子役の仕事というのは結構数が多いようだ。
正しくは仕事に呼ばれる子役には仕事が多いようである。
というのもこのへんは子役業界の難しさであるのだが、子役、というのが親が子供の与える”習い事”になっている側面がある。
ピアノ教室、スイミングスクールに通わせるのと同じように子役をやらせる親がいるということだ。
これは業界の要望、親の要望色々なものが噛み合ってのもののようだ。
基本的には小さい子役に演技を望むのは難しい。
おだてたり笑わせたりあの手この手をつかい、シーンに合わせた演技を”させる”のだ。
イメージとしてはアクアが『今日あま』の現場で演技ぶり大根の顔だけモデルだった鳴嶋メルトに『お前傍で見るとブスだなぁ。パソコンで加工しないとこんなもんか』と煽って激高する感情を引き出した。
ちっちゃい子役も同じようなものである。
というわけで、そこまで演技力はこだわってない。捺せればいいのだから。
であれば、演じる役柄を演じられる子役よりは、演じる役柄に近い子役を求めるのは当然のことだ。
かわいい子、かっこいい子、太ってる子、痩せてる子。
100人を演じられる子役より、100人所属している子役事務所に声をかければいいのである。
そんな需要にあっている『我が子に芸能人になって欲しい!』 という夢を持つ親である。
彼らは子役のギャラというよりは芸能界の一員になることを求めている。
親は事務所に年会費や訓練費、オーディション参加費など諸々の費用を払って所属【させてもらう】のだ。
なので、事務所は会社員と違い毎月の給料なんて払わないでいいし、多くのバリエーションの子役を紹介できるのだ。
無論、出費だけの子役ばかりではないが、『売れるまではそんなものですよ』なんて言われ続ける親子もそれなりにいることであろう。
「あ、ダイキ! またオマエといっしょかよ」
「あ、勝利くん。この間ぶり」
最上
現場ごとにいる子役の顔ぶれの異なることが多い中、何度となく顔を合わせる子である。
彼はなんといっても美形である。
金髪の猫っぽい美少年だ。最初は可愛い子だなーと思ってみてたのだが、『んだよみんなよ!』とお口ワルワルである。
自慢ではないが父に鍛えられ、母に日々整えられている俺の容貌はかなりのものだ。
だが目の前の相手もかなりのものなのである。
1歳アクア……ほどではないにせよ皆にチヤホヤされる同士なのだ。
そんな彼からはライバル視をされている。
サッカーで遊ぶシーンの前にどこぞの少年名探偵バリのリフティングを見せたせいかもしれないし、その後『俺はもっとできる!』と言い出したが数回しかできずこっちをギリリと睨んだところからかもしれないけれどライバル認定されてしまったのだ。
「なにみてんだよ」
「あ、ほらあれ。赤ちゃんがいる。見てこようかなって」
「はー? まじかよ。ガキがいるとかきょうのげんばめんどくせー」
ぷりぷりしている彼を置いて赤ん坊を連れたお母さんのところに行く。
今日の現場では赤ちゃんのシーンがいくつかあったのでそれだろう。
「おはようございます。姫川大輝です。今日はよろしくお願いします。その子が今日出演する赤ちゃんですか?」
「ええそうよ。かなって言うの。仲良くしてあげてね」
自分とことなり、生まれて程ない本物の赤ちゃんである。
赤ん坊子役である。
お~と思っていると母親に抱かれた赤ん坊はパチリと瞳を開きこちらを見ると「あ~だーうー」と手を伸ばしだした。
「おー、手を握られちゃった」
なんと手を差し出すときゅっと握り返してきたのである。
ただそれだけだが、何が面白いのかキャッキャと笑いだしている。
自分もこんな時があったのだろうか。想像もできない。
同い年の
失礼な話だが赤ん坊ってちょっとお猿さんみたいだなぁ。かわいいのに。
「あら、お兄さんのこと気に入っちゃったの?」
「カナくん気に入ってくれたの?」
「かなは女の子よ」
「あ、ごめんなさい」
赤ん坊のよだれかけがピンクと言うよりはレッドであったこともあり、なんとなく男の子かと思っていた。
「あのう、お母さんのお名前は?」
「あらやだ、ごめんなさいねー。有馬マナよ。有馬カナと一緒によろしくね。大輝くん」
この赤ん坊、カナか!
赤ん坊かな~? ちがうかな~? とかなちゃんを掛け合わせたというネタだったのだ!!
……タイトル見たらわかる? そう……。
年齢差がある赤ん坊原作転生だとヒロインと赤ん坊のころにであう、ありますね!
でも赤ん坊だと重曹レロレロしてくれない……