推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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051 勝ったもん勝ち

 

『人生経験は今後の役者人生の糧になるぞ』

 

 

 そんな金田一さんの言葉をもらって、俺は中学ではなるべく仕事を抑えて学校生活をおくることにした。

 今まで所属してなかった部活にも通うことにした。

 演劇部を選んだのはやっぱり役者が好きだったからか。

 

 ただ学ぶことも多かった。レベルを合わせながら共演者の良さを引き出す。

 名演のコツといえばいいだろうか。

 自分は輝きつつも周りの良さを魅せる。

 

 【姫川大輝がいる】からじゃなくて良い演劇だからと言われるのはもちろん周りの努力もあった。

 青春しているな、という気分が盛り上がってくる。

 

 

 

『色恋も覚えておけ』

 

 

 なんというかこじらせないうちに……みたいな言葉が小さく続いたような気がする。

 折角だしと恋人も何人か作ってみた。

 なにせ公園デートしかできないような金のない中学生達(ライバル)達とは環境が違う。

 言うなれば市場は入れ食い。

 

 竿を垂らせば食いつくいけすのようなものなのだ。

 中学校なんて。

 

 甘酸っぱい青春を味わいたかったのだが、なぜかすぐに肉体関係に発展してしまう。

 

 これが(さが)……! 

 

 なにせこちらは魅せるために体を鍛えている。

 

 ラグビー選手と水泳選手の体つきが違うようにテレビや舞台で映えるための筋肉は視覚に訴える。

 体育の時間のあとにだらしなく服で仰いでいると女性に限らず視線が向けられる。

 わかりづらければ巨乳アイドルと付き合った中学生がいつまでセックスを我慢できるかといえばいいか。

 

 とはいえ、恋人を複数作っているのはこちらの都合。

 頬をひっぱたかれたり殴られたりしたこともあるが、繰り返すうちにうまく付き合う方法がわかってきた。

 複数作っておいて? と思われるが、誠実こそ最強の戦術だ。

 ひとりひとりを大切にすれば自ずとなんとかなるかも、いやどうだろう。

 

 抱いては捨てるような付き合い方じゃなければ意外とうまくいく。

 男子からの評価は相変わらずだが。

 

 いやまあ、節操ないと言われるかもしれないが、中学生になってから性欲がやばいのだ。

 抜いても抜いても勃つし、相手が一人では足りないというものである。

 下手に体力があるせいで抱き潰すような感じになってしまうのだ。

 

 中学一年生は遊んでいる間にあっという間に過ぎてしまい、二年生になったが、二年生というのもなかなかいいポジションだった。

 なにせ、後輩からは先輩と慕われる。

 素直で可愛いのだ。

 このくらいから学内ではちょっと大輝女たらし先輩みたいな噂が流れ始めてもいたが、スポーツ・勉強・部活と学校はなにせ魅せるシーンは多い。

 

 新しく何人かに手を出しては続いたり続かなかったりした。

 この辺で学んだのは女も性欲あるなーってことで、高校に行くからと関係が切れた上級生相手も高校でいい相手がいないということで戻って来る子もいた。

 

 抱くのが上手というのもあるだろう。

 不思議なもので人ごとにポイントが違うので、同じやり方しかしない場合は合う相手をみつけるしかないが、相手の反応を見て変えられるのであれば相手ごとに違った楽しみが見つかるのである。

 恥ずかしがる相手の性感帯を暴き、育てていくのは楽しい。

 

 そんなふうによそから見ると爛れた中学生活を送り始めていたが、その裏で変化も起きていた。

 

 

 B小町だ。

 

 ドームからも人気が更に爆発した彼女たち。

 なんとアイを追うように他のメンバーも一人仕事が増えだしていた。

 

 B小町のアイ以外は名前が知られてないメンバーだったが、それぞれの分野を伸ばしているようだった。

 ドームアイドルということでピンでも通用するようになったらしい。

 ドラマ、モデル、役者、ファッションなどそれぞれ個々の分野で羽ばたいていた。

 そして当然そうなると予定が合わなくなってくる。

 

 本人たちも儲かる仕事に対して今更バックダンサーをしたくない、という気持ちになってくる。

 

 『私はわたしの世界の主役なんだ!』

 

 となればあとは分かりきった話だが、解散へと続く。

 

 どうやらB小町は一年日本中でライブをして最後にドームで解散ライブをするらしい。

 

 よかった……かはわからないが、リョースケを唆したであろうB小町のメンバーの一人はアイのバックダンサーを続けるしかない自分に絶望してアイがいなければアイだけのB小町じゃなくなると思っての行動だったのであろうから、注目を向けられ自分を見てくれるようになったいまならもうアイを狙う理由はなくなっただろう。

 

 むしろ今アイがいなくなればB小町のブランドが落ちるまであるだろうし。

 

 結局誰だったのかはわからない。

 アイがいなければリーダーをやったであろうニノ辺りだろうか。

 

 彼女もまた、唆したことを咎められずに羽ばたいていく。

 うまくやったものである。

 

 





カミキ、リョースケ両名がいなくなり、また、自分も認められ輝いている自覚から目を奪う一番星ではなく、少しずつアイ本人を見るようになり、多少はB小町の仲も改善されたがそれ以上に周りは独り立ちの時だ―!の空気でしょんぼりしつつも満たされてはいるので爆発するほどでもないニノ。

ニノ「なんか消化不良のままアイドル卒業しちゃったなあ……まあ、大人になるか……」
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