推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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033 私アイドルに憧れてるんだ!

 

「私アイドルに憧れてるんだよね!」

「ふーん」

「でね、でねっ、今度のシーン近くでやるんでしょー!? B小町もいるんでしょー!?」

「あー、まあそうだね」

「私も見たい!!」

 

 あいどるみたい、アイドル見たいと興奮しながらぴょんぴょん飛び跳ねている幼女。

 おねショタのおねの部分、メグである。

 いや、すでに小学五年生である彼女を幼女としていいものだろうか?

 なに? のび太の一つ上だって? うーん、じゃあしょうがないか……?

 いや、しずかちゃんより一つ上だぞ……?

 

 どうやら少女は高額CM出演者の俺を差し置き、アイドルに夢中らしい。

 特にB小町が推しで、中でもアイがいいらしい。見る目あるじゃーん。

 

 B小町はグループ売り。

 実は何度か一緒に仕事をしているし、大輝くんだかわー! とB小町のメンバーからは可愛がられている。

 なにせ売れっ子ですからね。

 

 B小町みんなのお胸の柔らかさを知っているのは俺くらいに違いないな。ガハハ。

 とはいえ、前の接触で何がどうなったのか、アイからの興味が消えてしまい彼女の視線の中に、いるようないないようなで彼女のお胸のやわらかさは未確認のままだ。

 きっと今後もアクアとルビーだけのものになるに違いない。

 

「う~~ん、まあ、今の現場は普通に見学者も来てるしいいか~?」

 

 今回もドラマで、学生アイドル部の主役の一人が憧れるアイドルとしてB小町が出てきてちょこちょこ出演があるのだ。

 斎藤社長に話を通しておけばまあ、嫌がられはすまい。小さいとはいえ貸しを作ることにはなるが。

 

「ほんと──! やった! チュウしてあげるっ!」

 

 これこれ、アイドルを目指すならキスの安売りはいけないぜ。

 まあ、初チューは弟がされているらしいので二人目らしいが、小学生のちゅーはノーカンかな。

 キスができるようになってから出直したまえ。

 

 **

 

「よー、久しぶりじゃねーか。最近めちゃくちゃ人気出たよなー。あやかりたいぜ」

 

 二カリと笑う斎藤社長はやはり下っ端ヤクザ感がある。

 おかげさまであれほど頭ハッピー感のあるキレの良い踊りを見せながらここまで歩いてきたメグは俺の後ろに隠れてしまった。

 

「おいおい、彼女連れか? いいなあ、若いって」

 

 途端に年みたいなことを言い出した。

 

「芸能事務所の社長ってウハウハなんじゃないの?」

「大手はな! 必死に働かなきゃいけねえしうまい汁吸ってる暇ねえよ」

「斎藤社長はアイドルに手を出したりしなさそうだもんね」

「商品に手を出すバカがいるかよ! そーゆーのもいるけどな。小さい事務所なんて親御さんと面識もあるしなあ、そんな無体なことできねえよ。ま、いいや。絡みは少ないがB小町をよろしく! なんか仕事あればいくらでも相談してくれよ?」

 

 メグ用にB小町のサインをねだったらこれである。

 とはいえ、実は紹介先が全くない訳では無い。

 来季のドラマでこういう役お願いする予定なんだけど、こういうイメージに合う子って知ってる? みたいな雑談が飛んでくることが出てきた。

 そういう時はだいたい子役だが、あのドラマ良かったよね、◯◯さんがイメージ似合うんだけどどう?

 みたいにプッシュできるときもある。

 

 今までは子役で、という制限がついていたが、人気になったことで自分よりは知ってそう、ということで相談が来ている。

 

 もちろん大きい役ではない。

 シーンが短いがキャラが濃い役というのはギャラが低い割には人を選ぶので相談が来るのだ。

 今日あまのストーカー役といえばイメージつくだろうか。

 

「露骨ー! アイなら一人仕事も来そうじゃない?」

「アイか~……。今個人の仕事を取り出すとアイ一人だけが突き抜けちまってグループが潰れそうなんだよな。まとまりかレベルか年齢が上がればアイの個人の仕事が増えても回るようになるんだろうが。俺はB小町で夢が見たいんだよな~」

「一番星がいるアイドルグループも大変だね」

 

 これでもグループに気をつけてはいるらしい。

 それでもいじめは起こるし、空気も悪くなる。

 だいたいがアイを中心に起きるのでなんとかしようとするとアイを贔屓していると不満をもたれる。

 これでもだいぶバランス取ってるんだけどなーとか社長談である。

 

 まあ、おっさんでは中高生女子の集団を完璧になだめさせるなんてそら大変だよね。

 

 アイは美人だ。

 カミキヒカルのもとでファン以外への嘘の吐き方を覚えた彼女はより輝く。

 あらゆるシーンをPV感覚で100%のクオリティを出されると非日常を魅せるアイと日常を見せる出演者でズレがでる。

 最初は敬遠されるだろうが、あの存在感を主役で使ってみたい、という監督は現れる。

 そうすれば周りの見え方も変わっていく。

 

 サラリーマン以下の給料の中、一人一番星としてトップアイドルになる人間を見ればまあ、まとまらなくなるだろう。

 バックダンサーとして生きるのを決めたあとならともかく。

 

「まあな。アクもキャラも強くて面倒がかかる。でもだからこそ育てる楽しみってもんがあるんだよ。駄目な子ほど可愛くてな」

 

 ふっとタバコの息を吐く斎藤社長は駄目っぽい親父の顔をしていた。

 うーん、これはミヤコさんを捕まえられたのは奇跡。

 でもB小町を見る斎藤社長の目は熱く優しいのでそういうところに惹かれる人は惹かれるのかもしれない。

 

 作中で人柄を知っているとはいえ、気を許せるのは彼自身の気のいいところのおかげだろう。

 この人が釣り堀のマダオになるところは見たくないな。

 

 なんだかんだで子ども好きでもあるのか、待っている間にかまってあげたようで、メグとも仲良くなっていた。

 そのせいかやりすぎたらしく、B小町全員のサインをメグ相手にあげる前にあーげたと上に上げてギャン泣きされているところを見てそう思った。

 





B小町からは斎藤社長はアイをびいきしまくり自分たちを全く見てないみたいな扱いでしたが、グループとして売りたいという気持ちは強くて、アイだけを推していたわけではないよなって思います。

映画に出てからのマルチタレントアイはすごかったですしね。

妊娠前のアイも単品でお仕上げてたらもっと売れてるんじゃないかな?という気も?
いや、12歳地下アイドル発で即さりなちゃんに認識されて12歳中に武道館行ってるしね、妊娠出産後もオリコンランキングINしてるしね。

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