幸か不幸か、演技の出来がよかったこともあり、現場ではともかくいうほど一般では姫川大輝が姫川愛梨と上原清十郎の子供であることは伝わっていない。
もちろん「姫川大輝って子役いいわよね」という会話に「姫川大輝ってだれ?」と返せば「姫川愛梨の子供よ~」とは高確率で返ってくるが、心中事件まで記憶を繋げて深掘りされない。
とはいえ、両親をなくした子くらいまでは属性がついていて、たくさんテレビに出てきて演技も上手だけど両親をなくした可哀想な子、というのが現在の姫川大輝の属性となる。つらー!
いちいち会う人会う人にかわいそうな子されるのも、つい会話のなかで出てきて「あっ」みたいな顔をされるのもめんどくさい。
共演者のテンションダウンは出演者の評価になるのだ。
であれば彼らのやる気を上げてこそのプロ! というわけで最近はそういう空気になった場合は「慰めて、おねえさん!」という感じで責めている。
善意に付け込んでいる? 幼女ルビーもやってた程度だよ!
でも、女子高生くらいのお姉さんに抱きしめられるといい匂いもしていいよね。
大学生くらいのお姉さんの場合はちょっと気持ちが高ぶりすぎちゃうしネ!
しかし親をなくした子供って注目されてんだから今のお前を売り込め。笑顔で健気に頑張るお前を応援しないやつはいないだろ。
とか言っちゃう金田一さんはさすが心が欠けたやつが好きなだけはある。
おかげで最近は仕事を選ぶ方である。
元から動ける子役ということで俺がいるから企画が生まれて通る人間だったが、最近は見る側にも人気が影響してきて、姫川大輝が出るから見る層が増えだしているようである。原作の大輝も主役級をバンバンやっていたようであるし、さすがのスペックである。
ちなみにこの状態が何に大きく影響するかというとCMのギャラである。
劇もドラマもある程度ギャラが決まっているが、CMは青天井である。
人気タレントになれば1本で数100万単位で大手のCMなら1000万にもなる。さらに言えばCMには1クール(三ヶ月)契約と年間使用契約があり、当然年間になると費用が上がる。更に年間は2年目も狙える。
一から取っているわけではないので半額とかになるが、それでも積み上がるギャラになる。
原作の姫川大輝も3千万の車をCM三本で買っているというのだから主役をやって当然の男として売れていたに違いない。
なにがいいたいか?
「うわやば、金が唸りを上げてる……」
「すごいですね~。あ、今年から確定申告やらないといけないから注意してくださいね」
「え! 子供もやるの!?」
通帳見てうわーと唸っているとスケジュールを確認に家に来たマネージャーに釘をさされる。
まじかよ。未成年者だぞ。
「子役のギャラって親じゃなくて子供に直接支払われますよね? 所得税法では『所得税を納税する義務を負う』んですよ」
「うげー」
「芸能事務所所属でギャラを給与として出している場合は事務所がやることになりますけどね。大輝くんの場合は個人事業主ですから。まあ、事務所雇用でも2000万超えると申請しなきゃなんですけど」
「めんどくさそー」
「今度信頼できる相手紹介しますから。でも色々覚えてもらうことありますよ」
「はー」
学校で”こくご”と”さんすう”を習う前に納税について勉強することになるのか。すごい社会である。
とはいえ、できるマネージャーはイケてる敏腕弁護士! みたいなイケ女税理士さんを紹介してくれたのでやる気はました。
GWなのでばんばんこうしんしていきますぞ!
……すでに二日目だって? おや?