推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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130 後輩が20歳になったのなら。

 

「人選これであってる?」

「あってるあってる。まあ、不知火ころもさんともうまく友達付き合いできてたし、それにツンデレ先輩に必要なのは田沼翼さんよりかっこいい男性というか僕の周りに恋人のいない下心なく遊んでくれそうな友達がいなくてさあ。チャラいところもあるけど、人付き合いには真剣っていうか、大学の男紹介するより100倍マシ」

「大学って怖い」

「酒と女とセックスしか考えてないよ」

「いや、んなことないでしょ……」

「もうすぐ大学卒業するのに先輩はなぜそこまでピュアなんですか?」

 

 石上くんは大学三年、もうすぐ就職活動が見えてきたところだが、真紀さんは大学四年で大学生活を味わいきっている時期である。

 ヤリサーだの、遊ぶのが仕事だのというイメージがあるが、高学歴で未練がありそういうことを避け続けていると周りも配慮してくれてそういう感じになるのかもしれない。

 まあ正直言うと不知火ころも含めてかぐや様勢はすこしキャラクターとして見えてしまっているところがある。

 付き合いの深い石上くんは別だが、会長あたりは特にそんな気持ちだ。

 だから可愛いと思っても性欲より推し目のほっこりさを感じるので、そういう意味では悪いチョイスではなかったのかもしれない。

 

 ……変なのに引っかかるとなんだか同人誌的な堕ち方しそうだし。

 

 ギャンギャンあれやこれやと言っているとだんだん気持ちも落ち着いてきたようで、じゃあせっかくだし三人で遊びましょうと案内されたのはゲーム喫茶だった。どちらかといえば石上くんはテレビゲーム、ネットゲーム派閥だと思ったんだけど。

 

「ま~藤原先輩の趣味の影響ではあるけどね。人数いるなら結構面白いよ。麻雀とかは全然合わなくてさ。でもゲーム部なんかだとダラダラ色んなゲームで遊べて結構居心地が良くて……」

「あんた腐った大学生みたいな生活してたのね」

「飲みにゲームに、大学生って感じするなあ」

「花が全く無いけどね」

 

 案内されたボードゲーム喫茶は喫茶ではあるが空間が広くテーブルが特に広い。

 周りにも多くのプレイヤーがおり、どことなくカードゲームショップのような、でもそれよりきれいで落ち着いている雰囲気がある。

 石上くんが持ってきたのは『カタンの開拓者たち』……通称カタンである。

 大航海時代に発見された無人島を複数の入植者たちが開拓していき、もっとも繁栄したプレイヤーが勝利するという内容のボードゲームだ。

 

 最初に六角形のタイルを並べて作るカタン島が舞台となる。

 各タイル(土地)には2〜6・8〜12の数字が割り振られる。

 プレイヤーが手番で振るサイコロ2つの合計と同じ数字の土地から、木材、レンガ(土)、小麦、鉱石(鉄)、羊毛といった土地に対応した資源が産出する。各プレイヤーは産出した資源を使い、街道、開拓地、都市を建設していく。

 開拓の度合いが点数化され、自分の手番時に最初に10点に到達した人が勝利となる。

 

「お、これなら毎ターン資源が手に入る。かなり有利だ」

「この配置なら麦と羊が不足するわね……」

「うーん、出目がいいのか悪いのか」

 

 さすがに秀知院卒の二人である。

 特に石上くんは進め方のバランスがいい。卒がないというか、しっかり計算の上で最高効率を叩いている。

 だが、反面、真紀さんは初手から全員の資源バランスを把握した上で美味しいところに手を出すのが早い。

 おそらく点数のいい都市を建てにいっているようだが……

 俺はというと、ルールを飲み込みきっていない中進めていることもあり、やや遅れを取っている。

 

 **

 

「なあ~んでよォ゙っ!!」

「うーん、いつのまにか負けたなー」

「二人で殴り合ってたからこっそり……ね」

「カタンは資源の計算だけじゃありません。『自分が危険だと思われないこと』も、大きな戦略なんですよ。そういう意味で大輝は良い戦略でしたね」

「あんたが止めに来るからバトルになったんじゃない!」

「目に見える手を止めにいかなきゃ負けですからね」

「しっかり計算しているのにうまくいかないこともあるのが面白いね、これ」

 

 偶然隙間を突いて勝てたが、今度は二人もこっちに目を離さないだろう。

 実際、ここからの数戦は一度も勝つことができなかった。

 油断と慢心がなければ真紀さんは強いようだが、調子に乗って足元を掬われるのは変わらないようで、石上くんとの勝率はトントンといったところだ。

 

 今度は体を動かしましょうという真紀さんに合わせてボウリングをしたりとその日はだいぶ仲良くなることができたと言えるだろう。

 その後、「20歳になったんだからお酒でも一緒に飲まない?」と言われて一緒に飲まなければ良い友達のままであっただろうが、流れのせいで勝手に関係は進んでしまうのだった……。




(間に合えば)来週はあっち更新です

出番が多いと嬉しいキャラは?

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