推しの子の異母兄   作:もこもこ@

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088 後輩はいいぞう

 

石上優は手ひどく人に裏切られた経験があり、信じられる人間以外信じない!といったメンタルに陥ったこともある。

それでも今うまく生きていけるのは尊敬する人たちのおかげであろう。

秀知院を生徒会として卒業した石上はいま大学生になっていた。

 

大学生になって思ったのは……人間関係が非常に楽だということだ。

所属しているサークルでダラダラ話して、興味のある授業に出て、ゲームをして。

なんというか、高校にあったクラス内でうまくやらないといけない狭さがないのだ。

一人暮らしをしていることもあり、簡単に自堕落生活になる。

 

お陰で伊井野ミコからダラダラするなと週一で叱られているが、それでも楽しい大学生活だ。

高校からの付き合いは意外に大学が違っても継続していて、例えば藤原先輩とはちょくちょく声をかけられるし、ツンデレ先輩とは行きたい甘味の店に連れて行く相手として声をかけられる。

会話はなぜか不憫な愚痴話が多いが、相変わらずな人だ。

 

まあ、なんと言っていいかわからないが、石上の生活は大学になって充実していた。

 

「午前だけだし出席取らないから今日は休みにしよっと」

 

そう決めてしまえばそれで行けてしまう大学生活は楽ちんである。

サークルのメンバーに同じ授業を取っている人がいるから今度ノートを見せてもらおう。

彼とはいくつか授業が同じなのでその分彼が出ないときのを見せてあげればいいだろう。

 

「お、大輝くんINしてる」

 

今ハマっているゲームを開始すればそこには大輝くんがいた。

ゲーム仲間では割と同じゲームをやっているが何故か芸能人が多いので、プレイ時間は割と不定期である。

大学生になり時間が自由になったことで合わせて一緒にプレイすることも増えた。

この後輩は不思議と自分を慕ってくれている。

生徒会として多くの人間に関わってきたが、彼ほど純粋にこちらを尊敬するというか、いいものとして見てくれる後輩はおらず、妙にむず痒いその視線はだけど心地よくもある。

 

「あれ、その子初めての相手だね」

「あ、石上先輩! そうですね。あんまゲームやらないやつなんですが、あんま遊んでこなかったやつなので色々やらせてみてます」

「コン(^^) AIダヨ☆」

「コン。新規プレイヤーは大歓迎。俺も一緒にいいかな?」

「ヨシキタ☆」

 

デフォから髪色くらいしか変えてなさそうな没個性なキャラだが、一緒に遊んでみると中々見込みがある。

ミリ単位で調整しているんじゃないかってくらい正確な射撃と動き。

フェイントも簡単に見きって相手を撃ち抜く力がある。

ただ、経験が浅いせいか、わりと相手の狙いを見抜くのはヘタで集団で狙われると弱いようだ。

 

(動きも助言に対する反応も素直。いい子だからって感じか。後輩の芸能人なのかな)

 

「イヤー石上パイセンスゴイネー☆」

「AIさんも。AIみたいに正確。慣れればランクもサクサク上がりそうだね」

「ホメラレチャッタ☆」

 

カタカナなのはキャラ付けなのだろうか。

ちょっと読みづらいが、ゲームを楽しむためのRP(ロールプレイ)は許容する方である。

なにより、これほど楽しんでいるっていうのがわかるだけで十分である。

 

「イヤア、ミンナデゲーム楽シイネー☆」

 

なぜだろうか、直接あったらあの不知火ころものようにこちらをからかいまくってくる姿が浮かぶが、ゲーム仲間としてはとてもいい相手のようだった。

 

 

**

 

「いやー、ゲームも面白いね!」

「楽しそうで良かった」

 

コントローラーを片手にニッコリしているアイ。

不思議……でもないが、彼女はあまり遊びを知らない。

小学生の低学年の頃は母子家庭で困窮しており、捨てられてからは孤児院生活。

中学生からはアイドル生活でひたすら上り詰めている間に母親になって。

 

「今日何食べた?」

「好きな本は?」

「遊びに行くならどこに行くの?」

「何も食べてない」

「それは内緒」

 

彼女は何を聞かれてものらりくらり。

でも、本当に彼女には答えるべき中身がなかった。

子どもができて美味しいご飯を食べさせたいと思うようになったから様々な料理をするようになったけれど、それも自分が食べたいからではない。

 

だから、愛を探す彼女に俺は一緒に楽しむことを教えてみようと思ったのだ。

遠回りのようだけど。

 

楽しそうに笑う彼女に嘘は感じなかった。




石上くん大学生に。コメントでアイと絡める話がでてて面白そうだなーと思ってw
アクルビ14歳前後で石上くん卒業済みでかぐや様と推しの子は結構絡ませるのが難しい年齢差があるよねー。
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