推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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058 ゲーム仲間

 

 姫川大輝には趣味がある。

 

 幼少の頃から友達とやってきたことで続いているゲーム趣味である。

 子役としても役者としても売れてしまってあらゆる面で人気になり10円拾って財布に入れただけでなんかネットで話題になるくらいには周りの目が気になるようになってきた昨今、ハマったのはネトゲーだった。

 

 仲間との協力。息があったときの奇跡的な同一感。負けたときの悔しさ。

 様々なしがらみから解放されるゲームは確かな趣味の一つであった。

 

『オフ会せん?』

 

 仲の良いメンバーチャットで言われたのがこれである。

 悩んだ。とにかく悩んだ。

 

 正直に言えばあくまでゲームは現実のしがらみから外しておきたい。

 ここはオアシスである。

 

 だから積極的には参加の意図はださなかった。

 

 しかし他の二人は乗り気だった。

 二人だけが会い、自分だけが会わない。

 それもまたこの心地いい空間が壊れるかもしれない。

 

 まあ、正直二人は男だろう。

 少なくても一人は男かなと思っていたし、もうひとりはよくわからないがジャンルや内容を考えれば確率的に男だろう。

 女性がいて下手に自分のファンだったりすると崩壊確実だが、男なら行けるやろ。

 うん、いけるいける。

 

 そう考えてみると逆に楽しみに思えてきた。

 なにせ悲しいかな、俺の男友達は未だ一名だけである。

 

 その相手も中学生になり恋人たちとセックス解禁でぬちょい間柄になっているようで、友人枠の時間が減ってしまっている。

 自分だってそうだろうと思われるだろうが、カナちゃんはともかく、他の恋人よりは勝利くんとの遊びを優先している。

 

 学校で話す男子がいないわけではないが、やっぱり有名人ということで壁がある。

 普通に過ごす仲ではあるが、友達かといえば首をかしげる。

 

 

 **

 

 

「うわ」

「お、よろー。って大輝くんじゃん。びっくり―」

「え!? 不知火ころも!? 姫川大輝?? え、俺誰!?」

 

 うわあ、石上くんだ!

 

 あのキタローのようなヘアスタイルは間違いない。

 

 相手はなんと【かぐや様は告らせたい*1】の石上くんである。

 

 生徒会長の後輩の男友達って感じで意外に仲が良く慕われているやつである。

 アニメでしか見てないが……う~ん、有名人にあったような気持ちだ。

 

 もう一人は不知火ころもだ。

 現役アイドルに会うとは思わなんだ。

 というかオフ会は危ないだろ。お前アイドルだぞ。

 どうしてこの世界のアイドルは危ないやつばかりなんだ。

 

 ラフなパーカー姿だが、ポケットに手を入れっぱなしである。

 スタンガンでも飛び出てくるんだろうか。

 仕事場であったときと印象が異なり……なんだかハイライトがないな。怖いまである。

 

「あー、知ってるみたいだけど、姫川大輝。子役とか、今は役者やってます」

「い、いしししがみです! あ、ゆうです!」

「いいししがみあゆうくん?」

「石上優だろ。有名人に会えて嬉しいです」

「どこ界隈で!? え、なんで? 芸能界で有名なの!?」

「告らせたい界隈で」

「だれになにを!?」

 

 どうやら付き合いが良く仲良くできそうな男子だった。

 藤原先輩や四宮先輩に巻き込まれては『俺今日は帰ります』となっているイメージの彼だが、今日は逃げずにいてくれるようだ。

 

 しかし……

 

「不知火ころもでーす。石上くんは生徒会界隈では有名人かもね」

「だ、だよね……。え、じゃあ姫川さんはなんで!?」

「生徒会界隈で有名人でした」

「君、中学生じゃん! しかもうち付属じゃないじゃん!!」

 

 素早い切り返しが飛ぶ。

 さすが推しの子と違い、学園ラブコメの世界の人間である。

 まあ、石上くん周りは結構な騒動があった気がするが、それでもお嬢様お坊ちゃまの秀知院。

 チャラ男に騙されてる程度で大事になるほどには治安がいい。

 

「アハハ。チャットどおりなんだ」

「うす、中学三年です。よろしく先輩方。不知火さんと同じ学校ってことは私立秀知院学園ですよね? 名家財閥の子供が複数在籍して財閥の子も通ってるんでしょ? おもしろそうですよねー」

「いやー、生徒会通ってるけど苦労ばっかだよ。芸能界には負けるかもだけど」

「えー、でも、俺的には高校の話のほうがレア度高いですけどね。生徒会とかすげーですし」

「え、そうかな? いやあ、子役のときからドラマで見てるけどいい子だな―」

 

 気を緩めてくれる石上優さんとは別に不知火ころもの方はこちらの事情をそれなりに通じているのかニヤニヤしている。

 こちらは貴重な男子友達をゲットできるかの瀬戸際なのだから邪魔するくらいなら空気を読んでそのまま帰ってくれてもいいぞ!

 アイドルゴーホーム!

 

「なに? 不知火さん」

「私妹いるからころもでいーよ。なんかはしゃいでる感じ珍しいね」

「そうかな」

「楽しそうにお仕事してるって聞いてたけどね。はしゃいだりはしないでしょ? 子供の頃から」

「へえ、そうなんだ。有名人といっぱい会っていたりしそうだけど」

「会うけど、大御所相手とかだとはしゃいでられないですよ。嫌われないようにしなきゃですし。まあ、礼儀正しい子供ってことで好かれることもあれば、子供らしくないって好かれないこともありますからね」

「イメージと違ったとか言われるとめんどくさいよねー」

 

 ころもは結構それ言われてそうな顔している。

 でもそれハイライトオフにしているからだぞ。電気代節約してるのか?

 

 アイドルではなく素(というかオフの姿)で接してくるころもは意外に付き合いやすかった。

 その後、近いからということで石上くん家に移動して二次会だ。

 

 たくさんのゲームが並ぶ中、途端に種類が少なくなるパーティーゲームの一つで殴り合ったり殴られたりと楽しい時間を過ごした。

 

 

 

*1
推しの子とは同じ作者の作品で世界観を共有しているのだ




石上くんが大学生4年生?時、新B小町が映っており(すなわちカナちゃん卒業前)、また、若いかぐや様がカメラマンとしてアイドルとしてあまり年数が経ってないだろうルビーを撮影しているので、推しの子とかぐや様は五年くらいズレとしています。
大輝くんの1つ上と解釈しています。

石上くんと不知火ころもは同じ年なのでふたりとも一つ上ですね。
不知火ころもとフリルは5歳差。映画編の頃にはもうアイドル卒業か女優業やってるかもしれません。

かぐや様関係はそこまで出てこない予定です。
大輝くんの芸能界事情に関われるキャラが少ないのと、フリルを出すためにもころもが出てるという感じですね。

有馬かなの子役ライバルとしてフリルが出てこないことから中学生から芸能界入って(カナちゃんが落ち目のときに)弾けていった感じを想像してます。

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