アイオとエメが生まれてしばらくすると最初の大騒ぎも落ち着き、赤ん坊がいる生活が各々の一部となりだした。
高校生になり、より人気の向上しているB小町のルビー、役者として人気が出ているアクア。
リアルのアイドルだけではなく、ネット活動にも力を入れていることで、斎藤夫婦も忙しそうである。
そんな中、仕事を休止中のアイは今までの恩を返さんとばかりに”全部任せて! ”と胸を叩いた。
忙しく予定が不定期になりがちな芸能人一家を支えんと立ち上がったのだ!!
立ち上がったのだ!!
「しぬ……」
「わあ、本当に顔色が悪いぞ」
生まれてから数ヶ月が経過し、人より元気いっぱいふくふくと育った子ども達が夜泣きし始めたのである。
徹夜続きで死にそうになっている吉祥寺先生やアビ子先生を思い出す深いクマをこさえていた。
いつもの輝く元アイドルの姿はなく、足が棒になっても前に進まないといけない疲れ切っている旅人のようである。
「おかしいな、おかしいよね。私二度目なのに、全然うまくいかないんだ。これって全部ミヤコさんに任せっきりだったからなのかなあ?」
「いやあ、アクアとルビーの聞き分けが良すぎただけだと思うなあ」
大きな声で元気に泣いている二人を両手に抱えながらふらふらと体を揺らしているアイ。
姉のアイオちゃんを受け取り抱きかかえよしよしと揺らすと次第に大人しくなってくる。
双子だからどっちも変わらない気がするが、女の子が姉で男の子が弟、アクアルビーとは逆である。
「いい子だなー、よしよし」
赤ん坊ながら気の強いようで、彼女の力強い泣き声を聞くと弟のエメが連動して泣くので、まずは彼女を泣き止ませる必要がある。
泣き止んだアイオちゃんをアイに戻して今度はエメを受け取る。
彼女が泣かなくなると、『もういいんだ?』とばかりに急に大人しくなるエメもよしよしと抱きしめて声をかけていると急速に声が小さくなってくる。
泣いてる女の子をあやした経験が生きているのだろうか。
役者としての現場で子役をあやした経験のほうだろうか。
「……ええ~。おかしいなあ、簡単に泣き止んじゃって」
「アイが隣にいてくれるからだよ。でもまあ、睡眠時間足りてないみたいだし、夕方までいれる予定だから誰かが帰ってくるまで寝てなよ」
「ううん…せっかく会えたし色々話したいこともあるけど、確かにもう眠すぎるから寝るね……」
よたよたと寝室に向かうアイを見送る。
重症である。
ここまで元気がないアイは初めて見たような気がするが、逆に言えばそういう姿を見せてくれるくらいには家族の一員になったってことだろうか。
しかし、やっぱりそうか。
二人は転生者ではない、一般の赤ん坊である。
最初の子どもたちであるアクアとルビーはアイドルやりながら妊娠して出産した秘密の子どもである。
それだけに彼らの普通じゃないに助けられることでアイドルやりながら子育てができた。
子育てをしたことのないパパ経験初心者ではあるので、アイより経験があるなんて言えないが、それでもアクアルビーを育てた経験を活かすとだいぶ乖離に悩むことになるだろうな、という不安があった。
なにせ、アクアとルビーは赤ん坊であっても言葉が通じるのだ。
お腹へった、おしっこ、うんこを泣いて伝えてはくるものの、相手の状況を配慮して行動したし、夜はなるべく泣き控える、アクアルビー一緒のタイミングでおしっこやご飯を要求するなど、だいぶ優しく接していたはずである。
それに反してアイオちゃんとエメはどうだろうか。
お腹が空いては泣いて、風が強ければ泣いて、寒ければ泣いて、暑ければ泣いて、おしっこしたら泣いて、うんちしたら泣いて、ママがいなければ泣いて、暗ければ泣いて、泣いて泣いて泣きまくるのだ。
特に双子であることもあり、片方が泣いたときに泣き声を聞いて泣く連鎖が厄介である。
泣き止ませたいのに自分は一人。
これがとても大変。
それが些細な泣く声で連鎖するのだから、そりゃ完璧超人であったアイでもこうなってしまうのも仕方がない。
アイも周りに迷惑をかけないようにと、アクアとルビーを育てた経験を元に一人でやれるよと息巻いていたこともあり、こうである。
仕事の合間になるべく顔を出しているが、夜泣きはこれからまだまだ続く。
夜泣きをしないおとなしい子も多いらしいし、うまくいっているようなら良かったが、このままだとあまり良くなさそうである。
斎藤夫婦やアクア、ルビーちゃんにも相談しておくべきだろう。
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「え、そうだったの?」
「……いや、言われてみれば当たり前だったか。そうだよな、普通の赤ん坊だもんな」
仕事から帰ってきた二人に相談すると驚かれる。
長女で赤ん坊を見てない、転生者な元さりなちゃんには自覚がなかったようだが、色々面倒を見てきたであろう元ゴロー先生には色々通じたようである。
「すまん、母さんがやる気だったし、経験者だったからと任せっぱなしだった。最近忙しかったし、夕食を取るくらいの時間はふたりとも大人しかったしな……」
「確かに、私達って最近忙しかったし、あんまり家にいなかったもんね。でもそんなになの?」
「アイが寝っぱなしで二人が帰ってきても顔出さないくらいには」
「……確かに」
変装だの何だのしているが、自分とアイの関係は公開していないので、バレると困るのである。
たまに来て手を貸す程度はできるが、その程度ではうまく回らないだろう。
根本的な手助けが必要だろう。
「……言っちゃなんだけど、もう少し育てばベビーシッターを雇うこともできる。変な話、俺もアイもお金はあるからな。二人のときは外の手を借りるわけにはいかなかったけど、信用できるところで曜日を決めた利用とかなら問題ないだろうし、アイも自分の時間や休める時間も作れると思う」
「下手に防音性能がいいからな、この家。自分の部屋で寝てると夜泣きの声にも気づかなかった。教えてくれて助かる」
「ずっと一緒に居られるなら良かったんだけどな、どうしても二人の力を借りないといけない。すまないけど──」
「ママも大くんもアイオもエメも家族だから、お願いされることなんかじゃないよ! ……よおし、子守唄歌って私の推しにしちゃおっかな!」
「年の離れた姉がアイドルって大変そうだなーこいつら」
「えー! ラッキーでしょ?」
「はいはい、そうだな」
ぬいぐるみを抱きしめてすやすや寝ているマイペースなエメと、珍しそうに俺の指を握ろうと手を伸ばしてくるアイオちゃんを見つめる。
いい兄姉がいて幸せだな。
「それと、せっかくだし、ベビーグッズを増やしたらどうかと思ってさ。やっぱりどうしても二人だし、負担を減らせるグッズは活用すべきかなって」
「それは賛成だな、ただ、合う合わないがあるし、気合を入れて何でも買うよりは最近だとレンタルもおすすめだ」
アクアのおすすめに、三人でレンタルサイトを見る。
電動のものも多く、見ているだけでもおもしろい。
「この電動のバウンサーなんて便利そうだな」
「ナニコレ? 赤ちゃん用の椅子?」
「赤ちゃんの動きに合わせて自動で揺れてあやしてくれるんだ。ベッドじゃないからずっと寝かせるのには不向きだが、食事を作ったりとかちょっとした時間を作るのには便利なはずだ。……気に入ってくれればだけどな」
「私達こんなの使ってたっけ?」
「まあ、危ないこともしないし、寝返りも自分でするし、何かあれば自分で泣いて知らせるような赤ん坊には必要なかったかもな……」
こうしてワイワイ話しながら候補を考える。
後でアイに伝えてレンタルをしてみるつもりだ。
なんだかちょっと皆でワイワイとあれこれ話している時間を楽しんでいるのはアイに悪いだろうか。
アイとも話したいな、と思いつつももうちょっと寝かせておこうという思いで結局その日はほとんど話をすることはなかったが、翌週また家に行ったときには多くのベビーグッズが並んでおり、アイの顔色もかなり良くなっていた。
未だにアイドル衣装の着られそうな今日のアイは楽しそうに赤ん坊の世話をしている。
「そういえばエメはおっぱい吸ってくれるんだよ!」
飲み物を取りにリビングにやってきていたアクアが口に含んでいた麦茶を吹き出していた。
「アクアってば赤ちゃんのときに飲まなかったし、麦茶の代わりに飲んでおく?」
「飲まない!!」
「もうチャンスないかもよ?」
「いらんっ!!」
逃げるように早足で自室に戻っていくアクア。
推しのセクシーに喜ばなくなったのは息子と母の関係になったからだろうか。
「アクアも反抗期とかくるのかなー?」
「高校生になって来てないなら来ないんじゃない?」
グレるアクアも見てみたいところだ。
アイ「すぴー(鼻提灯)」
今のベビーグッズはハイテクですよね~すごい。
でも肝心の赤ちゃんに気に入ってもらえないケースも。
使用する期間も決まってるしレンタルがあるのもうなづけますよね。
芸能関係者じゃなかったら見守りカメラ導入して、二十四時間赤ちゃんを見てる大輝がいたかもしれない。
出番が多いと嬉しいキャラは?
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星野アイ
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星野ルビー
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星野アクア
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有馬かな
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黒川あかね
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MEMちょ
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寿みなみ
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不知火フリル
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鮫島アビ子
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吉祥寺頼子
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ツクヨミ
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かぐや様のキャラ