推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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間に起こったことはこちら「R18 015 やろうと思ったときがすべきときだよ☆」
https://syosetu.org/novel/351772/15.html


100 罪の味

 

 いとこ同士は鴨の味ということわざがある。

 

 いとこ同士が夫婦になると、夫婦仲が非常に良いことを例えた言葉で、鴨肉の味が良いように、いとこ同士の夫婦も愛情深く、仲睦まじい様子を表現しているらしい。ただ、夫婦というが、味と言われると閨の相性について想像してしまうのは仕方がないことではないだろうか。

 

 ……。

 正直、ルビーはとても良かった。

 セックスの良さは別に体の良さというわけではないし、初めての相手はそれなりに気を使うところが多いし、自分が気持ちよくなる動きより相手のための動きの比重が多くなる。

 そういったことを差し引きしても良かった、と思えるくらいである。

 

 ハマったらどうしよう……。

 

 疲れたのか気持ちよさそうに寝ているルビー。

 今どき漫画でも見ない鼻提灯を膨らましながら満足気だ。

 

 くや……ろう、ろり……ぱい……と悪どそうに笑って寝言を言っている。

 何だロリパイ。

 さすがロリでおぎゃバブランドを求めた女はおぎゃバブランドへの思いが違うな。

 

 ……あ~、なんかやってしまった。

 種まきこそ外にできたが、可能性はゼロではない。

 まさか、義妹とこうなるとは……。

 

 しかし、彼女がこれだけ強引になったのは間違いなく雨宮吾郎先生の遺体発見のせいだろう。

 アクアが本人であると知ってはいても、というか、知ってはいるからこそ、身近な人間の死の可能性を高く感じてしまったのかもしれない。

 脳内で何処かの幼女がそりゃ悪手じゃろと言っているが聞こえないふりをする。

 

 ルビーの頭を撫でる。

 幸せそうな笑顔でニヒヒと声を漏らす彼女にきっと良かったんだと思う。

 全ては明日の俺に任せよう。

 

 もっと撫でてやろうと近づくと反射なのか腕を抱えられてしまう。

 むにゅんと柔らかいがこれでもう部屋から出れない。

 セックスしたけど出れない部屋の完成である。

 なんだこれ。

 

 これでは連絡もできない。

 つまりアクアも戻ってこれない。

 ……すまん。

 いや? そもそも妹との情事の匂いやあと残る部屋に戻るくらいなら一晩ロビーだとしてもそっちのほうがマシじゃないだろうか。

 うん、しょうがないな。

 

 不可抗力だと思うとなんだか別に問題ない気がしてきたな。

 あー、眠くなってきた。

 

 思えば明日は役者としての仕事で、今日は観光とはいえ色々回ったし山道も歩いた。

 何度も行けるとはいえ、してから少しすると気だるくなるものだ。

 ぬいぐるみか何かのようにぎゅっと腕を抱きしめられてるし何もできない。

 なら寝るしかないな! 

 

 こうして俺はルビーを優しく抱きかかえ直すと眠りに落ちた。

 

 **

 

「おい、起きろ!」

 

 眠りを妨げたのは愛しの義弟の声だった。

 ドアをどんどん叩いている音もする。

 

「いつまで寝てるんだ! 早く起きろ! ……くそっ! 入るぞ!」

 

 ドアが空いてアクアが部屋に入ってくる。

 

「うゥ~ん、お兄ちゃん……うるさぁ~い……ママわあ……?」

「おい! 体を隠せ!」

 

 うう~んと唸って体を起こせば……そういえばここは旅館だったな。

 そして隣りにいるのはルビーちゃんだ。

 彼女もまたアクアの声に体を起こしたものだから、布団は彼女の体を滑り、朝日射す部屋のなか、白く輝く肢体をさらしてしまうというわけだ。

 

「おは……よ!? アクアエッチ!」

 

 おりゃあと枕がアクアに投げつけられる。

 目のあった俺に気づくと布団で体を隠した。

 

「えっち」

 

 そうかな? そうかも。

 彼女を部屋に残し、じゃあシャワーでも浴びようかと歩き出すとアクアに止められる。

 

「お前はこの部屋に移動だ」

「ん?」

「ルビーがこの部屋にお前と泊まったとは言えないだろ? その部屋は俺が昨日とった部屋だ」

「そこに行けと?」

「旅行先で寂しくなったルビーは俺に会いに来た。優しいお前は部屋を譲った」

「そんなんあり?」

 

 アイドルでPV取りに来て男と一泊したってよりマシだ、というが、どうなのだろうか……。

 まあ、ブラコンのほうがずっとマシだろうか。

 最低限身だしなみを整えたらしいルビーを確認すると俺は自分の荷物を抱える。

 

「えー、どっかいくのー?」

「まあ、そういうことだから、またね」

「うん! またしようね!」

 

 明るくにこりと笑われるけど、笑顔がアイにとてもにていた。

 

「あ」

「どうした?」

 

 そんなルビーを複雑そうに見ているアクアに一つお願いをしなければいけないのだった。

 

「布団のシーツ、跡が残ってるから処置お願い」

「は? おい、それって! あ、行くな!」

 

 行けと言ったり行くなと言ったりなアクアの声を背に俺は部屋を出た。

 初めての色が染みたシーツはどちらが対処することになるのだろうか。

 恥ずかしがってアクアから奪ってルビーがするのか、時間がないからとアクアがするのか。

 

 まだ6時台だから皆が起き出すのはもう少しあとだろうが、急ぐには短いタイムリミットだった。

 

 **

 

 朝食にはルビーを除いたB小町の面々が先に来て、どんよりとして足取りの遅そうなアクアがルビーとミヤコさんに連れられやってきた。

 先に食べだしている俺はそんな様子をニヤニヤしながら食べているとアクアに睨まれた。

 

「色々言う気はねーけど」

 

 のんびり食後のお茶をすすっているとアクアが隣に座る。

 じっとこちらを見つめてからためにためて言った。

 

「妹泣かせたら殴るからな。甥でも」

「努力します、お義兄さん」

「だれが義兄だ」

 

 俺が義兄です、とは言いづらくなったな、と今更に気づく。

 いや、むしろ言えないのではないだろうか。

 

 ……しまった。

 俺はアクアに弟でいてほしいのに、それを告げることができなくなってしまったのだ。

 

 




推しの異母弟になってしまう……
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