「はじめまして。僕の名前は神木ヒカル」
「あ、はい。はじめまして。姫川大輝です」
「姫川愛梨さんの?」
「はい、息子です」
突然現れたラスボスにドキドキしていると、彼は小さく笑った。
演技に困っている後輩に声をかけたという彼は普通の少年に見える。
ただ少し年齢の割には背が低いかもしれない。
大人のカミキは身長が低いイメージはなかったので、高校生あたりでニョキニョキした派なのかもしれない。
(そう言えばアイになにかを教えているシーンではカミキの背は結構低かったかもしれない。ララライにくるまでの食生活が良くなかった……などの背景があるかもしれない)
大人びているようにも子供のままのガラスのような不安定さもはらんでいるようで、それがどこか憂いを帯びてもいるようで、なるほど、目の惹かれる相手である。
なんでもまだ劇団ララライのワークショップは行われていないらしい。
となると彼はアイに出会ってないカミキヒカルである。
うーん、となると彼はまだサイコヒカルじゃないんだろうか。
じゃあ大丈夫かな?
14歳くらいの彼は多感な中学生。
11歳頃に母との関係はありつつも、今は役者道に励みエースの片鱗を見せだしているのである。
多分真面目に頑張ってるんだろうな。
証拠に周りがカミキヒカルを見る目は優しい。
「えと、主役らしい輝き? みたいなものがほしいんですけど、手に入れられるんですか?」
「もちろん。誰でも、とは言わないけどね」
教えてあげるよ。そう言われて手をひかれる。
中学生の少年のような男のような手は今まで触れてきたものとはどこかが違うような気がする。
実父と思うには少年過ぎて、どう思っていいかよくわからない。
大きな鏡の貼られた部屋で二人で向き合う。
「ひと目見てわかったよ。君にならできる」
「ほんとに?」
おそらくあれだ、と思った。
アイにあり、カミキヒカルにあり、アクアやルビーに半分だけあるもの。
輝く瞳。
瞳の輝きの中に自分自身が映る。
「さあ、僕を見るんだ」
「あなたを?」
「そう。目を見て」
じっと視線を合わせる。
「さあ、僕を真似て。まずは形から」
「こう?」
「そう。次に手を……」
「こう?」
言われるままに手を、足を動かし、踊るように、舞うように。
幾度も動きを真似るうちに、次第に彼に言われる前に体が動く。
彼に操られるマリオネットのように体が勝手に動く。
「僕はキミ。キミは僕だ」
「ぼくはキミ。キミはぼく……」
怪しく光るその瞳に引き寄せられていく。
「さあ、ここからは演じるよ」
カミキヒカルが演じるのは小学生探偵ではなく、大人だったときの高校生探偵の姿。
劇の配役では別の人が演じていたが今のカミキヒカルは彼そのものだ。
中学生の名探偵がそこにいる。
身長さえ高校生相当だったら誰もが彼に役をやらせていただろう。
「理解するんだ。そして嘘をつく。僕はカレだと」
「ぼくはカレ……」
「カレは子供になったけれど高校生だ。高校生になったカレになった上で小学生にならなければ行けない。より深く嘘をつかないといけない」
俺は彼になった。
自分自身なのだから、その気持が、心が、考える必要もなく自然にわかる。
憑依だ。
存在しない創作物のはずの彼の魂が体に宿ってしまったようだ。
「さあ、続けよう」
俺の魂に何かが刻まれた。
厄病神ちゃん、めっちゃあおりに弱かったですね。そうだろうな、って気はしましたが駄女神だったかー!
ど田舎でゴロゴロ生活していた駄女神はいつの間にか自分を信仰する檀家が一家、それも一人であることにようやく気づく。
しかし相手は医者のくせに患者の幼女に夢中。これはやばい。
その上未来死で崖から転落死してしまうことに気づく。
知り合いの事象日本のエリート転生担当を名乗る駄女神に融通きかせてもらい、死産になる子供の枠に入れてもらうことにしたが……
みたいな話は書いてみたい。
駄女神アクアにプークスクス! されてグギギってなってほしい。
「あのね! あんたの他人に関心のないところ、他人にはめっちゃ透けてるのよね。そんな神誰も信仰するわけないじゃない? ちょっと真摯に向き合ったほうがいいわよ」
「(はあ!? 上に気に入られてるからって偉そうに! 仕事中にポテチ食べる分際でなにを!)」
みたいな。