ぼっちちゃんの彼氏はバスケ部エース   作:リーグロード

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執筆が上手くいった。とりま投稿!


お気づきだろうか?このアー写に写っているものを!?

 

「こ、こんにちは……」

「あれ、遅かったわね、後藤さん。てっきり私よりも先に学校を出たと思ったんだけど?」

 

 ライブハウスに入ると、既に来ていた喜多ちゃんが私を見つけて声をかける。

 

「えっと、来る途中に、変な人に捕まっちゃって、それで遅れました」

「えっ!?それって大丈夫なの?何か変なことされてない?」

「あっ、はい。女の人でしたし、変って言っても道端で泣いていただけですし」

「それって本当に大丈夫なの?」

 

 随分と心配そうに駆け寄ってくる喜多ちゃんを宥めながら、練習の準備に入る。

 

「ねえ、後藤さん。私ついにFコードマスターできたのよ!!」

「わっ、わぁ~!やりましたね、喜多ちゃん!これでそれなりに演奏が出来ます!」

 

 喜多ちゃんにギターを教え始めてから、まだ日が浅いが既に彼女はギターコードを一通り覚え始めていた。

 

 最初の頃は喜多ちゃんの分からないの次元が違い過ぎて頭を抱えたりもしたが、こうして紛いなりにも生徒とも言える彼女が上達するのは素直に嬉しいものであり、自身の苦労が報われた気がする。

 

「ねぇ今日、早速先輩達と合わせてみない?」

「あ、いいですね!リョウさんも虹夏ちゃんも喜多ちゃんの成長を喜んでくれるでしょうし、いい案だと思います!!」

 

 善は急げとばかしに店の手伝いをしている2人に相談すると、「おお!いいね!!」と虹夏ちゃんは親指をグッと立てて賛同してくれた。

 けれど、リョウさんはというと……。

 

「ごめん、今日はちょっと演奏無理っぽい」

 

 明らかに調子の悪そうな顔をしてぐったりとしていた。

 

「あ~、そういえばリョウってばお昼に雑草を食べてお腹壊してたんだ」

「ええ~!?だ、大丈夫なんですか?」

「ふふ、安心するといい。こんな危機的状況、私は何度も乗り越えてきた実績がある……」

「いや、それって何度も雑草を食って腹壊したことじゃん!」

 

 リョウさんは虹夏ちゃんのツッコミを受けながら喜多ちゃんに介抱されている。

 とりあえず、今のリョウさんの状態でみんな揃って演奏は無理そうなので、喜多ちゃんのギター上達具合のお披露目はまた後日に持ち越しとなった。

 

「ん~、折角喜多ちゃんの上達したギターを聞けないのは残念だけど、今はその話は置いといて、これからみんなでアー写を撮りたいと思います!」

「いっ、いきなりですね……」

「いや~、4人全員が暇な時って中々ないじゃん。それに、本当はこの前のライブ前に撮っておきたかったんだけど、思ったよりも時間が無かったからね」

「うっ……!」

 

 ライブ当日になって怖くなってしまい、喜多ちゃんに連行される形で連れられたせいで、ライブ前に充分な時間がとれなかった。

 つまり、原因は私にあるということに……。

 

「ご、ご、ごめんなさい!私がグズってたせいで、時間が無くなってしまって!」

「あ~、大丈夫大丈夫!アー写なんて今すぐ必要って訳じゃないし、ぼっちちゃんがそこまで気にする必要はないよ!」

 

 落ち込む私を慰めてくれる虹夏ちゃん。本当に優しくて涙が出そうだ。

 その後、アー写の必要性や撮影場所などの定番を上げて撮影に出掛けることになった。

 

「というわけで、今日は屋外でアーティスト写真を撮ることに決定!」

 

 虹夏ちゃんを先頭に私たちはアー写に相応しい絶好のスポットを探す旅に出る。

 下北沢の色々な場所を巡って何枚か撮影してみるが、どれも結束バンドのイメージや方向性を表せているものにはならず、撮影は難航を極めた。

 

「う~ん、思ったよりも難しいなぁ~」

「これは思った以上に苦戦するかも」

 

 虹夏ちゃんや喜多ちゃんが頭を捻っている。

 正直、こういった陽キャの得意分野は私にとって一番苦手とする分野であり、私は蚊帳の外となってしまっている。

 横を見ればリョウさんも同じように蚊帳の外といった感じだが、勘違いしてはいけない。あれは参加出来ないのではなく、敢えて参加しない孤高の人スタンスであり、参加しろと言われれば普通に混ざって意見とか言えることの出来る人種の人だ。

 

「それにしても喜多ちゃんはどの写真でも可愛いねぇ」

「そんな事ないですよ~。ただイソスタに写真をよくあげてるので慣れてるだけですし」

 

 ほらっと見せてくれたスマホの中には喜多ちゃんの友達と一緒に写ったキラキラした写真がフォルダーを埋め尽くさんばかりに並んでいる。

 

ヴェッ

 

 女子高校生のキラキラオーラに圧倒されて倒れてしまう。

 っが、地面に倒れ込むまでいかず、ギリギリ膝を屈する程度で踏みとどまる。

 

「青春コンプレックスが発動したけど、なんとか瀕死で耐えました……」

「ぼっちちゃん!?瀕死は充分にアウトだよ!?」

 

 私が膝から崩れ落ちると、慌てて虹夏ちゃんが駆け寄ってくる。

 

 ううっ……、やっぱり私には陽キャの空気は毒だった。これが友達の写真ではなく、彼氏彼女の写真ならばもっと耐えられただろうに!

 って、あれ?普通は逆なんじゃ?こういった場合、彼氏との甘々な写真とかを見て崩れ落ちるのが相場な筈なんだけれども。

 えっ、もしかして私ってなにか可笑しい?

 そもそも、女子高校生でのカースト争いじゃ友達とかじゃなくて彼氏とかでマウントを取るのが普通……。

 ならば、この場で唯一の彼氏持ちの私がこのグループにおけるカーストトップということでは!?

 

「ふふ……、そう私がトップ、カーストの頂点に立つ女……」

「キャ──ッ!!後藤さんが変な事を言ってるわ!」

「いつもこんなもんだよ。でも、なんかムカつくことを口走ってるから黙らせようか」

 

 ムニ~っとひとりの柔らかい頬っぺたを摘まんでこねくり回される。

 

「ふぉ、ふぉんひゃひゅひょーふひはへん!」

「はい、これでぼっちちゃんのお仕置きも終わり!」

「う~、酷い目に遭いました……」

 

 解放された頬っぺたをさすりながら、涙目で立ち上がる。

 

「ねえ、ぼっちちゃんはイソスタ始めないの?」

「えっ、えっと……」

 

 私が言い淀んでいるうちに、虹夏ちゃんがイソスタのプレゼンを始めてくるが、陰キャの私にとってそんな陽のオーラを放つアプリに手を染めるなんてハードルが高すぎて無理。

 そもそも、バンドで人気者になろうとしている拗らせ人間の上に、ネット上で見栄で虚勢を張っている私がそんなものに手を出した日には……。

 

 がぁおぉぉぉぉ!!!

 

 生まれてしまう……!承認欲求のモンスター……!!それも、ただの承認欲求なだけじゃない。

 彼氏を利用しての噓の甘々イチャイチャなストーリーを上げることで承認欲求を満たそうとする超特大地雷級モンスター……!!

 そんなものがもし誕生した暁には……。

 

『えっと、最近のぼっちちゃんのイソスタがキツイっていうか……』

『ぼっちのイソスタ見たけど、正直言って見るに堪えない』

『最近の後藤さん、彼氏自慢ばかりでもう無理なの……』

 

 こんな風になって、そのままバンドは解散の危機にっ!?

 だ……ダメだぁ!!そんなことになってしまったら、私のバンドマンの青春が終わってしまうぅ!!

 

「あっあっあっ、あの、本当にそういうのは大丈夫なんで。バンドマンなら正々堂々自分の力で勝負っていうか、その……」

「ぼっちが何考えてんのか容易に想像できて草www」

「こら、リョウ!そういうのは思っていても口には出さないの!!」

 

 リョウさんの失言に虹夏ちゃんが注意を促す。

 本当もう帰りたい。でも、それだとこうしてまた4人集まれる日じゃないとアー写撮れないし、今度こそ迷惑掛けてアー写を撮れなくなったら申し訳ない。

 そんな既にボロボロのメンタルを無理矢理補強しながら立ち上がる。

 とはいえ、未だに結束バンドらしいアー写が撮れる場所を見つけれてはいない。

 

「あ~、それにしてもアー写どうしよっかなぁ」

「あっ、ならジャンプとかどうですか?絵になるし、なんかエモいって感じじゃないですか」

「有識者が言っていた……。OPでジャンプするアニメは神アニメ……。すなわち、アー写でジャンプするバンドは神バンド」

 

 ということで、何故かアー写はジャンプする瞬間を撮ることに決定した。

 けれど、ジャンプなんて記憶にないくらいしていない。

 

「じゃあ、とりあえずジャンプして撮ってみるね!3、2、1……」

 

 虹夏ちゃんの掛け声と共に全員がジャンプして写真を撮る。

 

「「「「あっ」」」」

 

 掛け声と同時に全員上手く跳べていたから綺麗に写っているだろうと確認すると、写った内容を見て全員が硬直する。

 そこには、ひとりだけスカートがめくり上がり履いてあるパンツがモロに見えてしまっている。

 これがただのパンツならば笑い話で済んだだろう。しかし、後藤ひとりという女は常にネガティブに未来を考える傾向がある。

 鬼龍院零士という彼氏をゲットしたひとりは、いつ何があっても大丈夫なように勝負下着というものを既に購入している。

 更に面倒なことにひとりは身だしなみにはかなりズボラであり、買った勝負下着も万が一という可能性を考慮してデートの際に履いていると、だんだんと普段着としても着用していってしまい、今日はタイミングの悪いことにその勝負下着を装着している状態だった。

 

「こ……これは……」

「ハ……ハレンチだわ!!」

「まさか、ぼっちちゃんがこんな過激なものを履いてるだなんて!?」

 

 三者三様の反応をみせるが、肝心のひとりはというと……。

 

「こ……殺してください……」

 

 もう死にたいと涙目になっている。っというより、もう顔面どころか体全体の骨格そのものが人間の範疇が抜け出そうとしていた。

 そんなひとりの様子に3人は慌てふためきながらも、蘇生作業に取り掛かり、なんとか人間の範疇に戻すことに成功する。

 

「あ~~~~…………」

「もうぼっちちゃんは使い物にならないね」

「アー写どうしましょうか?」

「私にいい考えがある。ぼっちをここの壁に立たせて……こうやって……」

 

 パシャ!

 

 生気を失ったひとりを中心に、死んだ表情のJK4人のアー写が完成した。

 

「って、これじゃバンドのアー写じゃなくて、お通夜みたいじゃない!!」

 

 結局、その日はアー写は完成せずに、各自解散の流れとなって終了した。

 

 




ぼっちちゃんの下着がどんなのだったかは読者の想像にお任せします。
スケスケか紐かTなのか?果たしてこの下着の再登場する機会はあるのだろうか?
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