推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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119 次は続編で行きましょう!

 

「次は続編で行きましょう!!」

「は?」

 

 現在連載中の作品がもうすぐ完結というところで編集から次の作品の打ち合わせ会議の打診が吉祥寺頼子にあった。

 さてどんなジャンルの何を書こうか書けと言われるかとちょっとワクワクしながらも打ち合わせを始めると、なんでも完結作品の続編を出してほしいとのことである。

 

「えっと、今日甘で続編ですか?」

「そうです! 実は今、Tトックでネタになってからちょっと盛り上がっているみたいで」

「ははあ……」

 

 ネットのおもちゃになっているのか? 

 そう思ったかがそういうわけではないらしい。

 少女漫画は外界とちょっと空気が違うところがある。

 

 少女の思春期の感受性と、背伸びした性への理解、歪んだ男性感といろんなモノがないまぜになり、時々ギャグにとしてネタにされることになる。

 遅刻遅刻のパンとか、髪についた芋けんぴとか。

 だが話を聞いてみるとドラマのOPが使われていてそれに引っ張ってユーチューバーが今日甘語りをして再熱したという話らしい。

 作品は広告ありきという感じだったが、今は素直な感想が人を動かすらしい。

 時代だなあとなんか感じてしまう。

 

 お陰で市場には今日甘の悲しみを癒やしたい欲があるから続編でハッピーな話を書きましょう! というのが編集の言葉だった。

 

 続編か……。

 

 正直、ちょっと乗り気ではなかった。

 

 読者のバッドな話で心に残ったもやもやを解消したいという気持ちはよく分かる。

 自分だって頭に残っている『お前ら幸せになれよオラア!』とか『作者の悪魔!』と唸った作品はいくらでも浮かぶ。

 非公式では癒えない傷があるのだということも。

 

 正直、読者よ、がっつり心に傷跡残ってしまえと描いただけによく分かる。

 だが、作る側としては、完結した作品なんだよなあ……。

 

 蛇に足を書き足した話を蛇足という。

 それはそれとしておきたいという気持ちは正直あるのだ。

 書き終えた絵に新しく筆を重ねる気持ちの悪さはどう例えればいいか。

 

 ……中学生の頃に書いた日記帳に続きを書けと言われた……とでも言えば気持ちは伝わるだろうか。

 新しく日記帳買いたいと思わないだろうか。

 今日の日記を書こうとしたときに見えてしまう過去に戦かないだろうか。

 

 まあ、私はプロである。

 編集がそれが売れると言い、今書きたいものがないのだから、やってみるかという気にもなる。

 実際、続編というか、同一世界での物語で、前作のキャラの未来の姿を見せればいいとのことである。

 これは正直助かった。

 

 なにせ、今日あまのヒロインは盛大に彼氏と死に別れているので、素晴らしい出会いであっても、彼女の悲しみを癒やす物語であっても死んだ彼のファンであればあるほど彼を忘れるな! 操を立てろと批難が来るに違いないからだ。

 であれば、新ヒロインの先輩だのなんだのと、頼りになる少し大人になった姿をチラリ見させるくらいがちょうどいい。

 

 ……しかし。

 

「なのにー~~、肝心の物語がうかばな──いの──ー!!」

「スランプですか、珍しいですね」

 

 今日は三人での飲みが終わったあとの夜の歓談のお時間である。

 彼との時間を増やしたかったが、お互いに時間が合いにくいので、それならと三人で過ごし始めてからこうなった。

 最初は飲みだけだったが、数回もすればなし崩しである。

 

 ウンウン悩んで出てこなかったので、発想を求めて相談してみたのである。

 

 三人のうちの一人のアビ子先生といえば、ふっとネタが降りてきたみたいで寝転がりながら何かを書いている。

 週刊はあれくらいの瞬発力がないとだめなんだろうか、だめなんだろうな。

 でも、体にホワイトソースが付いている状態で寝転がっていいものだろうか。

 彼女の部屋だから何も言わないけど。

 

「なんかきれいな恋愛ないかしら?」

「きれいな恋愛ですか。う~~ん。基本ドロドロしたのならよく聞きますけど。まあ切り取る角度によっては……」

「う~~ん、それも気になるけど、学生! 学生でない!?」

「ないでもないですけど……」

「へえ?」

 

 **

 

 ここで推しの子と世界を共有している『かぐやさんは告らせたい』を話してしまったのである。

 もちろん、かぐや様も会長も石上くんもこの世界ではナマモノである。

 しかも四宮財閥であるからして、そのまま書けばやばいことにはなる。

 なるが、別にそのまま書かなければいいのである。

 

 とくに恋愛頭脳戦まわりの脳内は正直本人しかわからないこと。

 

 まあ、ネタとして話す分にはいいなと聞いた話ですがと置いた上で語ってみたところ、大受け。

 

 前作主人公の甘口ちゃんや登場人物が学校の先生として登場する形で『辛口ちゃんは告らせたい』が連載スタートすることになったのである。

 

 やっちまったな!! 

 

 




お待たせいたしました。

エタってた作品完結させたりエッな方の続き書いたりしてましたが、本編再開します。
またよろしくおねがいしますね!
キャラのアンケートでかなちゃんの人気はともかく、フリルあかねが結構多くてそうなんだ!?って驚いたり。
あと、燦々と輝く一番星さんにさすがや……と驚いたりしてます。

出番が多いと嬉しいキャラは?

  • 星野アイ
  • 星野ルビー
  • 星野アクア
  • 有馬かな
  • 黒川あかね
  • MEMちょ
  • 寿みなみ
  • 不知火フリル
  • 鮫島アビ子
  • 吉祥寺頼子
  • ツクヨミ
  • かぐや様のキャラ
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