何でも屋というのをご存知だろうか。
物語では情報屋なんかも兼任してたりしていて本当になんでもやるが、現実では基本は仕事内容と時間あるいは日数を元に費用を算出するお手伝い屋さんである。
引っ越しの手伝い・庭の掃除や買い出し。
行列に並ぶのを代わったり、なんだったらスマホゲームのレベル上げをしてくれるところもあるとか。
探偵に斎藤ミヤコの調査を頼む際にまず目をつけたのが彼らである。
幼児である自分には手も体もたりない。
だからこそお金で代わってくれる誰かが必要だった。
それが何でも屋である。
何でも屋に代理で探偵に依頼を申し込んでもらい、まずは本命前の調査としてミヤコさんの過去を軽く調査した。
港区女子であったことや過去関わりのあった人間たちや職場、評判や当時の彼女の趣味などいろんなものが報告された。
これらを元に次はシチュエーションを考えることにした。
まず、ミヤコさんが斎藤壱護と結婚していることは事実であり、調べればわかる。
つまり、ここを誤魔化し旦那なのですが、彼女のことが知りたいみたいなことを依頼するとはあ?となる。
であれば逆にそれをうまく活かす方向を考える。
俺が知りたいのはあくまでアイの新居である。
それがどこにあるかさえわかればよい。
何でも屋に次に用意してもらったのは『斎藤姓の人間』だ。
探偵に依頼したのは『従兄弟の斎藤壱護と結婚したミヤコ姉さんに男の影があるようだ。愛人を囲おうとしているんじゃないかという疑惑がある。壱護にも彼女にもバレないように浮気の調査をしてほしい』
これである。
探偵の本職である浮気調査の形で彼女が用意する新居について調査を行う。
これにてアイの新居を暴く。
正直ここまで整えるのに何度も何でも屋や探偵と顔を合わせて依頼をしたが、ようやくである。
ミヤコさんの捨てられた子どもとして『ママ―! 会いたいよー』なんて変装したうえで演じたりもした。
そして、その調査はうまく行った。
探偵からの報告が上がってきたのだ。
セキュリティがそれなりにしっかりしたマンションに部屋を用意していると。
しかも浮気の相手は男女の双子の子持ちであり、ユニクロの地味な女に世話をさせているとのこと。
子どもの見た目から大分顔が良く、見た目からしても斎藤壱護の子供ではない。
笑いが漏れそう。
金髪同士ってことで斎藤社長父親説あるんじゃないかなと思うんだが、あくまで片親がアイであるという前提での話か。(美人パーツは全部アイ前提みたいな)
アイも金髪じゃないし、変装してアイドルオーラをオフにしていればちゃんと街を歩けるようなので、そうなると逆にあの双子の親とも思われない……と。
住所や通いの頻度や時間はなんとなく見えた。
探偵にはあとは斎藤壱護に相談してみるとして依頼を終了する。
これで余計な手出しはなくなる。
変に突っ込みすぎて真実の『アクアとルビーがアイの子供である』ということまでバレては困るし。
マンションは無事特定。
次にどうやって当日現場に入るかだ。
が、これは金があるのだから正攻法に限る。
アイの部屋の一つ上の階の空き室を借りたのだ。
マンション契約の身分証で困りそうになったが、何度も世話になった付き合いの良い何でも屋に半年分の家賃を先渡しをして契約してもらうことになった。
ついに、すべての準備は終わった。
あとはドーム公演の日を待つだけだ。
ひえっ、ストーカーだわ