日々憎悪と殺人計画とアイドルの住所を求めるストーカー計画に目と頭をぐるぐるさせていたが、ずっとそうだと日常生活が破綻する。
鏡を見たときに「何じゃこの目の荒んだショタは!?」となったので切り替えるようにしている。あくまで考えるのは家のそれも鍵をかけた自室でだけだ。
ただ、逆に困ったことになった。
仕事をしていない時間にやることがないのである。
今までは家に帰れば母や父がいくらでも相手をしてくれたが、幼稚園にも通っていない幼児にはやることがない。
かと言って携帯はついエゴサしてしまいそうになる。
かわいそうかわいそうでも親になにかかわいそうかわいそうげいのうじんなんだしうわきとかかわいそうかわいそう
嫌になるばっかりである。
そこで散歩を趣味とすることにした。
近所を歩いては笑顔を振りまくのである。アリバイ作りでもある。
あの子はいつも笑顔で誰にでも優しくてそんなことをする子ではありません、という印象狙いである。
今着ているオレンジのパーカーに合わせて可愛さをあげた少年を演じながらぽやぽや歩いているとお声がかかる。
年上のおねえさんである。
「あ、大輝くんこんにちは。どうしたのこんなところで?」
「散歩してたとこ」
「じゃあそぼ!」
話しかけてきたのは小学四年の少女である。
まだまだ子供も子供であるが、今の自分と比べるとだいぶお姉さんである。
特に小学生くらいだと女児のほうが成長が早く、運動している系ではあるのだが身長差もかなりあって手を引っ張られると敵わない。
年下には何をしてもいいと思ってるんじゃなかろうか。くっそ笑顔で腕を取られた。今日の俺の時間は彼女のものになった。
そんな彼女との出会はしばらく前で、役柄になりきるためにサッカーボールと一緒に生きていたときだった。
あるきながらトントンとリフティングを続けながらも安全歩行を続けていた散歩日和の春。
謎のトレンチコートとサングラスを掛けた全身真っ黒の半沢さんとであった。彼は正体を現した。
変態紳士は幼女を前にゲート・オブ・バビロンをしたのだ。
彼女が悲鳴にならない助けを上げていたので、サッカーボールをシュー! 超エキサイティング! したのである。
男はうずくまり、コヒューコキューと荒く息を吐いていたので、彼女の手を引いて逃げたのだ。そんな過去。
警察を呼ぶ事も考えたがなにせ大人と子供。痛みに耐えられ真剣に襲われれば危ないし、今後はマネージャー抜きの外出もできなくなるかもしれない。
それもあって手を引いて逃げたのだが、それから『私の王子様!!』と呼ばれるようになりひっつかれるようになったのだった。これは名探偵度あがっちゃったかな?
とはいえ、所詮は小学四年生である。
少女漫画で頭を膨らましても所詮は所詮なので、家に連れ込まれて抱きしめられたりほっぺにキスされる程度なので好きにさせている。
ロリコンでもない俺がそんな彼女と友人関係を続けているのにはわけがあった。
彼女の名前は最上
ここでピンときた人はかなり読み込んでいる。
「うちおいでよ。弟もひましてるから!」
「
「そうそう」
そう、子役仲間(と言っても彼はほんの僅かのあいだで業界からは消えた)である最上
世界は狭い。
かつてサッカーをやると役者を辞めた彼に再びサッカーで遊べるとどきわくしたが、今の彼はなんとバスケにハマっていた。
サッカー道はどうした!?
そんな移り気な彼ではあるが、幼稚園に通っている彼は俺と比べるとかなりのたくさんの友人がおり、クソリア充でもある。
同園に彼女が三人いるらしい。
結婚の約束は五人としているらしい。
……算数の法則が乱れる……!?
考えてみると人気役者ではあるが幼稚園に行っておらず同年代の友人は0。
土日にどころか遊ぶ相手はおらず、携帯にも連絡先は大人ばかり。
一番近い年齢の仲良し相手が同じく幼稚園行かない組のかなちゃんくらいである。
俺、非リアだったのかっ!? こんなに人気なのに!?
でも、この輝く勝利くんには負けているのが肌でわかる。
こんなんじゃおれ、げいのうかいやめたくなっちまうよ……!
「よしよし、大輝くんにはメグがいるからねー」
この幼女、隙あらば刷り込んでこようとするのである。
しかしながら、この最上家。家族が多い家庭で遊びに行けば遊ぶものも人も多いのでいくらでも遊べるのである。
愛は長女だが、勝利くんの下には
友情努力勝利とかそういう言葉に弱そうな母親であるなあ……。
「はいはい」
今日はゲームをしよう! ということになり親父やきのこ人間が甲羅を投げつけ合うレースゲームなんかをプレイ。
パーティーゲームは人を呼ばなくてもできるってすごいなって気がする。
「大輝はゲーム弱いなー」
「家にないんだよねー」
「買えばいいのに」
「うーん」
ぱぱんままんともにCMでああいうのやって目が悪くなるらしーねーなんて話していたっけ。
あんまり肯定的な空気もなかったし、父はおそらく役者に目を向けて欲しがっていてあんまり無関係のものは与えないようにしていたし、母もまあ小学生になってからでいいかな? くらいの認識で子供にゲームを与えるという考え自体なさそうだった。
買ってもいいのだが
一人でゲームしてもね~。
「まあ、やりたければうちにくればいいよね!」
「そーする~」
まさかの最上勝利くん再登場(005 赤ちゃんかな?で出演)
大人はともかく子供は幼少期登場キャラ少ないから困っちゃうよね。