推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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003 今何歳? そうねだいたいね

 

 皆が人に見られたくない隠す場所はどこだろうか。

 鍵の付いたロッカー? 隠し細工をした引き出しの中? 

 だが最も簡単で取り出しやすいところといえば……ベッドの下である。

 

 

 

「うわあ……」

 

 

 

 **

 

 

 体が出来上がり始め、ハイハイを覚えた俺の活動範囲は一気に広がった。

『すごいわ、ダイキ!』

 と母からはお褒めの言葉を預かったが、その翌週には部屋中に角ガードや侵入できないようゲートが設置されてしまった。

 お陰で俺は階段を進むことができなくなってしまったのだ。

 

 ……めちゃくちゃしっかりしておる……。

 

 憎らしいゲートをペシペシ。大した高さがないくせに全く進めない。

 俺が猫だったら飛び越えてみせただろうに。

 猫でも飼っていれば延々と遊べたかもしれなかったが、流石に転生者には暇がすぎる。

 

 テレビやアイのDVDを見るという手もあるが、それだってずっと見ていれば暇だ。

 あれこれとかまってくれる母はともかく、家政婦さんは泣かなければ家事が優先だ。

 仕事に出ている今が探索のチャンスである。

 

 部屋中あれこれと歩き回って疲れてクッションの上にぽふりと寝そべっていると家政婦さんが掃除にドアを開ける。

 ガ──と掃除機の音が響き……しばらくのあと部屋を閉じ……切らなかった。

 少しだけ開いている。

 探索のチャンスである。他の部屋を探しに言ったのを見た瞬間にハイハイの行進だ。

 

「おー……しゅみがいい」

 

 お部屋女優なんかもテレビで見た気がするが、他の部屋からなんとなく思ったが個人の部屋は更に整っている。

 趣味が出ているのか他の部屋と違い白くもふもふの毛皮のようなフロアマット。

 小さな人利用のソファーが2つにソファー。

 また、天井にはホームシアターに高そうな音響機器。

 ベージュ系でまとめられているおとなしい部屋。

 テレビに映せる部屋だ。

 

「うーん、ぱそこんでもないかな」

 

 

 実のところ、今一番必要な情報がいまいつかである。

 アイ死亡までの大きな動きは時系列で下記である。

 1、アイのデビュー【介入不可】

 2、ララライへのワークショップ

 3、カミキとの出会い、恋愛

 4、アクアルビーの妊娠

 5、ゴロー殺害

 6、新居移転

 7、アイ殺害

 8、ドーム公演

 

 

 今の時期がわからないとどこに向けて何をすればいいかがわからない。

 

 すでにテレビで見かけた以上、デビューは終わっている。

 とはいえまだ人気という感じではない。

 

 では【2、ララライへのワークショップ】はどうだろうか。

 これまでのアイはどこか情熱の足りない芋娘だったらしい。

 

 とはいえ、さりなちゃん視点では十分アイドルしており、あくまでテレビ以外のオフではそうだ、ということかもしれない。

 

 一度見たアイは世界補正か十分美しくワークショップはすでに終わっているのか終わっていないのか。

 ただあの輝きようなら……終わっている、のだろうか? 

 

 

 うーん。

 

 

「漫画からわかる確定している情報としてはアイの妊娠で16歳のころ……ってことなんだけど」

 

 正直テレビで見たときの年齢の印象を当てにしていいものだろうか。

 

 アイって年取るの?*1 

 

 ゴロー先生に会いに来たアイと死ぬ前のアイで年齢を感じただろうか。

 うーん、アイドルは年を取らない? 

 メムっちょが18歳(25歳)の段階で見た目で年齢を判断していいかは相当悩む。

 

 脳内でアイに何歳と聞くと『それは内緒☆』と返ってきた。そうだな。

 

 部屋ならPCがあるのではないか、と思ったのだが。

 

「いすにのぼれねえ……」

 

 座面を掴んだ瞬間にキャスターがころろと位置を変えて転びそうになる。

 危険だ。最悪上に乗った瞬間に転ぶ。

 

 それに机の上にPCが見えるが、ノートだ。

 それがどういうことかというと、しまっている、ということだ。

 椅子に登りしまっているノートパソコンを開ける。

 

 そんなプロの犯行を行うことができるだだろうか……無理だ。

 せめて立ち上がれるようにならなくては。

 

 諦めた俺はキョロキョロと部屋の中を物色し……。ベッド下にしまわれたボックスをうんしょこどっこいしょと引き出す。

 気分はオオカブを引き抜いたおじいさんだ。

 

「うーん、なんかないかなあ」

 

 宛の外れた俺は探すがガサゴソとストールやらで……いや? 

 服ボックスかと思えばその下には袋があり、その中にはなにか別のものが入っているようだ、

 ガサゴソと中身を見て……。

 

 ……おおう。

 

 そこにはスイッチを入れれば震えるピンク色の卵や何かに吸い付きそうな不思議な曲線の器具、

 親指二本分以上は太さのあるきのこのような棒。

 それに、手錠や鞭、縄などが入っていた。

 このなわはなわとびようかな。えくささーいず

 

「ゆうぐかな……」

 

 整理して見なかったことにした。

 そういう趣味だったのか、母! 生々しいぞ、母! 

 

 

*1
どこからか飛んでくる電波「アイは年を取らない!」




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