊んでいる間、男子の俺たちは彼女たちを見守っていた。

 

「気持ちはわかるけど、仕方なじゃん」

「いや、鼻の下伸ばしても説得力が全くないですよ……」

「でもまた、変な奴らにナンパとかされるよりかはマシだろ?」

「まぁ……そうなんすけど」

 

遊さんの説明通り、俺たちは彼女たちに害虫(ナンパ男)が近寄らない様に、彼女たちを見守っていた。現に先ほど変なチャラ男がナンパしてきたが、拓也さんがカッコよく助けていたが……

 

「まぁなんかあったら、また拓也に任せるけどね」

「拓也さんを前に置いとけば、ヘタレな奴らは逃げていくし」

「……任せろ」

「た、頼もしい限りです……」

 

ーーでもホント、拓也さんに喧嘩売られたら逃げたくなるのもわかるなぁーー

 

そう思いながらも、俺はシロさん達から目を離さない様にしていた。

 

 

 

 

 

 

「ねぇー誰か、海の家にいってジュース買ってきてー」

昼になり、遊びを一旦止め。みんなでブルーシート上で桜井さんの手作り弁当を食べてる時に、飲み物がなくなった加奈さんが駄々をこね始めた。

 

「俺も飲みモン買ってくる予定だからついでに行ってくる。他に飲みモン欲しい奴はいるか?」

 

イケメンすぎる拓也さんは、誰も行きたくない事に察して自分で行く事にした。オマケに他の人の分まで買ってくるとまで言いだした。

その後各々の意見を拓也さんに言いいおわり、拓也さんが買いに行こうとした時にーー

 

「一人だと持てないかもしれないから……小瀬川、手伝え」

 

ーー拓也さんは、シロさんを連れて行こうとした。

 

「……」

「シロさんじゃなくて、俺が行きますよ」

「いや、俺は小瀬川に手伝ってもらいたいんだ。……行くぞ、小瀬川」

 

そう言い残し、拓也さんはブルーシートから立ち上がった。

 

「……」

 

その数秒後に拓也さんの後に続ける様にシロさんも立ち上がり、拓也さんを追いかけた。

 

「……シロさん?」

 

俺の声かけに、彼女は答えてくれなかった。

 

「拓也の気まぐれに、俺が指名されなくてよかったー」

「ホントそれ!拓也にも困った、困った」

「前回はワタクシでしたから、もうコリゴリですわ」

「へーそんな事あるんだね」

 

そんな事が目の前に起きながらも、みんな何事も無かったかのようにその場を過ごした。

その後、俺は違和感を感じながらもその場をやり過ごした。

自分の彼女が時折見せる楽しそうな姿を、後ろから見ながら……

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の事はあまり覚えていない。

 

ほとんど、違う事を考えながら行動したからだろう。

 

もちろん考えてた事は、シロさんが拓也さんに後に楽しそうについていった事。

 

普通の友達ならそんなに動揺はしないが、心を痛みつける理由が2つある。

 

1つは、相手が拓也さんって事だ。拓也さんはシロさんに好意を持っている。本人が彼女の彼氏である俺に言ったんだ、本当なのだろう。

 

そしてもう1つの理由が、シロさんが楽しそうについて行ったからだ。

たかがそれだけの理由。側からみたらそう感じるだろうが、シロさんを前から知ってる俺にはわかる事がある。

 

面倒くさがりのシロさん、彼女が俺たち宮守麻雀部のメンバー以外の人の為に動いたのは初めて(・・・)みた。

 

麻雀部メンバー以外の友達ならシロさんもそれなりいるが、1度も彼女らの為に動いた事はない。

 

シロさんと友達として付き合ってるなら誰もが知っている事だ。

本人も自覚してる。

それもある意味、シロさんの魅力の1つだ。

 

そんな彼女が、楽しそうについて行った(・・・・・・・・・・・)

俺にとって物理法則が壊されたと思うぐらい、重要な事だ。

 

そしてこの事はウサ先輩達も知ってるはずだが、彼女達からその違和感を感じてる雰囲気を感じられない……

 

俺一人が取り残されると思わざるえなかった。

 

たった今締めのバーベキューをやっているが、取り残されてる感は消えない。

 

皆が笑ってるのを、なんだかテレビの画面を見てるかのように感じるぐらいだ。

 

「トイレ、行ってきます」

 

誰かに聞こえてるかどうかわからず、ただそう言って俺はその場から離れた。

 

 

 

 

少しは気が楽になったかもしれない。

 

そして気づいた、

 

自分の頭の中がグチャグチャになっている事に。

 

ーー確か、最初はシロさんが取られるって考えてたっけ?ーー

 

みんなから少し離れた、人が全くいない海の波打ち際でで始めた満月を見ていると。

いつの間にか負の連鎖にはまっていた事に気づいた。

 

それもそうだ、何せコレもある意味現実逃避(・・・・)なのだから。

 

「陸、どうかしたの?」

「っ!……シロさん」

 

突然聞きなれた言葉が、後ろから耳に届き俺は振り向いた。

そこには水着にパーカーを羽織った、シロさんが立っていた。

 

ーーそんな姿でいますと、ナンパされますよーー

 

言おうとしたが、口からは言葉が出なかった。

 

「どうかしたの?」

 

シロさんの質問に答えなかったので、シロさんはまた同じ質問をしてきた。

 

「いや、ただ自分の弱さを実感してただけですよ」

「……ここにきて中二病?」

「麻雀で中二病っぽい技を使う、シロさんには言われたくないです……」

「……それで、どうしたの?」

 

シロさんは俺の発言をなかった事にし、再度質問をしてきた。

 

「……いや、ただ。海を見てると、1年前のみんなで行った海の事を思い出しまして」

「……」

 

俺がそう言うと、シロさんは無表情のまま。羽織ってたパーカーのチャックを閉めた。

 

「いや、確かにソレも1年前の思い出ですけど。真っ先にソレを思い出す、シロさんもシロさんで悪いと思いますよ……」

「……だる」

 

その後シロさんは黙り込んでしまった。

 

「そろそろ戻りましょうか……」

 

そう言いながら、俺は歩き始めた。

 

「今の陸……なんかへん」

「遊び疲れてるんすよ」

「陸!」

 

シロさんは少し声の大きさを上げ、俺の腕を掴んだ。

俺は反射的に後ろを振り向いた。

後ろにいたシロさんをみると、シロさんは俺の目を力強く見ていた。

 

「シロさん?」

「陸が私と話すとき、必ず目をみるけど……今の陸、私を見てない」

「……っ」

「……話して」

「……んで」

「……」

「なんで今!なんで今なんすか!?」

「……ッ!」

「なんで!なんでシロさんは、またこうやってっ!!」

 

シロさんの事を諦めようと思った矢先コレだ……

俺の事を見てくれていて、嬉しくなり、先ほど自分が考えてた事がバカバカしくなってくる。

「俺の事を見ていないで、拓也さんの事だけ見てれば良いじゃないですかっ!!」

 

そして自己嫌悪になっている中、俺の口から変なモノが出ていた。

 

「……」

「……ッ」

 

言った後に直ぐに後悔した。

 

「……」

「疲れましたよ……毎日、毎日シロさんが俺より拓也さんを選ぶんじゃないかビクビクするのか……オマケにたまに俺よりもあっちの方を優先する時もありますし」

 

でも1度口から出てきた変なモノは止まる事なく、続いていった。

 

「……疲れましたよ、俺」

「私も同じだった……ううん、今も同じ」

 

さっきまで突然聞いてただけのシロさんが、突然いつも以上に重い口調で話し始めた。

 

「私もずっと、ずっと前から怖かった……」

「……え?」

「陸が、私以外の人……塞や胡桃の事を好きになったりしないかとか……」

 

俺の腕を握っている力が、少しずつ強くなっているのを感じられた。

 

「今だと、加奈やルーシーともなかが良いし……」

「お、俺はもちろんシロさんがーー」

「でも!……そう感じれなかった……怖かった……」

 

ーー同じ扱いだと寂しいって気持ちになるのよーー

 

ウサ先輩の言葉が、脳裏をよぎった。

 

「ーーシ、ロさん……?」

 

強くなっていた力は、今度はだんだんと弱々しくなっていた。

 

「だから……仕返し、考えた」

「……?」

 

今にも泣きそうだったシロさんは、今度は力強く俺を見ていた。

 

「私決めてた。陸がコッチに来たら仕返しをいっぱいしようって、皆んなに頼んで……」

「……シロさん?」

 

そしてだんだんと笑顔が、出てきた。

 

「……成功」

「え、ちょっ!まっ、え!?つまり、全部う、嘘?」

「うん、鈴木くんにあんな事をする様に頼んだ」

 

直ぐに拓也さんのいつしかの宣戦布告を思い出した。

 

「え、皆んな知ってたんすか?」

「……」

 

シロさんは上下に小さく頷いた。

 

違和感の理由がわかった。

 

つまりコレ全部、シロさんに恐怖心を与えてた俺への仕返しだったと……

 

「因みにこの作戦を考えたのは?」

「……塞」

 

ーー絶対裏で、私情挟んでたんだろうなーー

 

「シロさん」

「……うん」

「……今まで無意識の内でに、シロさん寂しい思いをさせてすみませんでした」

「……ダルいから、許す」

 

そう優しく微笑みながら、シロさんは俺を抱きしめてくれた。

俺もそれに続き、シロさんを抱きしめようとしたが……

 

「うわっ!」

 

突然シロさんに押され、俺はビランスを崩し尻もちをしてしまった。

 

「冷たっ」

 

太陽が沈んだからか、海水は冷たく。その上から尻もちをした俺の体温を奪っていった。

 

「何するんすーー」

「……」

「ーー……」

 

シロさんになぜいきなり俺を転ばせたか、聞こうとした次の瞬間。

 

 

シロさんにキスをされた 。

シロさんとの久々のキスに浸ってると、今度は着ていたTシャツの中に違和感を感じた。

 

「え、ちょっ!」

「そして、コレは1年前の仕返し」

 

いつの間にかシロさんは、俺の服の中に手を突っ込んでいた。

 

「シロさん?」

「……ダルいから、何も言わないで」

 

そのまま俺たちは、人がいない事を良い事に

流れに乗ってしまった……

 

 

 

 

★★★★★

 

 

 

 

 

「うえええぇぇぇんんんん!!」

「ほらほら豊根、また泣かないの……」

「だって……だって!」

「トヨネ、ナキムシッ!」

「エイスリンさんも泣いてるじゃぁぁぁん!」

「あー私も泣きたい……」

「いや、ウサ先輩はコレから運転するからっすよね……」

 

8月末。ウサ先輩たちと、俺が地元に帰る時がやってきた。

 

「……これ前にも見た気がする」

 

約半年前みんなが新しい生活の為別れた日と、ほとんど同じ光景が今の目の前に広がっていた。

 

「いや、でも前はこんなに人いなかったっすよ?」

 

そう言うと、シロさんは一歩後ろで待機してる『サキ荘』のみんなを見た。

結局あの後、結構の間姿を眩ませてた俺たちを探していたみんなに、目撃されるかもしれなかったなど、いろいろ冗談にならない事が起きていたり。みんなに謝まられたりたて……

 

ーー特に拓也さんの謝罪が酷かったなーー

 

「陸?」

「あ、いや。シロさんとの同居生活終わっちゃったなーって思いまして」

「……今度は私が陸の家に行くから」

「……え?」

「ほらほらあんた達!また前みたいにおっ始めようとするなー」

 

突然萎えていたウサ先輩に邪魔されて、俺はシロさんにさっきの言葉の意味が訊けなくなった。

 

ーー確かシロさん、俺が実家暮らしって知ってたよな?ーー

 

又してもシロさんに遊ばれ、俺のこの楽しい夏休みは終わっていった。

 

だが、あともう半年ぐらいもすれば

また楽しい時はやってくる……

そう自分に言い聞かせながら

俺は又しても、シロさんにお別れのキスをし

その場を去っていった。

 

 




やっとシロさん編が終わりました。
読んでいただいた方々、本当にありがとうございました。



活動報告でこの作品の次のキャラが決まりました
そのキャラは、ぶっちぎりの人気で小鍛冶プロに決まりました!!
てか人気ヤバすぎですよ、このアラサー!
では次は何時になるかは知りませんが、できるだけ早く書きたいとは思っています!!
もしこんな自分の作品を暇つぶし程度でも楽しんでもらえた方がいれば幸いです。
そして、投稿していなかった時期に、メールしてくれた方々の応援の言葉本当に心に来ます。
多分アレなかったら、もっと遅くなっていたかもです……
本当にありがとうございました!!
これからもよろしくお願いします!!!



それと、もしこの中に『嘘つきな武偵』を読んでくれてる方がいれば予定では活動報告で発表がありますので読んでくれていると幸いです。


シロさん編についてや、この作品についてのコメントなど待っています!
気軽な気持ちでお願いいたします!!
では!ノシノシ
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