ハルが引っ越した翌年の夏、今年もまた、花火大会が行われる。
ユイとまた一緒に花火を見ると約束したハルは、夏休み、あの街に帰ってきていた。
「雨かぁ…」
あいにくにも、天気予報は雨模様。
すでに小雨が降り始めている。
車に乗りながら、せっかくの花火大会の日がすっきりしない天気になりそうなことを少し残念に思う。
とはいえ、ユイに久しぶりに会えることを思うと、自然と笑みがこぼれた。
前にユイと会ったのは冬休み。あの時は引っ越してから初めての再会で、お互い会えたこと自体の感動が大きく、ある意味それで満足していたが、今回はもっと色々話をしたいとハルは思った。
「ユイ〜、いる?」
街に着くと、ハルは真っ先にユイの神社に行った。
「あっ、ハルだ! 久しぶり〜」
「久しぶり!」
ユイはハルに呼ばれると姿を見せ、
二人は、再開を喜ぶ。ハルは相変わらず普通の人間と変わらないような見た目のユイの姿に改めて安心する。
「とりあえず行こっか!」
「うん!」
ハルが到着したのは夕方。
もうすぐ花火大会が始まる。
二人は急いで去年一緒に花火を見たあの場所に向かった。
到着すると、二人は腰を下ろし、話し始める。
「ハル、引っ越してから友達はできた?」
「うん!」
「何人くらい?」
「仲がいいのは4人くらいかな~」
「ふぅーん…」
それを聞いたユイは嬉しそうにしながらも、どことなく不安げな表情に見えた。
「…あ、ユイは、」
パーン
ハルがユイに話しかけようとしたとき、遮るように一発目の花火が打ち上がった。
二人はそれを目で追う。
「…綺麗だね」
「うん」
パーン
「ユイは、今どうしてる?」
「うーん、ちょっと寂しい時もあるけど、お参りに来てくれる人はたくさんいるし、けっこう楽しくしてるよ!」
花火で言葉が途切れ途切れになりながらも、お互い相槌を打ち、二人は話を続けた。
一緒に花火を見るために来たのに、気づけばハルの目には花火ではなくユイばかりが映っていた。
話すのが楽しくて、花火が煩く感じる。
「ねぇ、ハル」
「なに?」
「これからもずっと、わたしと友達でいてくれる?」
それを聞いたハルは、ゆっくりユイに抱きつき、答える。
「当たり前だよ。
絶対、ずっと、友達だよ、ユイ…」
「ハル、ありがとう…」
そう言ったユイは、涙を堪えるようにしながら空を見上げた。
見上げた先では、小雨が降る夜空を彩る花が、辺り一面を染めていた。
二人は、この景色と一緒に、ずっと友達でいるという約束を記憶に刻み込んだ。
ここまで読み進め、この文章を読んでくれている方々、本当にありがとうございます。
二次創作の投稿は初めてでしたが、何とか完結させられました。
自己満足で書いたものですが、一人でもここまで読んでくれた方がいらっしゃればとても嬉しいです。
ありがとうございました。
完結しましたが、補足などはまた上げたいと思います