推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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125 出産

 

 アクアとルビーが高校生になり、季節が春から夏へと変わる。

 原作ではB小町は復活&新生ライブとしてJIFに参加していたが、こちらでは不参加である。

 仕方がないといえば仕方がない。

 

 B小町はすでに大人気グループである。

 JIFはたくさんの人間が参加できるうえに多くの人が集まるため、認知を一気に広げることができる。

 なにせ、B小町を目的としない人たちも集まってくれるからだ。

 

 しかし、逆に言えばB小町のためのライブ会場ではないということでもある。

 出せるグッズのスペースは殆ど無いし、刺さる人ばかりではなくなる。

 逆にB小町のライブであれば皆がファンか興味をいだいて見に来ている潜在的なファンであり、すべてが刺さる。

 人を呼べるようになったアイドルグループには、そこまで効果が見込めない面もあるのだろう。

 

 せっかくなので見に行ってきた。

 有名になりきってないからこその弾けるパトスや熱い魂の響くソング……もあったのでいい時間だった。

 良い時間ではあったのだが、ちょっとはしゃぎすぎてSNSに『姫川大輝がJIFにいた。誰が推しなんだろう』と投稿されてしまった。

 大したイベントでもないからと帽子を深く被っただけのカッコだったから仕方がないといえば仕方がない。

 

 だが、『へえ~推し作ったんだ? 私以外に?』とルビーちゃんに詰められる羽目になってしまった。

 かなちゃんには誘いなさいよ! と怒られるし、アイには楽しかった? とちょっと羨ましそうに言われた。

 今度は誘うことにしよう。

 

 ともあれ、原作イベントが特に何もなく消費されるうちに大きなイベントが発生した。

 

 アイの出産である。

 

 JIF前にはそろそろという状態だったが、ある日の午前に急に陣痛が来た。

 休みの日だったこともあり、念入りに一般人に変装した上で立ち会わせてもらう。

 生んでから来てくれればいいよとは言われていたし、二度目だから平気だよと言っていたが、その一回目は神に保証された出産でもある。

 未知の今回に不安がないわけではないし、一度目はアイは一人で出産した。

 もちろん周りに医師はいたが、頼りにしていた担当ドクターの雨宮吾郎は死亡して来れなかったわけであるし、心細い出産だったろう。

 

 アクアやルビーも連絡を受けてすぐ駆けつけてくるだろうが、今は俺が一人だったようだ。

 

「んもう、心配性だなあ……」

 

 助産師さんにあれこれと説明は受けるが、いざとなると頭がいっぱいになる。

 舞台でもこんなに混乱したりしたことはないな。

 

「大きく息を吸って?」

 

 とアイに言われて初めて混乱している自分に気づき、大きく一呼吸する。

 冷静さが帰ってきて、そこからは声をかけたり、汗を拭いたりと教えてもらったことをあれこれとする。

 マッサージなんかもすると良いらしいが、少ししたら『んっ♡ ……マッサージはしなくていいや』と言われてしまった。

 なんということだろう。

 出産向きのマッサージを覚えてくるべきだった……。

 

 とまあ、最初こそまごついたが、時間がだんだんと落ち着きを与えてくれる。

 だが、さすがのアイである。

 双子で驚くほど大きなお腹だったのだが、落ち着き出してからすぐにするんと出産してしまった。

 二度目だが、2時間もしていなかっただろう。

 

「よく頑張ったな、アイ。ありがとう」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 助産師さんからアイに渡された双子は生まれてきたことを主張するように強く泣き声を上げていて元気だ。

 自分の血がつながった新しい家族……。

 なぜだろう、不思議と胸がいっぱいだ。

 

「泣いてる……?」

「え、ああ、ごめん、大変だったのはアイなのに」

 

 勝手に涙が流れていた。

 驚いて拭う。

 

「この子達も元気に育ってほしいな」

「そうだね」

 

 疲れながらも微笑むアイはこの世の誰より美しく見える笑顔で子どもたちを見ていた。

 

 **

 

 アイが病室に戻り安静にしているうちにアクアやルビー斎藤夫婦が病院にやって来る。

 時期的にそろそろだろうと身構えてはいても、学校や仕事のあった彼らであるのでむしろ早い登場だったかもしれない。

 

「あ、アイは……」

「もう生まれたよ」

「えっ、そ、そうなんだ、なんか早いんだね……」

「二度目は早い人は早いからな。いきみ始めて10分でするんと生んでしまう人もいるし……まあ、元気で生まれたなら良かった」

 

 生まれた子どもの記念写真は許可されているそうなので、撮らせてもらっている。

 集まってきた彼らに写真を見せると携帯を奪われきゃいきゃいとはしゃいでいる。

 

 なんにせよ、たくさんの人に愛されてこうやって出産の場にアイがいるというのはなんだかよかった、と思う。

 

「……ふたりともかわいいねー。……またすごい名前にならないといいけど」

「双子の命運はお前にかかってる」

 

 二人に……特にアクアから強い目で見られる。

 アクアは……その、アクアにあっていていい名前だと思うよ。

 名前負けしてない。

 

「そうかもな。今となってはアクアって好きだよ。……けど、俺の本名はアクアじゃなくて愛久愛海(アクアマリン)だぞ? アイだってこの名前呼ばねーし、いや、呼ばれたいわけじゃないけど、なあ?」

「そういえばお兄ちゃん愛久愛海だったね。なんかアクアってなってた」

「妹からもこれだぞ」

 

 アイも確かに愛久愛海って呼んだの聞いたことないな。

 原作でも最初の最初の最初しか呼んでなかったような気がする。

 しかもルビーに向かって。

 

 

 ……俺の娘と息子。

 新しい家族を守らなければいけない!! 

 

 

 




ついに出産。

もっと生まれたての赤ちゃんにしようとも思ったのですが、可愛さの天秤でこっちに。
アイ似の髪色、見た目の子供に。

よかったね、パパが大輝だってマスコミにはバレませんよ!

出番が多いと嬉しいキャラは?

  • 星野アイ
  • 星野ルビー
  • 星野アクア
  • 有馬かな
  • 黒川あかね
  • MEMちょ
  • 寿みなみ
  • 不知火フリル
  • 鮫島アビ子
  • 吉祥寺頼子
  • ツクヨミ
  • かぐや様のキャラ
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