かいご・ざ・ロック   作:男の娘って良いよね

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第四話 初バイトと男の娘

「ひとりちゃん、早く入ろうよ」

「でっでも!」

「チケットの販売は5時からですよ」

 

入口でごねているひとりちゃんをどうにか中に入れようとしていると、後ろから話しかけられた。

 

「まだ準備中なんで」

 

振り向くと金髪のお姉さんが立っていた。

あの頭のドリトス、虹夏ちゃんの家族か。

虹夏ちゃんとはだいぶ雰囲気違うな。

 

「あっうぇ……いったん……おちおちおち……おっ落ち着いて……?」

「お前が落ち着け」

「ひとりちゃん落ち着いて、顔がやばいことになってるから。あ、僕たちバイトにしにきました」

「新しいバイト? あー、虹夏がいってたな。取り敢えず中に入れ」

 

ひとりちゃんが苦手なタイプだ。

目つきが鋭いからひとりちゃん完全に怖がってる。

 

「あたしここの店長だから、よろしく」

「よっ、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします!」

 

ああ、店長さんだったか。

 

「あれ? お前ダンボール入って演奏してたギターの子じゃん……マンゴー仮面だっけ」

 

なにそれ。

ひとりちゃんそんな風に呼ばれてたんだ。

 

「ままままマンゴー仮面です!」

「そんな名前じゃないでしょ! お姉ちゃんも適当なあだ名付けないでよ~」

 

ひとりちゃんが新しいあだ名に喜んでいると、虹夏ちゃんが来てツッコんだ。

ぼっちちゃんもマンゴー仮面とそんなに変わらないと思う。

 

「虹夏ちゃんのお姉様!?」

「ほら、」

「そ、そうでした……」

 

ひとりちゃんさては話聞いてなかったな?

多分自分の世界に入ってたんだろう。

 

「そういう訳だから怖がらなくても大丈夫だよ〜。ねっ! お姉ちゃん」

「ここでは店長ってよべ。あと仕事に私情を挟むな」

「ひぃ!?」

 

ひとりちゃんが怯えてガタガタと震える。

 

店長さん見た目は怖いけど、そこまで怯えなくてもいいのに。

ひとりちゃんはやっぱり怖がりだなぁ。

 

「もう、怖がらせないでよ〜。ぼっちちゃん、理斗くん。頑張ろうね!」

「あっはい」

「はーい」

「まて、理斗……くん? そ、その子……男なのか?」

「うん! そうだよ〜。男の娘ってやつだね」

「マジか……悪い、てっきり男装してるのかと……そうか……男なのか……メイド服似合うと思ったのに……さすがに着せれないか……

 

店長さんが信じられないといった顔でこちらを見てくる。

 

ん? 最後なんて言った?

聞き間違いじゃなければメイド服って言ってたよね。

あれ、もしかして男じゃなかったらメイド服着せられてた?

 

「じゃあ仕事しよっか〜。このテーブル片して、それが終わったら拭き掃除……あれ? ぼっちちゃんどこ?」

「ひとりちゃん? どこ行っちゃったんだろう……」

 

リョウちゃんがテーブルの下を指差す。

僕と虹夏ちゃんがテーブルの下を覗いてみると、ひとりちゃんが体育座りで休んでいた。

 

「す、すみません。暗くて狭いところで一息つきたくて……」

「一息つくの早っ!」

 

一瞬で視界から消えたと思ったらそんなところにいたんだ。

こういう時だけ俊敏だね。

 

「よし! 掃除終わり! ぼっちちゃん、理斗くん、ドリンクと受付どっちがいい?」

「あっ、わ、私ドリンクで」

「じゃあ僕は受付で」

「おっけー! じゃあぼっちちゃんは私が教えるから理斗くんはリョウに教えて貰ってね!」

 

受付かぁ。

よし! 頑張るぞ!

 

「リョウちゃん、よろしく~」

「私が教えてしんぜよう」

 

リョウちゃんの説明が始まった。

受付や後片付けなど、淡々と仕事内容を説明していく。

 

「―――だいたいこんなかんじ」

「受付自体はそこまで難しくなさそうだね」

「うん、でも後片付けは大変だよ。重いし」

「力なら自信あるから任せてよ」

 

力なら誰にも負けないよ!

 

「期待してる、ぜひ頑張って私をサボらせてほしい」

 

リョウちゃんも働くんだよ?

サボろうとしないで。

 

「理斗は普段何してる?」

「あー……色々やってるよ。最近はゲームとアニメ、それから料理とか、音楽関係だと一応ベースをしたことはあるよ」

「ベーシストだったんだ」

「小学生のころ少しやってただけだよ」

 

小4の時だっけな。

一年間ほぼ休憩取らずにやってたなぁ。

あのベースどこにやったっけ。

 

「…………僕、今まで何かに本気で取り組んだことが無くてさ」

 

趣味のほとんどは暇を潰したり、寂しさを紛らわせるためにしてただけだった。

ずっと続けていたから技術だけはあるけど、楽しいと思ったこともなかった。

 

「でも、初めてのライブハウスで、結束バンドの演奏を聴いて、楽しそうに演奏してるのが伝わってきて、初めて心の底から楽しいって、本気で応援したいって思えたんだ」

 

だから僕はたとえどんなことがあろうとも結束バンドのファンであり続ける。

望まれる限りいくらでもサポートをする。 

 

「だからさ、次のライブも楽しみにしておくね」 

「……期待してて」

 

 

 


 

 

その後、店長に受付を代わってもらい、何事もなく無事に終えられた。

結局リョウちゃんは片付けサボって僕一人でやったけど。

あと店長がツンデレだと判明した。

まあ確かに何時も無愛想だけど受付代わってライブ見るように言ったりして優しいし身内に甘そうだもんね。

 

ひとりちゃん、頑張ってたな。

最初はあんなにバイトを嫌がってたのに。

最後は目を合わせて、歪だけど笑顔で接客出来てた。

 

「あれ? ひとりちゃん顔赤くない?」

「ホントだね〜ぼっちちゃん大丈夫?」

「あ、はい。大丈夫で――くしゅんっ!」

 

………………

 

「ぼっちちゃん……ちょっとおでこ触るね……」

 

虹夏ちゃんがひとりちゃんのおでこに触り熱がないか確かめる。

 

「虹夏ちゃん……」

「うん、ぼっちちゃん風邪ひいてるね」

 

そっかぁ、風邪ひいてるかぁ。

ひとりちゃん今日頑張ったもんね。

疲れが出たのかな?

 

「親に来てもら……いや、電車で片道二時間だっけ、時間かかり過ぎるなぁ。なら……僕が送ってくよ」

 

大体十分ぐらいで着くかな?

いや、あんまりスピード出し過ぎるとまずいか。

 

「家どこか教えてくれる?」

「あっ、えっと、ここです」

「オッケー、ここね。じゃあひとりちゃんちょっと持ち上げるね」

「えっゔぇ!? あっ、えっ、あえっ!?」

 

ひとりちゃんを抱きかかえおんぶする。

 

「あっ、かっ顔がっ、近っ」

 

あっやばいかも。

ひとりちゃんの胸が当たって、あっ大きい、じゃなくて、急がないと。

 

「それじゃ、ありがとうございました!」

「えっ? あっ、ちょっと!」

 

地面を蹴り上げ空高く跳び上がり、そのまま空気を蹴って、高速で移動する。

ワンピ◯スの月歩だ。

中学の時に試してみたら六式再現出来るようになった。

 

「理斗くんが空を飛んでる!?」

「月歩の使い手だったか……」

「あいつヤベーな」




主人公をどれだけヤバい奴にしてもぼっちちゃんよりましだからセーフ
ぼっちちゃんは正真正銘の人外だけど理斗くんは人外スペックなだけで人外ではないから

理斗くんを結束バンドに入れる?

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