芸能界は広いようで狭い。
売れている役者は様々な現場に顔を出すし、青春物など似たような作品は似たような条件のメンバーが集められたりするので、子役と絡みやすい年齢の役者とは同じ仕事をすることが多いようだった。
今日の相手もすでに何度も現場を同じくしている売れっ子タレント様だ。
「あ、カナちゃんだ。おはようございます」
「だいき!」
赤ちゃんタレントだったカナちゃん。
撮りたいように自由自在に泣いてくれる彼女は1歳になっても変わらず芸能界に求められている。
感情豊かな彼女は行動的で、あっという間にハイハイを卒業。歩きだしているカナちゃん。
どこか目を引く愛くるしい表情をしている彼女は画面に入れると映えるということで声がかかることも多い。おかげさまで同じ様に売れている俺の名前を覚えてもらうくらいには同じ現場で働いている。
「あ、大輝くん今日の仕事聞いてくるからカナのことお願いね」
「え、はい」
笑顔でキャッキャと抱きついてくるカナちゃんを受け止めた瞬間にこれである。
カナちゃんママはもうすでに監督の方へと早足だ。
もしかしてこういう人に遠慮なく頼るところが原作のカナちゃんに繋がったのだろうか。
しかし、ちっちゃいカナちゃんにはまだ関係ないようで何が楽しいのかお腹に頭をぐしぐしこすりつけてる。
「髪の毛乱れちゃうよ」
「えーやだー」
これが1~2年後に原作ミニカナちゃんになるのだから恐ろしい……。
正直、アクアのことをカントクは早熟と呼んでいたが、二歳であれなカナちゃんも相当じゃないだろうか。
2歳で普通プロ意識身につけちゃう?
ただまあ、あのときですらスタッフに荷物持ちをやらせてたりしていたからな……。たぶん、あなたは役者で偉いんだから周りを使ってやりなさいとか言ったのかも知れない。
承認要求というか娘がチヤホヤされることでそんな娘を持つ自分すごいってことなのかも知れない。
実際、子役の親は普通の親とはどこか違う物があるように感じる。
まあ、正直多少わがままだろうと年下なら可愛いものである。
むしろカナちゃんにならわがまま言われたい。
よちよちと頭を撫でてると撫でられるのに飽きたのかあたまをぶるるんと震わせる。
おっと。
「あきた! げんばみにいこ!」
「ハイハイ」
好奇心旺盛なのはいいことかも知れないが、興味の対象が一瞬で変わるので、急に今やっていることへの熱が覚めるので付き合うとどうにも振り回され勝ちになる。
しかし、もうすぐお互いのシーンでもあるので、見に行くのもいいだろう。
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「ねー、あれなにやってるの?」
「えーあー。キスだよ。パパとママでやるでしょ」
「そーなの?」
主演女優が主演男優の唇を奪っていた。わお。
キスシーンなど家でいくらでも見るが、家庭のキスと他人のキスはちょっと違って見える。彼らの周りにはカメラが見えているのでそう映るのかも知れない。
「だいきもかなとする?」
現場は同じだが今回はお互いに直接の関係性はない役回りである。
「しないねー」
「する!」
「しないよー」
された。
とは言えほっぺたあてであるが。
カナちゃん的にはなんかイタズラが成功したようなでニシシと笑っている。
「カナちゃんは悪女になるねー」
「はあ!? かないい子なんだけど!」
「いい子なら誰彼構わずキスしちゃだめだよー」
「かな、しない」
また不満らしくぶーぶー言っている。
なんとまあわがままなお姫様である。しかし二歳になればアクアと出会って、高校生になっても名前を覚えてるほど執着するのだからなんだか寂しい気持ちもある。
妹に彼氏ができる気分というのはこういうものだろうか。
まあ、相手俺の弟だけども。
「そう。カナちゃんはいい子だね」
「うん、カナいい子」
いいこと頭を撫でるとふんすと有りもしない胸をはるカナちゃんだった。
カナちゃんアイドルグループのリーダーとしてたくさん期待されててめっちゃ大変やな……メムっちょも大変だけども……。(135話)
本誌が大きく動かない掘り下げタイムの15年の嘘が終わらないうちにそれなりの山を終えたくはあります。更新しろって? それはそう……。
アクア=ルビーでアクア=カミキ、ルビー=アイなので、アイ=カミキも成り立ちそう。
二人は異母弟かもしれない。
大輝がゴロー先生に似てる気がするので、ゴロー先生も異母弟かもしれない。
全ては内輪の血縁どろどろ物語だったのだ……!
監督からもらった「おにいちゃんへ」がゴロー先生のものだったみたいな。双子だからかお兄ちゃんって言っていないイメージ。
まあ、現状全部謎なので何もわかんないですけどね!