推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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121 かくしてドラマは

 

 今日あまは『かぐや様は告らせたい』の世界で大ヒットした作品だった。

 高校生の生徒会の面々が読んでは涙を大滝になるほど流した作品だ。

 

 その反応といえば様々な漫画でフランダースの犬を見たときのキャラクターレベルに泣けるし恋をしたくなるほどである。

 まじかよ。

 

 だが、実際めちゃくちゃ面白い。

 めっちゃ泣ける。周りも泣いた。

 たぶん全米も泣いた。

 

 これは今日あまが純粋に素晴らしい作品ということもあるが、あるのだが、世界的な補正がかかっている……のではないだろうか。

 ミステリー作品では殺人が大量に起こるように、料理漫画では口にするだけで絶頂する料理が作られるように、芸能界物でもあるこの世界では漫画やドラマが元の世界よりなんだかんだで面白い気がするのだ。

 まあ実際、光もしくは暗く輝く嘘の瞳のように特殊能力じみたスキルがあるくらいなので、皆も違いがわかるのではないだろうか。

 

 そんな世界であるわけなので、こうなるのは当然と言えば当然だった。

 週刊WEB掲載という地獄の週刊作家の仲間入りを果たした吉祥寺先生は『かぐや様は告らせたい』というある意味神に約束されし作品を扱ったこともあり、『辛口ちゃんは告らせたい』は大ヒットした。

 ドラマ化の際に出演オファーはすぐ来た。

 

 まじかよ。

 

 思ってもいなかった配役に依頼が来たときは『先生、贔屓しちゃいましたね、推しちゃいましたね? コネっちゃいましたね?』と思ったが、どうやらそうではないらしい。

 

 まず、俺は前作の今日あまで彼氏役をした男である。

 配役で言えば死んだはずが別人になって出演している形である。

 転生しちゃったのかな? 

 

 まあ、辛口ちゃんは死んだ従兄弟(甘口ちゃんの彼氏)のためにも完璧でありたいと思っており、そんな自分を負かした男にお兄ちゃんとの共通点を見て惚れるという展開なので、共通点どころか同じ人物が演出すればそりゃ共通点も感じるわいといった感じで、そこをうまく使っていると言える。

 当時は年齢より上の役をしていたが、今度は年齢より下の役なので、作品だけを比べればちゃんとイメージも違くなりつつも、ふとしたところで同じ人物さを感じるということで演出になるのではないだろうか。

 

 ただ、遊びはそこだけではなかったようで……

 

「ヒロイン役はフリルか。キャストで遊んでるな、これ」

「私はお姉ちゃんと共演できて嬉しいけどね」

 

 顔合わせで現れたのは不知火フリルである。

 原作と違い、俺の存在もあって今日あまはWEBのネットドラマではなくテレビで放送されている。

 人気の頃にやっていたこともあり、それなりに予算もあり、俺と不知火ころもが出演していたのである。

 それを知っていて、わざわざ妹のフリルを配役しているのだ。

 

 かなちゃんなら作中と同じように『私は役者のリアル情報と板上をリンクさせるのノイズになるから好きじゃないけどね? 基本的に観客が持つ情報ってのは一律に揃えた方が演出は広く刺さるものなのに、プロモ側がそういう意味あるのか分からないチョイ足し好きなのは2世紀前から変わらないのよねぇ』とでも言うだろうか。

 俺個人としては知っている人はより楽しめる仕掛けは面白いと思う。

 実際かなちゃんもまあ、アクアのことでなければ刺さなかったかもしれない。

 

『辛口ちゃんは告らせたい』は死亡エンドに終わった今日あまの感情の波を利用した作品でもあるので、今日あまのドラマ配役を使うことでそのへんの読者の感情をうまく利用しているのだろう。

 

「しかし、会長役というのもくすぐったいな」

 

 石上くんから語られて一方的に尊敬の念をもっているというのもあるが、一読者としては会長役をやることに妙にふわふわする気持ちがある。

 まあ、彼らに楽しんでもらうためにも、推してもらった先生の気持ちに応えるためにも頑張ろう。

 

「ちゅー楽しみだね?」

 

 おい、フリル。

 

 こっちはもう役に入ろうとしているところなんだから揺さぶるのやめろ。

 

 気持ちはもうモンスター童貞(白銀会長)なんだよ!! 

 好きになっちゃうだろ!! 

 

 いい加減にしろ! 

 いい匂いをさせて隣に座るな! 

 席を一つ離せ!! 

 

「あら、お可愛いこと」

「ぐわあああ!」

 

 あまりにもかぐや様を思わせる表情とその言葉に一撃でノックアウトされた。

 脳内にナレーションが流れる。

 

 本日の勝敗 会長(?)の負け

 

 その後実はこっそり撮影していた共演者経由でSNSに投稿され、リアルでもやってるのかと言われる羽目になり、以降その手のからかいがフリルから増えることになった。

 

 なお、自宅で放送を見ているとかなちゃんが『私は配役ないの!?』とプリッとしていたが、もちろんある。

 

 四条眞紀役である。

 負けヒロインじゃないの!! といっていたが、放送されると不憫可愛いととても評判になった。

 

 石上くん役はアクアがやり、石上くん本人はイケメン格差がひどいと嘆いていたが、放送されると『なんだかこいつに共感を覚えてきました』と言っていた。

 

 それは君だよ、石上くん。

 

 

出番が多いと嬉しいキャラは?

  • 星野アイ
  • 星野ルビー
  • 星野アクア
  • 有馬かな
  • 黒川あかね
  • MEMちょ
  • 寿みなみ
  • 不知火フリル
  • 鮫島アビ子
  • 吉祥寺頼子
  • ツクヨミ
  • かぐや様のキャラ
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